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サインアーテック、総勢30台のインクジェットプリンタ稼動

後加工機の充実で短納期の受注にも対応

2016年3月25日ケーススタディ

 サイン業界屈指の設備で印刷会社のSP活動をサポートする(株)サインアーテック(本社/埼玉県飯能市、山口健二郎社長)は、総勢30台のIJプリンタと豊富な後加工設備で多様化するクライアントニーズに対応している。同社工場は敷地面積5,500平米、延床面積2,353平米の広さを誇り、中2階にはデジタルサイネージを使ったモニターも設置し情報の共有化による見える化を実現。さらに工業団地のため真夜中の加工作業が可能で、短納期の受注にも対応している。


 同社では現在、総勢30台のIJプリンタが活躍している。国際的にも評価の高い海外製の超大型機を5台(5メートル幅×2台、3.2メートル幅×3台、HP scitex、Efi Vutekなど)を取り揃え、UV、ラテックス、エコソルベントの各種インクにて対応している。
 また、最新導入機種である「EfiVutek GS5000r」は、最大幅5メートル機種でありながら、至近距離にも耐えうる高精彩の画質を実現する。白インク搭載でワンパス3層プリントが可能であるため、FFシートの昼夜「両用」プリントをはじめ、透明フィルムの同時両面出力など高付加価値出力のニーズにも対応可能になった。
 山林専務は、「5m幅のIJプリンタはもう1台所有しているが、遠目から見られることを前提にしているため画質が粗く、近距離から見られる商材には適さなかった。しかし、『VUTEk S5000』はスーパーワイドであるにも関わらず高画質出力にも対応するため、昨今の多様化するクライアントニーズに対応している」と最新機種の性能に自信を示している。
30台のインクジェットプリンタが稼働する

高速カッティングマシーン「FOTOBA」導入

 一方、インクジェット出力だけでなく、充実した加工体制を整えていることも同社の強みだ。10メートル自走式のウェルダー、ハイブリッドウェルダー、高周波ウェルダー、ハトメ打ち機3台、熱板式大型連続溶着機、工業用ミシン5台などを取り揃え、加工設備を充実させている。
 さらに昨年10月には、新たに3.2メートル幅に対応する高速カッティングマシーン「FOTOBA」を導入。加工設備をより充実させた。
 「これまでは手切りによるカット作業を行っていたが、量産対応と人件費削減を目的に導入した。手切りによるカット作業では4人ほどの人員が必要になるが、カッティングマシーンを使えば1人でも容易にカット作業を行うことができる。またこれまでは後加工を含めた短期集中の仕事において、インクジェット出力は対応できてもカット作業が間に合わないこともあったが、カッティングマシーンの導入により後加工を含めた短期集中型の受注にも対応できるようになった」(山林専務)
 また、一昨年に移転してきたばかりの同社工場は敷地面積5,500平米、延床面積2,353平米の広さを誇り、加工スペースも広々としているため、出力・加工などの作業を効率良く行うことができるようになっている。
 「とくに加工作業は大きな音が出るため、移転前の工場では近隣の民家から苦情が入るため夜中の加工作業が困難だった。しかし現在は工業団地であるため、それを気にする必要がなくなり、真夜中の作業も可能になった。これによりさらなる納期短縮が可能になった」(山林専務)
広々とした加工フロア

糊付きフリース壁紙印刷など2つの新サービスを開始

 同社では、昨年の秋より「糊付きフリース壁紙印刷」と「ファブリックフレーム」の新サービスを開始。これらは先頃のJAPAN SHOP2016にも出品され、来場者の注目を集めた。
 「糊付きフリース壁紙印刷」とは、もともと貼ってある壁紙を剥がすことなくその上から貼れる壁紙にインクジェット出力するサービスで、特殊エンボス粘着で下地を傷つけず、パルプ+ポリエステルの不織布(フリース)基材のため、寸法安定性にも優れており破れることもない。
 特殊形状カットマシンを活用すれば、アクセントウォールやウォールステッカーへの展開も可能で「イベントなどで一時的に内装を替えたいときなどに非常に便利な壁紙。アイデア次第で活用シーンは無限に広がる」と山林専務は自信を示す。印刷営業においてもクライアントに提案する機会は多々ありそうだ。
 また、「ファブリックフレーム」は、同社が海外フレームメーカーと提携を結んで取り組んでいる新しい形のサインシステム。だれでも簡単に表示メディアの交換が行える設計となっており、1つのデザインでは伝えられないビジュアルを、専門の職人を必要とせずに掲示かつ交換することが可能である。
 フレームのバリエーションも豊富に揃えており、最小厚17.5ミリの壁掛けタイプから最大厚180ミリの大型立体向けヘビーデューティータイプまで様々な用途に対応する。またLEDモジュール内臓の電飾内照式タイプもラインアップし、さらなるアプリケーションの広がりを実現する。
 今後の展開について山林専務は、「印刷会社のSP活動をサポートするため対応力をさらに強化していく方針。高付加価値製品もさらに開発していく。昨年は印刷会社を対象にした見学会を開催したが、今後もそのような機会があれば催していきたい」と話しており、これらの取り組みを行いながらクライアントである印刷会社との信頼関係をさらに強化していく考えだ。

