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コニカミノルタ、反応染料用インライン前処理インク「O'ROBE」の提供開始

インクジェット捺染工程を短縮し、エネルギー使用量削減を実現

2025年7月29日ニュース

 コニカミノルタ(株)(本社/東京都千代田区、大幸利充社長、以下、コニカミノルタ)は、インクジェットテキスタイルプリンター「Nassenger(ナッセンジャー)」シリーズ用インクとして、インクジェット捺染工程の短縮により、エネルギー使用量削減を実現する国内初となる反応染料用インライン前処理インク「O'ROBE(オーローブ)」をラインアップに加えた。

 インクジェット捺染工程では、天然繊維である綿や絹を染めるために、染料を原料とした反応染料インクと呼ばれる専用品が使われている。反応染料インクが生地の繊維に滲まずに濃く鮮やかに発色し、かつ洗濯等でも落ちないようにするためには、尿素などの薬剤を生地にコーティングする前処理が必要となる。使用される薬剤は、廃棄時に適切に処理することが求められ、廃棄に必要となる設備や費用も繊維産業の負担となっており、社会課題の一つに挙げられている。

 「オーローブ」は、Nassengerシリーズに充填することにより、生地を染色したい場所に必要な分量だけ、正確に、前処理インクを反応染料インクと同時に塗布することができる。これにより、従来の前処理工程では必要となるコーティング後の乾燥工程も不要となるため、電気やガス等のエネルギーの使用量も大幅に削減する。合わせて、前処理用薬剤の使用量を大幅に削減することで、環境負荷低減に大きく貢献する。
従来インクジェット捺染工程との比較
 プリントの前処理工程でコーティング加工した生地は、保管時の温度や湿度の影響により、変色するリスクがある。また、染色加工企業では、専用設備を持ち自前でコーティング加工を行うか、外注で加工を委託するかの選択が必要となり、設備投資をするか、発注リードタイムのリスクか、いずれかの負担が生じる。「オーローブ」インクの導入により、前処理工程をプリント工程に統合することで、染色加工企業の負担を軽減し、収益性の改善に貢献する。

 オリジナルタオルやTシャツのインターネット通販を展開する(株)ユタカ(本社/香川県善通寺市、大西日出機社長)は、「Nassenger」でプリントするタオル生地の前処理を外注していたが、「オーローブ」を「Nassenger」に充填することで、自社内インクジェット捺染工程での前処理が可能となった。これにより、前処理済み生地の運搬や保管が不要になり、品質変化のリスクや管理工数の負荷を削減することができた。
葛飾北斎《冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏》をデザインしたプリントタオル
 また、生地への染料インクの浸透が「オーローブ」により促進されることで、タオルにプリントしたキャラクターの肌などの粒状感がなくなり、自然な表現ができるようになったという効果も実証されている。

 高品質にプリントされた色柄のタオルは、特別感や高級感を演出しつつ実用性も高いため、芸術やスポーツ、コンサート等のイベントや、キャンペーンでのノベルティー市場のニーズが高まっている。また、オリジナルデザインによる個人の趣味やコレクションとしての用途も広がっている。そのような状況下、インクジェット捺染は、地域や季節などのテーマに沿った限定品などの小ロット生産に優位であり、今後ますますの需要増加が見込まれている。

 コニカミノルタは「オーローブ」インクの導入で、タオルの生産工程の効率を高めることにより、市場の活性化と拡大を支援していく。

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