クリエイト、紙袋分野でIndigo 10000 CPOモデル導入[HP認定中古機販売プログラム活用]
RGB表現で「紙袋=商品」へ〜小ロット強化と納期圧縮に挑戦
2022年8月8日ケーススタディ
Web上でオリジナル紙袋を受注販売する(株)クリエイト(大阪市城東区鴫野東3-28-12、谷元進社長)は今年7月初旬、HP認定中古機販売プログラム(CPOプログラム)を通じてB2サイズ(750×530ミリ)対応の枚葉デジタル印刷機「HP Indigo 10000 CPOデジタル印刷機」を導入。同社初の大型設備導入で、紙袋の小ロット対応力と瞬発力を強化するとともに、ビビッドインキ採用によるRGB6色印刷を活かして同人系紙袋の分野で付加価値を創出。「紙袋=包装」ではなく「紙袋=商品」として「捨てられない紙袋」の提供に乗り出している。
ネットでオリジナル紙袋を販売
同社は、フルオーダーのオリジナル紙袋・手提げ袋をWeb上で受注・販売するという「印刷通販ビジネス」を展開する新鋭企業。そのメインのプラットフォームとして運営するのが19年前の創業とともに立ち上げた「紙袋販売net」だ。完全データ入稿型のオリジナル紙袋の専門サイトとして、アパレルやお土産、テイクアウト関連、婚礼、各種催事、学校、不動産業など、様々なユーザー層に様々なシーンで利用される「デザインと機能性に優れた紙袋」を提供。一部、既製品への名入れや加工サービスにも対応するなど、その手軽でユニークなサービス展開により多くのリピーターを獲得している。
一方、この「紙袋販売net」から派生する形で15年前に開設されたのが同人用紙袋印刷の専門サイト「同人用紙袋印刷・jp」だ。「特化型サイト」として同人向けサービスをスピンオフさせた背景について谷元社長は、「サービス開始から間もない頃、同人系のキャラクターがデザインされた紙袋の受注が増えていることに気づいた。当時、この世界に対して見識はなかったが、世界最大の同人誌即売会『コミックマーケット』の活況ぶりを知り、衝撃を受けた」と振り返った上で、「それまでBtoBのビジネスを展開してきた我々にとって『作品を販売する個人事業主』と捉えれば従来と変わらないわけだが、やはり少し毛色の異なる世界。特化型サイトとして切り離した方が集客に繋がると判断した」と説明する。
同社のスタッフは、ほとんどが女性で、平均年齢は30歳代前半。「紙袋」という身近な商材の取り扱いにおいて、女性スタッフのきめ細かな対応や女性ならではの感性が活かされたサービスとして、その評判は口コミで広がっている。
メーカー保証という「安心感」とユーザー支援プログラムへの「期待」
一方、印刷を含む製造に関しては、A3ノビのプリンタを使った一部の小ロット対応を除いてほとんどが外部委託で、プランや納期に応じて国内外のパートナー企業に外注している。サービスの最低受注ロットは500袋から。より消費者のニーズが細分化される中で「もっと小ロットからお願いできないか」という声も多かったという。前記の通り、小ロットに対しては、一部、A3ノビのレーザープリンタで出力し、2枚貼りで対応してきたが、仕上がりサイズがどうしてもA4ギリギリになってしまう。「大判プリンタの導入も考えたが、生産性の面で費用対効果を考えると二の足を踏まざるを得ない。『大サイズの紙袋を小ロットでも適正価格で提供できる生産性を備えた高品位デジタル印刷機の導入』。これが当社の経営課題であり、悲願でもあった」(谷元社長)。
そんな矢先に舞い込んできたのが「HP認定中古機販売プログラム開始発表」のニュースだった。同プログラム(HP Indigo Certified Pre-Owned program)は、より手頃な価格でIndigoの認定中古印刷機を提供するもので、その品質や先進的なアプリケーションのメリットと印刷の信頼性を確保するために、厳しい再生プロセスを経て認定および再販されるもの。谷元社長は、「もちろんIndigoの存在は知っていたが、当社にとって新台のIndigoは想定する投資額の桁が違う。しかし、そのCPOモデルならば手が届くかもしれないと思い、ネットから直接HPに問い合わせた」と経緯を語る。
