KOMORIが提案するDX、4つの視点でアプローチ
2021年7月7日製品・テクノロジーマーケティング
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自動化
KOMORIは「省人化・省力化技術を搭載した機械や生産システムとつなぐことで、お客様の生産性を極大化していく」ことを目的とした「コネクテッド・オートメーション」コンセプトを掲げている。KP-コネクト プロは、その中核ソフトウェアとしてMISやプリプレス、プレス、ポストプレス、ロジスティクス等の各種システムとCIP4/JDFやCSVデータを使って自動化(オートメーション)連携をすることができる。
▽プリプレス・オートメーション(図3)
印刷工程側にあるKP-コネクト プロのスケジューラーから、RIP(プリプレス)に刷版出力指示をかけることができる。つまり印刷現場が欲しいタイミングで刷版を出力できるので版待ちや版滞留などの工程間ボトルネックを抑止することが可能。
▽プレス・オートメーション(図4)
KP-コネクト プロの簡易自動スケジューリング機能は、用紙やインキ情報などから、印刷機の段取り替え効率を最適化する印刷順序を印刷オペレーターに提示する。また、KOMORIのオフセット印刷機にはジョブ情報やインキ情報、用紙情報などが自動セッティングされ、オペレーターの情報登録作業の大半がなくなるので、とくに小ロット印刷において印刷作業中の準備時間の割合を大幅に削減できる。
▽ポストプレス・オートメーション(図5)
KOMORIの断裁システム アプリシアCTXは、RIP(プリプレス)で作成されたポストプレスJDFをKP-コネクト プロ経由で受信し、断裁プログラムを自動生成する。この断裁プログラムによって、刷り本の回転方向や断裁寸法が自動セッティングされるため、情報のセットアップ作業に数十分を要する不定形多面付けジョブであっても、断裁オペレーターはプログラム登録作業をする必要がなくなる。
実際にKP-コネクト プロを導入し、稼働改善に取り組んでいるユーザーは、どのような効果を得ているのか。いくつか事例を紹介する。
コマーシャル印刷を主とするA印刷会社では、離れた生産拠点で業務フローが異なることと、エクセルや紙での生産管理がボトルネックであった。利益創出のためには、複数台の印刷機をいかに効率的に稼働させるかが重要と考え、生産管理の統一化をKP-コネクト プロで実行。生産管理業務を「一元化」「整流化」したことで効率的な予定づくりができるようになり、電話確認はゼロ、事務作業は3分の1に減少するなど無駄を削減できた。また、稼働率や機械状況の「見える化」により数値を使った稼働分析も行っている。課題共有とやるべきことの明確化ができたことで現場の意識変化が見られた。その結果は実績にも表れ、準備時間を大幅に改善したことで稼働率60%超えを達成する月も発生している。
パッケージ印刷を主とするB印刷会社では、生産計画や進捗、営業情報の管理が担当者にしかわからないブラックボックス化していたことと、手作業によるヒューマンエラーが多発していたことが課題であった。この課題解決のために必要なジョブデータがMIS(基幹システム)から自動連携できるKP-コネクト プロを導入し、生産工程の「整流化」「見える化」を行った。データの自動送信によりミスは削減し、リアルタイムで進捗状況を共有し予定組みで先手を打つことで、印刷から後工程まで一貫して効率よく稼働できるようになった。この結果、内製率が高まり外注費の削減ができ、さらに原紙代を「見える化」したことで、原価の中で原紙が占める割合をチェックでき、利益の改善効果も生まれている。
このようにDXの歩みを進めている印刷会社は年々増加している。見えない課題を発見し改善する、すると新たな課題が見え、今度はこれを改善する。このサイクルを生み出すことが生産の効率化、ひいては利益拡大につながっていく。一方で、生産性向上のためには印刷機械そのものの性能アップも求められる。KOMORIは、その市場要求に応え、新たにアドバンスシリーズを開発。給排紙性能の向上、高速ロングラン印刷での安定性、イージーオペレーションといった基本性能を改良している。さらに、KP-コネクト プロとの連携を強化し、ジョブデータを印刷機械に自動送信するセッティングの自動化や、オペレーションの自動化など、まさにオートメーションを体現するモデルとなっている。
印刷業界のDXは技術的に可能な時代となりました。冒頭にも述べた通り、これからの時代を生き抜くうえで、いち早くDXを進めることが重要なポイントである。KOMORIは、この課題に皆さまとともに取り組み、印刷会社、さらには業界全体の発展に貢献したいと考えている。また、これからは環境対応が喫緊の課題としてあり、製造業には「脱炭素化」が求められている。DXを推し進めることは、脱炭素社会の実現にもつながる。DXにより生産性が向上すれば、同じ売上を達成するためのエネルギーを効率的に使用できるため、結果的に炭素排出量を大きく減らせ、さらに損紙などのムダを削減できる効果も期待できる。つまり、印刷機の生産性を向上させることや全工程をつなぎ工場全体の効率を上げることが未来の環境を守ることになるのである。KOMORIは印刷会社のDXを推進し、生産現場の改善と利益創出に貢献するとともに、さらには脱炭素社会を実現するソリューションを世界に向けて提案していく。
