キーワードで検索

ヤマゼンコミュニケイションズ、VRの世界観を印刷物として提供

RGB色域を忠実に再現〜「メタバース」で新規需要開拓へ

2024年1月26日企業・経営

 ヤマゼンコミュニケイションズ(株)(本社/栃木県宇都宮市、山本堅嗣宣社長)は、2023年度の「Innovation print Awards(以下、IPA)」において、「フォトブック部門」第1位を獲得した。今回の受賞作品は、同社が新たなコミュニケイションの場として市場展開している「メタバース」をモチーフとしている。RGB色域表現が基本のVRの世界観の印刷再現を富士フイルムビジネスイノベーション製のプロダクションカラープリンター「Revoria Press PC1120(以下、Revoria Press)」の強みの1つである特殊トナーを最大限に活用して制作している。
表彰セレモニーの模様
 IPAは、富士フイルムビジネスイノベーションアジアパシフィックが2008年からアジア・パシフィック地域で毎年開催しているデジタル印刷コンテストプログラムで、富士フイルムビジネスイノベーション(富士フイルムBI)のプロダクションプリンター「Revoria Press」シリーズやインクジェットデジタルプレス「Jet Press」シリーズ、ワイドフォーマットプリンター「Acuity」シリーズなどを使って制作された印刷物が作品として第三者の審査員によって評価される。

 通算で16回目の開催となる今回は、アジア・パシフィックの11の国と地域から275作品の応募があり、その中から39作品が入賞。日本からは、13社20作品がエントリーし、最優秀賞作品を含む4作品が入賞した。ヤマゼンコミュニケイションズは、「フォトブック部門」において第1位を獲得している。

 2023年12月20日には、同社において山本社長をはじめ、今回の入賞作品制作に携わった地域活性化事業本部 次長の石川明大氏、プリント事業部 生産 リーダーの手塚知秀氏、グラフィックデザイナー UCアドバイザーの増渕結代氏の4氏と富士フイルムBIの木田裕士執行役員ほか担当スタッフらが出席のもと表彰セレモニーが挙行され、記念トロフィーと表彰状が手渡された。

 表彰セレモニーの席上、挨拶した木田執行役員は、「印刷に特化するのではなく、その先のITを含めたコンテンツと融合させるなど、ヤマゼンコミュニケイションズ様の想いや会社としての特徴が反映された優れた作品である」と今回の入賞作品を評価するとともに、今後も優れた作品制作を呼びかけた。

新たなコミュニケイション空間「メタバース」に進出

 「コミュニケイションをデザインして、クライアントとユーザーをつなぐ」をコンセプトに地元・栃木県内の企業、自治体、店舗、人をつなぐプラットフォーマーとして事業を展開している同社は、新たなコミュニケイションの場として「メタバース」に着目し、すぐにメタバースプロジェクトを発足。2023年4月には、自社ホームページ上で栃木県初のメタバースサービス「トトバース」を構築し、運用を開始している。
左から山本社長、石川氏、手塚氏、増渕氏
 山本社長は「トトバースは、一般の方や就職活動中の方たちが、当社の建物の中を自由に見学できるようになっている。将来的には、このメタバース空間でのイベント開催などにも応用展開していきたい」とメタバースへの取り組み状況について説明する。

 同社のメタバース空間「トトバース」には、現実空間と同様にRevoria Pressが設置されている。現在は、画面上で見るだけのものだが、将来的には、VR空間でも実際に操作して印刷できるような仕組みの構築を検討している。そしてVR上で印刷したものを実際にRevoria Pressで印刷することでリアルとバーチャルが融合した新サービスの構築を目指していくという。

 メタバースへの取り組みを進めていく中で、同社は「MyAnimeList社」とのコミュニケイションが生まれたことが今回の作品制作につながっていったという。

 「VRフォトグラファーという新たなクリエイターたちの表現力と当社の持つ印刷技術がどのように融合するのかを考えたときに、バーチャルな空間で完結することが当たり前と認識している世代の方たちに対し、紙としてイベントの思い出を提供していくことは新鮮であり、新たな付加価値になると確信した」(山本社長)

新着トピックス

kodak_mercury_prosper7000.jpg

コダックジャパン、頁物印刷とパーソナライズDMの市場開拓へ

2024年4月3日スペシャリスト

 コダックジャパンは、日本市場において「効率性」にフォーカスした「頁物印刷」と、郵便料金改定とSDGsを起点とした「パーソナライズDM」という2つの市場に向けたインクジェットプリンティ...全文を読む

dp_oobora_15k_20240326_tn.jpg

大洞印刷、国内外の需要に対応〜デジタル印刷サービスが二桁成長

2024年4月3日企業・経営

 (株)日本HP(本社/東京都港区、岡戸伸樹社長)のデジタル印刷機のユーザーである大洞印刷(株)(本社/岐阜県本巣市、大洞広和社長)は、受注から出荷までのワークフロー管理システムを導入...全文を読む

