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コダック社、高速インクジェットの生産性と多用途性強化

Stream / ULTRASTREAMに最適化した水性インクとプライマー開発

2023年9月21日ニュース

 コダック社は、StreamおよびULTRASTREAMの2つの高速コンティニュアスインクジェットテクノロジー向けに最適化された水性インク「KODAK EKTACOLORインク」とプライマー製品「KODAK OPTIMAXプライマー」を開発した。

 コダック社は現在、先端材料やケミカル、カラーにおける自社の伝統を前面に押し出す新ブランドの立ち上げに着手しており、今回の新製品投入もその取り組みのひとつ。PROSPER7000Turbo Press、PROSPER6000プレス、PROSPERインプリンティングシステムなどのStreamインクジェットテクノロジーで使用されるEKTACOLORインクは、他の産業用インクジェットシステムよりも高速で、より鮮明でかつ迫力のある再現を可能にするために特別に配合されているという。

高速コンティニュアスIJテクノロジー向けに最適化された「EKTACOLORインク」

EKTACOLORインク

 EKTACOLORインクは、顔料ベースと染料ベースのどちらのアプリケーションでも対応でき(染料ベースはPROSPERインプリンティングシステムのみ)、すでに発表されている、ULTRASTREAMテクノロジー向けのKODACHROMEインクと同様、コダック独自の顔料マイクロミリングプロセスを用いて製造されており、非常に細かく分散された微細なナノ粒子顔料の製造が可能である。この微細な顔料によりインクの噴射が容易になり、散乱光が生じにくく、乾燥したインク層は非常に薄くなり、広い色域を再現できる。

非常に細かく分散された微細なナノ粒子顔料の製造が可能

 EKTACOLORインクとKODACHROMEインクのもうひとつの共通点は、他社インクと比較して保湿剤の含有量が少ないこと。そのため、印刷が難しい基材に対し、高いインクカバレッジのコンテンツを印刷する場合でも、より速く乾燥させることができる。インクには揮発性有機化合物(VOC)が含まれていないため、サステナビリティの実現に直結するとともに、オペレーターの作業環境が改善される。

OPTIMAXプライマー

 EKTACOLORインクやKODACHROMEインクを補完するものとして、対象基材に合わせて各種発売されるのがOPTIMAXプライマー。これを利用することで、高価なインクジェット専用紙やその他の特殊基材が不要となり、印刷用紙の他にもコートボール紙、プラスチック、フィルム、さらには金属材まであらゆる基材に対し、インク受容性、インク付着性、耐摩擦性、画質を向上させることができる。さらに、印刷した古紙からインクを取り除く性能(脱墨性)も向上している。

 同社は、コート紙用の「OPTIMAX Enhancedプライマー」と上質紙用の「OPTIMAX Standardプライマー」を提供。またOPTIMAXパッケージングプライマーは、非コートボール紙およびコートボール紙のパッケージや紙器パッケージ、パーソナルケア製品のほか、プラスチックやフィルムなどの非吸収性基材にも使用できる。OPTIMAXプライマーを使用することで、高価で入手困難な特殊基材の使用頻度を削減し、印刷アプリケーションの耐久性を向上させ、さらに鮮明な色合いの出力を可能にする。


コダックの会長兼最高経営責任者であるジム・コンティネンザは次のようにコメントしている。

「コダックには55年以上の経験があり、当社ほどインクジェットについて精通している企業はない。今回のインクとプライマーのリリースは、当社がお客様に提供し続けているイノベーションと競争上の差別化要因の一例に過ぎない。当社の高速コンティニュアスインクジェットテクノロジーと相まって、これらのインクとプライマーにより、すべてコダックが社内で開発、製造した、完全に適合したコンポーネントとの完全なインクジェットエコシステムが成り立っており、お客様の多種多様なアプリケーションによる生産効率を向上させ、生産量の増加を可能にし、ひいては利益拡大の実現に貢献する」

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 コダック社は、StreamおよびULTRASTREAMの2つの高速コンティニュアスインクジェットテクノロジー向けに最適化された水性インク「KODAK EKTACOLORインク」とプライマー製品「KODAK OPTIMAXプライマー」を開発した。

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高速コンティニュアスIJテクノロジー向けに最適化された「EKTACOLORインク」

EKTACOLORインク

 EKTACOLORインクは、顔料ベースと染料ベースのどちらのアプリケーションでも対応でき(染料ベースはPROSPERインプリンティングシステムのみ)、すでに発表されている、ULTRASTREAMテクノロジー向けのKODACHROMEインクと同様、コダック独自の顔料マイクロミリングプロセスを用いて製造されており、非常に細かく分散された微細なナノ粒子顔料の製造が可能である。この微細な顔料によりインクの噴射が容易になり、散乱光が生じにくく、乾燥したインク層は非常に薄くなり、広い色域を再現できる。

非常に細かく分散された微細なナノ粒子顔料の製造が可能

 EKTACOLORインクとKODACHROMEインクのもうひとつの共通点は、他社インクと比較して保湿剤の含有量が少ないこと。そのため、印刷が難しい基材に対し、高いインクカバレッジのコンテンツを印刷する場合でも、より速く乾燥させることができる。インクには揮発性有機化合物(VOC)が含まれていないため、サステナビリティの実現に直結するとともに、オペレーターの作業環境が改善される。

OPTIMAXプライマー

 EKTACOLORインクやKODACHROMEインクを補完するものとして、対象基材に合わせて各種発売されるのがOPTIMAXプライマー。これを利用することで、高価なインクジェット専用紙やその他の特殊基材が不要となり、印刷用紙の他にもコートボール紙、プラスチック、フィルム、さらには金属材まであらゆる基材に対し、インク受容性、インク付着性、耐摩擦性、画質を向上させることができる。さらに、印刷した古紙からインクを取り除く性能(脱墨性)も向上している。

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コダックの会長兼最高経営責任者であるジム・コンティネンザは次のようにコメントしている。

「コダックには55年以上の経験があり、当社ほどインクジェットについて精通している企業はない。今回のインクとプライマーのリリースは、当社がお客様に提供し続けているイノベーションと競争上の差別化要因の一例に過ぎない。当社の高速コンティニュアスインクジェットテクノロジーと相まって、これらのインクとプライマーにより、すべてコダックが社内で開発、製造した、完全に適合したコンポーネントとの完全なインクジェットエコシステムが成り立っており、お客様の多種多様なアプリケーションによる生産効率を向上させ、生産量の増加を可能にし、ひいては利益拡大の実現に貢献する」

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