大洞印刷、厚紙対応B2判デジタル印刷機「Indigo30000」で新市場へ
8月に通販サービス「イロハコ」開設
2016年3月25日ケーススタディ
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クリアファイル専門の通販サービス「ボラネット」などを展開する大洞印刷(株)(本社/岐阜県本巣市下真桑290-1、大洞正和社長)は、昨年7月に導入したHPの厚紙対応B2判デジタル印刷機「Indigo30000」による様々な新市場への挑戦を開始する。その第1弾として今年8月、厚紙だけでなくアルミ蒸着紙やフィルム素材などの特殊メディアによるパッケージの通販サービス「イロハコ」を開設する。デジタル印刷の可能性を探りながら様々な潜在市場を掘り起こし、ビジネスチャンスにつなげていく。
同社は創業83年の老舗印刷会社。活版印刷や伝票類の印刷でスタートし、ビジネスフォームなどに業容拡大しながら事業を展開。2004年にUVオフセット印刷機によるクリアファイルなどの販促グッズ類を製造する事業を立ち上げ、2005年にクリアファイル専門の通販サービス「ボラネット」を開設した。
「ボラネット」は、クリアファイル専門の通販サービスでは草分け的な存在で、クリアファイルの通販市場でトップシェアを誇る。同社・専務取締役の大洞広和氏は、「クリアファイル専門の通販サービスは競合サイトがいくつかあるが、当社の『ボラネット』は、たくさんの印刷手法と素材、形状を組み合わせることによるバリエーションの豊富さで差別化を図っている。また、99%内製化のため、短納期で商品を用意できるところも評価いただいている。クリアファイルのことであれば、何なりと相談していただきたい」と話しており、今後も内容の充実を図り、通販だけでなくクリアファイル全体の市場でトップシェアを目指していく考えだ。
同社がHPのデジタル印刷機「Indigo」によるクリアファイルの生産を開始したのは2011年。当初、「ボラネット」は印刷会社からの受注が大半であったが、小ロット化の傾向が強まってきた。そこで2010年に某メーカーのUVインクジェットプリンタを導入したが、受注の大部分を占める数百枚のロットを生産するには生産性が適していなかったという。それがデジタル印刷機「Indigo」を導入する理由となったようだ。
「既製品のクリアファイルに上から刷り込むという形の簡易的なクリアファイルなら他のデジタル印刷機でも生産が可能であるが、当社が求めているのはオフセット印刷機と同等の品質でクリアファイルを生産できるデジタル印刷機。透明素材に対応し、さらに白色が印刷できるデジタル印刷機はIndigoの他にはなかった」(大洞専務)
そして「Indigo5500」を2台導入しデジタル印刷機によるクリアファイルの生産を開始。同社ではIndigoとUVオフセット印刷機の枚数の分岐点を300枚〜400枚と定めているが、小ロット受注のさらなる拡大にともない生産体制を見直し、まずは昨春に1台をA3判対応で生産性の高い「Indigo7800」に切り替えた。「Indigo7800は両面機で薄紙対応であるため、クリアファイルや小ロットの商印関係の印刷物をメインに生産している。数百枚のロットを10分程度で印刷し、すぐに次のジョブを開始できるため、生産効率が飛躍的に向上した」(大洞専務)
さらに、同社はもう1台のIndigo5500を昨年7月、国内1号機となる厚紙対応B2判の「Indigo30000」に更新した。同社はこれにより様々な新市場への挑戦を開始する計画で、まずはその第1弾として今年8月、厚紙だけでなくアルミ蒸着紙やフィルム素材などの特殊メディアによる小ロットパッケージの通販サービス「イロハコ」を開設する予定だ。
「イロハコ」の開設に乗り出した経緯について大洞専務は、「クリアファイルは販促品のため繁忙期と閑散期の波が激しい。その平準化を図っていきたいとの考えから新規ビジネスの展開を模索していた。また、パッケージとクリアファイルは生産工程が似ているところも多いため、8割方は現在の設備で対応できるため取り組みやすいということもあり、パッケージ市場に挑戦することを決定した」と話している。
ただ、新規市場に参入するにあたり、同じ土俵で勝負することは難しい。そこで同社では、比較的小ロットで、さらに厚紙だけでなく多様なメディアに対応できる「Indigo30000」を活用し、蒸着紙やフィルムなどの特殊メディアでの小ロットパッケージを生産する通販サービスとして展開していくことで差別化を図り、独自性を出していく考えだ。
