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小森コーポレーション、技術開発も最終段階へ 〜 ランダ技術融合のB1デジタル機

DPS技術生産本部DPS開発部・遠藤泰治部長に聞く

2016年9月15日製品・テクノロジースペシャリスト

 (株)小森コーポレーション(本社/東京都墨田区、持田訓社長)は、drupa2016において、ナノグラフィックプリンティングプロセスを搭載した革新的なB1デジタル印刷機「Impremia(インプレミア)NS40」を初公開した。ランダ社(イスラエル)との戦略的パートナーシップ契約締結から4年、ついに登場した「Impremia NS40」が、これからの印刷業界にもたらす可能性、そしてランダ社との今後のパートナーシップ関係などについて、同社・DPS技術生産本部DPS開発部の遠藤泰治部長に聞いた。

 KOMORIは、2012年にランダ社と戦略的ビジネスパートナーシップを結び、革新的な「ナノグラフィックプリンティングシステム」と印刷プロセスの開発を追求してきた。そして、生産機に必須である印刷品質・印刷速度・ページあたりのコスト・印刷サイズ・用紙適性を備えた「Impremia NS40」をdrupa2016で披露した。

 「Impremia NS40」は、KOMORIのオフセット技術と、ランダ社の技術であるナノグラフィックプリンティングプロセス(ナノグラフィー)を融合した画期的なシステムのデジタル印刷機である。B1サイズで最速6,500sphの高速・高生産に対応している。
 この革新的なシステムと印刷プロセスには、数十ナノメーターサイズのナノ顔料粒子を色材として含む、環境に配慮した独自開発の水性インク「ランダ ナノインク」を採用している。
Impremia NS40

革新的なナノグラフィー技術

 ナノグラフィックプリンティングプロセスでは、まず数十億個のインク滴を打ち出す。これはヘッドから原反に直接ではなくブランケットに射出される。それぞれのインク滴は、加熱されたブランケットに付着して広がると、すぐに水分が蒸発して、極めて薄いポリマー膜となる。転写のためにブランケットと原反が接触して圧力がかかると、この薄い500ナノメーターのインクの層は、原反に浸透することなく、強く瞬間的に接着する。転写された画像は摩耗に強く、印刷後の乾燥も不要で、ブランケット上のインク残りもない。また、プリコート不要ですべての既製印刷用原反(コート紙、上質紙、厚紙、プラスチック、特殊紙)が使用できる。

drupa展示モデルにはリジェクターを装備

 ナノ技術による薄いインク膜厚でページコストを削減するほか、オフセット印刷に近い高画質と、4色でも広い色域の再現が可能となっている。
 また、オプションのデジタルステーションにより、フロントのMISとのジョブ情報の連携、マシンへのワンタッチ/ジョブプリセッティング、PDFと印刷結果を照合したオフライン検査、オフセットとのカラーマネージメントなど、オフセットで培ったトータルワークフロー連携、そして品質保証が確実に行える。drupa会場での展示機では、品質信頼性を確実にする検査装置とリジェクターを装備し、印刷の新たなページを開く生産性を兼ね備えたデジタル印刷機の可能性を披露した。

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2016年9月15日製品・テクノロジースペシャリスト

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 (株)小森コーポレーション(本社/東京都墨田区、持田訓社長)は、drupa2016において、ナノグラフィックプリンティングプロセスを搭載した革新的なB1デジタル印刷機「Impremia(インプレミア)NS40」を初公開した。ランダ社(イスラエル)との戦略的パートナーシップ契約締結から4年、ついに登場した「Impremia NS40」が、これからの印刷業界にもたらす可能性、そしてランダ社との今後のパートナーシップ関係などについて、同社・DPS技術生産本部DPS開発部の遠藤泰治部長に聞いた。

 KOMORIは、2012年にランダ社と戦略的ビジネスパートナーシップを結び、革新的な「ナノグラフィックプリンティングシステム」と印刷プロセスの開発を追求してきた。そして、生産機に必須である印刷品質・印刷速度・ページあたりのコスト・印刷サイズ・用紙適性を備えた「Impremia NS40」をdrupa2016で披露した。

 「Impremia NS40」は、KOMORIのオフセット技術と、ランダ社の技術であるナノグラフィックプリンティングプロセス(ナノグラフィー)を融合した画期的なシステムのデジタル印刷機である。B1サイズで最速6,500sphの高速・高生産に対応している。
 この革新的なシステムと印刷プロセスには、数十ナノメーターサイズのナノ顔料粒子を色材として含む、環境に配慮した独自開発の水性インク「ランダ ナノインク」を採用している。
Impremia NS40

革新的なナノグラフィー技術

 ナノグラフィックプリンティングプロセスでは、まず数十億個のインク滴を打ち出す。これはヘッドから原反に直接ではなくブランケットに射出される。それぞれのインク滴は、加熱されたブランケットに付着して広がると、すぐに水分が蒸発して、極めて薄いポリマー膜となる。転写のためにブランケットと原反が接触して圧力がかかると、この薄い500ナノメーターのインクの層は、原反に浸透することなく、強く瞬間的に接着する。転写された画像は摩耗に強く、印刷後の乾燥も不要で、ブランケット上のインク残りもない。また、プリコート不要ですべての既製印刷用原反(コート紙、上質紙、厚紙、プラスチック、特殊紙)が使用できる。

drupa展示モデルにはリジェクターを装備

 ナノ技術による薄いインク膜厚でページコストを削減するほか、オフセット印刷に近い高画質と、4色でも広い色域の再現が可能となっている。
 また、オプションのデジタルステーションにより、フロントのMISとのジョブ情報の連携、マシンへのワンタッチ/ジョブプリセッティング、PDFと印刷結果を照合したオフライン検査、オフセットとのカラーマネージメントなど、オフセットで培ったトータルワークフロー連携、そして品質保証が確実に行える。drupa会場での展示機では、品質信頼性を確実にする検査装置とリジェクターを装備し、印刷の新たなページを開く生産性を兼ね備えたデジタル印刷機の可能性を披露した。

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