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竹田印刷、多様な個性をかたちに〜アール・ブリュット作品を世界に発信

コミュニケーションという新たな価値を創出

2024年12月6日企業・経営

 竹田印刷(株)(本社/愛知県名古屋市)は、アール・ブリュット(障がい者の表現)作家が描いたデザインを用いて制作した印刷物を、2024年度の「Innovation Print Awards(以下、IPA)」に作品として応募し、「マルチピース部門」で第2位を獲得した。ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の活動を推進する同社では、アール・ブリュット作品の積極的な活用促進を図ることで作家の社会進出を支援している。
竹田印刷の作品
 IPAは、2008年から毎年アジア・パシフィック地域で開催されているコンテストで、富士フイルムビジネスイノベーション(富士フイルムBI)のプロダクションプリンター「Revoria Press」シリーズやインクジェットデジタルプレス「Jet Press」シリーズ、ワイドフォーマットプリンター「Acuity」シリーズなどを使って制作された印刷作品を応募対象としている。

 審査は、印刷やグラフィックデザインなど各分野の識者で構成される第三者委員会によって、応募作品の仕上がり品質、デジタル印刷技術の活用、革新性、ビジネス有効性、全体的な美しさといった基準に基づいて行われ、入賞作品が選出される。

 通算で17回目の開催となる今回は、作品募集の対象地域を初めてグローバルに拡大し、2つのプログラム、「IPA2024 APJ」と「IPA2024 グローバル」を並行して開催。「IPA2024 APJ」には12の国と地域から281作品の応募があり、33作品が入賞。「IPA2024 グローバル」には、アジア・パシフィックに加え、ドイツ、インド、スウェーデン、英国、オランダなどの16の国と地域から179作品の応募があり、30作品が入賞。日本からは7社・14作品の応募があり、竹田印刷を含む2社・2作品が入賞した。

アール・ブリュット作家出席のもと表彰式を挙行

 10月15日には、同社において表彰式が挙行され、同社の安井和男氏(アートディレクター/デザイナー)と坂下博章氏(製造本部 制作第1部 POD課 課長)、そして、アール・ブリュット作家として今回の作品制作に参加した伊山英吾さんとお母様の佳世さん、荒木麻奈さんとお母様のゆかりさんに、富士フイルムビジネスイノベーションの木田裕士取締役執行役員から表彰状とトロフィーが贈られた。
表彰状を受け取る安井氏(右)
 表彰式の席上、主催者を代表して挨拶した木田取締役執行役員は「グラフィックによるコミュニケーションで『いかに価値を創出していくか』ということを竹田印刷様はアール・ブリュット作品を通して実践している。ぜひ、今後も素晴らしい作品を制作し、グラフィックコミュニケーションの新たな可能性を拡げてもらいたい」と今回の入賞作品を評価するとともに、今後も優れた作品の制作を呼びかけた。

 アール・ブリュットとは、「生(き)の芸術」を意味するフランス語で、「正規の美術教育を受けていない人の芸術」など、その解釈は様々だが、日本では「障がい者の表現」として知られている。同社がアール・ブリュット作品でIPAに入賞するのは、今回で3回目となる。

 今回の入賞作品は、「SDGs Aichi EXPO2023 ノート」と「荒木麻奈さん個展用DM/ノート」、「ART ZOO チラシ」の3つの印刷物で構成されている。

 企業ノベルティとして制作された「SDGs Aichi EXPO2023 ノート」は、英吾さんのフォントデザインを、用紙には竹紙ホワイトを採用している。個展告知用の「荒木麻奈さん個展用DM/ノート」は、麻奈さんが同社に発注して制作したオリジナルノベルティ。そして「ART ZOO チラシ」は、地元・鶴舞駅高架下の活性化を目的に開催されたイベント告知用チラシで、27名のアール・ブリュット作家が参加している。
トロフィーを受け取る坂下氏(右)
 入賞作品には、竹紙などのエシカルペーパーを採用しているが、この点について坂下氏は「当社が推進しているSDGsへの取り組みを発信していくことを目的としている。また、別件ではあるが、当社のCSRレポートも竹紙で制作している」と説明する。

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2024年12月6日企業・経営

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 竹田印刷(株)(本社/愛知県名古屋市)は、アール・ブリュット(障がい者の表現)作家が描いたデザインを用いて制作した印刷物を、2024年度の「Innovation Print Awards(以下、IPA)」に作品として応募し、「マルチピース部門」で第2位を獲得した。ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の活動を推進する同社では、アール・ブリュット作品の積極的な活用促進を図ることで作家の社会進出を支援している。
竹田印刷の作品
 IPAは、2008年から毎年アジア・パシフィック地域で開催されているコンテストで、富士フイルムビジネスイノベーション(富士フイルムBI)のプロダクションプリンター「Revoria Press」シリーズやインクジェットデジタルプレス「Jet Press」シリーズ、ワイドフォーマットプリンター「Acuity」シリーズなどを使って制作された印刷作品を応募対象としている。

 審査は、印刷やグラフィックデザインなど各分野の識者で構成される第三者委員会によって、応募作品の仕上がり品質、デジタル印刷技術の活用、革新性、ビジネス有効性、全体的な美しさといった基準に基づいて行われ、入賞作品が選出される。

 通算で17回目の開催となる今回は、作品募集の対象地域を初めてグローバルに拡大し、2つのプログラム、「IPA2024 APJ」と「IPA2024 グローバル」を並行して開催。「IPA2024 APJ」には12の国と地域から281作品の応募があり、33作品が入賞。「IPA2024 グローバル」には、アジア・パシフィックに加え、ドイツ、インド、スウェーデン、英国、オランダなどの16の国と地域から179作品の応募があり、30作品が入賞。日本からは7社・14作品の応募があり、竹田印刷を含む2社・2作品が入賞した。

アール・ブリュット作家出席のもと表彰式を挙行

 10月15日には、同社において表彰式が挙行され、同社の安井和男氏(アートディレクター/デザイナー)と坂下博章氏(製造本部 制作第1部 POD課 課長)、そして、アール・ブリュット作家として今回の作品制作に参加した伊山英吾さんとお母様の佳世さん、荒木麻奈さんとお母様のゆかりさんに、富士フイルムビジネスイノベーションの木田裕士取締役執行役員から表彰状とトロフィーが贈られた。
表彰状を受け取る安井氏(右)
 表彰式の席上、主催者を代表して挨拶した木田取締役執行役員は「グラフィックによるコミュニケーションで『いかに価値を創出していくか』ということを竹田印刷様はアール・ブリュット作品を通して実践している。ぜひ、今後も素晴らしい作品を制作し、グラフィックコミュニケーションの新たな可能性を拡げてもらいたい」と今回の入賞作品を評価するとともに、今後も優れた作品の制作を呼びかけた。

 アール・ブリュットとは、「生(き)の芸術」を意味するフランス語で、「正規の美術教育を受けていない人の芸術」など、その解釈は様々だが、日本では「障がい者の表現」として知られている。同社がアール・ブリュット作品でIPAに入賞するのは、今回で3回目となる。

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トロフィーを受け取る坂下氏(右)
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