キーワードで検索

ヤマゼンコミュニケイションズ、VRの世界観を印刷物として提供

RGB色域を忠実に再現〜「メタバース」で新規需要開拓へ

2024年1月26日企業・経営

VRフォトグラファーが評価するピンクトナー+CMYKの印刷表現

 ピンクトナーを使用したRGB表現の成功には、事前に行った試作品制作が功を奏したと石川氏は、説明する。

 今回の作品制作にあたり同社では、従来のCMYKトナーで印刷したものと、CMYKトナーにピンクトナーを追加した印刷による2種類のフォトブックを作成し、VRフォトグラファーに確認を行っている。その結果、VRフォトグラファーが評価したのは、ピンクトナーを使用して印刷したサンプルであった。さらに、あるVRフォトグラファーからは、これまでCMYKでは十分な表現ができなかったため、自身の作品を印刷することはなかったが、ピンクトナーを使用したものは、思い描いていた仕上がりとなっていたという評価を得ている。
RGB色域を忠実に再現
 「RGB色域の再現性が非常に高いことからVRフォトグラファーからは、アバターの髪や肌の色再現などに評価が集まったと聞いている。印刷については、サーバーに自動分版機能があるのでピンクトナーを使用することに対しても、負荷が生じることもまったくない」(石川氏)

 今回の入賞結果は、MyAnimeList社を通じて、撮影会参加者に伝えられているという。さらに今回のフォトブックの仕上がりが評価され、他のVRイベントでの採用も進んでいるという。

激変する市場ニーズにデジタル印刷で対応

 同社では、デジタル印刷機とオフセット印刷機を生産機として活用しているが、山本社長はデジタル印刷機を主力生産機とした生産体制の構築を目指している。
Revoria Press PC1120
 その事例の1つとして2023年8月に同社の地元・宇都宮で開業した次世代型路面電車「ライトライン」に関連する印刷を受注している。同社は、この「ライトライン」の1日乗車券を制作しており、その印刷にもRevoria Pressを活用している。この1日乗車券では、CMYKのほか、ゴールドとクリアの2種類の特殊トナーを採用。ゴールドトナーで高級感を演出するとともに、クリアトナーで偽造防止用のエンボスを印刷している。

 クリアトナー、ゴールドトナー、CMYKトナーの発色、表現を高めるため、当初は、用紙にホワイトポスト紙を使用する予定であったが、この1日乗車券は、スタンプを押して使用されるため、スタンプのインクで使用した人の手や服を汚さないよう、スタンプのインクが浸透しやすく、乾きやすいケント紙を採用することで使用者への配慮を施している。

 「変化を続けている市場において、発注者のニーズは大量生産ではなく多品種小ロットに移行している。そのニーズに対応するには、デジタル印刷機による生産体制が不可欠である。さらに多品種小ロットの受注を獲得していくためには、当社が積極的に進めているマーケティングが重要であり、この両輪をうまく機能させ、一気通貫でサービスを提供していくことが必須と言える」(山本社長)

新着トピックス

mimaki_ujv300dtf-75_ij25_tn.jpg

ミマキ、UV-DTF市場に参入〜プリント形状の課題を解決

2025年10月1日製品・テクノロジー

 産業⽤インクジェットプリンタ、カッティングプロッタ、3Dプリンタを手掛ける(株)ミマキエンジニアリング(本社/長野県東御市、池田和明社長)は今年4月、同社初のUV-DTF(UV硬化式...全文を読む

prosper-smart-bar-heads_tn.jpg

コダック、パッケージ分野で新アプリケーション開拓へ

2025年9月30日製品・テクノロジースペシャリスト

 最速900メートル/分の超高速印刷が可能なPROSPERヘッドは、日本でもDM市場を中心に数百台が稼働しているが、コダックジャパン・プリント事業部デジタルプリンティング営業本部の河原...全文を読む