もちろんサイズ的に谷元社長が選んだのはB2サイズ機「Indigo10000」だ。「公的補助金を活用すれば手が届く」と判断した谷元社長は、積極的に商談を進め、今年7月初旬に設置導入を終えて実運用を開始している。
これまで製造のほぼすべてを外部に依存してきた同社にとって、大型の生産設備導入ははじめての経験。不安や心配はなかったのか。
「もちろん従業員十数名という当社の規模でB2サイズのデジタル印刷機を運用していくとなれば社内での体制を一変する必要がある。新たな商材の開発・事業を進めるにあたり課題も多く不安はあった。しかし、HPが提供するビジネスの立ち上げ支援プログラムを活用することで事業の成功への強い期待を抱くことができた」(谷元社長)
HPでは、Indigo事業部内に「カスタマーサクセス部」を組織し、機械運用面での支援に加え、導入後のビジネスの立ち上げを支援するカスタマイズプログラムを提供している。ここでは例えば同じ機械を設備するユーザー間のコラボレーション支援や、ソリューションパートナーとのマッチング、展示会出展などのプロモーション支援、あるいは海外の先進事例などの紹介など、ワールドワイドで展開するHPのナレッジを余すことなく提供しており、谷元社長もこのサポートに大きな期待を寄せている。
一方、「中古機」という面ではどうか。
「もちろん中古機なので外装に小さな傷などはあるが、印刷そのものの仕上がりさえ良ければ問題はない。何より、メーカー保証という安心感がある。限られた予算の中でベストの設備投資ができたと感じている」(谷元社長)
新着トピックス
-
ケーススタディ 門那シーリング印刷(大阪)、除電機能で作業効率向上[Revoria Press PC1120導入事例]
-
ケーススタディ 尾崎スクリーン、熱転写の新たな領域へ[HP Indigo 7K デジタル印刷機導入事例]
リンクス、スキルレスで人材確保、育成期間短縮[JetPress750S導入事例]
2025年6月27日ケーススタディ
「アイデア什器」の(株)リンクス(本社/岐阜県関市倉知2639-1、吉田哲也社長)は昨年11月、富士フイルムの枚葉インクジェットデジタルプレス「JetPress750S」(厚紙仕様)...全文を読む
コニカミノルタジャパン、AccurioDays2025で新たなフラッグシップモデルを公開
2025年6月4日製品・テクノロジー
コニカミノルタジャパン(株)は、デジタルカラー印刷システムの最上位機種「AccurioPress(アキュリオプレス) C14010シリーズ」の発売を記念して4月23・24日の2日間、...全文を読む
最新ニュース
エプソン、世界最少の小型軽量デジタルプリンター「EP-101」が「機械遺産」に選定
2025年8月7日
セイコーエプソン(株)がエプソンミュージアム諏訪(長野県諏訪市)に所蔵している、1968年より発売した世界最小(同社調べ(当時))の小型軽量デジタルプリンター「EP-101」が、(一...全文を読む
リコー、広幅対応DTFプリンター「RICOH Pro D1600」を松井色素化学工業所に供給開始
2025年8月7日
(株)リコー(大山晃社長)は、産業用テキスタイル印刷市場向けに、高生産性を実現する広幅対応Direct To Film(DTF)プリンター「RICOH Pro D1600」について、...全文を読む
コニカミノルタ、反応染料用インライン前処理インク「O'ROBE」の提供開始
2025年7月29日
コニカミノルタ(株)(本社/東京都千代田区、大幸利充社長、以下、コニカミノルタ)は、インクジェットテキスタイルプリンター「Nassenger(ナッセンジャー)」シリーズ用インクとして...全文を読む
クリエイト、紙袋分野でIndigo 10000 CPOモデル導入[HP認定中古機販売プログラム活用]
