業界の自主管理
例えば、熱可塑性合成樹脂については、安全性の観点から評価した上で業界団体の自主基準として使用を認めた物質のリストを定め、使用を認めた物質ごとに製品中の含有量または添加量、食品への移行量(溶出量)、使用用途等の制限を定めている。また、業界団体が会員企業からの申請に基づき、原材料から最終製品までの取扱い段階ごとに、自主基準に適合していることを確認したときに証明書を交付する、「確認証明制度」が活用されている(ポリオレフィン等衛生協議会)。
このほか、熱可塑性合成樹脂のうち軟包装材料については、衛生管理に関する一定の自主基準(衛生管理自主基準)を設け、この基準に基づく工場認定制度を運用している(軟包装衛生協議会)。
また、軟包装衛生協議会は、衛生管理自主基準を設けている。会員工場が、常に衛生的で安全な軟包装材料を製造するために必要な工場の構造・設備と製造・加工工程における衛生管理(加工衛生管理)について軟包装衛生協議会が定めた自主基準です。軟包装は、食品を包装する一次包装に使用する場合が多いので、食品工場の延長線上での対応が必要です(http://www.naneikyo.com/22.html)。
諸外国の制度について
米国においては、1958年から、合成樹脂や紙、ゴム製品について、連邦規則集(CFR:Code of Federal Regulations:FDA)に掲載された物質のみが使用可能となるポジティブリスト制度が構築されている。合成樹脂については、ポリマーの種類ごとに使用可能なモノマーや添加剤、その含有量等が規定されている。さらに、2000年からは、ポジティブリストへの掲載の迅速化を図るため、製品ごとに届出者に限定して使用可能とする食品接触物質の上市前届出制度(FCN:Food Contact Notification)が導入されている。
EUにおいては、合成樹脂について、2010年からポジティブリスト制度が構築されており、モノマー、添加剤ごとに、溶出量の制限や使用条件等が規定されている。また、製品及びその材料を構成する成分の総溶出量についても規定されている。また、原材料や製品がポジティブリストに適合することの証明として、自分・自社・製造供給者自身による「適合宣言書」の発行が義務付けられており、事業者間における情報伝達ツールとしての役割を果たしている。日本のように安全である証明の衛生証明書のような提出はないが、適合宣言の根拠が必要である。
諸外国における輸入品に対する対応:日本からの輸出品
米国への輸入時には、企業間の契約により、輸入者の要求に応じて、材料組成情報の開示、ポジティブリストに適合していることの証明(多くの場合は第三者機関による試験成績書)、法律事務所で作成されたオピニオンレター等を輸入者に提出している。
EU への輸入時には、適合宣言書の発行が義務付けられており、当局の要求に応じて適合宣言を立証するための適切な資料を利用できるようにしなければならない。通常時は、輸入時提出資料に適合宣言書は含まれず、必要に応じて当局から提出が求められる。適合宣言書には製造に意図的に使用される物質名を記載することとなっているが、企業秘密により情報開示が困難な場合は、各国の第三者機関が中立的立場で適合性を確認し、証明する場合もある。
包装材料の安全性については、不明の場合は、包装業界の専門家の意見を求めて対応したほうが良いと思います。素人判断は禁物です。

住本技術士事務所 所長 住本充弘氏(すみもと みつひろ)
技術士(経営工学)、包装管理士((社)日本包装技術協会認定)
日本包装コンサルタント協会会員・理事
技術士包装物流グループ会員・理事
日本包装学会会員
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連載|より包装材料の印刷の理解を深めるために - 11
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一般社団法人PODi
1996年に米国で誕生した世界最大のデジタル印刷推進団体。印刷会社800社、ベンダー50社以上が参加し、デジタル印刷を活用した成功事例をはじめ、多くの情報を会員向けに公開している。また、WhatTheyThinkをはじめDMAなどの海外の団体と提携し、その主要なニュースを日本語版で配信している。
業界の自主管理
例えば、熱可塑性合成樹脂については、安全性の観点から評価した上で業界団体の自主基準として使用を認めた物質のリストを定め、使用を認めた物質ごとに製品中の含有量または添加量、食品への移行量(溶出量)、使用用途等の制限を定めている。また、業界団体が会員企業からの申請に基づき、原材料から最終製品までの取扱い段階ごとに、自主基準に適合していることを確認したときに証明書を交付する、「確認証明制度」が活用されている(ポリオレフィン等衛生協議会)。
このほか、熱可塑性合成樹脂のうち軟包装材料については、衛生管理に関する一定の自主基準(衛生管理自主基準)を設け、この基準に基づく工場認定制度を運用している(軟包装衛生協議会)。
また、軟包装衛生協議会は、衛生管理自主基準を設けている。会員工場が、常に衛生的で安全な軟包装材料を製造するために必要な工場の構造・設備と製造・加工工程における衛生管理(加工衛生管理)について軟包装衛生協議会が定めた自主基準です。軟包装は、食品を包装する一次包装に使用する場合が多いので、食品工場の延長線上での対応が必要です(http://www.naneikyo.com/22.html)。
諸外国の制度について
米国においては、1958年から、合成樹脂や紙、ゴム製品について、連邦規則集(CFR:Code of Federal Regulations:FDA)に掲載された物質のみが使用可能となるポジティブリスト制度が構築されている。合成樹脂については、ポリマーの種類ごとに使用可能なモノマーや添加剤、その含有量等が規定されている。さらに、2000年からは、ポジティブリストへの掲載の迅速化を図るため、製品ごとに届出者に限定して使用可能とする食品接触物質の上市前届出制度(FCN:Food Contact Notification)が導入されている。
EUにおいては、合成樹脂について、2010年からポジティブリスト制度が構築されており、モノマー、添加剤ごとに、溶出量の制限や使用条件等が規定されている。また、製品及びその材料を構成する成分の総溶出量についても規定されている。また、原材料や製品がポジティブリストに適合することの証明として、自分・自社・製造供給者自身による「適合宣言書」の発行が義務付けられており、事業者間における情報伝達ツールとしての役割を果たしている。日本のように安全である証明の衛生証明書のような提出はないが、適合宣言の根拠が必要である。
諸外国における輸入品に対する対応:日本からの輸出品
米国への輸入時には、企業間の契約により、輸入者の要求に応じて、材料組成情報の開示、ポジティブリストに適合していることの証明(多くの場合は第三者機関による試験成績書)、法律事務所で作成されたオピニオンレター等を輸入者に提出している。
EU への輸入時には、適合宣言書の発行が義務付けられており、当局の要求に応じて適合宣言を立証するための適切な資料を利用できるようにしなければならない。通常時は、輸入時提出資料に適合宣言書は含まれず、必要に応じて当局から提出が求められる。適合宣言書には製造に意図的に使用される物質名を記載することとなっているが、企業秘密により情報開示が困難な場合は、各国の第三者機関が中立的立場で適合性を確認し、証明する場合もある。
包装材料の安全性については、不明の場合は、包装業界の専門家の意見を求めて対応したほうが良いと思います。素人判断は禁物です。

住本技術士事務所 所長 住本充弘氏(すみもと みつひろ)
技術士(経営工学)、包装管理士((社)日本包装技術協会認定)
日本包装コンサルタント協会会員・理事
技術士包装物流グループ会員・理事
日本包装学会会員
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