ブレイクスルーとなった文芸誌のカラー化
DSRで「群像」の生産を開始したのは、2025年5月号からのこと。生産を委託していた印刷会社から、これまで「群像」の印刷を行っていたオフ輪が老朽化などのため稼働を終了するとの通達があったことが背景にある。
この知らせは群像編集部にも届いたが、群像 編集長である戸井武史氏(文芸第一出版部 部長)は「その時はあまり実感がなく、まだ先の話として捉えていた。しかし、2024年末頃に制作部門から正式にオフ輪が使えなくなるということが報告された」と振り返る。
オフ輪がなくなることによっての廃刊、あるいは電子書籍としての刊行継続など、戸井氏にとって受け入れ難い今後が脳裏を掠めた。しかし同時に土井氏から、DSRで制作した試作本が示された。
DSRであれば、オフ輪同様のサイクルで生産が可能で、さらにモノクロ誌面をカラー化できることも魅力であった。戸井氏は、「紙の書籍として残せるのなら」との思いから「群像」の未来をDSRに託すことを決断した。
群像 副編集長の須田美音氏(文芸第一出版部)は「1946年の創刊から79年間、モノクロであった群像の誌面がカラーページを組み込むことでモノクロとは違う表現を誌面で提供できると感じた。また、読者も今までにない新鮮な感覚で読んでくれるはず」と、カラー化による「群像」の進化に期待したという。
月刊文芸誌は現在、他の出版社を含め、4誌が発刊されている。そのすべての本文がモノクロ印刷だ。土井氏は「おそらく群像の創刊当時は、すべての文芸誌が活版印刷でサイズもA5版であったと思う。その後、オフ輪に移行してもA判機はモノクロ仕様のままでカラー化されることはなかった。つまり印刷デバイスの問題から文芸誌はモノクロで刊行されてきたが、今回、その制約をデジタル印刷機が払拭してくれた」と、文芸誌生産における出版業界のブレイクスルーを強調する。
新着トピックス
-
ケーススタディ 門那シーリング印刷(大阪)、除電機能で作業効率向上[Revoria Press PC1120導入事例]
-
ケーススタディ 尾崎スクリーン、熱転写の新たな領域へ[HP Indigo 7K デジタル印刷機導入事例]
リンクス、スキルレスで人材確保、育成期間短縮[JetPress750S導入事例]
2025年6月27日ケーススタディ
「アイデア什器」の(株)リンクス(本社/岐阜県関市倉知2639-1、吉田哲也社長)は昨年11月、富士フイルムの枚葉インクジェットデジタルプレス「JetPress750S」(厚紙仕様)...全文を読む
コニカミノルタジャパン、AccurioDays2025で新たなフラッグシップモデルを公開
2025年6月4日製品・テクノロジー
コニカミノルタジャパン(株)は、デジタルカラー印刷システムの最上位機種「AccurioPress(アキュリオプレス) C14010シリーズ」の発売を記念して4月23・24日の2日間、...全文を読む
最新ニュース
コニカミノルタ、2色のインク吐出に対応するインクジェットヘッドの新製品発売
2025年9月26日
コニカミノルタ(株)(本社/東京都千代田区、大幸利充社長)は、高精細・高速印刷に適した広幅の産業用インクジェットヘッド「KM1800iシリーズ」の新製品として、一つのヘッドで2色のイ...全文を読む
富士フイルムBI、デジタル印刷ワークフローソフトウェアが「IDEA」ファイナリストに
2025年9月24日
富士フイルムビジネスイノベーション(株)(本社/東京都港区、浜直樹社長・CEO)は、アメリカ・インダストリアル・デザイナー協会(IDSA)が主催する「IDEA(Internation...全文を読む
HP、未来の働き方を支援する「HP Indigo 6K+ デジタル印刷機」発表
2025年9月18日
HP Inc.(以下「HP」)は、このほどデジタルラベル生産の需要拡大に対応するために設計された新製品「HP Indigo 6K+ デジタル印刷機」を発表した。 世界2,300台以...全文を読む
講談社、フルデジタル書籍生産システムが新たな領域に
月刊商業誌の生産へ〜文芸誌「群像」の印刷・製本を開始
2025年9月29日ケーススタディ
ブレイクスルーとなった文芸誌のカラー化
DSRで「群像」の生産を開始したのは、2025年5月号からのこと。生産を委託していた印刷会社から、これまで「群像」の印刷を行っていたオフ輪が老朽化などのため稼働を終了するとの通達があったことが背景にある。
