キーワードで検索

フィニッシング4.0実現への道筋 - コネックスでスマートファクトリー化を

ミューラー・マルティニ ジャパン 五反田隆代表に聞く

2018年4月9日製品・テクノロジー企業・経営

 2年前、drupa2016全体がIoTやネットワーク、デジタル技術を核とした「プリント4.0」の潮流をひとつのメガトレンドとして打ち出す中、フィニッシングソリューションの世界的なサプラヤーとしてミューラー・マルティニは、「フィニッシング4.0」という新しいコンセプトを掲げ、来場者から多くの賛同を得た。そのベースとなる技術要素は「自動化」と「接続性」。では、印刷と製本が分業化された日本市場において、この「フィニッシング4.0」を実現するには何が必要なのか。今回、ミューラー・マルティニジャパン(株)の五反田隆代表に、その道筋を示してもらった。
五反田隆 代表

基幹技術は自動化と接続性

 「フィニッシング4.0」とは、最新の情報技術を生産現場のシステムに結合させることで印刷製本会社のオペレーションを透明化し、高効率でより柔軟にするもの。デジタル技術とネットワーク技術を有機的に結びつけて、多品種・小ロットを効率的かつ安価に製造することを目的としている。

 では、この製本工程における「第4次革命」に組み込まれる生産設備とはどういうものなのか...。ミューラー・マルティニは、フィニッシング4.0を実現する技術要素として、「自動化」「接続性」「可変」「タッチレス」という4つを挙げている。なかでも「可変」と「タッチレス」は、我々メーカー側のファンクショナルな部分だが、フィニッシング4.0のベースとなるのは「自動化」「接続性」だ。これは第4次産業革命の性質を端的に表現している。第1次産業革命が機械化による効率向上、第2次産業革命が電気制御を加えることによる省人化と省力化、第3次産業革命が自動化技術の導入による省人化と品質の安定化だった。そして第4次産業革命は、第3次産業革命の自動化技術に「Interconnected」、すなわち「接続性」がプラスされたものである。進化するデジタル印刷技術の優位性を最大化するには、製本工程においてこの「フィニッシング4.0」という考え方が必要不可欠となる。

 一方でその背景には、製版や印刷工程と比較して、製本の「自動化」「接続性」が遅れているという実情がある。現在の多くは、製本側は印刷から印刷物を折丁として受け取り、それを人が製本機に載せて丁合、綴じて製本している。しかし、印刷機と製本機が繋がれば、そこに人の介在はなくなる。その現実性を示したのがデジタル印刷機+シグマラインの構成だった。ある程度、デジタルに限定はされるが、「印刷機と製本機は繋ぐことができる」ということを証明した事例である。

新着トピックス

dp_yamazen_ipa2023_photbook_rgb_tn.jpg

ヤマゼンコミュニケイションズ、VRの世界観を印刷物として提供

2024年1月26日企業・経営

 ヤマゼンコミュニケイションズ(株)(本社/栃木県宇都宮市、山本堅嗣宣社長)は、2023年度の「Innovation print Awards(以下、IPA)」において、「フォトブック...全文を読む

kodak_24ny_top_dp_tn.jpg

コダックジャパン、オフとデジタル両輪で印刷業界にコミット

2024年1月16日スペシャリスト

 ワールドワイドでコダックの事業全体の7〜8割を占める印刷関連事業。プレート、CTP機器、ワークフローを三位一体とするオフセット印刷事業と、「唯一無二」の尖った製品ポートフォリオを持つ...全文を読む

最新ニュース

jet-press-fp790_release_dp_tn.jpg

軟包装印刷向け水性インクジェットデジタルプレス「Jet Press FP790」発売

2024年3月26日

 富士フイルム(株)(後藤禎一社長・CEO)は、インクジェットデジタルプレス「Jet Press」シリーズの新ラインアップとして、軟包装印刷市場を対象とした水性インクジェットプレス「J...全文を読む

富士フイルム、ワイドフォーマットIJ向け「AQUAFUZE技術」を開発

2024年3月26日

 富士フイルム(株)(後藤禎一社長・CEO)は、ワイドフォーマットインクジェットプリンター向けに、水性顔料インクジェットインク中に光硬化性樹脂を安定的に分散させる独自技術「AQUAFU...全文を読む

kodak_drupa-2024-booth_dp_tn.jpg

コダック、drupa2024でインクジェットとオフセットのソリューション展開

2024年3月25日

 コダック社は、5月28日から開催される「drupa2024」に出展し、印刷会社の生産性と収益性向上を支援するために設計されたデジタルテクノロジーと従来の印刷ソリューションを展示する(...全文を読む

フィニッシング4.0実現への道筋 - コネックスでスマートファクトリー化を

ミューラー・マルティニ ジャパン 五反田隆代表に聞く

2018年4月9日製品・テクノロジー企業・経営

  • twitter
  • facebook
  • line

 2年前、drupa2016全体がIoTやネットワーク、デジタル技術を核とした「プリント4.0」の潮流をひとつのメガトレンドとして打ち出す中、フィニッシングソリューションの世界的なサプラヤーとしてミューラー・マルティニは、「フィニッシング4.0」という新しいコンセプトを掲げ、来場者から多くの賛同を得た。そのベースとなる技術要素は「自動化」と「接続性」。では、印刷と製本が分業化された日本市場において、この「フィニッシング4.0」を実現するには何が必要なのか。今回、ミューラー・マルティニジャパン(株)の五反田隆代表に、その道筋を示してもらった。
五反田隆 代表

基幹技術は自動化と接続性

 「フィニッシング4.0」とは、最新の情報技術を生産現場のシステムに結合させることで印刷製本会社のオペレーションを透明化し、高効率でより柔軟にするもの。デジタル技術とネットワーク技術を有機的に結びつけて、多品種・小ロットを効率的かつ安価に製造することを目的としている。

 では、この製本工程における「第4次革命」に組み込まれる生産設備とはどういうものなのか...。ミューラー・マルティニは、フィニッシング4.0を実現する技術要素として、「自動化」「接続性」「可変」「タッチレス」という4つを挙げている。なかでも「可変」と「タッチレス」は、我々メーカー側のファンクショナルな部分だが、フィニッシング4.0のベースとなるのは「自動化」「接続性」だ。これは第4次産業革命の性質を端的に表現している。第1次産業革命が機械化による効率向上、第2次産業革命が電気制御を加えることによる省人化と省力化、第3次産業革命が自動化技術の導入による省人化と品質の安定化だった。そして第4次産業革命は、第3次産業革命の自動化技術に「Interconnected」、すなわち「接続性」がプラスされたものである。進化するデジタル印刷技術の優位性を最大化するには、製本工程においてこの「フィニッシング4.0」という考え方が必要不可欠となる。

 一方でその背景には、製版や印刷工程と比較して、製本の「自動化」「接続性」が遅れているという実情がある。現在の多くは、製本側は印刷から印刷物を折丁として受け取り、それを人が製本機に載せて丁合、綴じて製本している。しかし、印刷機と製本機が繋がれば、そこに人の介在はなくなる。その現実性を示したのがデジタル印刷機+シグマラインの構成だった。ある程度、デジタルに限定はされるが、「印刷機と製本機は繋ぐことができる」ということを証明した事例である。

新着トピックス

新着ニュース

PAGE TOP