竹田印刷(株)(本社/愛知県名古屋市)は、アール・ブリュット(障がい者の表現)作家が描いたデザインを用いて制作した印刷物を、2024年度の「Innovation Print Awards(以下、IPA)」に作品として応募し、「マルチピース部門」で第2位を獲得した。ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の活動を推進する同社では、アール・ブリュット作品の積極的な活用促進を図ることで作家の社会進出を支援している。
IPAは、2008年から毎年アジア・パシフィック地域で開催されているコンテストで、富士フイルムビジネスイノベーション(富士フイルムBI)のプロダクションプリンター「Revoria Press」シリーズやインクジェットデジタルプレス「Jet Press」シリーズ、ワイドフォーマットプリンター「Acuity」シリーズなどを使って制作された印刷作品を応募対象としている。
審査は、印刷やグラフィックデザインなど各分野の識者で構成される第三者委員会によって、応募作品の仕上がり品質、デジタル印刷技術の活用、革新性、ビジネス有効性、全体的な美しさといった基準に基づいて行われ、入賞作品が選出される。
通算で17回目の開催となる今回は、作品募集の対象地域を初めてグローバルに拡大し、2つのプログラム、「IPA2024 APJ」と「IPA2024 グローバル」を並行して開催。「IPA2024 APJ」には12の国と地域から281作品の応募があり、33作品が入賞。「IPA2024 グローバル」には、アジア・パシフィックに加え、ドイツ、インド、スウェーデン、英国、オランダなどの16の国と地域から179作品の応募があり、30作品が入賞。日本からは7社・14作品の応募があり、竹田印刷を含む2社・2作品が入賞した。
アール・ブリュット作家出席のもと表彰式を挙行
10月15日には、同社において表彰式が挙行され、同社の安井和男氏(アートディレクター/デザイナー)と坂下博章氏(製造本部 制作第1部 POD課 課長)、そして、アール・ブリュット作家として今回の作品制作に参加した伊山英吾さんとお母様の佳世さん、荒木麻奈さんとお母様のゆかりさんに、富士フイルムビジネスイノベーションの木田裕士取締役執行役員から表彰状とトロフィーが贈られた。
表彰式の席上、主催者を代表して挨拶した木田取締役執行役員は「グラフィックによるコミュニケーションで『いかに価値を創出していくか』ということを竹田印刷様はアール・ブリュット作品を通して実践している。ぜひ、今後も素晴らしい作品を制作し、グラフィックコミュニケーションの新たな可能性を拡げてもらいたい」と今回の入賞作品を評価するとともに、今後も優れた作品の制作を呼びかけた。
アール・ブリュットとは、「生(き)の芸術」を意味するフランス語で、「正規の美術教育を受けていない人の芸術」など、その解釈は様々だが、日本では「障がい者の表現」として知られている。同社がアール・ブリュット作品でIPAに入賞するのは、今回で3回目となる。
今回の入賞作品は、「SDGs Aichi EXPO2023 ノート」と「荒木麻奈さん個展用DM/ノート」、「ART ZOO チラシ」の3つの印刷物で構成されている。
企業ノベルティとして制作された「SDGs Aichi EXPO2023 ノート」は、英吾さんのフォントデザインを、用紙には竹紙ホワイトを採用している。個展告知用の「荒木麻奈さん個展用DM/ノート」は、麻奈さんが同社に発注して制作したオリジナルノベルティ。そして「ART ZOO チラシ」は、地元・鶴舞駅高架下の活性化を目的に開催されたイベント告知用チラシで、27名のアール・ブリュット作家が参加している。
入賞作品には、竹紙などのエシカルペーパーを採用しているが、この点について坂下氏は「当社が推進しているSDGsへの取り組みを発信していくことを目的としている。また、別件ではあるが、当社のCSRレポートも竹紙で制作している」と説明する。
新着トピックス
ディーエムソリューションズ、最高毎時4万5,000通を達成[KODAK PROSPER S5導入事例]
2025年3月25日ケーススタディ
ディーエムソリューションズ(株)(本社/東京都武蔵野市御殿山1-1-3 クリスタルパークビル2F、花矢卓司社長)は、KODAK PROSPER S5インプリンティングシステムを導入後...全文を読む
FFGS、新Revoria Press登場で、柔軟な「最適生産」可能に
2025年3月25日スペシャリスト
外部支払い原価の増加が印刷会社の経営を圧迫する中で、富士フイルムグラフィックソリューションズ(株)(山田周一郎社長、以下「FFGS」)が展開する「最適生産ソリューション」への注目と期...全文を読む
最新ニュース
パラシュート、次世代型MIS「PNS」にメーカーワークフローソフトウェア連携機能を追加
2025年6月11日
パラシュート(株)(東京都世田谷区、兵藤伊織社長)は6月9日から、印刷業務の基幹システム「Print Navigator System」(プリントナビゲーターシステム、以下PNS)に...全文を読む
富士フイルムBI、「EDP Awards 2025」の3部門で最高評価を受賞
2025年6月9日
富士フイルムビジネスイノベーション(株)(本社/東京都港区、浜直樹社長・CEO)は、欧州の印刷専門誌で構成される団体European Digital Press(EDP)Associ...全文を読む
KOMORI、次世代デジタル印刷機「J-throne 29」を米国・1Vision社に北米初納入
2025年6月9日
(株)小森コーポレーション(東京都墨田区、持田訓社長)は、次世代デジタル印刷機「J-throne 29」を、米国の印刷会社1Vision社(テキサス州・ヒューストン)に北米で初めて納...全文を読む
竹田印刷、多様な個性をかたちに〜アール・ブリュット作品を世界に発信
コミュニケーションという新たな価値を創出