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KOMORIは「省人化・省力化技術を搭載した機械や生産システムとつなぐことで、お客様の生産性を極大化していく」ことを目的とした「コネクテッド・オートメーション」コンセプトを掲げている。KP-コネクト プロは、その中核ソフトウェアとしてMISやプリプレス、プレス、ポストプレス、ロジスティクス等の各種システムとCIP4/JDFやCSVデータを使って自動化(オートメーション)連携をすることができる。
▽プリプレス・オートメーション(図3)
印刷工程側にあるKP-コネクト プロのスケジューラーから、RIP(プリプレス)に刷版出力指示をかけることができる。つまり印刷現場が欲しいタイミングで刷版を出力できるので版待ちや版滞留などの工程間ボトルネックを抑止することが可能。
▽プレス・オートメーション(図4)
KP-コネクト プロの簡易自動スケジューリング機能は、用紙やインキ情報などから、印刷機の段取り替え効率を最適化する印刷順序を印刷オペレーターに提示する。また、KOMORIのオフセット印刷機にはジョブ情報やインキ情報、用紙情報などが自動セッティングされ、オペレーターの情報登録作業の大半がなくなるので、とくに小ロット印刷において印刷作業中の準備時間の割合を大幅に削減できる。
▽ポストプレス・オートメーション(図5)
KOMORIの断裁システム アプリシアCTXは、RIP(プリプレス)で作成されたポストプレスJDFをKP-コネクト プロ経由で受信し、断裁プログラムを自動生成する。この断裁プログラムによって、刷り本の回転方向や断裁寸法が自動セッティングされるため、情報のセットアップ作業に数十分を要する不定形多面付けジョブであっても、断裁オペレーターはプログラム登録作業をする必要がなくなる。
実際にKP-コネクト プロを導入し、稼働改善に取り組んでいるユーザーは、どのような効果を得ているのか。いくつか事例を紹介する。
コマーシャル印刷を主とするA印刷会社では、離れた生産拠点で業務フローが異なることと、エクセルや紙での生産管理がボトルネックであった。利益創出のためには、複数台の印刷機をいかに効率的に稼働させるかが重要と考え、生産管理の統一化をKP-コネクト プロで実行。生産管理業務を「一元化」「整流化」したことで効率的な予定づくりができるようになり、電話確認はゼロ、事務作業は3分の1に減少するなど無駄を削減できた。また、稼働率や機械状況の「見える化」により数値を使った稼働分析も行っている。課題共有とやるべきことの明確化ができたことで現場の意識変化が見られた。その結果は実績にも表れ、準備時間を大幅に改善したことで稼働率60%超えを達成する月も発生している。
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このようにDXの歩みを進めている印刷会社は年々増加している。見えない課題を発見し改善する、すると新たな課題が見え、今度はこれを改善する。このサイクルを生み出すことが生産の効率化、ひいては利益拡大につながっていく。一方で、生産性向上のためには印刷機械そのものの性能アップも求められる。KOMORIは、その市場要求に応え、新たにアドバンスシリーズを開発。給排紙性能の向上、高速ロングラン印刷での安定性、イージーオペレーションといった基本性能を改良している。さらに、KP-コネクト プロとの連携を強化し、ジョブデータを印刷機械に自動送信するセッティングの自動化や、オペレーションの自動化など、まさにオートメーションを体現するモデルとなっている。
印刷業界のDXは技術的に可能な時代となりました。冒頭にも述べた通り、これからの時代を生き抜くうえで、いち早くDXを進めることが重要なポイントである。KOMORIは、この課題に皆さまとともに取り組み、印刷会社、さらには業界全体の発展に貢献したいと考えている。また、これからは環境対応が喫緊の課題としてあり、製造業には「脱炭素化」が求められている。DXを推し進めることは、脱炭素社会の実現にもつながる。DXにより生産性が向上すれば、同じ売上を達成するためのエネルギーを効率的に使用できるため、結果的に炭素排出量を大きく減らせ、さらに損紙などのムダを削減できる効果も期待できる。つまり、印刷機の生産性を向上させることや全工程をつなぎ工場全体の効率を上げることが未来の環境を守ることになるのである。KOMORIは印刷会社のDXを推進し、生産現場の改善と利益創出に貢献するとともに、さらには脱炭素社会を実現するソリューションを世界に向けて提案していく。
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