エコー電機製作所、新システムで機能拡張 - インクジェットデジタル印刷機「PJシリーズ」
可変データ印刷の高速化実現
2022年3月29日製品・テクノロジー
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(株)エコー電機製作所(大阪府東大阪市中野南、烏田聡社長)が開発・製造するインクジェットデジタル印刷機「PJシリーズ」が、新システムを搭載してバージョンアップされた。
電気制御システムの開発・製造を手がけるエコー電機製作所は、2021年1月6日付けで、(株)志機のラベル印刷機および加工機に関する事業を譲受。一部の従業員と機械工場(大阪市平野区加美東)を引き継ぎ、オフセット間欠印刷機や凸版間欠印刷機で高い知名度を誇る「SHIKI」ブランド製品の開発・製造から販売・メンテナンス事業までを手掛けている。
同社は、志機の電気部門におけるパートナー企業であったことからラベル印刷機との関わりも深く、そのほかにもスリッターや断裁機、後加工機などの電気制御システムでも多くの実績を持つ。烏田社長は、「志機は古くからの取引先であり、何よりラベル印刷機メーカーとして歴史と実績を築いてきた『SHIKIブランド』が途絶えてしまうことは忍びないと考えた。当社は既設機のアフターサービスに留まらず、新機種の開発から製造・販売までの事業を継承していく」としている。
デジタル印刷機「PJシリーズ」についても、志機時代から10年以上にわたって継続的に行われてきた機能改良を引き継ぎ、このほど新たなシステムを搭載した新バージョンをリリースしている。
「PJシリーズ」は、LED-UV搭載のフルカラーインクジェット印刷機。解像度600dpi×600dpiで最大50メートル/分の高速シングルパス印刷を可能としているロールタイプは、シールラベル業界に留まらず、トレーサビリティを前提とした可変データ印字のニーズが高まる様々な業種への導入が進んでいる。
一方、枚葉タイプはスクリーン印刷の置き換えを想定して開発されたもの。PETやポリカーボネートなど、厚みや材質の問題でロールにできないメディアにも対応できる。その中でも、搬送部分にバキュームコンベアを採用した生産性重視モデルや、搬送部分にバキュームテーブルを採用した精度重視モデルをラインアップするなど、ユーザーニーズに応じた仕様が用意されているのも特徴のひとつだ。
最大印刷長は2,700ミリ長(データ長)で、最大メディア厚は5ミリ、C・M・Y・K・白・ニスの6色に対応。搬送の機構や加工オプションなども含めた機械仕様のカスタマイズにも対応する。
◇ ◇
すでに欧州で稼働実績のある新バージョンでは、ソフトウェアが一新されている。まず、これまで別ソフトに依存していたRIP処理の機能をPJアプリに統合。PDFやAI、TIFFなどの元データを読み込み、そのまま印刷が可能になった。これによりデータ容量を圧縮できるほか、PJアプリ内のデフォルトの印刷設定を使うことで間違いも起こりにくい。さらにRIP済みの印刷データ(ジョブ)を保存できることから、リピートがあってもそのジョブを呼び出して即印刷可能。RIP処理にかかる時間を待つ必要がない。
一方、2列以上並べた同色ヘッドの繋ぎ目の処理が改善されている。重なっているヘッド端の数ピクセルを2つのヘッドから交互に印刷することで繋ぎ目のスジが目立ちにくく自然な仕上がりになる。重ね量はソフト側で調整可能だ。
今回最も大きな改良点と言えるのが「可変データ印刷の高速化」だ。従来は、印刷しながら次の可変データを変換・作成していたことから、可変データが多くなると変換が間に合わず、印刷速度に制限がかかることがあった。新バージョンでは、「全ページ変換モード」が追加され、可変データを印刷前にすべて変換しておくことで、大量の可変データでも高速印刷性能を最大限に引き出せるようになった。
また、印刷履歴機能も強化された。過去の100ジョブの詳細な印刷設定を履歴として一覧化。その履歴から読み出した製品の可変設定や用紙設定を少し編集して再度印刷することもできる。
さらに、ひとつの可変設定を基準に、複数の可変データをコピーして並べる機能や、画像サイズの調整や印刷位置調整、複数画像ファイルを並べるなどの新レイアウト機能も追加されている。
