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FFGS、「最適生産」をよりリアルなソリューションに[安田庄司技術本部長に聞く]

「お客様に深く寄り添う」〜デジタル印刷市場の需要喚起へ

2024年1月15日スペシャリスト

デジタル印刷分野で新たな価値創出の動き

 当社は昨年4月1日付けで、サービス子会社である富士フイルムGSテクノ(株)を吸収合併するとともに、同日付けで社名を「富士フイルムグラフィックソリューションズ株式会社」に変更しました。これは、保守・修理等の各種サポートを含め、一層幅広いソリューションをより最適な形で提案し、顧客ニーズに応えていくことを目的としたものです。言い換えれば、「刷版一本足からの脱却」です。お客様の困りごとに「深く寄り添う」。そのためにも全社員の意識を変える必要がありました。その取り組みも徐々に実を結び、今年からはさらに目に見える形で成果が出てくると確信しています。

 この経営改革において、肝となるのがデジタル印刷ソリューションです。昨年も、枚葉インクジェットプレス「Jet Press」および乾式トナーPOD「Revoria Pressシリーズ」の販売は好調で、とくに「Revoria Press」は大幅に売上を伸ばしました。

Revoria Press PC1120

 一方で、同市場での競争は激化していますが、我々は価格競争に踏み入ることなく、「値段以上の価値」を提供していると自負しています。「Revoria Press」は、我々の印刷業界との強い関係の中から洗い出されたニーズをもとに開発されたもので、優れた品質と機能を評価いただき、導入が加速しています。

 さらに、IGAS2022で技術発表した、乾式トナー技術を採用した世界初のB2サイズ枚葉デジタルプレス「Revoria Press B2(仮称)」の発売に向けた開発も最終段階にあります。今年は、デジタル印刷機、とくに乾式トナーPODのラインアップを充実させていきたいと考えており、着々とその準備を進めています。

 デジタル印刷機を導入するお客様は、基本的に小ロット・短納期の仕事をデジタル印刷機に回して、逆にオフセット印刷の非効率を是正することで全体効率を高めていくという考え方で導入されているケースがかなり増えています。ただ、やはりジョブ全体の量が増えないとデジタル印刷のビジネスは全体的な底上げが難しい。私は今後、この小ロットジョブの受注を、お客様が積極的に取りに行く戦略、あるいは自らその仕事を創出するような取り組みが加速し、国内におけるデジタル印刷機の稼働もかなり伸びてくように感じています。

 実際、印刷という枠組みだけに留まらず、もう少し上流のブランドオーナーの領域までアプローチし、企画から受注するような動きも多々見受けられるようになりました。そんな動きが加速度的に増えることを切に願っています。

 デジタル媒体への移行という戦略もありますが、一方では、DMの開封率はデジタルに対して圧倒的に優位です。こういうデジタル印刷活用の視点にも目が向けられています。また、新たな視点で自社の印刷物の価値を高めていこうという取り組みも見られます。2024年は、まさにこのあたりの需要を喚起する形で提案していきたいと考えています。

Jet Press 750S

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 当社は昨年4月1日付けで、サービス子会社である富士フイルムGSテクノ(株)を吸収合併するとともに、同日付けで社名を「富士フイルムグラフィックソリューションズ株式会社」に変更しました。これは、保守・修理等の各種サポートを含め、一層幅広いソリューションをより最適な形で提案し、顧客ニーズに応えていくことを目的としたものです。言い換えれば、「刷版一本足からの脱却」です。お客様の困りごとに「深く寄り添う」。そのためにも全社員の意識を変える必要がありました。その取り組みも徐々に実を結び、今年からはさらに目に見える形で成果が出てくると確信しています。

 この経営改革において、肝となるのがデジタル印刷ソリューションです。昨年も、枚葉インクジェットプレス「Jet Press」および乾式トナーPOD「Revoria Pressシリーズ」の販売は好調で、とくに「Revoria Press」は大幅に売上を伸ばしました。

Revoria Press PC1120

 一方で、同市場での競争は激化していますが、我々は価格競争に踏み入ることなく、「値段以上の価値」を提供していると自負しています。「Revoria Press」は、我々の印刷業界との強い関係の中から洗い出されたニーズをもとに開発されたもので、優れた品質と機能を評価いただき、導入が加速しています。

 さらに、IGAS2022で技術発表した、乾式トナー技術を採用した世界初のB2サイズ枚葉デジタルプレス「Revoria Press B2(仮称)」の発売に向けた開発も最終段階にあります。今年は、デジタル印刷機、とくに乾式トナーPODのラインアップを充実させていきたいと考えており、着々とその準備を進めています。

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 実際、印刷という枠組みだけに留まらず、もう少し上流のブランドオーナーの領域までアプローチし、企画から受注するような動きも多々見受けられるようになりました。そんな動きが加速度的に増えることを切に願っています。

 デジタル媒体への移行という戦略もありますが、一方では、DMの開封率はデジタルに対して圧倒的に優位です。こういうデジタル印刷活用の視点にも目が向けられています。また、新たな視点で自社の印刷物の価値を高めていこうという取り組みも見られます。2024年は、まさにこのあたりの需要を喚起する形で提案していきたいと考えています。

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