(一社)日本印刷産業連合会(日印産連、金子眞吾会長)は、このほど「印刷業界におけるデジタル印刷に関するアンケート調査(2019年 デジタル印刷市場の現状)」の調査結果をホームページで公開した。
同調査は、2010年より実施しているもの。これまで毎年3月に「デジタル印刷の現状と展望」に関する調査報告会を開催し、アンケート調査結果の報告を行ってきたが、今年は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、開催を中止している。
今回の調査では、日印産連会員企業およびJAGAT会員企業の中から抽出した713社にアンケート調査を依頼し、内213社が回答している。
同調査によると全回答企業の84.0%(179社)がデジタル印刷機を保有し、保有台数の合計は655台であった。印刷方式別では、トナー(粉体)が371台、トナー(液体)が28台、大判インクジェットが186台、高速インクジェット(枚葉)が17台、高速インクジェット(連帳)が26台、インクジェット(オフセット機等搭載)が3台、シール・ラベルが24台であった。大判インクジェットは、前年度の246台から大幅減、シール・ラベルは、前年度の8台から大幅増となっている。
保有企業で台数未回答の企業を除いて計算すると1社平均の保有台数は3.88台であった。また、1社での最多保有台数は33台で、その内訳はトナー機20台、インクジェット機13台であった。
また、デジタル印刷の売上上位の受注品目の順位は、1位が事務用印刷、2位がDM、3位が報告書、論文、議事録等となっていた。
受注1件あたりの平均ロットは、500枚以下が全体の57.2%で小ロット中心という傾向に変わりがない一方で、平均ロットが10,000枚超という回答も12.0%(前年は8.5%)あり、データプリントやDMを中心とした大ロットデジタルという市場が存在していることが明らかになった。
また、デジタル印刷の顧客への訴求ポイントとしては「極小ロット対応」(72.0%)、「短納期」(69.0%)の二つが突出しており、小ロット・短納期の訴求が強いという傾向は例年通りであった。また、「1枚1枚内容を変えた印刷ができる」は54.8%であり、前年度(47.3%)から7.5ポイント増えており、今後の動向が注目される。
デジタル印刷がオフセット印刷やグラビア印刷など従来方式よりも有利な点として、オペレーターが確保しやすいを上げる企業が多くみられ、昨今の深刻な人手不足も相まって、前年度よりも6.9ポイント増の46.9%がメリットとして挙げている。また「収益性が高い」という回答も前年から大幅に増加していことから、デジタル印刷は、小ロットで1件あたりの受注金額が安くて儲からないという定説が変わりつつあることが今回の調査で判明した。
なお、同報告書は、日印産連ホームページからダウンロードできる。
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