RGB表現で「紙袋=商品」へ〜小ロット強化と納期圧縮に挑戦
2022年8月8日ケーススタディ
Web上でオリジナル紙袋を受注販売する(株)クリエイト(大阪市城東区鴫野東3-28-12、谷元進社長)は今年7月初旬、HP認定中古機販売プログラム(CPOプログラム)を通じてB2サイズ(750×530ミリ)対応の枚葉デジタル印刷機「HP Indigo 10000 CPOデジタル印刷機」を導入。同社初の大型設備導入で、紙袋の小ロット対応力と瞬発力を強化するとともに、ビビッドインキ採用によるRGB6色印刷を活かして同人系紙袋の分野で付加価値を創出。「紙袋=包装」ではなく「紙袋=商品」として「捨てられない紙袋」の提供に乗り出している。
ネットでオリジナル紙袋を販売
同社は、フルオーダーのオリジナル紙袋・手提げ袋をWeb上で受注・販売するという「印刷通販ビジネス」を展開する新鋭企業。そのメインのプラットフォームとして運営するのが19年前の創業とともに立ち上げた「紙袋販売net」だ。完全データ入稿型のオリジナル紙袋の専門サイトとして、アパレルやお土産、テイクアウト関連、婚礼、各種催事、学校、不動産業など、様々なユーザー層に様々なシーンで利用される「デザインと機能性に優れた紙袋」を提供。一部、既製品への名入れや加工サービスにも対応するなど、その手軽でユニークなサービス展開により多くのリピーターを獲得している。
一方、この「紙袋販売net」から派生する形で15年前に開設されたのが同人用紙袋印刷の専門サイト「同人用紙袋印刷・jp」だ。「特化型サイト」として同人向けサービスをスピンオフさせた背景について谷元社長は、「サービス開始から間もない頃、同人系のキャラクターがデザインされた紙袋の受注が増えていることに気づいた。当時、この世界に対して見識はなかったが、世界最大の同人誌即売会『コミックマーケット』の活況ぶりを知り、衝撃を受けた」と振り返った上で、「それまでBtoBのビジネスを展開してきた我々にとって『作品を販売する個人事業主』と捉えれば従来と変わらないわけだが、やはり少し毛色の異なる世界。特化型サイトとして切り離した方が集客に繋がると判断した」と説明する。
同社のスタッフは、ほとんどが女性で、平均年齢は30歳代前半。「紙袋」という身近な商材の取り扱いにおいて、女性スタッフのきめ細かな対応や女性ならではの感性が活かされたサービスとして、その評判は口コミで広がっている。
メーカー保証という「安心感」とユーザー支援プログラムへの「期待」
一方、印刷を含む製造に関しては、A3ノビのプリンタを使った一部の小ロット対応を除いてほとんどが外部委託で、プランや納期に応じて国内外のパートナー企業に外注している。サービスの最低受注ロットは500袋から。より消費者のニーズが細分化される中で「もっと小ロットからお願いできないか」という声も多かったという。前記の通り、小ロットに対しては、一部、A3ノビのレーザープリンタで出力し、2枚貼りで対応してきたが、仕上がりサイズがどうしてもA4ギリギリになってしまう。「大判プリンタの導入も考えたが、生産性の面で費用対効果を考えると二の足を踏まざるを得ない。『大サイズの紙袋を小ロットでも適正価格で提供できる生産性を備えた高品位デジタル印刷機の導入』。これが当社の経営課題であり、悲願でもあった」(谷元社長)。
そんな矢先に舞い込んできたのが「HP認定中古機販売プログラム開始発表」のニュースだった。同プログラム(HP Indigo Certified Pre-Owned program)は、より手頃な価格でIndigoの認定中古印刷機を提供するもので、その品質や先進的なアプリケーションのメリットと印刷の信頼性を確保するために、厳しい再生プロセスを経て認定および再販されるもの。谷元社長は、「もちろんIndigoの存在は知っていたが、当社にとって新台のIndigoは想定する投資額の桁が違う。しかし、そのCPOモデルならば手が届くかもしれないと思い、ネットから直接HPに問い合わせた」と経緯を語る。
