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KOMORIが提案するDX、4つの視点でアプローチ

2021年7月7日製品・テクノロジーマーケティング

 DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、「デジタル化(D)」によって、「会社を変革(X)」すること。デジタル技術を駆使し、従来の業態や生産体制を見直し改善することによって、新しいビジネスモデルを構築することである。コロナ禍という未曽有の危機に見舞われた今、これまでの仕事の形を見直す必要性は急速に増し、とくに生産性をいかに上げ、利益を創出するかという課題が、印刷会社経営の最重要課題になっている。これを解決するには、生産工程全体のDXによるイノベーションがキーとなる。そこで今回、KOMORIの提案するDX=スマートファクトリー化のポイントを紹介していく。

 KOMORIが考える印刷会社のスマートファクトリー化とは、工程間で分断された各機器をつなぐことでボトルネックを可視化し、それを解消して生産体制全体を改善すること。個々のシステムで運用しているMIS、プリプレス、プレス、ポストプレスを統合管理し、印刷工場をデジタル化する中核となるソフトウェアがKP-コネクト プロである(図1)。オープンプラットフォームで開発されたKP-コネクト プロは、各メーカーやベンダーとの接続が可能なシステム。つまり新しい機器はもちろんのこと、お客様の既存の機器とも自由に組み合わせてつなぐことが可能となっている。

(図1)KP-Connect Pro

 KP-コネクト プロのDXへのアプローチはシンプルで、「工場内すべての工程、機械をつなぎ、生産データを『一元化』する」「そのデータをわかりやすく『見える化』する」「生産予定を最適化し、即時現場に配信することで、ワークフローを『整流化』する」「各工程の生産機を『自動化』する」の4点に集約される(図2)。

(図2)工場デジタル化へのアプローチ

一元化

 印刷物の小ロット化が進展する現在、かつての印刷ロットが大きかった時代と同じようにアナログ(紙や電話)で情報伝達を行っていては、利益を圧迫する一方である。なぜなら、小ロット化で一件あたりの売上金額が減少する中、ロットの大小にかかわらず、情報伝達コストは変わらないからで、小ロット印刷で稼ぐためには、デジタル化によって情報を統合し、情報伝達コストを最小化する必要がある。

 KP-コネクト プロは、印刷工場内すべての生産情報をリアルタイムかつ正確に収集・記録することができる。印刷工場の生産活動に必要な「予定情報」と「実績情報」を一つのデータベースに集約し、その情報を「必要とする部門、工程、機器、人」が「必要な時」に「必要な形」で利用できるようになる。

見える化

 KP-コネクト プロが見える化(可視化)するのは、工場内生産活動の「現在」「過去」「未来」である。

◎現在=各工程作業のリアルタイム進捗状況を色々な角度で確認。

 ▽現場オペレーターは、前後工程の進捗状況や必要材料(下版、刷版、用紙、刷本など)の準備状況を把握して、効率的な段取り準備を行うことができる。

 ▽大型サイネージ表示により、オペレーターがリアルタイムで予定との差異を把握できる。遅れがあった場合には自発的対処が行え、効率化へのモチベーション向上につながる。

 ▽工場管理者や生産管理部門は、生産現場で問題が発生していないか、予定が遅延していないか、などを自分のデスクからチェックできる。VPNで会社と繋がっていれば、工場管理業務をリモートワーク化することも可能。

◎過去=正確、詳細な実績データに基づいた各種のレポート、ダッシュボードによって全社の改善活動を推進。

 ▽作業が予定時間内に終了したかどうかがジョブ単位で可視化されるので、日次や週次の振り返り会議で問題があったジョブとその問題点を共有できる。

 ▽会議報告での面倒な生産枚数グラフやロスの分析など、手間のかかるアナログ集計処理から解放され、自動でレポートが作成される。

 ▽MISと自動連携することで、これまで困難であった日次粗利管理や、受注一品別の収支管理を実現する。

◎未来=スケジューラーや生産負荷チャートによって各工程の予定の埋まり具合や空き状況を正確に把握できるので、顧客への迅速な納期回答が可能。生産予定の可視化は、外注案件の内製化や他部署の応援割り振りなど付加価値増大、生産性向上に向けた具体的な施策にもつながる。

整流化

 KP-コネクト プロの特長は、加工を含めた全工程管理が可能であること。工程ごと、拠点ごとにバラバラに行っていた工程管理業務を1ヵ所に集約することで工場全体の生産の最適化を推進する。とくに職人の経験に依存(属人化)しがちな予定組み作業を自動で最適化する機能は、効率化と省人化の推進に大きく貢献する。またエクセルなどで作成した印刷予定表を「紙」で現場に配布する手間、変更内容を伝える手間や電話連絡などをKP-コネクト プロにより劇的に減らせる。予定情報は現場にデジタル配信され、下版日、納期、数量、印刷仕様などの予定が変更された時も、管理者やオペレーターはその情報を即座に確認することができる。

