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ダイコウラベル、新市場への進出に貢献〜デジタルの強みで顧客メリットを創出

UVインクジェットラベル印刷システム「Truepress LABEL 350UV SAI LM」導入事例

2025年10月7日ケーススタディ

UVインクジェットならではの特性を発揮

 「Truepress LABEL 350UV SAIシリーズ」は、世界で累計200台以上の出荷実績を誇るUVインクジェットデジタルラベル印刷機。同機は、高品質かつ高速出力で、顧客からのラベルアプリケーションへの厳しい要求に応える。また、「Truepress LABEL 350UV SAI LM」は低臭気インクの採用により食品をはじめとする衛生面に配慮したラベルの生産が可能。インクは、CMYK4色に加え、ホワイト、オレンジを搭載している。

 同社では現在、既設のデジタル印刷機と「Truepress LABEL 350UV SAI LM」の2台のデジタル印刷機と、オフセットなどの印刷方式の異なる複数の印刷機で生産を行っている。デジタル印刷機の使い分けの基準は、生産性が求められるジョブについては、「Truepress LABEL 350UV SAI LM」を使用。さらに高品質やツヤ感など、高級感のある仕上がりが求められるジョブなどにも使用しているという。
印刷サンプル
 「当初、UVインク特有のツヤ感については、お客様に受け入れてもらえるか不安だったが、逆に好印象を得ることもあった。現在では、当社の付加価値提供の手段として受注活動に貢献してくれている。また、擦ったときの耐摩性など、UV機ならではの優位性も発揮してくれている。医薬品やコスメ業界の品質要求は非常に高く、その対応ができる印刷機だと実感している」

 同社では、顧客の承諾の上、既存の仕事を「Truepress LABEL 350UV SAI LM」に移行して生産を開始。

 「導入時にある程度想定して、アナログの仕事をTruepress LABEL 350UV SAI LMでこなす計画を立てていた。まだ予定の半数程度であるが、今後もこの運用を継続していく」

新規受注獲得の戦略機として活用

 既存のジョブのほか、同社では「Truepress LABEL 350UV SAI LM」で新規受注獲得にもつなげている。

 同社では、オフセット印刷機も設備しているが、これまでオフセット印刷機では、ロット的に少ないため受注を見送っていた案件が数多くあった。しかし、「Truepress LABEL 350UV SAI LM」導入後は、オフセット印刷機では少なく、また、既設のデジタル印刷機では、多いとされていたミドルレンジの案件を問題なく取り込めるようになった。
高付加価値ラベルとして提供
 これらを含め、同社では「Truepress LABEL 350UV SAI LM」での印刷の約4割を新規受注案件が占めているという。

 さらに同社の新規受注活動は、既存の医薬品やコスメ業界の枠を超え、他業界への進出も果たしている。その代表事例が酒類業界だ。

 酒類ラベルは、その名の通り、酒瓶などに貼り、その商品内容表示と販売を支援する役目を持っている。内容表示は、もちろんだが、数多くの商品が陳列されている中で、実際に消費者に手に取ってもらうためには、やはり目に付く酒類ラベルが重要となる。同社では、酒類ラベルの高級感を演出できるようなさまざまな加工設備も有している。そこで中村氏は、「Truepress LABEL 350UV SAI LM」のコストパフォーマンスを活用することで印刷コストを抑え、その余剰分を加飾加工に充てることで、顧客に従来よりも低コストで、かつ今までよりも高級感のある酒類ラベルの提案を行った。この提案は、多くの酒類業界の顧客に受け入れられたという。

 「酒類ラベルのロット数は、Truepress LABEL 350UV SAI LMで対応できるものなので、多くの新規受注獲得につながった」

ロット数ではなく最適な生産方法が効率化のカギ

 「Truepress LABEL 350UV SAI LM」は現在、3,000〜10,000枚のロットに対応するなど、柔軟な稼働で同社の生産を支援している。しかし、中村氏はデジタル印刷機の運用法として「ロットによる使い分けは考えてない」と説明する。

 「ロット数に関係なく、できるだけ同じような仕様のラベルをデジタル印刷機でまとめて印刷する。それ以外のラベルは、アナログ印刷機で対応する。そうすることで工場全体の効率化を図ることができる」

 この生産の効率化も「Truepress LABEL 350UV SAI LM」を導入した狙いの1つだと中村氏は語る。また、同社では、この効率化を実現するため、顧客に説明・承諾の上、ラベル原反の統一化を行い、用紙替えのない生産体制の構築などの努力も自社内で実践している。
新市場の開拓にも活用
 今後の展開として中村氏は、「ラベルといえば、やはり食品ラベルが代表的だが、当然、競合他社が多数存在する。そのため当社では、これまで医薬品業界で培ってきた品質管理、そしてコスメ業界に提案してきた技術や経験値を最大限に活用し、これらの当社の強みが求められている業界に対し、新たな付加価値のあるラベルを提供していきたい」と、コストではなく価値提供で新たな顧客との接点を見つけていく考えを明らかにした。

