「水性インク」が大前提
JetPressは、Sambaヘッドを搭載した枚葉インクジェットデジタルプレス。プリントヘッドの打滴速度を高速化・高精度化するとともに、新たな乾燥機構を採用することで毎時3,600枚という高速出力を実現している。
海外機を含め、以前からデジタル印刷機の機種検討を進めてきた同社が、JetPressを選んだ最大のポイントは「水性インク」であること。吉田会長は「化粧品や医薬品、食品分野においてUVの臭気はNG。また、UVインクは加工時に割れやすく、貼り合わせ工程で剥がれやすいという欠点がある」と指摘する。JetPressは広色域の水性顔料インク「VIVIDIA」を使用し、用紙上での打滴のにじみを抑える「Rapic(ラピック)技術」により、さまざまな印刷用紙にシャープで階調豊かな画像を描出できるのが特長である。この「水性インク」はリンクスにとって前提条件だったようだ。

次にポイントとなったのが「品質」。リピートが多いパッケージに対して、色の再現性や安定性に優れている点を評価している。
一方、「見当精度」も選択理由のひとつ。商印と違い、ディスプレイやパッケージには必ず後加工の工程がある。「とくにパッケージは見当が甘いと不良率が大きく跳ね上がってしまう。JetPressはオフセット印刷機の搬送機構を採用しているため、見当精度が高い。加工適性は重要な視点である」(吉田会長)
また、「省人化」という点では、すでに効果が出ている。以前同社では、オフセット印刷機に3名のベテランオペレータが付いていたが、JetPressは現在、若手オペレータ1名。「この省人化によって人員配置の最適化を図れる点は非常に大きなメリット。JetPressは、資本と場所さえあれば、複数台を1名で稼働させることも可能な機械だと感じている」(吉田会長)

同社では直受比率を高める施策として展示会ビジネスにも参入している。ここで試される企画・設計・提案力をフルに発揮でき、ユニークな商品を生み出すポテンシャルをJetPressに見出したわけだ。さらに、新たな事業として古巣のパッケージ事業への再参入も視野に入れた設備投資でもあったようだ。「再び参入したパッケージ分野では、色の再現性・安定性を『売り』にしていきたい」(吉田会長)
ディスプレイの技術・ノウハウを活かした新市場を模索
「オフセットからデジタルへ」。ここでは色校正の効率化、簡略化といったメリットも顕在化しているようだ。
同社統括マネージャーの市原裕徳氏は、「オフセットの場合、気軽に本機校正とはいかないし、外注の平台校正を採用しても1日がかりの立ち会い校正が発生する。JetPressならば気軽に本機、本紙校正ができ、立ち会いそのものが不要になる」と説明。さらに、「現場としても色合わせ作業や色ムラなどによる刷り直しに対する精神的な負担が軽減される」とし、「校正」という工程において、再現性と安定性に長けたJetPressのメリットを強調している。

一方、オフセットに対するJetPressの生産性について、製造部・マネージャーの猿渡真也氏は次のように説明する。
「JetPressの印刷スピードは3,600枚/時。オフセットが6,000枚/時としても、CTP出力から版交換、見当合わせ、色出しなど、前準備時間で30分〜1時間かかるものもある。データがあり、紙サイズが同じならばJetPressに切り替え時間はないも同然。現場として生産性に大差は感じていない」

印刷業界におけるインクジェットデジタル印刷機の存在感は高まりつつある一方、まだまだオフィスや家庭用をイメージするクライアントもいる。
「ほとんどの人がオフセットとJetPress、どちらで刷ったか区別できない。またJetPressは網点再現であるため、ルーペで見ても印刷関係者でなければわからないだろう。ただ、『イメージ』『変えることへの拒否反応』『担当者責任リスク』だけでオフセットからの切り替えを拒むケースがほとんどだ」(吉田会長)
同社では、このイメージ払拭のため、定期的にオープンハウスを開催。これまで約200名近い取引先にJetPressの実力を公開してきた。
これらの理由に加え、特色やロット、サイズなどの仕様条件もあり、現在は全体の3割程度がオフセットからJetPressに切り替わっているという。
「これまでディスプレイに注力してきたが、ネットビジネスが社会に浸透した今、『モノを売る』という行為が様変わりし、ディスプレイの簡素化も進むだろう。今後は、ディスプレイの技術・ノウハウを違う形で表現できる市場を模索していく。展示会ビジネスもそのひとつだ。これらを実現するデバイスとして、JetPressには大きな期待を寄せている」(吉田会長)
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「水性インク」が大前提
JetPressは、Sambaヘッドを搭載した枚葉インクジェットデジタルプレス。プリントヘッドの打滴速度を高速化・高精度化するとともに、新たな乾燥機構を採用することで毎時3,600枚という高速出力を実現している。
海外機を含め、以前からデジタル印刷機の機種検討を進めてきた同社が、JetPressを選んだ最大のポイントは「水性インク」であること。吉田会長は「化粧品や医薬品、食品分野においてUVの臭気はNG。また、UVインクは加工時に割れやすく、貼り合わせ工程で剥がれやすいという欠点がある」と指摘する。JetPressは広色域の水性顔料インク「VIVIDIA」を使用し、用紙上での打滴のにじみを抑える「Rapic(ラピック)技術」により、さまざまな印刷用紙にシャープで階調豊かな画像を描出できるのが特長である。この「水性インク」はリンクスにとって前提条件だったようだ。

