「必要な時に、必要な部数を、必要とする場所に納める」というデジタル印刷機の強みを生かし、印刷ビジネスを通じて顧客のSDGs対応を支援している(株)ウイル・コーポレーション(本社/石川県白山市)。その同社が実践する適時・適量生産の主軸を担っているのが、インクジェット輪転印刷機「HP PageWide WebPress(PWP)」だ。今回、同社・事業統括本部 副本部長の小林拓也氏にPWP導入の経緯やこれまでの実践事例、そして今後の展開などについて聞いた。
同社は、企画立案・デザインから印刷・加工・配送までをワンストップで提供する印刷ビジネスを中核にサービスを展開している。近年では、マルチメディアの研究・開発、コンサルティング業務、さらには通販業務など、そのビジネス領域を拡大している。
その同社では、2015年12月に新たな生産設備としてインクジェット輪転印刷機「HP PageWide WebPress T230」を導入し、インクジェット方式のデジタル印刷機による本格的な印刷ビジネスを開始した。
PWP T230を導入した経緯について、同社・事業統括本部 副本部長の小林拓也氏は、「当社は、最新設備や技術を先行導入することで、そのアドバンテージで他社との差別化を図っている。T230についても今後はオフセットからデジタルに生産設備がシフトしていくとの見解から導入することとなった」と説明する。
導入後も最新機種として使用できるアップグレード機能
導入に際し、他社メーカーの製品も検討したが、最終的に同社は、T230の導入を決断した。その理由について小林氏は「HP社のユーザー会であるDscoopに参加した際に、多くの事例や様々なマーケティング支援体制に驚愕した。さらにHP社の製品開発コンセプトにも感銘したことが大きな理由といえる」と振り返る。
小林氏が評価した製品開発コンセプトとは、常に最新の印刷機として使用できることだ。PWPのすべてのモデルは、共通のプラットフォームを採用している。加えて各モデルは、アップグレードが可能な設計となっており、導入以降もアップグレードを実施することで、常に最新機種同等のパフォーマンスを維持することができる。
「機械本体は、そのままで機能だけをアップグレードできるという製品開発コンセプトは、HP社だけであった。これにより導入後も最新の印刷品質、生産性を担保できる」
実際に同社が2015年に導入したT230は現在、T240HDへとアップグレードが施されている。
2017年には、42インチ幅のPWP T490HDを導入。合わせてミューラーマルティニ製の後加工システム「シグマライン」も導入・インライン接続し、印刷から後加工までのワンパス生産体制を構築。さらにT490HDの給紙部には、自動スプライサーが設置されており、ロール紙の自動交換機能で、給紙作業の負担を大幅に削減している。
このT490HDとシグマラインをインライン接続した生産ラインは、現在、1名のオペレータで稼働を行っているという。労働人口の減少が多くの企業で問題視されている昨今、デジタル印刷機は、それら課題の解決にもつながる設備であると小林氏は説明する。
現在では、同社・北國工場にT240HDとT490HD、関東工場にはT240HDの計3台のPWPが稼働している。
新着トピックス
-
ケーススタディ 門那シーリング印刷(大阪)、除電機能で作業効率向上[Revoria Press PC1120導入事例]
-
ケーススタディ 尾崎スクリーン、熱転写の新たな領域へ[HP Indigo 7K デジタル印刷機導入事例]
リンクス、スキルレスで人材確保、育成期間短縮[JetPress750S導入事例]
2025年6月27日ケーススタディ
「アイデア什器」の(株)リンクス(本社/岐阜県関市倉知2639-1、吉田哲也社長)は昨年11月、富士フイルムの枚葉インクジェットデジタルプレス「JetPress750S」(厚紙仕様)...全文を読む
コニカミノルタジャパン、AccurioDays2025で新たなフラッグシップモデルを公開
2025年6月4日製品・テクノロジー
コニカミノルタジャパン(株)は、デジタルカラー印刷システムの最上位機種「AccurioPress(アキュリオプレス) C14010シリーズ」の発売を記念して4月23・24日の2日間、...全文を読む
最新ニュース
エプソン、世界最少の小型軽量デジタルプリンター「EP-101」が「機械遺産」に選定
2025年8月7日
セイコーエプソン(株)がエプソンミュージアム諏訪(長野県諏訪市)に所蔵している、1968年より発売した世界最小(同社調べ(当時))の小型軽量デジタルプリンター「EP-101」が、(一...全文を読む
リコー、広幅対応DTFプリンター「RICOH Pro D1600」を松井色素化学工業所に供給開始
2025年8月7日
(株)リコー(大山晃社長)は、産業用テキスタイル印刷市場向けに、高生産性を実現する広幅対応Direct To Film(DTF)プリンター「RICOH Pro D1600」について、...全文を読む
コニカミノルタ、反応染料用インライン前処理インク「O'ROBE」の提供開始
2025年7月29日
コニカミノルタ(株)(本社/東京都千代田区、大幸利充社長、以下、コニカミノルタ)は、インクジェットテキスタイルプリンター「Nassenger(ナッセンジャー)」シリーズ用インクとして...全文を読む
ウイル・コーポレーション、インクジェット輪転機で新たなビジネスモデル構築
在庫・廃棄レスを実現〜適時・適量生産でSDGsに貢献
2022年9月5日ケーススタディ
