本連載では、包装材料の印刷を手掛ける、あるいは手掛けたいと考えている企業の方々に向けて、包装について分かりやすく、シリーズで説明します。
 包装の印刷は、書籍などの印刷と違った役割を持っています。日常生活の中で、多くの包装材料が使用されており、大部分は家庭ごみとして排出され、容器包装リサイクル法に従い、リサイクルされています。1日1人当たりのごみの排出量は、約1kgですが、容積比率では約55%が包装材料です。日常の食事にも包装製品は多く登場します。

包装の定義
包装は、日本工業規格(JIS)のJIS-Z0108:2005に定義されています。「包装とは物品の輸送、保管、取引、使用などに当たって、その価値及び状態を維持するために、適切な材料、容器などに物品を収納すること及びそれらを施す技術、又は施した状態。これを個装、内装、外装に大別。パッケージング(packaging)ともいう」
多くの包装材料
包装材料としては、金属缶、ガラス瓶、紙製容器、プラスチック製容器などの種類があります。印刷対象としては、これら以外にラベル、シュリンクフィルムがあります。
包装の機能
1: 内容物の保護、2:取り扱いの便利(運搬、保管、開封性・再封性)、3:情報の提供(製品情報、使い方)など基本的な3つの機能があります。(包装の三大機能)包装材料の印刷を行うためには、この基本をよく理解しておくことが重要です。
包装市場の成長
世界の印刷市場では、包装の印刷だけが顕著な伸びを示していると言われています。包装の成長予測は年率約4% ですが、包装の中では、デジタル印刷の伸びが最も高く、2020年までには年成長率は18%と予測されています(Pira調査)。
包装市場における成長分野
包装の中でも、伸びが期待されているのは、軟包装分野(パウチ、小袋などフィルムへの印刷加工)と言われており、多くの印刷関係企業が参入を画策しています。
包装材料の印刷
包装材料の印刷は、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷(シルクスクリーン印刷)、活版印刷、デジタリ印刷が基本的に利用されていますが、包装業界では、表面デコレーションのために、転写印刷、箔押し、エンボスなどの特殊な加工法も利用されています。
軟包装材料の加工
軟包装にスポットを当てますと、フィルムに印刷された後は、多くの場合、パウチなどにするためにポリエチレン(PE, LLDPE)が印刷面にラミネートされ、更に所定の幅にスリットして、巻き取りで納入、あるいは製袋加工でパウチにして納入されます。
本回は、簡単な内容にしましたが、次第に専門的な語句や事例も加えて説明していきます。次回から包装について市場動向や技術動向を説明していきます。

住本技術士事務所 所長 住本充弘氏(すみもと みつひろ)
技術士(経営工学)、包装管理士((社)日本包装技術協会認定)
日本包装コンサルタント協会会員・理事
技術士包装物流グループ会員・理事
日本包装学会会員
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連載|より包装材料の印刷の理解を深めるために - 1
伸びるデジタル印刷と包装分野への参入
2018年6月8日スペシャリスト

一般社団法人PODi
1996年に米国で誕生した世界最大のデジタル印刷推進団体。印刷会社800社、ベンダー50社以上が参加し、デジタル印刷を活用した成功事例をはじめ、多くの情報を会員向けに公開している。また、WhatTheyThinkをはじめDMAなどの海外の団体と提携し、その主要なニュースを日本語版で配信している。
本連載では、包装材料の印刷を手掛ける、あるいは手掛けたいと考えている企業の方々に向けて、包装について分かりやすく、シリーズで説明します。
 包装の印刷は、書籍などの印刷と違った役割を持っています。日常生活の中で、多くの包装材料が使用されており、大部分は家庭ごみとして排出され、容器包装リサイクル法に従い、リサイクルされています。1日1人当たりのごみの排出量は、約1kgですが、容積比率では約55%が包装材料です。日常の食事にも包装製品は多く登場します。

包装の定義
包装は、日本工業規格(JIS)のJIS-Z0108:2005に定義されています。「包装とは物品の輸送、保管、取引、使用などに当たって、その価値及び状態を維持するために、適切な材料、容器などに物品を収納すること及びそれらを施す技術、又は施した状態。これを個装、内装、外装に大別。パッケージング(packaging)ともいう」
多くの包装材料
包装材料としては、金属缶、ガラス瓶、紙製容器、プラスチック製容器などの種類があります。印刷対象としては、これら以外にラベル、シュリンクフィルムがあります。
包装の機能
1: 内容物の保護、2:取り扱いの便利(運搬、保管、開封性・再封性)、3:情報の提供(製品情報、使い方)など基本的な3つの機能があります。(包装の三大機能)包装材料の印刷を行うためには、この基本をよく理解しておくことが重要です。
包装市場の成長
世界の印刷市場では、包装の印刷だけが顕著な伸びを示していると言われています。包装の成長予測は年率約4% ですが、包装の中では、デジタル印刷の伸びが最も高く、2020年までには年成長率は18%と予測されています(Pira調査)。
包装市場における成長分野
包装の中でも、伸びが期待されているのは、軟包装分野(パウチ、小袋などフィルムへの印刷加工)と言われており、多くの印刷関係企業が参入を画策しています。
包装材料の印刷
包装材料の印刷は、グラビア印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷(シルクスクリーン印刷)、活版印刷、デジタリ印刷が基本的に利用されていますが、包装業界では、表面デコレーションのために、転写印刷、箔押し、エンボスなどの特殊な加工法も利用されています。
軟包装材料の加工
軟包装にスポットを当てますと、フィルムに印刷された後は、多くの場合、パウチなどにするためにポリエチレン(PE, LLDPE)が印刷面にラミネートされ、更に所定の幅にスリットして、巻き取りで納入、あるいは製袋加工でパウチにして納入されます。
本回は、簡単な内容にしましたが、次第に専門的な語句や事例も加えて説明していきます。次回から包装について市場動向や技術動向を説明していきます。

住本技術士事務所 所長 住本充弘氏(すみもと みつひろ)
技術士(経営工学)、包装管理士((社)日本包装技術協会認定)
日本包装コンサルタント協会会員・理事
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