クリアファイル専門の通販サービス「ボラネット」などを展開する大洞印刷(株)(本社/岐阜県本巣市下真桑290-1、大洞正和社長)は、昨年7月に導入したHPの厚紙対応B2判デジタル印刷機「Indigo30000」による様々な新市場への挑戦を開始する。その第1弾として今年8月、厚紙だけでなくアルミ蒸着紙やフィルム素材などの特殊メディアによるパッケージの通販サービス「イロハコ」を開設する。デジタル印刷の可能性を探りながら様々な潜在市場を掘り起こし、ビジネスチャンスにつなげていく。
同社は創業83年の老舗印刷会社。活版印刷や伝票類の印刷でスタートし、ビジネスフォームなどに業容拡大しながら事業を展開。2004年にUVオフセット印刷機によるクリアファイルなどの販促グッズ類を製造する事業を立ち上げ、2005年にクリアファイル専門の通販サービス「ボラネット」を開設した。
「ボラネット」は、クリアファイル専門の通販サービスでは草分け的な存在で、クリアファイルの通販市場でトップシェアを誇る。同社・専務取締役の大洞広和氏は、「クリアファイル専門の通販サービスは競合サイトがいくつかあるが、当社の『ボラネット』は、たくさんの印刷手法と素材、形状を組み合わせることによるバリエーションの豊富さで差別化を図っている。また、99%内製化のため、短納期で商品を用意できるところも評価いただいている。クリアファイルのことであれば、何なりと相談していただきたい」と話しており、今後も内容の充実を図り、通販だけでなくクリアファイル全体の市場でトップシェアを目指していく考えだ。
同社がHPのデジタル印刷機「Indigo」によるクリアファイルの生産を開始したのは2011年。当初、「ボラネット」は印刷会社からの受注が大半であったが、小ロット化の傾向が強まってきた。そこで2010年に某メーカーのUVインクジェットプリンタを導入したが、受注の大部分を占める数百枚のロットを生産するには生産性が適していなかったという。それがデジタル印刷機「Indigo」を導入する理由となったようだ。
「既製品のクリアファイルに上から刷り込むという形の簡易的なクリアファイルなら他のデジタル印刷機でも生産が可能であるが、当社が求めているのはオフセット印刷機と同等の品質でクリアファイルを生産できるデジタル印刷機。透明素材に対応し、さらに白色が印刷できるデジタル印刷機はIndigoの他にはなかった」(大洞専務)
そして「Indigo5500」を2台導入しデジタル印刷機によるクリアファイルの生産を開始。同社ではIndigoとUVオフセット印刷機の枚数の分岐点を300枚〜400枚と定めているが、小ロット受注のさらなる拡大にともない生産体制を見直し、まずは昨春に1台をA3判対応で生産性の高い「Indigo7800」に切り替えた。「Indigo7800は両面機で薄紙対応であるため、クリアファイルや小ロットの商印関係の印刷物をメインに生産している。数百枚のロットを10分程度で印刷し、すぐに次のジョブを開始できるため、生産効率が飛躍的に向上した」(大洞専務)
さらに、同社はもう1台のIndigo5500を昨年7月、国内1号機となる厚紙対応B2判の「Indigo30000」に更新した。同社はこれにより様々な新市場への挑戦を開始する計画で、まずはその第1弾として今年8月、厚紙だけでなくアルミ蒸着紙やフィルム素材などの特殊メディアによる小ロットパッケージの通販サービス「イロハコ」を開設する予定だ。
「イロハコ」の開設に乗り出した経緯について大洞専務は、「クリアファイルは販促品のため繁忙期と閑散期の波が激しい。その平準化を図っていきたいとの考えから新規ビジネスの展開を模索していた。また、パッケージとクリアファイルは生産工程が似ているところも多いため、8割方は現在の設備で対応できるため取り組みやすいということもあり、パッケージ市場に挑戦することを決定した」と話している。
ただ、新規市場に参入するにあたり、同じ土俵で勝負することは難しい。そこで同社では、比較的小ロットで、さらに厚紙だけでなく多様なメディアに対応できる「Indigo30000」を活用し、蒸着紙やフィルムなどの特殊メディアでの小ロットパッケージを生産する通販サービスとして展開していくことで差別化を図り、独自性を出していく考えだ。
デジタル印刷の可能性を探りながら様々な潜在市場を掘り起こし、ビジネスチャンスにつなげていくという同社。今年4月からは東京都港区浜松町に東京営業所を開設し、クライアントやパートナー企業との連携をとりやすい体制を構築しながら、さらなる飛躍を目指す。
新着トピックス
-
ケーススタディ リンクス、スキルレスで人材確保、育成期間短縮[JetPress750S導入事例]
-
製品・テクノロジー コニカミノルタジャパン、AccurioDays2025で新たなフラッグシップモデルを公開