この知らせは群像編集部にも届いたが、群像 編集長である戸井武史氏(文芸第一出版部 部長)は「その時はあまり実感がなく、まだ先の話として捉えていた。しかし、2024年末頃に制作部門から正式にオフ輪が使えなくなるということが報告された」と振り返る。
オフ輪がなくなることによっての廃刊、あるいは電子書籍としての刊行継続など、戸井氏にとって受け入れ難い今後が脳裏を掠めた。しかし同時に土井氏から、DSRで制作した試作本が示された。
DSRであれば、オフ輪同様のサイクルで生産が可能で、さらにモノクロ誌面をカラー化できることも魅力であった。戸井氏は、「紙の書籍として残せるのなら」との思いから「群像」の未来をDSRに託すことを決断した。
群像 副編集長の須田美音氏(文芸第一出版部)は「1946年の創刊から79年間、モノクロであった群像の誌面がカラーページを組み込むことでモノクロとは違う表現を誌面で提供できると感じた。また、読者も今までにない新鮮な感覚で読んでくれるはず」と、カラー化による「群像」の進化に期待したという。
月刊文芸誌は現在、他の出版社を含め、4誌が発刊されている。そのすべての本文がモノクロ印刷だ。土井氏は「おそらく群像の創刊当時は、すべての文芸誌が活版印刷でサイズもA5版であったと思う。その後、オフ輪に移行してもA判機はモノクロ仕様のままでカラー化されることはなかった。つまり印刷デバイスの問題から文芸誌はモノクロで刊行されてきたが、今回、その制約をデジタル印刷機が払拭してくれた」と、文芸誌生産における出版業界のブレイクスルーを強調する。
新着トピックス
-
門那シーリング印刷(大阪)、除電機能で作業効率向上[Revoria Press PC1120導入事例]
2025年8月8日 ケーススタディ
-
尾崎スクリーン、熱転写の新たな領域へ[HP Indigo 7K デジタル印刷機導入事例]
2025年8月4日 ケーススタディ
-
リンクス、スキルレスで人材確保、育成期間短縮[JetPress750S導入事例]
2025年6月27日 ケーススタディ
-
コニカミノルタジャパン、AccurioDays2025で新たなフラッグシップモデルを公開
2025年6月4日 製品・テクノロジー
-
大村印刷、特殊トナーと用紙対応力で小ロット・高付加価値ニーズに対応
2025年5月8日 ケーススタディ
新着ニュース
-
コニカミノルタ、2色のインク吐出に対応するインクジェットヘッドの新製品発売
2025年9月26日 ニュース
-
富士フイルムBI、デジタル印刷ワークフローソフトウェアが「IDEA」ファイナリストに
2025年9月24日 ニュース
-
HP、未来の働き方を支援する「HP Indigo 6K+ デジタル印刷機」発表
2025年9月18日 ニュース
-
パラシュート、デジタル印刷受発注管理システム「PNS」がIT導入補助金対象製品に認定
2025年9月12日 ニュース
-
SCREEN GAとSCREEN GPJ、「パッケージに彩りを」テーマに「JAPAN PACK 2025」に出展
2025年9月11日 ニュース
SNSランキング
- 50sharesリコー、企業内・商用印刷の幅広いニーズに対応するカラー機の新機種発売
- 44shares富士フイルムBI、デジタル印刷ワークフローソフトウェアが「IDEA」ファイナリストに
- 38shares門那シーリング印刷(大阪)、除電機能で作業効率向上[Revoria Press PC1120導入事例]
- 38sharesコニカミノルタジャパン、AccurioDays2025で新たなフラッグシップモデルを公開
- 37sharesSCREEN GAとSCREEN GPJ、「パッケージに彩りを」テーマに「JAPAN PACK 2025」に出展
- 30sharesコニカミノルタジャパン、機能強化モデル「AccurioPress C7100 ENHANCED」発売
- 28sharesパラシュート、Webプラットフォームをベースとした販促資材管理サービスの提供開始
- 28shares日印機工とプリデジ協、IGAS2027の日程決定-2027年8月に東京ビッグサイトで開催
- 26shares富士フイルムBI、国内外のデジタル印刷作品を評価するコンテストで日本から過去最多の7作品が入賞
- 24shares尾崎スクリーン、熱転写の新たな領域へ[HP Indigo 7K デジタル印刷機導入事例]
おすすめコンテンツ
尾崎スクリーン、熱転写の新たな領域へ[HP Indigo 7K デジタル印刷機導入事例]
竹田印刷、多様な個性をかたちに〜アール・ブリュット作品を世界に発信
奥村印刷、新たな価値を紙に付加〜「折り紙食器 beak」でIPA2024に入賞