キーワードで検索

  • トップ>
  • ニュース>
  • 取協と電流協、「出版業界でのデジタル印刷活用を推進する共同宣言」発...

取協と電流協、「出版業界でのデジタル印刷活用を推進する共同宣言」発表

出版流通改革に向けデジタル印刷の活用推進へ

2026年1月26日ニュース

 (一社)日本出版取次協会(取協、近藤敏貴会長)と(一社)電子出版制作・流通協議会(電流協、入鹿山智也会長)は、「出版業界でのデジタル印刷活用を推進する共同宣言」を発表した。同共同宣言は、業界連携のプロジェクトとして取り組むもので、従来の大量生産・大量返品型の出版流通モデルを見直し、デジタル印刷(DSR)の活用と出版DXの推進によって、「読者のために、必要なときに、必要な形で届ける」を実現することを目指している。
出版流通改革に向けて業界が結束
 今回の共同宣言発表の背景には、出版流通の構造的課題に対する危機感があり、書籍の約35%が返品され推定で年間約130億円もの販売機会が失われている現状を打破するとともに、読者が「欲しい本に出会えない」機会損失を無くし、さらには環境負荷の軽減にもつなげる狙い。業界で結束した今回の宣言は、出版文化の持続可能性を守るための第一歩であり、今後具体策の実行を通じて持続可能な出版エコシステムの構築を図っていく。

 日本の出版産業では長年、委託販売制のもと大量の新刊が市場に供給されてきた。しかし、その裏で返品率は高止まりしている。これは出版各社にとって機会損失と収益圧迫要因であるだけでなく、印刷・輸送・廃棄にかかるコストや環境負荷の面でも大きなロスとなっている。

 一方で、本との出会い方が変わるなかでも、書店の現場では「買いたいのに本がない」「再入荷の見通しが立たない」という声が後を絶たず、読者に届かなかった一冊は読者にとっては文化的な出会いの喪失であり、書店や出版社にとっても販売機会の損失となる。こうした現状は出版文化の多様性と持続性を脅かす要因ともなっており、業界全体での抜本的な対策が求められてきた。

 同共同宣言の目的は、出版流通における従来型の大量生産流通による在庫過多・返品率増加などの課題に対応する解決策の一つとして、小ロットのデジタル印刷(デジタルショートラン、以下DSR)を活用した新たな流通スキームを確立すること。国内の一部の出版社では、すでにDSRの活用を拡大する動きが始まっている。書籍のデジタル印刷は2000年代から実現されていたが、当時は印刷品質がオフセットに見劣りし、コストも高かったため、多くの出版社は導入を見送っていた。しかし近年のデジタル印刷は、オフセット印刷とそん色のない品質での印刷が可能となっている。

 小ロットで短納期かつ効率的に製造できるDSRの特性を活かすと、印刷単価だけで見るとオフセット印刷より若干割高になるが、返品・保管・廃棄・在庫管理など出版物流の全体コストを削減できる。すでに取り組んでいる出版社は、この利益効果を享受している(2025年10月時点で大手を含む10社以上の出版社が活用中)。

 また、DSRの活用は出版社の利益改善のみならず、過去作品を再価値化できたり、製品サイクル長期化で著者との長期関係を構築できたりと、出版社の経営基盤と出版機能の強化にも寄与していく。

最新ニュース

dp_komori_j_throne_29_20260123_tn.jpg

KOMORI、次世代B2枚葉UVインクジェット「J-throne 29」の実機動画公開

2026年1月23日

 (株)小森コーポレーションが運営するYouTubeチャンネル「Komori Japan」では、新たな動画コンテンツ「J-throne 29 次世代B2デジタル印刷機の核心に迫る」の公...全文を読む

ホリゾングループ、「無人化との共存」という新たな領域へ

2026年1月9日

 ホリゾングループは、2026年10月28日から30日、および11月4日から6日までの6日間、ホリゾン本社びわこ工場 Horizon Innovation Park(滋賀県高島市)にお...全文を読む

hp_kido_20251222_tn.jpg

日本HP、HP Indigo導入事例更新(KIDO PACKAGING)

2026年1月9日

 (株)日本HPは、新たなユーザー事例として「革新は、伝統の中から生まれる-KIDO PACKAGINGが描く、100年企業の新たな成長戦略-」をホームページで公開している。  市場の...全文を読む

pet_film_phf_100_20251222_tn.jpg

パラシュート、トナー型デジタル印刷機対応のPETフイルムの販売開始

2026年1月9日

 パラシュート(株)(東京都世田谷区、兵藤伊織社長)は、12月21日からデジタル印刷トナー機に対応した台紙貼りPETフイルムの素材(PHFシリーズ)の販売を開始した。  同フイルムに印...全文を読む

dp_accuriopress_c5080_20251219_tn.jpg

コニカミノルタ、自動化支援機能で使いやすさを追求した新機種発売

2025年12月27日

 コニカミノルタ(株)(大幸利充社長)は、デジタル印刷システム「AccurioPress (アキュリオ プレス) C5080」と「AccurioPress C5070」(2機種合わせて...全文を読む