また、PJシステムをサーバー化することで、ブラウザ上での操作も可能になった。同じネットワーク上にある他のPCやタブレット端末から画像レイアウトやジョブ登録、可変設定、印刷、履歴の確認などの操作が行える。
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電気制御システムの開発・製造を手がけるエコー電機製作所は、2021年1月6日付けで、(株)志機のラベル印刷機および加工機に関する事業を譲受。一部の従業員と機械工場(大阪市平野区加美東)を引き継ぎ、オフセット間欠印刷機や凸版間欠印刷機で高い知名度を誇る「SHIKI」ブランド製品の開発・製造から販売・メンテナンス事業までを手掛けている。
同社は、志機の電気部門におけるパートナー企業であったことからラベル印刷機との関わりも深く、そのほかにもスリッターや断裁機、後加工機などの電気制御システムでも多くの実績を持つ。烏田社長は、「志機は古くからの取引先であり、何よりラベル印刷機メーカーとして歴史と実績を築いてきた『SHIKIブランド』が途絶えてしまうことは忍びないと考えた。当社は既設機のアフターサービスに留まらず、新機種の開発から製造・販売までの事業を継承していく」としている。
デジタル印刷機「PJシリーズ」についても、志機時代から10年以上にわたって継続的に行われてきた機能改良を引き継ぎ、このほど新たなシステムを搭載した新バージョンをリリースしている。
「PJシリーズ」は、LED-UV搭載のフルカラーインクジェット印刷機。解像度600dpi×600dpiで最大50メートル/分の高速シングルパス印刷を可能としているロールタイプは、シールラベル業界に留まらず、トレーサビリティを前提とした可変データ印字のニーズが高まる様々な業種への導入が進んでいる。
一方、枚葉タイプはスクリーン印刷の置き換えを想定して開発されたもの。PETやポリカーボネートなど、厚みや材質の問題でロールにできないメディアにも対応できる。その中でも、搬送部分にバキュームコンベアを採用した生産性重視モデルや、搬送部分にバキュームテーブルを採用した精度重視モデルをラインアップするなど、ユーザーニーズに応じた仕様が用意されているのも特徴のひとつだ。
最大印刷長は2,700ミリ長(データ長)で、最大メディア厚は5ミリ、C・M・Y・K・白・ニスの6色に対応。搬送の機構や加工オプションなども含めた機械仕様のカスタマイズにも対応する。
◇ ◇
すでに欧州で稼働実績のある新バージョンでは、ソフトウェアが一新されている。まず、これまで別ソフトに依存していたRIP処理の機能をPJアプリに統合。PDFやAI、TIFFなどの元データを読み込み、そのまま印刷が可能になった。これによりデータ容量を圧縮できるほか、PJアプリ内のデフォルトの印刷設定を使うことで間違いも起こりにくい。
さらにRIP済みの印刷データ(ジョブ)を保存できることから、リピートがあってもそのジョブを呼び出して即印刷可能。RIP処理にかかる時間を待つ必要がない。
一方、2列以上並べた同色ヘッドの繋ぎ目の処理が改善されている。重なっているヘッド端の数ピクセルを2つのヘッドから交互に印刷することで繋ぎ目のスジが目立ちにくく自然な仕上がりになる。重ね量はソフト側で調整可能だ。
今回最も大きな改良点と言えるのが「可変データ印刷の高速化」だ。従来は、印刷しながら次の可変データを変換・作成していたことから、可変データが多くなると変換が間に合わず、印刷速度に制限がかかることがあった。新バージョンでは、「全ページ変換モード」が追加され、可変データを印刷前にすべて変換しておくことで、大量の可変データでも高速印刷性能を最大限に引き出せるようになった。
また、印刷履歴機能も強化された。過去の100ジョブの詳細な印刷設定を履歴として一覧化。その履歴から読み出した製品の可変設定や用紙設定を少し編集して再度印刷することもできる。
さらに、ひとつの可変設定を基準に、複数の可変データをコピーして並べる機能や、画像サイズの調整や印刷位置調整、複数画像ファイルを並べるなどの新レイアウト機能も追加されている。
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