デジタル印刷の可能性を探りながら様々な潜在市場を掘り起こし、ビジネスチャンスにつなげていくという同社。今年4月からは東京都港区浜松町に東京営業所を開設し、クライアントやパートナー企業との連携をとりやすい体制を構築しながら、さらなる飛躍を目指す。新着トピックス
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同社は創業83年の老舗印刷会社。活版印刷や伝票類の印刷でスタートし、ビジネスフォームなどに業容拡大しながら事業を展開。2004年にUVオフセット印刷機によるクリアファイルなどの販促グッズ類を製造する事業を立ち上げ、2005年にクリアファイル専門の通販サービス「ボラネット」を開設した。
「ボラネット」は、クリアファイル専門の通販サービスでは草分け的な存在で、クリアファイルの通販市場でトップシェアを誇る。同社・専務取締役の大洞広和氏は、「クリアファイル専門の通販サービスは競合サイトがいくつかあるが、当社の『ボラネット』は、たくさんの印刷手法と素材、形状を組み合わせることによるバリエーションの豊富さで差別化を図っている。また、99%内製化のため、短納期で商品を用意できるところも評価いただいている。クリアファイルのことであれば、何なりと相談していただきたい」と話しており、今後も内容の充実を図り、通販だけでなくクリアファイル全体の市場でトップシェアを目指していく考えだ。
同社がHPのデジタル印刷機「Indigo」によるクリアファイルの生産を開始したのは2011年。当初、「ボラネット」は印刷会社からの受注が大半であったが、小ロット化の傾向が強まってきた。そこで2010年に某メーカーのUVインクジェットプリンタを導入したが、受注の大部分を占める数百枚のロットを生産するには生産性が適していなかったという。それがデジタル印刷機「Indigo」を導入する理由となったようだ。
「既製品のクリアファイルに上から刷り込むという形の簡易的なクリアファイルなら他のデジタル印刷機でも生産が可能であるが、当社が求めているのはオフセット印刷機と同等の品質でクリアファイルを生産できるデジタル印刷機。透明素材に対応し、さらに白色が印刷できるデジタル印刷機はIndigoの他にはなかった」(大洞専務)
そして「Indigo5500」を2台導入しデジタル印刷機によるクリアファイルの生産を開始。同社ではIndigoとUVオフセット印刷機の枚数の分岐点を300枚〜400枚と定めているが、小ロット受注のさらなる拡大にともない生産体制を見直し、まずは昨春に1台をA3判対応で生産性の高い「Indigo7800」に切り替えた。「Indigo7800は両面機で薄紙対応であるため、クリアファイルや小ロットの商印関係の印刷物をメインに生産している。数百枚のロットを10分程度で印刷し、すぐに次のジョブを開始できるため、生産効率が飛躍的に向上した」(大洞専務)
さらに、同社はもう1台のIndigo5500を昨年7月、国内1号機となる厚紙対応B2判の「Indigo30000」に更新した。同社はこれにより様々な新市場への挑戦を開始する計画で、まずはその第1弾として今年8月、厚紙だけでなくアルミ蒸着紙やフィルム素材などの特殊メディアによる小ロットパッケージの通販サービス「イロハコ」を開設する予定だ。
「イロハコ」の開設に乗り出した経緯について大洞専務は、「クリアファイルは販促品のため繁忙期と閑散期の波が激しい。その平準化を図っていきたいとの考えから新規ビジネスの展開を模索していた。また、パッケージとクリアファイルは生産工程が似ているところも多いため、8割方は現在の設備で対応できるため取り組みやすいということもあり、パッケージ市場に挑戦することを決定した」と話している。
ただ、新規市場に参入するにあたり、同じ土俵で勝負することは難しい。そこで同社では、比較的小ロットで、さらに厚紙だけでなく多様なメディアに対応できる「Indigo30000」を活用し、蒸着紙やフィルムなどの特殊メディアでの小ロットパッケージを生産する通販サービスとして展開していくことで差別化を図り、独自性を出していく考えだ。
デジタル印刷の可能性を探りながら様々な潜在市場を掘り起こし、ビジネスチャンスにつなげていくという同社。今年4月からは東京都港区浜松町に東京営業所を開設し、クライアントやパートナー企業との連携をとりやすい体制を構築しながら、さらなる飛躍を目指す。
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