もちろんサイズ的に谷元社長が選んだのはB2サイズ機「Indigo10000」だ。「公的補助金を活用すれば手が届く」と判断した谷元社長は、積極的に商談を進め、今年7月初旬に設置導入を終えて実運用を開始している。
これまで製造のほぼすべてを外部に依存してきた同社にとって、大型の生産設備導入ははじめての経験。不安や心配はなかったのか。
「もちろん従業員十数名という当社の規模でB2サイズのデジタル印刷機を運用していくとなれば社内での体制を一変する必要がある。新たな商材の開発・事業を進めるにあたり課題も多く不安はあった。しかし、HPが提供するビジネスの立ち上げ支援プログラムを活用することで事業の成功への強い期待を抱くことができた」(谷元社長)
HPでは、Indigo事業部内に「カスタマーサクセス部」を組織し、機械運用面での支援に加え、導入後のビジネスの立ち上げを支援するカスタマイズプログラムを提供している。ここでは例えば同じ機械を設備するユーザー間のコラボレーション支援や、ソリューションパートナーとのマッチング、展示会出展などのプロモーション支援、あるいは海外の先進事例などの紹介など、ワールドワイドで展開するHPのナレッジを余すことなく提供しており、谷元社長もこのサポートに大きな期待を寄せている。
一方、「中古機」という面ではどうか。
「もちろん中古機なので外装に小さな傷などはあるが、印刷そのものの仕上がりさえ良ければ問題はない。何より、メーカー保証という安心感がある。限られた予算の中でベストの設備投資ができたと感じている」(谷元社長)
新着トピックス
-
門那シーリング印刷(大阪)、除電機能で作業効率向上[Revoria Press PC1120導入事例]
2025年8月8日 ケーススタディ
-
尾崎スクリーン、熱転写の新たな領域へ[HP Indigo 7K デジタル印刷機導入事例]
2025年8月4日 ケーススタディ
-
リンクス、スキルレスで人材確保、育成期間短縮[JetPress750S導入事例]
2025年6月27日 ケーススタディ
-
コニカミノルタジャパン、AccurioDays2025で新たなフラッグシップモデルを公開
2025年6月4日 製品・テクノロジー
-
大村印刷、特殊トナーと用紙対応力で小ロット・高付加価値ニーズに対応
2025年5月8日 ケーススタディ
新着ニュース
SNSランキング
- 63sharesミマキ、330シリーズとエコ溶剤インクが3M MCS保証認定
- 43sharesパラシュート、スマホで偽造品識別が可能なデジタル暗号化技術サービスの提供開始
- 39sharesエプソン、立体物への直接印刷を可能にする「Direct to Shape Printing System」発表
- 38sharesKOMORI、241名が来場した新春特別内覧会のデモ動画(Impremia IS29s」公開
- 29sharesKOMORI、インクジェット印刷機とデジタル加飾機の連携披露
- 27shares日印機工とプリデジ協、IGAS2027の日程決定-2027年8月に東京ビッグサイトで開催
- 27sharesリコー、企業内・商用印刷の幅広いニーズに対応するカラー機の新機種発売
- 26sharesミヤコシ、軟包装向け水性インクジェット「MJP ADVANCED 45X for FILM」発表
- 25shares富士フイルムBI、デジタル印刷作品のコンテスト「IPA」の作品募集開始
- 23sharesリコー、広幅対応DTFプリンター「RICOH Pro D1600」を松井色素化学工業所に供給開始
おすすめコンテンツ
尾崎スクリーン、熱転写の新たな領域へ[HP Indigo 7K デジタル印刷機導入事例]
竹田印刷、多様な個性をかたちに〜アール・ブリュット作品を世界に発信
奥村印刷、新たな価値を紙に付加〜「折り紙食器 beak」でIPA2024に入賞