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連載|より包装材料の印刷の理解を深めるために - 4

伸びるデジタル印刷と包装分野への参入

2018年8月7日スペシャリスト

一般社団法人PODi

一般社団法人PODi

1996年に米国で誕生した世界最大のデジタル印刷推進団体。印刷会社800社、ベンダー50社以上が参加し、デジタル印刷を活用した成功事例をはじめ、多くの情報を会員向けに公開している。また、WhatTheyThinkをはじめDMAなどの海外の団体と提携し、その主要なニュースを日本語版で配信している。

http://www.podi.or.jp

 多くの包装形態があります。世界の包装の大部分は、これらの形態のいずれか、あるいは少し改良した形態を使用しており、すべてが印刷対象です。今回は、食品の主要な包装形態について説明します。


軟包装で多用されるピロー包装

 枕に似ているためだが、世界では「センターシール(center seal)」と呼ばれ、巻き取り供給され、筒状にシールし、底部(端面)をヒートシールして、内容物を入れ、トップをシールする。最も採用が多い包装形態である。印刷ビジネス対象としては、受注すべき包装形態である。縦型あるいは横型ピロー包装充填機で充填シールされる。ヒートシールが多いが、超音波シールされる場合もある。菓子類、スナック類、ラーメン類、冷凍食品、医薬品・化粧品のの外装など多くの商品の包装に使用されている。

三方シール

 三方シール製袋機でパウチが製造され、充填シールされる多くの製品の包装に利用されている。ジッパー付き(チャック付き)も易開封・再封の面で多用されている。

 フィルムを2つ折りして合わせた三方をシールして袋にする三方シール包装がある。包装機としては横型機と縦型機がある。縦シールで袋状にしてから中身を充填し、横シールにより密封する。即席ラーメンのスープなど小袋が代表的である。

深絞り成型

 深絞り包装機は2種類のフラット(シート)フィルムを使用し、容器のような形状の包装する機械で、ボトム材(底材)を金型に合わせて成形して容器状にする。その成形部分に内容物を入れた後、トップ材(フタ材)でフタをするように真空、熱圧着を行う。焼き卵、カットハム・ソーセージ類、チーズ、焼魚など以外に、類似の技術でPVCシートを成型する医薬品用PTP(ブリスターパック)がある。

 易開封性や再封性の蓋材が使用されている。

 ボトム材には、絞った時に伸びやすい厚手の無延伸フィルムが適性が良く、その中でも共押出しフィルムが多用されている。
 トップ材は延伸・無延伸フィルムどちらも使用され、印刷ビジネスの対象である。


次回はこの続きを説明します。


住本技術士事務所 所長 住本充弘氏(すみもと みつひろ)
技術士(経営工学)、包装管理士((社)日本包装技術協会認定)
日本包装コンサルタント協会会員・理事
技術士包装物流グループ会員・理事
日本包装学会会員

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伸びるデジタル印刷と包装分野への参入

2018年8月7日スペシャリスト

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1996年に米国で誕生した世界最大のデジタル印刷推進団体。印刷会社800社、ベンダー50社以上が参加し、デジタル印刷を活用した成功事例をはじめ、多くの情報を会員向けに公開している。また、WhatTheyThinkをはじめDMAなどの海外の団体と提携し、その主要なニュースを日本語版で配信している。

http://www.podi.or.jp

 多くの包装形態があります。世界の包装の大部分は、これらの形態のいずれか、あるいは少し改良した形態を使用しており、すべてが印刷対象です。今回は、食品の主要な包装形態について説明します。


軟包装で多用されるピロー包装

 枕に似ているためだが、世界では「センターシール(center seal)」と呼ばれ、巻き取り供給され、筒状にシールし、底部(端面)をヒートシールして、内容物を入れ、トップをシールする。最も採用が多い包装形態である。印刷ビジネス対象としては、受注すべき包装形態である。縦型あるいは横型ピロー包装充填機で充填シールされる。ヒートシールが多いが、超音波シールされる場合もある。菓子類、スナック類、ラーメン類、冷凍食品、医薬品・化粧品のの外装など多くの商品の包装に使用されている。

三方シール

 三方シール製袋機でパウチが製造され、充填シールされる多くの製品の包装に利用されている。ジッパー付き(チャック付き)も易開封・再封の面で多用されている。

 フィルムを2つ折りして合わせた三方をシールして袋にする三方シール包装がある。包装機としては横型機と縦型機がある。縦シールで袋状にしてから中身を充填し、横シールにより密封する。即席ラーメンのスープなど小袋が代表的である。

深絞り成型

 深絞り包装機は2種類のフラット(シート)フィルムを使用し、容器のような形状の包装する機械で、ボトム材(底材)を金型に合わせて成形して容器状にする。その成形部分に内容物を入れた後、トップ材(フタ材)でフタをするように真空、熱圧着を行う。焼き卵、カットハム・ソーセージ類、チーズ、焼魚など以外に、類似の技術でPVCシートを成型する医薬品用PTP(ブリスターパック)がある。

 易開封性や再封性の蓋材が使用されている。

 ボトム材には、絞った時に伸びやすい厚手の無延伸フィルムが適性が良く、その中でも共押出しフィルムが多用されている。
 トップ材は延伸・無延伸フィルムどちらも使用され、印刷ビジネスの対象である。


次回はこの続きを説明します。


住本技術士事務所 所長 住本充弘氏(すみもと みつひろ)
技術士(経営工学)、包装管理士((社)日本包装技術協会認定)
日本包装コンサルタント協会会員・理事
技術士包装物流グループ会員・理事
日本包装学会会員

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