モジュール設計の冷却ユニットとドライヤーユニット
PW A2200は、モジュール設計の冷却ユニットとドライヤーユニットを採用している。また、ドライヤーユニットは、最大3台を接続することができる。
冷却ユニットは、「パッシブ(空冷)」と「アクティブ(水冷)」の2種から用途に応じて選択することができる。また、ドライヤーユニットは高効率の乾燥システム「High Efficiency Dryingシステム(HED)」を採用し、乾燥プロセスにおいて加熱された空気の最大80%を再循環させることにより、高速印刷時の電力使用量を最小限に抑えてくれる。
これらのユニットは、ユーザー側のビジネスの成長、またはアプリケーションミックスの変化に合わせ、柔軟に印刷機を拡充できるモジュール設計を特長としており、ユーザーは1台、2台、または3台のドライヤーモジュールとパッシブ(空冷)または、アクティブ(水冷)の冷却モジュールを用途に合わせて選択可能。
自社のビジネスに最適なシステム構成が可能
基本構成としては、3基のドライヤーユニット+冷却ユニット(アクティブ)の40〜300gsm対応モデル、2基のドライヤーユニット+冷却ユニット(パッシブ)の40〜250gsm対応モデル、そしてドライヤーユニット1基の40〜160gsm対応モデルと、坪量や印刷内容に応じた3タイプを用意している。
印刷速度は、生産性モードとHKDモードが152m/分と、従来のPWP T200シリーズと同等だが、高品質モードでは、101m/分とPWP T200シリーズ(76m/分)よりも33%の高速化を実現。さらにA2200では、244m/分のモノクロモードも使用することができる。
「PW A2200は、40〜300gsmと、薄紙から厚紙までの用紙に対応可能だが、これら冷却ユニットおよびドライヤーユニットを組み合わせることで厚手のオフセットコート紙への高カバレッジジョブを152m/分、また、高品質モードであれば101m/分の高速かつ高品質印刷が可能となる。これにより出版印刷からDMだけでなく、あらゆるアプリケーションに対し、紙厚などを気にせずに印刷することができる」(トニー氏)
当初は、ドライヤーユニットが少ない構成で導入したとしても、その後ビジネス条件の変化に応じて、ドライヤーユニットの増設や冷却ユニットのアップグレードが可能であり、これはモジュール設計によるメリットといえる。
また、モジュール式のインク供給システムを採用しており、HPのトレーニングを受講することで、オペレーター自身でフィルター交換することもできる。
これらの新たな機械構造により、作業性の大幅な向上が期待できるほか、オペレーターの作業負荷の低減にも効果を発揮する。
用紙対応力と高品質化を実現するHP Brilliant Ink
この高品質印刷を支えているのが、HP Brilliant Ink(ブリリアントインク)とオプティマイザーだ。HP Brilliantインクは、インキ定着性のほか、広い色域による人目を引く色彩、大胆な赤、目に鮮やかな青と光沢のある仕上がりにより高品質印刷を実現する。加えてインクジェット方式の課題ともいえる「にじみ」の改善などの機能性により、従来のトランザクションや出版・書籍といった印刷領域から、ポスターやカタログ、DMなど、一般商業印刷領域への進出も可能となっている。またオプティマイザーは、HP Brilliant Ink用に開発されたインク定着剤で、CMYKインクが載る場所だけに塗布され、インクを定着させる。この技術により、インクジェット専用紙のほか、一般的なオフセットコート紙やオフセット上質紙などにも高品質な印刷が可能となる。
PWPのアップグレードも発表
2022年10月19日から21日にわたり、米国・ラスベガスで開催された「PRINTING United Expo」では、PW A2200の発売開始が正式に発表されたほか、PWPシリーズのアップグレード情報も発表された。
それによるとPWP T250シリーズにおいて、新たにモノクロモードがA2200と同等の244m/分で印刷できる。これにより単色のドキュメントや出版印刷に対し、より効率的な生産が可能となる。
もう1つは、PWP T490シリーズのアップグレード機種としてHP BrilliantInkが搭載可能なT485が発表された。これにより42インチモデルでもHP Brilliant Inkによる、より高品質な印刷が可能となる。