新着トピックス

vanfu_pressready_tn.jpg

帆風(東京)、デジタル印刷のリードタイム短縮[Revoria XMF PressReady導入事例]

2025年12月26日ケーススタディ

 東京都内に拠点を持ち、印刷からノベルティ制作、デジタルコンテンツ制作まで幅広く手がける(株)帆風(本社/東京都新宿区下宮比町2-29、須藤高幸社長)は、2025年3月、富士フイルムの...全文を読む

ipa2025_sunbreen_2_tn.jpg

サン・ブレーン、メッセージを込めた作品でIPA2025に入賞

2025年12月15日企業・経営

 (株)サン・ブレーン(東京都北区、岡村和哉社長)は、2025年度の「イノベーション・プリント・アワード(以下、IPA)」において「ワイドフォーマット部門」第1位を獲得した。同社の作品...全文を読む

ffgs_hosyu_maintenance25_tn.jpg

FFGS、機械・材料・サービスを「三位一体」で

2025年11月28日企業・経営

 富士フイルムグラフィックソリューションズ(株)(山田周一郎社長、以下「FFGS」)は2023年、サービス子会社であった富士フイルムGSテクノ(株)を4月1日付けで吸収合併し、「保守・...全文を読む

取協と電流協、「出版業界でのデジタル印刷活用を推進する共同宣言」発表

出版流通改革に向けデジタル印刷の活用推進へ

2026年1月26日ニュース

  • twitter
  • facebook
  • line

 (一社)日本出版取次協会(取協、近藤敏貴会長)と(一社)電子出版制作・流通協議会(電流協、入鹿山智也会長)は、「出版業界でのデジタル印刷活用を推進する共同宣言」を発表した。同共同宣言は、業界連携のプロジェクトとして取り組むもので、従来の大量生産・大量返品型の出版流通モデルを見直し、デジタル印刷(DSR)の活用と出版DXの推進によって、「読者のために、必要なときに、必要な形で届ける」を実現することを目指している。
出版流通改革に向けて業界が結束
 今回の共同宣言発表の背景には、出版流通の構造的課題に対する危機感があり、書籍の約35%が返品され推定で年間約130億円もの販売機会が失われている現状を打破するとともに、読者が「欲しい本に出会えない」機会損失を無くし、さらには環境負荷の軽減にもつなげる狙い。業界で結束した今回の宣言は、出版文化の持続可能性を守るための第一歩であり、今後具体策の実行を通じて持続可能な出版エコシステムの構築を図っていく。

 日本の出版産業では長年、委託販売制のもと大量の新刊が市場に供給されてきた。しかし、その裏で返品率は高止まりしている。これは出版各社にとって機会損失と収益圧迫要因であるだけでなく、印刷・輸送・廃棄にかかるコストや環境負荷の面でも大きなロスとなっている。

 一方で、本との出会い方が変わるなかでも、書店の現場では「買いたいのに本がない」「再入荷の見通しが立たない」という声が後を絶たず、読者に届かなかった一冊は読者にとっては文化的な出会いの喪失であり、書店や出版社にとっても販売機会の損失となる。こうした現状は出版文化の多様性と持続性を脅かす要因ともなっており、業界全体での抜本的な対策が求められてきた。

 同共同宣言の目的は、出版流通における従来型の大量生産流通による在庫過多・返品率増加などの課題に対応する解決策の一つとして、小ロットのデジタル印刷(デジタルショートラン、以下DSR)を活用した新たな流通スキームを確立すること。国内の一部の出版社では、すでにDSRの活用を拡大する動きが始まっている。書籍のデジタル印刷は2000年代から実現されていたが、当時は印刷品質がオフセットに見劣りし、コストも高かったため、多くの出版社は導入を見送っていた。しかし近年のデジタル印刷は、オフセット印刷とそん色のない品質での印刷が可能となっている。

 小ロットで短納期かつ効率的に製造できるDSRの特性を活かすと、印刷単価だけで見るとオフセット印刷より若干割高になるが、返品・保管・廃棄・在庫管理など出版物流の全体コストを削減できる。すでに取り組んでいる出版社は、この利益効果を享受している(2025年10月時点で大手を含む10社以上の出版社が活用中)。

 また、DSRの活用は出版社の利益改善のみならず、過去作品を再価値化できたり、製品サイクル長期化で著者との長期関係を構築できたりと、出版社の経営基盤と出版機能の強化にも寄与していく。

新着ニュース

新着トピックス

PAGE TOP