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 同社では現在、総勢30台のIJプリンタが活躍している。国際的にも評価の高い海外製の超大型機を5台(5メートル幅×2台、3.2メートル幅×3台、HP scitex、Efi Vutekなど)を取り揃え、UV、ラテックス、エコソルベントの各種インクにて対応している。
 また、最新導入機種である「EfiVutek GS5000r」は、最大幅5メートル機種でありながら、至近距離にも耐えうる高精彩の画質を実現する。白インク搭載でワンパス3層プリントが可能であるため、FFシートの昼夜「両用」プリントをはじめ、透明フィルムの同時両面出力など高付加価値出力のニーズにも対応可能になった。
 山林専務は、「5m幅のIJプリンタはもう1台所有しているが、遠目から見られることを前提にしているため画質が粗く、近距離から見られる商材には適さなかった。しかし、『VUTEk S5000』はスーパーワイドであるにも関わらず高画質出力にも対応するため、昨今の多様化するクライアントニーズに対応している」と最新機種の性能に自信を示している。
30台のインクジェットプリンタが稼働する

高速カッティングマシーン「FOTOBA」導入

 一方、インクジェット出力だけでなく、充実した加工体制を整えていることも同社の強みだ。10メートル自走式のウェルダー、ハイブリッドウェルダー、高周波ウェルダー、ハトメ打ち機3台、熱板式大型連続溶着機、工業用ミシン5台などを取り揃え、加工設備を充実させている。
 さらに昨年10月には、新たに3.2メートル幅に対応する高速カッティングマシーン「FOTOBA」を導入。加工設備をより充実させた。
 「これまでは手切りによるカット作業を行っていたが、量産対応と人件費削減を目的に導入した。手切りによるカット作業では4人ほどの人員が必要になるが、カッティングマシーンを使えば1人でも容易にカット作業を行うことができる。またこれまでは後加工を含めた短期集中の仕事において、インクジェット出力は対応できてもカット作業が間に合わないこともあったが、カッティングマシーンの導入により後加工を含めた短期集中型の受注にも対応できるようになった」(山林専務)
 また、一昨年に移転してきたばかりの同社工場は敷地面積5,500平米、延床面積2,353平米の広さを誇り、加工スペースも広々としているため、出力・加工などの作業を効率良く行うことができるようになっている。
 「とくに加工作業は大きな音が出るため、移転前の工場では近隣の民家から苦情が入るため夜中の加工作業が困難だった。しかし現在は工業団地であるため、それを気にする必要がなくなり、真夜中の作業も可能になった。これによりさらなる納期短縮が可能になった」(山林専務)
広々とした加工フロア

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 同社では、昨年の秋より「糊付きフリース壁紙印刷」と「ファブリックフレーム」の新サービスを開始。これらは先頃のJAPAN SHOP2016にも出品され、来場者の注目を集めた。
 「糊付きフリース壁紙印刷」とは、もともと貼ってある壁紙を剥がすことなくその上から貼れる壁紙にインクジェット出力するサービスで、特殊エンボス粘着で下地を傷つけず、パルプ+ポリエステルの不織布(フリース)基材のため、寸法安定性にも優れており破れることもない。
 特殊形状カットマシンを活用すれば、アクセントウォールやウォールステッカーへの展開も可能で「イベントなどで一時的に内装を替えたいときなどに非常に便利な壁紙。アイデア次第で活用シーンは無限に広がる」と山林専務は自信を示す。印刷営業においてもクライアントに提案する機会は多々ありそうだ。
 また、「ファブリックフレーム」は、同社が海外フレームメーカーと提携を結んで取り組んでいる新しい形のサインシステム。だれでも簡単に表示メディアの交換が行える設計となっており、1つのデザインでは伝えられないビジュアルを、専門の職人を必要とせずに掲示かつ交換することが可能である。
 フレームのバリエーションも豊富に揃えており、最小厚17.5ミリの壁掛けタイプから最大厚180ミリの大型立体向けヘビーデューティータイプまで様々な用途に対応する。またLEDモジュール内臓の電飾内照式タイプもラインアップし、さらなるアプリケーションの広がりを実現する。
 今後の展開について山林専務は、「印刷会社のSP活動をサポートするため対応力をさらに強化していく方針。高付加価値製品もさらに開発していく。昨年は印刷会社を対象にした見学会を開催したが、今後もそのような機会があれば催していきたい」と話しており、これらの取り組みを行いながらクライアントである印刷会社との信頼関係をさらに強化していく考えだ。

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