2024年12月6日企業・経営
竹田印刷(株)(本社/愛知県名古屋市)は、アール・ブリュット(障がい者の表現)作家が描いたデザインを用いて制作した印刷物を、2024年度の「Innovation Print Awards(以下、IPA)」に作品として応募し、「マルチピース部門」で第2位を獲得した。ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)の活動を推進する同社では、アール・ブリュット作品の積極的な活用促進を図ることで作家の社会進出を支援している。
IPAは、2008年から毎年アジア・パシフィック地域で開催されているコンテストで、富士フイルムビジネスイノベーション(富士フイルムBI)のプロダクションプリンター「Revoria Press」シリーズやインクジェットデジタルプレス「Jet Press」シリーズ、ワイドフォーマットプリンター「Acuity」シリーズなどを使って制作された印刷作品を応募対象としている。
審査は、印刷やグラフィックデザインなど各分野の識者で構成される第三者委員会によって、応募作品の仕上がり品質、デジタル印刷技術の活用、革新性、ビジネス有効性、全体的な美しさといった基準に基づいて行われ、入賞作品が選出される。
通算で17回目の開催となる今回は、作品募集の対象地域を初めてグローバルに拡大し、2つのプログラム、「IPA2024 APJ」と「IPA2024 グローバル」を並行して開催。「IPA2024 APJ」には12の国と地域から281作品の応募があり、33作品が入賞。「IPA2024 グローバル」には、アジア・パシフィックに加え、ドイツ、インド、スウェーデン、英国、オランダなどの16の国と地域から179作品の応募があり、30作品が入賞。日本からは7社・14作品の応募があり、竹田印刷を含む2社・2作品が入賞した。
アール・ブリュット作家出席のもと表彰式を挙行
10月15日には、同社において表彰式が挙行され、同社の安井和男氏(アートディレクター/デザイナー)と坂下博章氏(製造本部 制作第1部 POD課 課長)、そして、アール・ブリュット作家として今回の作品制作に参加した伊山英吾さんとお母様の佳世さん、荒木麻奈さんとお母様のゆかりさんに、富士フイルムビジネスイノベーションの木田裕士取締役執行役員から表彰状とトロフィーが贈られた。
表彰式の席上、主催者を代表して挨拶した木田取締役執行役員は「グラフィックによるコミュニケーションで『いかに価値を創出していくか』ということを竹田印刷様はアール・ブリュット作品を通して実践している。ぜひ、今後も素晴らしい作品を制作し、グラフィックコミュニケーションの新たな可能性を拡げてもらいたい」と今回の入賞作品を評価するとともに、今後も優れた作品の制作を呼びかけた。
アール・ブリュットとは、「生(き)の芸術」を意味するフランス語で、「正規の美術教育を受けていない人の芸術」など、その解釈は様々だが、日本では「障がい者の表現」として知られている。同社がアール・ブリュット作品でIPAに入賞するのは、今回で3回目となる。
今回の入賞作品は、「SDGs Aichi EXPO2023 ノート」と「荒木麻奈さん個展用DM/ノート」、「ART ZOO チラシ」の3つの印刷物で構成されている。
企業ノベルティとして制作された「SDGs Aichi EXPO2023 ノート」は、英吾さんのフォントデザインを、用紙には竹紙ホワイトを採用している。個展告知用の「荒木麻奈さん個展用DM/ノート」は、麻奈さんが同社に発注して制作したオリジナルノベルティ。そして「ART ZOO チラシ」は、地元・鶴舞駅高架下の活性化を目的に開催されたイベント告知用チラシで、27名のアール・ブリュット作家が参加している。
入賞作品には、竹紙などのエシカルペーパーを採用しているが、この点について坂下氏は「当社が推進しているSDGsへの取り組みを発信していくことを目的としている。また、別件ではあるが、当社のCSRレポートも竹紙で制作している」と説明する。
新着トピックス
-
コニカミノルタジャパン、AccurioDays2025で新たなフラッグシップモデルを公開
2025年6月4日 製品・テクノロジー
-
大村印刷、特殊トナーと用紙対応力で小ロット・高付加価値ニーズに対応
2025年5月8日 ケーススタディ
-
ディーエムソリューションズ、最高毎時4万5,000通を達成[KODAK PROSPER S5導入事例]
2025年3月25日 ケーススタディ
-
FFGS、新Revoria Press登場で、柔軟な「最適生産」可能に
2025年3月25日 スペシャリスト
-
ウケゼキ、小ロット厚紙・パッケージ印刷を強化[Revoria PressEC1100導入事例]
2025年3月24日 ケーススタディ
新着ニュース
SNSランキング
- 63sharesミマキ、330シリーズとエコ溶剤インクが3M MCS保証認定
- 41sharesローランドDG、UVプリンターが紙器パッケージ製作に対応
- 39sharesSCREEN、Hunkeler Innovationdaysでインクジェットと後加工機の連携披露
- 38sharesKOMORI、241名が来場した新春特別内覧会のデモ動画(Impremia IS29s」公開
- 36sharesエプソン、使いやすさと安定稼働を両立したエプソン初のDTF専用プリンター発売
- 29sharesKOMORI、インクジェット印刷機とデジタル加飾機の連携披露
- 27shares日印機工とプリデジ協、IGAS2027の日程決定-2027年8月に東京ビッグサイトで開催
- 27sharesリコー、企業内・商用印刷の幅広いニーズに対応するカラー機の新機種発売
- 26sharesミヤコシ、軟包装向け水性インクジェット「MJP ADVANCED 45X for FILM」発表
- 25shares富士フイルムBI、デジタル印刷作品のコンテスト「IPA」の作品募集開始