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共進ペイパー&パッケージ、JetPress×PaperOneでパッケージの高付加価値化追求

2017年11月25日ケーススタディ

 (株)共進ペイパー&パッケージ(本社/神戸市中央区、鍛治川清司社長)は、関東工場で稼働する厚紙対応B2デジタル印刷機「JetPress720S」と紙器パッケージ向けレーザーダイカッター「PaperOne5000」により、高品質なパッケージを短納期・低コストで生産する体制を構築している。同設備を活用して運営する通販サービス「ハコプレ」は現在、グローバル展開に向けて準備を進めており、今年中には韓国版を開始する。さらに2018年からは極小ロットを対象にした関連サイト「サンプルパッケージ.com」を立ち上げる計画だ。来年はこの他にも数種類の新サイト立ち上げを計画しており、2020年には通販サービスで売上20億円を目指す。鍛治川 常務
 同社は1948年に紙卸業として創業。現在は印刷紙器や段ボールなどトータルにパッケージを手掛ける企業として、国内6工場、タイに2工場を有しており、年商60億円、従業員230名の企業に成長している。
 パッケージの通販サービスも他社に先駆けて展開。2013年4月に紙箱・貼箱などの小ロットパッケージ専門「ハコプレ」を開設したことを皮切りに、現在はBtoC向けの通販「世界にひとつの箱」、小売店や飲食店にメニューやポスター・POPなどを提供する「ポップレ」、紙袋専門の小ロット・超短納期・超低価格サービス「ハコプレ紙袋」など4つの通販サービスを運営し、多様化するユーザーニーズに対応している。そして、これらの通販サービスを生産面から支えているのが、厚紙対応B2デジタル印刷機「JetPress720S」と紙器パッケージ向けレーザーダイカッター「PaperOne」である。
 同社・ハコプレ事業部長の鍛治川和広常務取締役は、「JetPress720Sにより、サイズだけで言えば受注の90%をデジタル印刷でカバーできるようになった。また、小ロットから大ロットまでのパッケージの展開図を、さらにハイクオリティに生産できるようになった」と話しており、今後もJetPress720Sで差別化を図りながらパッケージ業界の先駆を走り続けていく考えだ。
JetPress720S

通販サービス「ハコプレ」の利便性さらに向上

 また、世界初号機として導入したイタリアSEI社のレーザーダイカッター「PaperOne5000」は、最大2,500シート/時の加工速度を実現する。B2サイズ対応のため、「JetPress720S」で出力してからの加工が可能。高出力300WのCO2レーザーヘッドをダブルで搭載しているため、コゲのない高品質なカットを実現する。また、パッケージに不可欠な罫線加工も、独自の機構により通常木型で抜くのと同等の仕上がりが可能となっている。
 通販サービス「ハコプレ」では、利便性を追求することをサービス開始からのコンセプトとしていたが、「PaperOne5000」により、利便性をさらに向上させることが可能になった。鍛治川常務は「これまでは木型の制約により、3営業日が納期の限界であったが、PaperOneの導入により、1営業日での発送も可能になった。パッケージの1営業日での発送という社会的ニーズは少ないかもしれないが、それも理論上は可能であることを公表することで、通常納期での信頼性が増すものと考えている」と、劇的な納期短縮の実現が可能になったことに自信を示している。
レーザーダイカッター「PaperOne5000」

2018年から極小ロットを対象にした「サンプルパッケージ.com」開設

 同社は2018年から、通販サービス「ハコプレ」の関連サイトとして、極小ロットのパッケージを対象にした新サイト「サンプルパッケージ.com」を開設する計画で、準備を進めている。
 鍛治川常務は新サイト開設の目的について、「モックアップサンプルの専用サイトとして開設する。現状のハコプレでは、5個〜20個程度でも木型でやるという前提で計算されるため3〜4万円するが、新サイトでは木型を使わずにPaperOneでやることを前提に計算するため、1万5,000円前後で提供することが可能になる。1〜100個までのドロップ率は以外と高く、この原因は価格であると考えている。これらの需要の取りこぼしをなくしていきたい」と話す。「サンプルパッケージ.com」は、極小ロットパッケージのサイズ・形状・印刷のすべてを自由に編集することができ、「ハコプレ」と連動しており、ユーザーのコスト最適化を図ることができる。
 今後の抱負として鍛治川常務は「法人注文を拡大させながら、2020年には通販サービスで売上20億円を目指したい」と話しており、2018年に立ち上げる数種類の通販サービスを実現するための新設備の導入もすでに決定しているようだ。同社は「JetPress720S」と「PaperOne5000」を最大限に活用しながら、パッケージの総合企業として、さらに高付加価値なパッケージ生産を追求していく。

