作家の想いを大切にする竹田印刷の取り組みを評価
アール・ブリュット作家として参加した麻奈さんは、保護猫活動にも注力しており、今回の作品も大好きな猫をモチーフに描かれている。実際に現在も自宅では5匹の猫を保護している。安井氏は、「麻奈さんは、保護猫活動のチラシや販売するグッズのデザインを行っている。麻奈さんにとって猫の絵は、多くの方に保護猫を大切に育ててほしい、という想いがあると私は感じている」と麻奈さんの描く猫に込められた想いを代弁する。
英吾さんの母親である佳世さんは、「印刷物としてかたちなることで本人も喜んでいる。私自身も素敵な作品として仕上げてもらったことに感謝している」と今回の入賞の喜びを語っている。
安井氏を中心にアール・ブリュット作品を通じて、ダイバーシティ&インクルージョンの活動を推進する同社の取り組みについて、佳世さんは、「安井さんの強い想いが伝わってきたからこそ協力したいという気持ちにつながった。印刷物として広く一般社会に拡げてもらっていることにも感謝している」と語る。また、ゆかりさんも「こちらの想いなど、安井さんをはじめ竹田印刷さんがカタチにしてくれている。さらに今回のように印刷作品が世界規模のコンテストで評価されたことは、今でも信じられないくらいの喜びを感じている」と、作品として評価されることで改めて創作に込めた価値観が認められたことに対しても、特別な感慨を覚えているという。
IPAというワールドワイドなコンテストに応募することで、世界中の人たちに印刷作品を見てもらうことは、作家としても励みになり、また社会勉強にもなるはずと佳世さんとゆかりさんは語る。
さらに同社は、作家の個展などのイベント開催にも積極的に協力しており、そのイベントを通じて、これまで出会ったことのない人たちとの交流、つまり新たなコミュニケーションが誕生していくことも作家側にとっては大きな価値と言える。
アール・ブリュット作家の社会進出を積極支援
アール・ブリュット作家と企業をつなげていくことで、その作品の魅力を広く社会に訴えてきた安井氏であるが、この取り組みはここ数年で飛躍的に成長しており、現在、安井氏のデザイン案件の9割以上がアール・ブリュット作家との仕事だという。
今回の入賞作品制作に参加した英吾さんと麻奈さんの作品は、数多くの企業や商品で採用されている。その一例として愛知県に本社を置く菓子メーカーが発売したチョコレート菓子のハロウィーンパッケージに麻奈さんの作品が採用された。また、英吾さんの作品は、同じく地元・鉄道会社が運営する6つのホテルの制服アイテムに採用されている。
ちなみに麻奈さんは現在、「辰年の絵」、タツノオトシゴと龍の絵を描くことに夢中になって取り組んでいる。また、フォントデザイナーとしても活躍している英吾さんのデザインしたフォントは、「英吾フォント」としてリリースが予定されているという。
同社では、次回のIPAへの応募にも意欲的に取り組みを進めている。坂下氏は「今回の入賞作品は、特殊トナーが最大2色使用できるプリンターで制作している。例えば英吾さんのデザインしたフォントに特殊トナーによる印刷表現を加えることで、さらに夢のある作品に仕上げることができるはず。フォントが変わるだけで作品自体のイメージが一変し、そこに特殊トナーによる視覚的効果を融合することで、今までにない印刷表現が可能となる」と、その構想を語る。
今回の取材の中で、佳世さんは、IPA2024の入賞で「社会に認められたように感じる」と語っていた。ダイバーシティ&インクルージョンへの取り組みが進む一方で、未だ理解が不足しているのも現状といえる。同社では、その理解・普及を推し進めるために、今後もアール・ブリュット作家が社会進出できる機会を創出していく。その機会を活かしアール・ブリュット作家は、新たなコミュニケーションの輪を拡げていくことにつながっていく。このネットワークの形成に向けて同社では、今度もアール・ブリュット作品を通じて、多様性に理解と敬意がある社会環境の構築に取り組んでいく方針だ。
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アール・ブリュット作家として参加した麻奈さんは、保護猫活動にも注力しており、今回の作品も大好きな猫をモチーフに描かれている。実際に現在も自宅では5匹の猫を保護している。安井氏は、「麻奈さんは、保護猫活動のチラシや販売するグッズのデザインを行っている。麻奈さんにとって猫の絵は、多くの方に保護猫を大切に育ててほしい、という想いがあると私は感じている」と麻奈さんの描く猫に込められた想いを代弁する。
英吾さんの母親である佳世さんは、「印刷物としてかたちなることで本人も喜んでいる。私自身も素敵な作品として仕上げてもらったことに感謝している」と今回の入賞の喜びを語っている。
安井氏を中心にアール・ブリュット作品を通じて、ダイバーシティ&インクルージョンの活動を推進する同社の取り組みについて、佳世さんは、「安井さんの強い想いが伝わってきたからこそ協力したいという気持ちにつながった。印刷物として広く一般社会に拡げてもらっていることにも感謝している」と語る。また、ゆかりさんも「こちらの想いなど、安井さんをはじめ竹田印刷さんがカタチにしてくれている。さらに今回のように印刷作品が世界規模のコンテストで評価されたことは、今でも信じられないくらいの喜びを感じている」と、作品として評価されることで改めて創作に込めた価値観が認められたことに対しても、特別な感慨を覚えているという。
IPAというワールドワイドなコンテストに応募することで、世界中の人たちに印刷作品を見てもらうことは、作家としても励みになり、また社会勉強にもなるはずと佳世さんとゆかりさんは語る。
さらに同社は、作家の個展などのイベント開催にも積極的に協力しており、そのイベントを通じて、これまで出会ったことのない人たちとの交流、つまり新たなコミュニケーションが誕生していくことも作家側にとっては大きな価値と言える。
アール・ブリュット作家の社会進出を積極支援
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今回の入賞作品制作に参加した英吾さんと麻奈さんの作品は、数多くの企業や商品で採用されている。その一例として愛知県に本社を置く菓子メーカーが発売したチョコレート菓子のハロウィーンパッケージに麻奈さんの作品が採用された。また、英吾さんの作品は、同じく地元・鉄道会社が運営する6つのホテルの制服アイテムに採用されている。
ちなみに麻奈さんは現在、「辰年の絵」、タツノオトシゴと龍の絵を描くことに夢中になって取り組んでいる。また、フォントデザイナーとしても活躍している英吾さんのデザインしたフォントは、「英吾フォント」としてリリースが予定されているという。
同社では、次回のIPAへの応募にも意欲的に取り組みを進めている。坂下氏は「今回の入賞作品は、特殊トナーが最大2色使用できるプリンターで制作している。例えば英吾さんのデザインしたフォントに特殊トナーによる印刷表現を加えることで、さらに夢のある作品に仕上げることができるはず。フォントが変わるだけで作品自体のイメージが一変し、そこに特殊トナーによる視覚的効果を融合することで、今までにない印刷表現が可能となる」と、その構想を語る。
今回の取材の中で、佳世さんは、IPA2024の入賞で「社会に認められたように感じる」と語っていた。ダイバーシティ&インクルージョンへの取り組みが進む一方で、未だ理解が不足しているのも現状といえる。同社では、その理解・普及を推し進めるために、今後もアール・ブリュット作家が社会進出できる機会を創出していく。その機会を活かしアール・ブリュット作家は、新たなコミュニケーションの輪を拡げていくことにつながっていく。このネットワークの形成に向けて同社では、今度もアール・ブリュット作品を通じて、多様性に理解と敬意がある社会環境の構築に取り組んでいく方針だ。
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