「必要な時に、必要な部数を、必要とする場所に納める」というデジタル印刷機の強みを生かし、印刷ビジネスを通じて顧客のSDGs対応を支援している(株)ウイル・コーポレーション(本社/石川県白山市)。その同社が実践する適時・適量生産の主軸を担っているのが、インクジェット輪転印刷機「HP PageWide WebPress(PWP)」だ。今回、同社・事業統括本部 副本部長の小林拓也氏にPWP導入の経緯やこれまでの実践事例、そして今後の展開などについて聞いた。
同社は、企画立案・デザインから印刷・加工・配送までをワンストップで提供する印刷ビジネスを中核にサービスを展開している。近年では、マルチメディアの研究・開発、コンサルティング業務、さらには通販業務など、そのビジネス領域を拡大している。
その同社では、2015年12月に新たな生産設備としてインクジェット輪転印刷機「HP PageWide WebPress T230」を導入し、インクジェット方式のデジタル印刷機による本格的な印刷ビジネスを開始した。
PWP T230を導入した経緯について、同社・事業統括本部 副本部長の小林拓也氏は、「当社は、最新設備や技術を先行導入することで、そのアドバンテージで他社との差別化を図っている。T230についても今後はオフセットからデジタルに生産設備がシフトしていくとの見解から導入することとなった」と説明する。
導入後も最新機種として使用できるアップグレード機能
導入に際し、他社メーカーの製品も検討したが、最終的に同社は、T230の導入を決断した。その理由について小林氏は「HP社のユーザー会であるDscoopに参加した際に、多くの事例や様々なマーケティング支援体制に驚愕した。さらにHP社の製品開発コンセプトにも感銘したことが大きな理由といえる」と振り返る。
小林氏が評価した製品開発コンセプトとは、常に最新の印刷機として使用できることだ。PWPのすべてのモデルは、共通のプラットフォームを採用している。加えて各モデルは、アップグレードが可能な設計となっており、導入以降もアップグレードを実施することで、常に最新機種同等のパフォーマンスを維持することができる。
「機械本体は、そのままで機能だけをアップグレードできるという製品開発コンセプトは、HP社だけであった。これにより導入後も最新の印刷品質、生産性を担保できる」
実際に同社が2015年に導入したT230は現在、T240HDへとアップグレードが施されている。
2017年には、42インチ幅のPWP T490HDを導入。合わせてミューラーマルティニ製の後加工システム「シグマライン」も導入・インライン接続し、印刷から後加工までのワンパス生産体制を構築。さらにT490HDの給紙部には、自動スプライサーが設置されており、ロール紙の自動交換機能で、給紙作業の負担を大幅に削減している。
このT490HDとシグマラインをインライン接続した生産ラインは、現在、1名のオペレータで稼働を行っているという。労働人口の減少が多くの企業で問題視されている昨今、デジタル印刷機は、それら課題の解決にもつながる設備であると小林氏は説明する。
現在では、同社・北國工場にT240HDとT490HD、関東工場にはT240HDの計3台のPWPが稼働している。
新着トピックス
-
門那シーリング印刷(大阪)、除電機能で作業効率向上[Revoria Press PC1120導入事例]
2025年8月8日 ケーススタディ
-
尾崎スクリーン、熱転写の新たな領域へ[HP Indigo 7K デジタル印刷機導入事例]
2025年8月4日 ケーススタディ
-
リンクス、スキルレスで人材確保、育成期間短縮[JetPress750S導入事例]
2025年6月27日 ケーススタディ
-
コニカミノルタジャパン、AccurioDays2025で新たなフラッグシップモデルを公開
2025年6月4日 製品・テクノロジー
-
大村印刷、特殊トナーと用紙対応力で小ロット・高付加価値ニーズに対応
2025年5月8日 ケーススタディ
新着ニュース
SNSランキング
- 50sharesリコー、企業内・商用印刷の幅広いニーズに対応するカラー機の新機種発売
- 47sharesキヤノンPPS、4月11日「Hunkeler Innovationdays 2025レポートセミナー」開催
- 38shares門那シーリング印刷(大阪)、除電機能で作業効率向上[Revoria Press PC1120導入事例]
- 38sharesコニカミノルタジャパン、AccurioDays2025で新たなフラッグシップモデルを公開
- 35sharesKOMORI、China Print 2025でB2デジタル「J-throne29」を中国初出展
- 33sharesウケゼキ、小ロット厚紙・パッケージ印刷を強化[Revoria PressEC1100導入事例]
- 30sharesコニカミノルタジャパン、機能強化モデル「AccurioPress C7100 ENHANCED」発売
- 28sharesパラシュート、Webプラットフォームをベースとした販促資材管理サービスの提供開始
- 28shares日印機工とプリデジ協、IGAS2027の日程決定-2027年8月に東京ビッグサイトで開催
- 24shares尾崎スクリーン、熱転写の新たな領域へ[HP Indigo 7K デジタル印刷機導入事例]
おすすめコンテンツ
尾崎スクリーン、熱転写の新たな領域へ[HP Indigo 7K デジタル印刷機導入事例]
竹田印刷、多様な個性をかたちに〜アール・ブリュット作品を世界に発信
奥村印刷、新たな価値を紙に付加〜「折り紙食器 beak」でIPA2024に入賞