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UVインクジェットならではの特性を発揮

 「Truepress LABEL 350UV SAIシリーズ」は、世界で累計200台以上の出荷実績を誇るUVインクジェットデジタルラベル印刷機。同機は、高品質かつ高速出力で、顧客からのラベルアプリケーションへの厳しい要求に応える。また、「Truepress LABEL 350UV SAI LM」は低臭気インクの採用により食品をはじめとする衛生面に配慮したラベルの生産が可能。インクは、CMYK4色に加え、ホワイト、オレンジを搭載している。

 同社では現在、既設のデジタル印刷機と「Truepress LABEL 350UV SAI LM」の2台のデジタル印刷機と、オフセットなどの印刷方式の異なる複数の印刷機で生産を行っている。デジタル印刷機の使い分けの基準は、生産性が求められるジョブについては、「Truepress LABEL 350UV SAI LM」を使用。さらに高品質やツヤ感など、高級感のある仕上がりが求められるジョブなどにも使用しているという。
印刷サンプル
 「当初、UVインク特有のツヤ感については、お客様に受け入れてもらえるか不安だったが、逆に好印象を得ることもあった。現在では、当社の付加価値提供の手段として受注活動に貢献してくれている。また、擦ったときの耐摩性など、UV機ならではの優位性も発揮してくれている。医薬品やコスメ業界の品質要求は非常に高く、その対応ができる印刷機だと実感している」

 同社では、顧客の承諾の上、既存の仕事を「Truepress LABEL 350UV SAI LM」に移行して生産を開始。

 「導入時にある程度想定して、アナログの仕事をTruepress LABEL 350UV SAI LMでこなす計画を立てていた。まだ予定の半数程度であるが、今後もこの運用を継続していく」

新規受注獲得の戦略機として活用

 既存のジョブのほか、同社では「Truepress LABEL 350UV SAI LM」で新規受注獲得にもつなげている。

 同社では、オフセット印刷機も設備しているが、これまでオフセット印刷機では、ロット的に少ないため受注を見送っていた案件が数多くあった。しかし、「Truepress LABEL 350UV SAI LM」導入後は、オフセット印刷機では少なく、また、既設のデジタル印刷機では、多いとされていたミドルレンジの案件を問題なく取り込めるようになった。
高付加価値ラベルとして提供
 これらを含め、同社では「Truepress LABEL 350UV SAI LM」での印刷の約4割を新規受注案件が占めているという。

 さらに同社の新規受注活動は、既存の医薬品やコスメ業界の枠を超え、他業界への進出も果たしている。その代表事例が酒類業界だ。

 酒類ラベルは、その名の通り、酒瓶などに貼り、その商品内容表示と販売を支援する役目を持っている。内容表示は、もちろんだが、数多くの商品が陳列されている中で、実際に消費者に手に取ってもらうためには、やはり目に付く酒類ラベルが重要となる。同社では、酒類ラベルの高級感を演出できるようなさまざまな加工設備も有している。そこで中村氏は、「Truepress LABEL 350UV SAI LM」のコストパフォーマンスを活用することで印刷コストを抑え、その余剰分を加飾加工に充てることで、顧客に従来よりも低コストで、かつ今までよりも高級感のある酒類ラベルの提案を行った。この提案は、多くの酒類業界の顧客に受け入れられたという。

 「酒類ラベルのロット数は、Truepress LABEL 350UV SAI LMで対応できるものなので、多くの新規受注獲得につながった」

ロット数ではなく最適な生産方法が効率化のカギ

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 「ロット数に関係なく、できるだけ同じような仕様のラベルをデジタル印刷機でまとめて印刷する。それ以外のラベルは、アナログ印刷機で対応する。そうすることで工場全体の効率化を図ることができる」

 この生産の効率化も「Truepress LABEL 350UV SAI LM」を導入した狙いの1つだと中村氏は語る。また、同社では、この効率化を実現するため、顧客に説明・承諾の上、ラベル原反の統一化を行い、用紙替えのない生産体制の構築などの努力も自社内で実践している。
新市場の開拓にも活用
 今後の展開として中村氏は、「ラベルといえば、やはり食品ラベルが代表的だが、当然、競合他社が多数存在する。そのため当社では、これまで医薬品業界で培ってきた品質管理、そしてコスメ業界に提案してきた技術や経験値を最大限に活用し、これらの当社の強みが求められている業界に対し、新たな付加価値のあるラベルを提供していきたい」と、コストではなく価値提供で新たな顧客との接点を見つけていく考えを明らかにした。

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