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FFGS、「最適生産」をよりリアルなソリューションに[安田庄司技術本部長に聞く]

「お客様に深く寄り添う」〜デジタル印刷市場の需要喚起へ

2024年1月15日スペシャリスト

 「一緒に答えを導き出す会社へ」──富士フイルムグラフィックソリューションズ(株)(山田周一郎社長、以下「FFGS」)は昨年4月、サービス部門の統合および社名変更を行い、保守・修理等の各種サポートを含め、一層幅広いソリューションをより最適な形で提案し、顧客ニーズに応えていく体制を強化した。2024年も「お客様に深く寄り添う」ことで、よりリアルなソリューションを目指し、業界との「共創」の関係を構築していく。今回、新年の幕開けに際し、FFGS・取締役常務執行役員の安田庄司技術本部長に、その「真意」をうかがった。

安田 本部長

昨年は「新たな取り組みに一歩足を踏み出した年」

 昨年の印刷業界を振り返ると、印刷生産金額ベースでは新型コロナの影響はほぼなくなり回復傾向にあるように感じます。もちろん、完全にコロナ前に戻ったわけではないが、コロナ禍において逸脱した下落に見舞われた印刷需要が、本来の需要に戻ってきたという感覚ではないでしょうか。

 ただ、市場をトータルに捉えた場合はそうですが、商業印刷の中でも、コロナ禍において事業を伸ばした業態もあります。印刷通販などもそのひとつです。一方で、地方の印刷会社は大都市部と比べ、刷版の出荷量からコロナ禍からの回復が遅れていることが推測できます。印刷関連企業を個々に見ると、大きな温度差があり、それが今後の課題になってくると感じています。

 そのような中で当社は、主軸の刷版事業において無処理化を推進し、2022年に発売した無処理プレート「SUPERIA ZX」の拡販が順調に推移しました。昨年は、アフターコロナにおいて仕事内容やその流れが大きく変わる中で、多くの印刷会社が新たな取り組みに一歩足を踏み出した年だったように思います。そのような背景からも「刷版の無処理化」は一気に進み、現在、当社のプレート出荷量における無処理化率は約4割となっています。フィルムセッターやCTPの黎明期もそうでしたが、採用率が一定の割合を超えると、その後一気に導入が加速する傾向があります。今年、そのような動きが見られるのではないでしょうか。

 ただ、無処理化する意義は各社で異なります。私は必ずしも無処理化率100%の実現が業界にとって最善だとは思っていません。仕事内容によっては有処理版がベストの場合もあります。そこにメーカーの論理で無処理化を押しつけるのはおかしな話です。当社では今年から新中期経営計画がスタートするにあたり、お客様個々の状況も踏まえ、無処理化率の目標値を検討しています。

スモールスタートで「最適生産」

 FFGSでは、印刷DXを核としたソリューションを一昨年のpage展から展開し、その表現や内容を進化させながら、現在では「最適生産ソリューション」というブランドのもとで啓発活動を推進しています。

 「最適生産ソリューション」とは、オフセットとデジタルの共存運用による効率化から生み出された「余力」を、再分配するという考え方にもとづいた「印刷経営の新たなメソッド」ですが、「非常に規模の大きな取り組み」というイメージを与えたことで、正直、お客様と距離感があったことは否めません。

 そこで昨年から「深く寄り添う」というスタンスのもとで、スモールスタートによる「取り組みやすく、導入しやすい提案」を意識してきました。その結果として、「最適生産」あるいは「DX」に対するお客様の関心は非常に高まっていることを肌身で感じています。

 現在、各地域の中堅規模のお客様20社程度をピックアップさせていただき、一社一社担当者が訪問してカウンセリングを行っています。これは、受注から印刷、加工、発送まで、仕事全体の流れを我々が調査した上で、お客様の具体的な困り事をヒヤリングしながら診断し、具体的な施策を提案書にまとめて提出するというもの。そこで提案するソリューションはあくまでも「スモールスタート」です。現在、20社の内の1/3の診断を終えており、「相談して良かった」という多くの声をいただいています。

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 「一緒に答えを導き出す会社へ」──富士フイルムグラフィックソリューションズ(株)(山田周一郎社長、以下「FFGS」)は昨年4月、サービス部門の統合および社名変更を行い、保守・修理等の各種サポートを含め、一層幅広いソリューションをより最適な形で提案し、顧客ニーズに応えていく体制を強化した。2024年も「お客様に深く寄り添う」ことで、よりリアルなソリューションを目指し、業界との「共創」の関係を構築していく。今回、新年の幕開けに際し、FFGS・取締役常務執行役員の安田庄司技術本部長に、その「真意」をうかがった。

安田 本部長

昨年は「新たな取り組みに一歩足を踏み出した年」

 昨年の印刷業界を振り返ると、印刷生産金額ベースでは新型コロナの影響はほぼなくなり回復傾向にあるように感じます。もちろん、完全にコロナ前に戻ったわけではないが、コロナ禍において逸脱した下落に見舞われた印刷需要が、本来の需要に戻ってきたという感覚ではないでしょうか。

 ただ、市場をトータルに捉えた場合はそうですが、商業印刷の中でも、コロナ禍において事業を伸ばした業態もあります。印刷通販などもそのひとつです。一方で、地方の印刷会社は大都市部と比べ、刷版の出荷量からコロナ禍からの回復が遅れていることが推測できます。印刷関連企業を個々に見ると、大きな温度差があり、それが今後の課題になってくると感じています。

 そのような中で当社は、主軸の刷版事業において無処理化を推進し、2022年に発売した無処理プレート「SUPERIA ZX」の拡販が順調に推移しました。昨年は、アフターコロナにおいて仕事内容やその流れが大きく変わる中で、多くの印刷会社が新たな取り組みに一歩足を踏み出した年だったように思います。そのような背景からも「刷版の無処理化」は一気に進み、現在、当社のプレート出荷量における無処理化率は約4割となっています。フィルムセッターやCTPの黎明期もそうでしたが、採用率が一定の割合を超えると、その後一気に導入が加速する傾向があります。今年、そのような動きが見られるのではないでしょうか。

 ただ、無処理化する意義は各社で異なります。私は必ずしも無処理化率100%の実現が業界にとって最善だとは思っていません。仕事内容によっては有処理版がベストの場合もあります。そこにメーカーの論理で無処理化を押しつけるのはおかしな話です。当社では今年から新中期経営計画がスタートするにあたり、お客様個々の状況も踏まえ、無処理化率の目標値を検討しています。

スモールスタートで「最適生産」

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 「最適生産ソリューション」とは、オフセットとデジタルの共存運用による効率化から生み出された「余力」を、再分配するという考え方にもとづいた「印刷経営の新たなメソッド」ですが、「非常に規模の大きな取り組み」というイメージを与えたことで、正直、お客様と距離感があったことは否めません。

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