PWPシリーズはフィードで機器をアップグレードできるのが大きなメリットだ。ハードウェアの初期投資後、その後に発表される機種に搭載される新機能を取り入れながらアップグレードを行い、最新機種と同等の機能を備えて稼働させることができる。アップグレードは長期的にはTCOを低く抑え、ユーザーの投資を保護できる。
機械本体はそのままに、機能を常に最新化できるPWPシリーズは、今後も最新機種であるA2200と並行して市場投球されるとのこと。
なお、日本HPでは、11月24日から開催される「IGAS2022」において、パネル展示や動画などでPW A2200を紹介していく。
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冷却ユニットは、「パッシブ(空冷)」と「アクティブ(水冷)」の2種から用途に応じて選択することができる。また、ドライヤーユニットは高効率の乾燥システム「High Efficiency Dryingシステム(HED)」を採用し、乾燥プロセスにおいて加熱された空気の最大80%を再循環させることにより、高速印刷時の電力使用量を最小限に抑えてくれる。
これらのユニットは、ユーザー側のビジネスの成長、またはアプリケーションミックスの変化に合わせ、柔軟に印刷機を拡充できるモジュール設計を特長としており、ユーザーは1台、2台、または3台のドライヤーモジュールとパッシブ(空冷)または、アクティブ(水冷)の冷却モジュールを用途に合わせて選択可能。
自社のビジネスに最適なシステム構成が可能
基本構成としては、3基のドライヤーユニット+冷却ユニット(アクティブ)の40〜300gsm対応モデル、2基のドライヤーユニット+冷却ユニット(パッシブ)の40〜250gsm対応モデル、そしてドライヤーユニット1基の40〜160gsm対応モデルと、坪量や印刷内容に応じた3タイプを用意している。
印刷速度は、生産性モードとHKDモードが152m/分と、従来のPWP T200シリーズと同等だが、高品質モードでは、101m/分とPWP T200シリーズ(76m/分)よりも33%の高速化を実現。さらにA2200では、244m/分のモノクロモードも使用することができる。
「PW A2200は、40〜300gsmと、薄紙から厚紙までの用紙に対応可能だが、これら冷却ユニットおよびドライヤーユニットを組み合わせることで厚手のオフセットコート紙への高カバレッジジョブを152m/分、また、高品質モードであれば101m/分の高速かつ高品質印刷が可能となる。これにより出版印刷からDMだけでなく、あらゆるアプリケーションに対し、紙厚などを気にせずに印刷することができる」(トニー氏)
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また、モジュール式のインク供給システムを採用しており、HPのトレーニングを受講することで、オペレーター自身でフィルター交換することもできる。
これらの新たな機械構造により、作業性の大幅な向上が期待できるほか、オペレーターの作業負荷の低減にも効果を発揮する。
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PWPのアップグレードも発表
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それによるとPWP T250シリーズにおいて、新たにモノクロモードがA2200と同等の244m/分で印刷できる。これにより単色のドキュメントや出版印刷に対し、より効率的な生産が可能となる。
もう1つは、PWP T490シリーズのアップグレード機種としてHP BrilliantInkが搭載可能なT485が発表された。これにより42インチモデルでもHP Brilliant Inkによる、より高品質な印刷が可能となる。
PWPシリーズはフィードで機器をアップグレードできるのが大きなメリットだ。ハードウェアの初期投資後、その後に発表される機種に搭載される新機能を取り入れながらアップグレードを行い、最新機種と同等の機能を備えて稼働させることができる。アップグレードは長期的にはTCOを低く抑え、ユーザーの投資を保護できる。
機械本体はそのままに、機能を常に最新化できるPWPシリーズは、今後も最新機種であるA2200と並行して市場投球されるとのこと。
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