最新ニュース

morisawa_variablefonts_dp_tn.jpg

モリサワ、初の和文バリアブルフォント「DriveFlux」発表

2024年4月17日

 (株)モリサワ(森澤彰彦社長)は、2024年度の新書体として、同社初となる和文バリアブルフォント「DriveFlux(ドライブフラックス/仮称)」を開発中であることを発表した。  「...全文を読む

dp_fb_samba_20240416_tn.jpg

富士フイルムBI、高精細な画質と高速印刷を両立するプリントヘッドの駆動技術を新開発

2024年4月16日

 富士フイルムビジネスイノベーション(株)(本社/東京都港区、浜直樹社長・CEO)は、商業印刷用の高速ロール紙カラーインクジェットプリンター向けに、1,200×1,200dpiの解像度...全文を読む

fujifilm_drupa2024_jet-press-1160cfg_dp_tn.jpg

富士フイルム、drupa2024で商印向け連帳IJプリンター「Jet Press 1160CFG」公開

2024年4月4日

富士フイルムグループは、drupa2024 において世界展開する商業印刷向け連帳インクジェットプリンター「Jet Press 1160CFG」を初出展する。  同社は、1970年代後半...全文を読む

ヤマゼンコミュニケイションズ、VRの世界観を印刷物として提供

RGB色域を忠実に再現〜「メタバース」で新規需要開拓へ

2024年1月26日企業・経営

  • twitter
  • facebook
  • line

 ヤマゼンコミュニケイションズ(株)(本社/栃木県宇都宮市、山本堅嗣宣社長)は、2023年度の「Innovation print Awards(以下、IPA)」において、「フォトブック部門」第1位を獲得した。今回の受賞作品は、同社が新たなコミュニケイションの場として市場展開している「メタバース」をモチーフとしている。RGB色域表現が基本のVRの世界観の印刷再現を富士フイルムビジネスイノベーション製のプロダクションカラープリンター「Revoria Press PC1120(以下、Revoria Press)」の強みの1つである特殊トナーを最大限に活用して制作している。
表彰セレモニーの模様
 IPAは、富士フイルムビジネスイノベーションアジアパシフィックが2008年からアジア・パシフィック地域で毎年開催しているデジタル印刷コンテストプログラムで、富士フイルムビジネスイノベーション(富士フイルムBI)のプロダクションプリンター「Revoria Press」シリーズやインクジェットデジタルプレス「Jet Press」シリーズ、ワイドフォーマットプリンター「Acuity」シリーズなどを使って制作された印刷物が作品として第三者の審査員によって評価される。

 通算で16回目の開催となる今回は、アジア・パシフィックの11の国と地域から275作品の応募があり、その中から39作品が入賞。日本からは、13社20作品がエントリーし、最優秀賞作品を含む4作品が入賞した。ヤマゼンコミュニケイションズは、「フォトブック部門」において第1位を獲得している。

 2023年12月20日には、同社において山本社長をはじめ、今回の入賞作品制作に携わった地域活性化事業本部 次長の石川明大氏、プリント事業部 生産 リーダーの手塚知秀氏、グラフィックデザイナー UCアドバイザーの増渕結代氏の4氏と富士フイルムBIの木田裕士執行役員ほか担当スタッフらが出席のもと表彰セレモニーが挙行され、記念トロフィーと表彰状が手渡された。

 表彰セレモニーの席上、挨拶した木田執行役員は、「印刷に特化するのではなく、その先のITを含めたコンテンツと融合させるなど、ヤマゼンコミュニケイションズ様の想いや会社としての特徴が反映された優れた作品である」と今回の入賞作品を評価するとともに、今後も優れた作品制作を呼びかけた。

新たなコミュニケイション空間「メタバース」に進出

 「コミュニケイションをデザインして、クライアントとユーザーをつなぐ」をコンセプトに地元・栃木県内の企業、自治体、店舗、人をつなぐプラットフォーマーとして事業を展開している同社は、新たなコミュニケイションの場として「メタバース」に着目し、すぐにメタバースプロジェクトを発足。2023年4月には、自社ホームページ上で栃木県初のメタバースサービス「トトバース」を構築し、運用を開始している。
左から山本社長、石川氏、手塚氏、増渕氏
 山本社長は「トトバースは、一般の方や就職活動中の方たちが、当社の建物の中を自由に見学できるようになっている。将来的には、このメタバース空間でのイベント開催などにも応用展開していきたい」とメタバースへの取り組み状況について説明する。

 同社のメタバース空間「トトバース」には、現実空間と同様にRevoria Pressが設置されている。現在は、画面上で見るだけのものだが、将来的には、VR空間でも実際に操作して印刷できるような仕組みの構築を検討している。そしてVR上で印刷したものを実際にRevoria Pressで印刷することでリアルとバーチャルが融合した新サービスの構築を目指していくという。

 メタバースへの取り組みを進めていく中で、同社は「MyAnimeList社」とのコミュニケイションが生まれたことが今回の作品制作につながっていったという。

 「VRフォトグラファーという新たなクリエイターたちの表現力と当社の持つ印刷技術がどのように融合するのかを考えたときに、バーチャルな空間で完結することが当たり前と認識している世代の方たちに対し、紙としてイベントの思い出を提供していくことは新鮮であり、新たな付加価値になると確信した」(山本社長)

新着トピックス

新着ニュース

PAGE TOP