次にポイントとなったのが「品質」。リピートが多いパッケージに対して、色の再現性や安定性に優れている点を評価している。
一方、「見当精度」も選択理由のひとつ。商印と違い、ディスプレイやパッケージには必ず後加工の工程がある。「とくにパッケージは見当が甘いと不良率が大きく跳ね上がってしまう。JetPressはオフセット印刷機の搬送機構を採用しているため、見当精度が高い。加工適性は重要な視点である」(吉田会長)
また、「省人化」という点では、すでに効果が出ている。以前同社では、オフセット印刷機に3名のベテランオペレータが付いていたが、JetPressは現在、若手オペレータ1名。「この省人化によって人員配置の最適化を図れる点は非常に大きなメリット。JetPressは、資本と場所さえあれば、複数台を1名で稼働させることも可能な機械だと感じている」(吉田会長)

同社では直受比率を高める施策として展示会ビジネスにも参入している。ここで試される企画・設計・提案力をフルに発揮でき、ユニークな商品を生み出すポテンシャルをJetPressに見出したわけだ。さらに、新たな事業として古巣のパッケージ事業への再参入も視野に入れた設備投資でもあったようだ。「再び参入したパッケージ分野では、色の再現性・安定性を『売り』にしていきたい」(吉田会長)
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「オフセットからデジタルへ」。ここでは色校正の効率化、簡略化といったメリットも顕在化しているようだ。
同社統括マネージャーの市原裕徳氏は、「オフセットの場合、気軽に本機校正とはいかないし、外注の平台校正を採用しても1日がかりの立ち会い校正が発生する。JetPressならば気軽に本機、本紙校正ができ、立ち会いそのものが不要になる」と説明。さらに、「現場としても色合わせ作業や色ムラなどによる刷り直しに対する精神的な負担が軽減される」とし、「校正」という工程において、再現性と安定性に長けたJetPressのメリットを強調している。

一方、オフセットに対するJetPressの生産性について、製造部・マネージャーの猿渡真也氏は次のように説明する。
「JetPressの印刷スピードは3,600枚/時。オフセットが6,000枚/時としても、CTP出力から版交換、見当合わせ、色出しなど、前準備時間で30分〜1時間かかるものもある。データがあり、紙サイズが同じならばJetPressに切り替え時間はないも同然。現場として生産性に大差は感じていない」

印刷業界におけるインクジェットデジタル印刷機の存在感は高まりつつある一方、まだまだオフィスや家庭用をイメージするクライアントもいる。
「ほとんどの人がオフセットとJetPress、どちらで刷ったか区別できない。またJetPressは網点再現であるため、ルーペで見ても印刷関係者でなければわからないだろう。ただ、『イメージ』『変えることへの拒否反応』『担当者責任リスク』だけでオフセットからの切り替えを拒むケースがほとんどだ」(吉田会長)
同社では、このイメージ払拭のため、定期的にオープンハウスを開催。これまで約200名近い取引先にJetPressの実力を公開してきた。
これらの理由に加え、特色やロット、サイズなどの仕様条件もあり、現在は全体の3割程度がオフセットからJetPressに切り替わっているという。
「これまでディスプレイに注力してきたが、ネットビジネスが社会に浸透した今、『モノを売る』という行為が様変わりし、ディスプレイの簡素化も進むだろう。今後は、ディスプレイの技術・ノウハウを違う形で表現できる市場を模索していく。展示会ビジネスもそのひとつだ。これらを実現するデバイスとして、JetPressには大きな期待を寄せている」(吉田会長)
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