キーワードで検索

  • トップ>
  • ニュース>
  • ミューラー・マルティニ、ミューラー会長が来日 - デジタル生産の重...

ミューラー・マルティニ、ミューラー会長が来日 - デジタル生産の重要性語る

「デジタル製本システムは、我々が重視する主要なイノベーション」

2022年4月25日ニュース

 3年ぶりに来日し、(株)アイワードの「製本システムのスマート化」公開に立ち会ったミューラー・マルティニジャパン(株)のルドルフ・ミューラー会長が、世界の印刷製本産業および自社の状況についてスピーチした。

ルドルフ・ミューラー会長

 まず、コロナ禍の影響について「2020年第1四半期は、機械販売、スペアパーツ、サービス事業が大幅に落ち込んだ。とくに渡航の制限はサービスに影響を及ぼし、新台の納入にも若干の遅れが生じた」と説明。パンデミックの影響緩和のための受注調整も実施したという。

 このパンデミックに加え、世界的なサプライチェーンの問題、とくに半導体を備えたコンポーネントと制御システムの不足、また世界的なインフレの急激な上昇という問題に対しては「必要で有効な対策を実施してきた自信がある」としている。

 一方、出版市場については「世界的に前向きな勢いに驚いている。コロナの影響を受けて家で読書をする人々が増え、印刷された本の需要が高まっている」との認識を示した。2021年の米国で印刷された本の販売数は2019年より約20%増加。日本でもこの傾向が見られ、2021年に印刷された書籍本の販売数は前年より2・1%増加している。結果として、とくに米国とヨーロッパでは労働力不足と紙の供給コスト増大という新たな課題に直面しているという。

 また、タイトルごとに作成される印刷部数が大幅に減少するという書籍市場の構造的変化に対し、ミューラー会長は「デジタル印刷による効率化がさらに重要になってきた」との見方を示している。

 ミューラー・マルティニ社の戦略において、スマートファクトリーとフィニッシング4.0の開発・発展がさらに重要になっている。これは、「市場の構造的変化に対応するためには生産が完全に自動化され、製本の生産プロセス全体を通してネットワーク化されなければならない」ということ。「目標は単一のタイトルの100部と実質的に同じ速度で、製造過程への人の介入なしに、100の個別の本の製本を行うデジタル製本システムである。これは、我々が重視する主要なイノベーションのひとつだ」(ミューラー会長)

 最後にミューラー会長は、「厳しい状況の中でも皆様と同じように、我々は『印刷の未来』を信じている。我々はスイスに本社を置いているが、とくに日本市場の要望に応えていきたいと考えている」と語った。

最新ニュース

screen_kyotogeidai_gekkeikan_tn.jpg

SCREEN、京都芸大・月桂冠と産学連携 - 学生デザインラベルの日本酒商品化

2025年10月8日

 京都市立芸術大学(以下「京都芸大」)、月桂冠(株)、(株)SCREENグラフィックソリューションズ(以下「SCREEN」)の3者は、産学連携による共同プロジェクトを実施し、京都芸大・...全文を読む

33mimaki251001_tn.jpg

ミマキ、OGBS2025で昇華転写用IJプリンタ「TS200」を国内初披露

2025年10月2日

 (株)ミマキエンジニアリング(本社/長野県東御市、池田和明社長)は、9月30日と10月1日に東京・池袋のサンシャインシティにおいて開催されたオーダーグッズビジネスショー(OGBS)2...全文を読む

swissQ251001_tn.jpg

swissQprint Japan、VIPオープンハウスウィーク-10月28日〜31日

2025年10月1日

 swissQprint Japan(株)(本社/横浜市港北区新横浜3-2-6、アドリアーノ・グット社長)は、顧客の要望に応え、最新世代のフラットベッドプリンタを紹介するオープンハウス...全文を読む

swissQ250922_tn.jpg

swissQprintスペイン、バルセロナ市内のより広い施設へ移転

2025年10月1日

 swissQprintスペインは7年間の堅調な成長を経て、顧客へのサービス向上とチームに必要なスペースの確保のため、バルセロナ市内のより広い施設に移転した。  新しい施設は2階建てで...全文を読む

mimaki_ts200-1600_tn.jpg

ミマキ、使いやすさと表現力を両立した昇華転写用IJプリンタ発表

2025年9月30日

 (株)ミマキエンジニアリング(本社/長野県東御市、池田和明社長)は、昇華転写用インクジェットプリンタ「TS200-1600(以下「TS200」)」を発表し、9月23日からイギリス・バ...全文を読む