大村印刷、特殊トナーと用紙対応力で小ロット・高付加価値ニーズに対応
2025年5月8日ケーススタディ
山口県を拠点に、印刷を中心とした情報ソリューション事業を展開する大村印刷(株)(本社/山口県防府市西仁井令1-21-55、河内和明社長)は2022年2月、富士フイルムのプロダクション...全文を読む
ディーエムソリューションズ、最高毎時4万5,000通を達成[KODAK PROSPER S5導入事例]
2025年3月25日ケーススタディ
ディーエムソリューションズ(株)(本社/東京都武蔵野市御殿山1-1-3 クリスタルパークビル2F、花矢卓司社長)は、KODAK PROSPER S5インプリンティングシステムを導入後...全文を読む
最新ニュース
パラシュート、スマホで偽造品識別が可能なデジタル暗号化技術サービスの提供開始
2025年7月1日
パラシュート(株)(東京都世田谷区、兵藤伊織社長)は2025年7月1日から、SaaSプラットフォームをベースとしたデジタル暗号化技術サービス(DET Service)の提供を開始した...全文を読む
PODi、「Labelexpo Europe 2025」視察ツアーの参加者募集開始
2025年6月25日
(一社)PODi(荒井純一代表理事)は、ラベル・パッケージ業界の世界最大級の展示会「Labelexpo Europe 2025」視察ツアーの参加者募集を開始した。 LABELEXP...全文を読む
コニカミノルタジャパン、機能強化モデル「AccurioPress C7100 ENHANCED」発売
2025年6月25日
コニカミノルタジャパン(株)(本社/東京都港区、一條啓介社長)は、高画質及び多彩な用紙への対応力と、自動品質最適化ユニットで評価を得ているデジタル印刷システム「AccurioPres...全文を読む
大洞印刷、厚紙対応B2判デジタル印刷機「Indigo30000」で新市場へ
8月に通販サービス「イロハコ」開設
2016年3月25日ケーススタディ
クリアファイル専門の通販サービス「ボラネット」などを展開する大洞印刷(株)(本社/岐阜県本巣市下真桑290-1、大洞正和社長)は、昨年7月に導入したHPの厚紙対応B2判デジタル印刷機「Indigo30000」による様々な新市場への挑戦を開始する。その第1弾として今年8月、厚紙だけでなくアルミ蒸着紙やフィルム素材などの特殊メディアによるパッケージの通販サービス「イロハコ」を開設する。デジタル印刷の可能性を探りながら様々な潜在市場を掘り起こし、ビジネスチャンスにつなげていく。
同社は創業83年の老舗印刷会社。活版印刷や伝票類の印刷でスタートし、ビジネスフォームなどに業容拡大しながら事業を展開。2004年にUVオフセット印刷機によるクリアファイルなどの販促グッズ類を製造する事業を立ち上げ、2005年にクリアファイル専門の通販サービス「ボラネット」を開設した。
「ボラネット」は、クリアファイル専門の通販サービスでは草分け的な存在で、クリアファイルの通販市場でトップシェアを誇る。同社・専務取締役の大洞広和氏は、「クリアファイル専門の通販サービスは競合サイトがいくつかあるが、当社の『ボラネット』は、たくさんの印刷手法と素材、形状を組み合わせることによるバリエーションの豊富さで差別化を図っている。また、99%内製化のため、短納期で商品を用意できるところも評価いただいている。クリアファイルのことであれば、何なりと相談していただきたい」と話しており、今後も内容の充実を図り、通販だけでなくクリアファイル全体の市場でトップシェアを目指していく考えだ。
同社がHPのデジタル印刷機「Indigo」によるクリアファイルの生産を開始したのは2011年。当初、「ボラネット」は印刷会社からの受注が大半であったが、小ロット化の傾向が強まってきた。そこで2010年に某メーカーのUVインクジェットプリンタを導入したが、受注の大部分を占める数百枚のロットを生産するには生産性が適していなかったという。それがデジタル印刷機「Indigo」を導入する理由となったようだ。
「既製品のクリアファイルに上から刷り込むという形の簡易的なクリアファイルなら他のデジタル印刷機でも生産が可能であるが、当社が求めているのはオフセット印刷機と同等の品質でクリアファイルを生産できるデジタル印刷機。透明素材に対応し、さらに白色が印刷できるデジタル印刷機はIndigoの他にはなかった」(大洞専務)
そして「Indigo5500」を2台導入しデジタル印刷機によるクリアファイルの生産を開始。同社ではIndigoとUVオフセット印刷機の枚数の分岐点を300枚〜400枚と定めているが、小ロット受注のさらなる拡大にともない生産体制を見直し、まずは昨春に1台をA3判対応で生産性の高い「Indigo7800」に切り替えた。「Indigo7800は両面機で薄紙対応であるため、クリアファイルや小ロットの商印関係の印刷物をメインに生産している。数百枚のロットを10分程度で印刷し、すぐに次のジョブを開始できるため、生産効率が飛躍的に向上した」(大洞専務)
