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ウイル・コーポレーション、インクジェット輪転機で新たなビジネスモデル構築

在庫・廃棄レスを実現〜適時・適量生産でSDGsに貢献

2022年9月5日ケーススタディ

 「必要な時に、必要な部数を、必要とする場所に納める」というデジタル印刷機の強みを生かし、印刷ビジネスを通じて顧客のSDGs対応を支援している(株)ウイル・コーポレーション(本社/石川県白山市)。その同社が実践する適時・適量生産の主軸を担っているのが、インクジェット輪転印刷機「HP PageWide WebPress(PWP)」だ。今回、同社・事業統括本部 副本部長の小林拓也氏にPWP導入の経緯やこれまでの実践事例、そして今後の展開などについて聞いた。
北國工場のHP PageWide WebPress T490HD
 同社は、企画立案・デザインから印刷・加工・配送までをワンストップで提供する印刷ビジネスを中核にサービスを展開している。近年では、マルチメディアの研究・開発、コンサルティング業務、さらには通販業務など、そのビジネス領域を拡大している。

 その同社では、2015年12月に新たな生産設備としてインクジェット輪転印刷機「HP PageWide WebPress T230」を導入し、インクジェット方式のデジタル印刷機による本格的な印刷ビジネスを開始した。

 PWP T230を導入した経緯について、同社・事業統括本部 副本部長の小林拓也氏は、「当社は、最新設備や技術を先行導入することで、そのアドバンテージで他社との差別化を図っている。T230についても今後はオフセットからデジタルに生産設備がシフトしていくとの見解から導入することとなった」と説明する。

導入後も最新機種として使用できるアップグレード機能

 導入に際し、他社メーカーの製品も検討したが、最終的に同社は、T230の導入を決断した。その理由について小林氏は「HP社のユーザー会であるDscoopに参加した際に、多くの事例や様々なマーケティング支援体制に驚愕した。さらにHP社の製品開発コンセプトにも感銘したことが大きな理由といえる」と振り返る。

 小林氏が評価した製品開発コンセプトとは、常に最新の印刷機として使用できることだ。PWPのすべてのモデルは、共通のプラットフォームを採用している。加えて各モデルは、アップグレードが可能な設計となっており、導入以降もアップグレードを実施することで、常に最新機種同等のパフォーマンスを維持することができる。

 「機械本体は、そのままで機能だけをアップグレードできるという製品開発コンセプトは、HP社だけであった。これにより導入後も最新の印刷品質、生産性を担保できる」

 実際に同社が2015年に導入したT230は現在、T240HDへとアップグレードが施されている。

 2017年には、42インチ幅のPWP T490HDを導入。合わせてミューラーマルティニ製の後加工システム「シグマライン」も導入・インライン接続し、印刷から後加工までのワンパス生産体制を構築。さらにT490HDの給紙部には、自動スプライサーが設置されており、ロール紙の自動交換機能で、給紙作業の負担を大幅に削減している。
T490HDにシグマラインをインライン接続
 このT490HDとシグマラインをインライン接続した生産ラインは、現在、1名のオペレータで稼働を行っているという。労働人口の減少が多くの企業で問題視されている昨今、デジタル印刷機は、それら課題の解決にもつながる設備であると小林氏は説明する。
給紙部には自動スプライサーを接続
 現在では、同社・北國工場にT240HDとT490HD、関東工場にはT240HDの計3台のPWPが稼働している。

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2022年9月5日ケーススタディ

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 「必要な時に、必要な部数を、必要とする場所に納める」というデジタル印刷機の強みを生かし、印刷ビジネスを通じて顧客のSDGs対応を支援している(株)ウイル・コーポレーション(本社/石川県白山市)。その同社が実践する適時・適量生産の主軸を担っているのが、インクジェット輪転印刷機「HP PageWide WebPress(PWP)」だ。今回、同社・事業統括本部 副本部長の小林拓也氏にPWP導入の経緯やこれまでの実践事例、そして今後の展開などについて聞いた。
北國工場のHP PageWide WebPress T490HD
 同社は、企画立案・デザインから印刷・加工・配送までをワンストップで提供する印刷ビジネスを中核にサービスを展開している。近年では、マルチメディアの研究・開発、コンサルティング業務、さらには通販業務など、そのビジネス領域を拡大している。

 その同社では、2015年12月に新たな生産設備としてインクジェット輪転印刷機「HP PageWide WebPress T230」を導入し、インクジェット方式のデジタル印刷機による本格的な印刷ビジネスを開始した。

 PWP T230を導入した経緯について、同社・事業統括本部 副本部長の小林拓也氏は、「当社は、最新設備や技術を先行導入することで、そのアドバンテージで他社との差別化を図っている。T230についても今後はオフセットからデジタルに生産設備がシフトしていくとの見解から導入することとなった」と説明する。

導入後も最新機種として使用できるアップグレード機能

 導入に際し、他社メーカーの製品も検討したが、最終的に同社は、T230の導入を決断した。その理由について小林氏は「HP社のユーザー会であるDscoopに参加した際に、多くの事例や様々なマーケティング支援体制に驚愕した。さらにHP社の製品開発コンセプトにも感銘したことが大きな理由といえる」と振り返る。

 小林氏が評価した製品開発コンセプトとは、常に最新の印刷機として使用できることだ。PWPのすべてのモデルは、共通のプラットフォームを採用している。加えて各モデルは、アップグレードが可能な設計となっており、導入以降もアップグレードを実施することで、常に最新機種同等のパフォーマンスを維持することができる。

 「機械本体は、そのままで機能だけをアップグレードできるという製品開発コンセプトは、HP社だけであった。これにより導入後も最新の印刷品質、生産性を担保できる」

 実際に同社が2015年に導入したT230は現在、T240HDへとアップグレードが施されている。

 2017年には、42インチ幅のPWP T490HDを導入。合わせてミューラーマルティニ製の後加工システム「シグマライン」も導入・インライン接続し、印刷から後加工までのワンパス生産体制を構築。さらにT490HDの給紙部には、自動スプライサーが設置されており、ロール紙の自動交換機能で、給紙作業の負担を大幅に削減している。
T490HDにシグマラインをインライン接続
 このT490HDとシグマラインをインライン接続した生産ラインは、現在、1名のオペレータで稼働を行っているという。労働人口の減少が多くの企業で問題視されている昨今、デジタル印刷機は、それら課題の解決にもつながる設備であると小林氏は説明する。
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