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KOMORIが提案するDX、4つの視点でアプローチ

2021年7月7日製品・テクノロジーマーケティング

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 DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、「デジタル化(D)」によって、「会社を変革(X)」すること。デジタル技術を駆使し、従来の業態や生産体制を見直し改善することによって、新しいビジネスモデルを構築することである。コロナ禍という未曽有の危機に見舞われた今、これまでの仕事の形を見直す必要性は急速に増し、とくに生産性をいかに上げ、利益を創出するかという課題が、印刷会社経営の最重要課題になっている。これを解決するには、生産工程全体のDXによるイノベーションがキーとなる。そこで今回、KOMORIの提案するDX=スマートファクトリー化のポイントを紹介していく。

 KOMORIが考える印刷会社のスマートファクトリー化とは、工程間で分断された各機器をつなぐことでボトルネックを可視化し、それを解消して生産体制全体を改善すること。個々のシステムで運用しているMIS、プリプレス、プレス、ポストプレスを統合管理し、印刷工場をデジタル化する中核となるソフトウェアがKP-コネクト プロである(図1)。オープンプラットフォームで開発されたKP-コネクト プロは、各メーカーやベンダーとの接続が可能なシステム。つまり新しい機器はもちろんのこと、お客様の既存の機器とも自由に組み合わせてつなぐことが可能となっている。

(図1)KP-Connect Pro

 KP-コネクト プロのDXへのアプローチはシンプルで、「工場内すべての工程、機械をつなぎ、生産データを『一元化』する」「そのデータをわかりやすく『見える化』する」「生産予定を最適化し、即時現場に配信することで、ワークフローを『整流化』する」「各工程の生産機を『自動化』する」の4点に集約される(図2)。

(図2)工場デジタル化へのアプローチ

一元化

 印刷物の小ロット化が進展する現在、かつての印刷ロットが大きかった時代と同じようにアナログ(紙や電話)で情報伝達を行っていては、利益を圧迫する一方である。なぜなら、小ロット化で一件あたりの売上金額が減少する中、ロットの大小にかかわらず、情報伝達コストは変わらないからで、小ロット印刷で稼ぐためには、デジタル化によって情報を統合し、情報伝達コストを最小化する必要がある。

 KP-コネクト プロは、印刷工場内すべての生産情報をリアルタイムかつ正確に収集・記録することができる。印刷工場の生産活動に必要な「予定情報」と「実績情報」を一つのデータベースに集約し、その情報を「必要とする部門、工程、機器、人」が「必要な時」に「必要な形」で利用できるようになる。

見える化

 KP-コネクト プロが見える化(可視化)するのは、工場内生産活動の「現在」「過去」「未来」である。

◎現在=各工程作業のリアルタイム進捗状況を色々な角度で確認。

 ▽現場オペレーターは、前後工程の進捗状況や必要材料(下版、刷版、用紙、刷本など)の準備状況を把握して、効率的な段取り準備を行うことができる。

 ▽大型サイネージ表示により、オペレーターがリアルタイムで予定との差異を把握できる。遅れがあった場合には自発的対処が行え、効率化へのモチベーション向上につながる。

 ▽工場管理者や生産管理部門は、生産現場で問題が発生していないか、予定が遅延していないか、などを自分のデスクからチェックできる。VPNで会社と繋がっていれば、工場管理業務をリモートワーク化することも可能。

◎過去=正確、詳細な実績データに基づいた各種のレポート、ダッシュボードによって全社の改善活動を推進。

 ▽作業が予定時間内に終了したかどうかがジョブ単位で可視化されるので、日次や週次の振り返り会議で問題があったジョブとその問題点を共有できる。

 ▽会議報告での面倒な生産枚数グラフやロスの分析など、手間のかかるアナログ集計処理から解放され、自動でレポートが作成される。

 ▽MISと自動連携することで、これまで困難であった日次粗利管理や、受注一品別の収支管理を実現する。

◎未来=スケジューラーや生産負荷チャートによって各工程の予定の埋まり具合や空き状況を正確に把握できるので、顧客への迅速な納期回答が可能。生産予定の可視化は、外注案件の内製化や他部署の応援割り振りなど付加価値増大、生産性向上に向けた具体的な施策にもつながる。

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