さらに、同社はもう1台のIndigo5500を昨年7月、国内1号機となる厚紙対応B2判の「Indigo30000」に更新した。同社はこれにより様々な新市場への挑戦を開始する計画で、まずはその第1弾として今年8月、厚紙だけでなくアルミ蒸着紙やフィルム素材などの特殊メディアによる小ロットパッケージの通販サービス「イロハコ」を開設する予定だ。
「イロハコ」の開設に乗り出した経緯について大洞専務は、「クリアファイルは販促品のため繁忙期と閑散期の波が激しい。その平準化を図っていきたいとの考えから新規ビジネスの展開を模索していた。また、パッケージとクリアファイルは生産工程が似ているところも多いため、8割方は現在の設備で対応できるため取り組みやすいということもあり、パッケージ市場に挑戦することを決定した」と話している。
ただ、新規市場に参入するにあたり、同じ土俵で勝負することは難しい。そこで同社では、比較的小ロットで、さらに厚紙だけでなく多様なメディアに対応できる「Indigo30000」を活用し、蒸着紙やフィルムなどの特殊メディアでの小ロットパッケージを生産する通販サービスとして展開していくことで差別化を図り、独自性を出していく考えだ。
デジタル印刷の可能性を探りながら様々な潜在市場を掘り起こし、ビジネスチャンスにつなげていくという同社。今年4月からは東京都港区浜松町に東京営業所を開設し、クライアントやパートナー企業との連携をとりやすい体制を構築しながら、さらなる飛躍を目指す。
新着トピックス
-
リンクス、スキルレスで人材確保、育成期間短縮[JetPress750S導入事例]
2025年6月27日 ケーススタディ
-
コニカミノルタジャパン、AccurioDays2025で新たなフラッグシップモデルを公開
2025年6月4日 製品・テクノロジー
-
大村印刷、特殊トナーと用紙対応力で小ロット・高付加価値ニーズに対応
2025年5月8日 ケーススタディ
-
ディーエムソリューションズ、最高毎時4万5,000通を達成[KODAK PROSPER S5導入事例]
2025年3月25日 ケーススタディ
-
FFGS、新Revoria Press登場で、柔軟な「最適生産」可能に
2025年3月25日 スペシャリスト
新着ニュース
-
パラシュート、スマホで偽造品識別が可能なデジタル暗号化技術サービスの提供開始
2025年7月1日 ニュース
-
PODi、「Labelexpo Europe 2025」視察ツアーの参加者募集開始
2025年6月25日 ニュース
-
コニカミノルタジャパン、機能強化モデル「AccurioPress C7100 ENHANCED」発売
2025年6月25日 ニュース
-
エプソン、立体物への直接印刷を可能にする「Direct to Shape Printing System」発表
2025年6月25日 ニュース
-
パラシュート、次世代型MIS「PNS」にメーカーワークフローソフトウェア連携機能を追加
2025年6月11日 ニュース
SNSランキング
- 63sharesミマキ、330シリーズとエコ溶剤インクが3M MCS保証認定
- 43sharesパラシュート、スマホで偽造品識別が可能なデジタル暗号化技術サービスの提供開始
- 41sharesローランドDG、UVプリンターが紙器パッケージ製作に対応
- 39sharesSCREEN、Hunkeler Innovationdaysでインクジェットと後加工機の連携披露
- 38sharesKOMORI、241名が来場した新春特別内覧会のデモ動画(Impremia IS29s」公開
- 36sharesエプソン、使いやすさと安定稼働を両立したエプソン初のDTF専用プリンター発売
- 29sharesKOMORI、インクジェット印刷機とデジタル加飾機の連携披露
- 27shares日印機工とプリデジ協、IGAS2027の日程決定-2027年8月に東京ビッグサイトで開催
- 27sharesリコー、企業内・商用印刷の幅広いニーズに対応するカラー機の新機種発売
- 26sharesエプソン、立体物への直接印刷を可能にする「Direct to Shape Printing System」発表
おすすめコンテンツ
コニカミノルタジャパン、AccurioDays2025で新たなフラッグシップモデルを公開
富士フイルム、TOKYO PACKでブランドオーナーにデジタル印刷活用促す
価値協創で新たな潮流|エイエイピー、Jet Press 750Sが新たなステージへ