新着トピックス

higuchi_jetpress_25_tn-1.jpg

樋口印刷所(大阪)、下請け100%のJet Pressビジネスとは

2025年10月8日ケーススタディ

 「刷り技術集団」として下請けに徹する(有)樋口印刷所(大阪市東住吉区桑津、樋口裕規社長)は、コロナ禍にあった2021年12月、富士フイルムの商業印刷向け枚葉インクジェットデジタルプレ...全文を読む

daikho_truepress _label_350uv_sai_lm_tn.jpg

ダイコウラベル、新市場への進出に貢献〜デジタルの強みで顧客メリットを創出

2025年10月7日ケーススタディ

 化粧品・コスメパッケージ印刷サービスを得意とする大光印刷(株)(京都府京都市、中村一紀社長)のグループ会社として化粧品・医療品業界向けラベルの製造・販売を担っている(株)ダイコウラベ...全文を読む

mimaki_ujv300dtf-75_ij25_tn.jpg

ミマキ、UV-DTF市場に参入〜プリント形状の課題を解決

2025年10月1日製品・テクノロジー

 産業⽤インクジェットプリンタ、カッティングプロッタ、3Dプリンタを手掛ける(株)ミマキエンジニアリング(本社/長野県東御市、池田和明社長)は今年4月、同社初のUV-DTF(UV硬化式...全文を読む

ミューラー・マルティニ、ミューラー会長が来日 - デジタル生産の重要性語る

「デジタル製本システムは、我々が重視する主要なイノベーション」

2022年4月25日ニュース

  • twitter
  • facebook
  • line

 3年ぶりに来日し、(株)アイワードの「製本システムのスマート化」公開に立ち会ったミューラー・マルティニジャパン(株)のルドルフ・ミューラー会長が、世界の印刷製本産業および自社の状況についてスピーチした。

ルドルフ・ミューラー会長

 まず、コロナ禍の影響について「2020年第1四半期は、機械販売、スペアパーツ、サービス事業が大幅に落ち込んだ。とくに渡航の制限はサービスに影響を及ぼし、新台の納入にも若干の遅れが生じた」と説明。パンデミックの影響緩和のための受注調整も実施したという。

 このパンデミックに加え、世界的なサプライチェーンの問題、とくに半導体を備えたコンポーネントと制御システムの不足、また世界的なインフレの急激な上昇という問題に対しては「必要で有効な対策を実施してきた自信がある」としている。

 一方、出版市場については「世界的に前向きな勢いに驚いている。コロナの影響を受けて家で読書をする人々が増え、印刷された本の需要が高まっている」との認識を示した。2021年の米国で印刷された本の販売数は2019年より約20%増加。日本でもこの傾向が見られ、2021年に印刷された書籍本の販売数は前年より2・1%増加している。結果として、とくに米国とヨーロッパでは労働力不足と紙の供給コスト増大という新たな課題に直面しているという。

 また、タイトルごとに作成される印刷部数が大幅に減少するという書籍市場の構造的変化に対し、ミューラー会長は「デジタル印刷による効率化がさらに重要になってきた」との見方を示している。

 ミューラー・マルティニ社の戦略において、スマートファクトリーとフィニッシング4.0の開発・発展がさらに重要になっている。これは、「市場の構造的変化に対応するためには生産が完全に自動化され、製本の生産プロセス全体を通してネットワーク化されなければならない」ということ。「目標は単一のタイトルの100部と実質的に同じ速度で、製造過程への人の介入なしに、100の個別の本の製本を行うデジタル製本システムである。これは、我々が重視する主要なイノベーションのひとつだ」(ミューラー会長)

 最後にミューラー会長は、「厳しい状況の中でも皆様と同じように、我々は『印刷の未来』を信じている。我々はスイスに本社を置いているが、とくに日本市場の要望に応えていきたいと考えている」と語った。

新着ニュース

新着トピックス

PAGE TOP