最新ニュース

screen_kyotogeidai_gekkeikan_tn.jpg

SCREEN、京都芸大・月桂冠と産学連携 - 学生デザインラベルの日本酒商品化

2025年10月8日

 京都市立芸術大学(以下「京都芸大」)、月桂冠(株)、(株)SCREENグラフィックソリューションズ(以下「SCREEN」)の3者は、産学連携による共同プロジェクトを実施し、京都芸大・...全文を読む

33mimaki251001_tn.jpg

ミマキ、OGBS2025で昇華転写用IJプリンタ「TS200」を国内初披露

2025年10月2日

 (株)ミマキエンジニアリング(本社/長野県東御市、池田和明社長)は、9月30日と10月1日に東京・池袋のサンシャインシティにおいて開催されたオーダーグッズビジネスショー(OGBS)2...全文を読む

swissQ251001_tn.jpg

swissQprint Japan、VIPオープンハウスウィーク-10月28日〜31日

2025年10月1日

 swissQprint Japan(株)(本社/横浜市港北区新横浜3-2-6、アドリアーノ・グット社長)は、顧客の要望に応え、最新世代のフラットベッドプリンタを紹介するオープンハウス...全文を読む

ヤマゼンコミュニケイションズ、VRの世界観を印刷物として提供

RGB色域を忠実に再現〜「メタバース」で新規需要開拓へ

2024年1月26日企業・経営

  • twitter
  • facebook
  • line

VRフォトグラファーが評価するピンクトナー+CMYKの印刷表現

 ピンクトナーを使用したRGB表現の成功には、事前に行った試作品制作が功を奏したと石川氏は、説明する。

 今回の作品制作にあたり同社では、従来のCMYKトナーで印刷したものと、CMYKトナーにピンクトナーを追加した印刷による2種類のフォトブックを作成し、VRフォトグラファーに確認を行っている。その結果、VRフォトグラファーが評価したのは、ピンクトナーを使用して印刷したサンプルであった。さらに、あるVRフォトグラファーからは、これまでCMYKでは十分な表現ができなかったため、自身の作品を印刷することはなかったが、ピンクトナーを使用したものは、思い描いていた仕上がりとなっていたという評価を得ている。
RGB色域を忠実に再現
 「RGB色域の再現性が非常に高いことからVRフォトグラファーからは、アバターの髪や肌の色再現などに評価が集まったと聞いている。印刷については、サーバーに自動分版機能があるのでピンクトナーを使用することに対しても、負荷が生じることもまったくない」(石川氏)

 今回の入賞結果は、MyAnimeList社を通じて、撮影会参加者に伝えられているという。さらに今回のフォトブックの仕上がりが評価され、他のVRイベントでの採用も進んでいるという。

激変する市場ニーズにデジタル印刷で対応

 同社では、デジタル印刷機とオフセット印刷機を生産機として活用しているが、山本社長はデジタル印刷機を主力生産機とした生産体制の構築を目指している。
Revoria Press PC1120
 その事例の1つとして2023年8月に同社の地元・宇都宮で開業した次世代型路面電車「ライトライン」に関連する印刷を受注している。同社は、この「ライトライン」の1日乗車券を制作しており、その印刷にもRevoria Pressを活用している。この1日乗車券では、CMYKのほか、ゴールドとクリアの2種類の特殊トナーを採用。ゴールドトナーで高級感を演出するとともに、クリアトナーで偽造防止用のエンボスを印刷している。

 クリアトナー、ゴールドトナー、CMYKトナーの発色、表現を高めるため、当初は、用紙にホワイトポスト紙を使用する予定であったが、この1日乗車券は、スタンプを押して使用されるため、スタンプのインクで使用した人の手や服を汚さないよう、スタンプのインクが浸透しやすく、乾きやすいケント紙を採用することで使用者への配慮を施している。

 「変化を続けている市場において、発注者のニーズは大量生産ではなく多品種小ロットに移行している。そのニーズに対応するには、デジタル印刷機による生産体制が不可欠である。さらに多品種小ロットの受注を獲得していくためには、当社が積極的に進めているマーケティングが重要であり、この両輪をうまく機能させ、一気通貫でサービスを提供していくことが必須と言える」(山本社長)

新着トピックス

新着ニュース

PAGE TOP