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 (株)共進ペイパー&パッケージ(本社/神戸市中央区、鍛治川清司社長)は、関東工場で稼働する厚紙対応B2デジタル印刷機「JetPress720S」と紙器パッケージ向けレーザーダイカッター「PaperOne5000」により、高品質なパッケージを短納期・低コストで生産する体制を構築している。同設備を活用して運営する通販サービス「ハコプレ」は現在、グローバル展開に向けて準備を進めており、今年中には韓国版を開始する。さらに2018年からは極小ロットを対象にした関連サイト「サンプルパッケージ.com」を立ち上げる計画だ。来年はこの他にも数種類の新サイト立ち上げを計画しており、2020年には通販サービスで売上20億円を目指す。鍛治川 常務
 同社は1948年に紙卸業として創業。現在は印刷紙器や段ボールなどトータルにパッケージを手掛ける企業として、国内6工場、タイに2工場を有しており、年商60億円、従業員230名の企業に成長している。
 パッケージの通販サービスも他社に先駆けて展開。2013年4月に紙箱・貼箱などの小ロットパッケージ専門「ハコプレ」を開設したことを皮切りに、現在はBtoC向けの通販「世界にひとつの箱」、小売店や飲食店にメニューやポスター・POPなどを提供する「ポップレ」、紙袋専門の小ロット・超短納期・超低価格サービス「ハコプレ紙袋」など4つの通販サービスを運営し、多様化するユーザーニーズに対応している。そして、これらの通販サービスを生産面から支えているのが、厚紙対応B2デジタル印刷機「JetPress720S」と紙器パッケージ向けレーザーダイカッター「PaperOne」である。
 同社・ハコプレ事業部長の鍛治川和広常務取締役は、「JetPress720Sにより、サイズだけで言えば受注の90%をデジタル印刷でカバーできるようになった。また、小ロットから大ロットまでのパッケージの展開図を、さらにハイクオリティに生産できるようになった」と話しており、今後もJetPress720Sで差別化を図りながらパッケージ業界の先駆を走り続けていく考えだ。
JetPress720S

通販サービス「ハコプレ」の利便性さらに向上

 また、世界初号機として導入したイタリアSEI社のレーザーダイカッター「PaperOne5000」は、最大2,500シート/時の加工速度を実現する。B2サイズ対応のため、「JetPress720S」で出力してからの加工が可能。高出力300WのCO2レーザーヘッドをダブルで搭載しているため、コゲのない高品質なカットを実現する。また、パッケージに不可欠な罫線加工も、独自の機構により通常木型で抜くのと同等の仕上がりが可能となっている。
 通販サービス「ハコプレ」では、利便性を追求することをサービス開始からのコンセプトとしていたが、「PaperOne5000」により、利便性をさらに向上させることが可能になった。鍛治川常務は「これまでは木型の制約により、3営業日が納期の限界であったが、PaperOneの導入により、1営業日での発送も可能になった。パッケージの1営業日での発送という社会的ニーズは少ないかもしれないが、それも理論上は可能であることを公表することで、通常納期での信頼性が増すものと考えている」と、劇的な納期短縮の実現が可能になったことに自信を示している。
レーザーダイカッター「PaperOne5000」

2018年から極小ロットを対象にした「サンプルパッケージ.com」開設

 同社は2018年から、通販サービス「ハコプレ」の関連サイトとして、極小ロットのパッケージを対象にした新サイト「サンプルパッケージ.com」を開設する計画で、準備を進めている。
 鍛治川常務は新サイト開設の目的について、「モックアップサンプルの専用サイトとして開設する。現状のハコプレでは、5個〜20個程度でも木型でやるという前提で計算されるため3〜4万円するが、新サイトでは木型を使わずにPaperOneでやることを前提に計算するため、1万5,000円前後で提供することが可能になる。1〜100個までのドロップ率は以外と高く、この原因は価格であると考えている。これらの需要の取りこぼしをなくしていきたい」と話す。「サンプルパッケージ.com」は、極小ロットパッケージのサイズ・形状・印刷のすべてを自由に編集することができ、「ハコプレ」と連動しており、ユーザーのコスト最適化を図ることができる。
 今後の抱負として鍛治川常務は「法人注文を拡大させながら、2020年には通販サービスで売上20億円を目指したい」と話しており、2018年に立ち上げる数種類の通販サービスを実現するための新設備の導入もすでに決定しているようだ。同社は「JetPress720S」と「PaperOne5000」を最大限に活用しながら、パッケージの総合企業として、さらに高付加価値なパッケージ生産を追求していく。

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