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共同印刷工業(京都)、安定性の高さが決め手[Revoria Press PC1120導入事例]

特殊トナーの表現力も評価:出版社の多様なニーズに応える

2024年10月9日ケーススタディ

フォトグラファー・竹村麻紀子氏からも高い評価

 PC1120の品質性能の高さが活かされた仕事のひとつに、フォトグラファー・竹村麻紀子氏の写真集がある。雑誌・アパレル・広告撮影などで活躍する竹村氏が20年にわたり撮り溜めた作品を1冊にまとめたものだ。

竹村氏

 部数は200部。用紙は、「写真によって質感を変えたい」という竹村氏の意向から、表裏で風合いの異なるエスプリコート紙を採用。PC1120による本紙校正を見た第一印象を、竹村氏はこう語る。

 「色味といい、滑らかさといい、思った以上の仕上がりだった。実は当初、もし納得のいく色が出なければオフセットにした方がいいのかなという迷いもあったが、校正を見た瞬間、『ぜひPC1120で!』と即決した」

 品質面で竹村氏がとくに重視したのは、自身が大切にしている「青み」と「光」の再現だ。「青は、今回の写真集のテーマでもあり、印刷でなかなか上手く表現できないこともある難しい色だが、PC1120の出力では、空気感や透明感を損なわず、きれいに再現できていたし、自然の光が織りなす微妙なグラデーションも滑らかに表現できていたので、校正の段階で非常にいい印象を持った」(竹村氏)

 本番出力では、竹村氏の希望で現場に立ち会うことに。「個人で初めて出す写真集ということもあり、できるだけ工程を自分で見届けたいと思った。PC1120のスピードの速さにも驚いたが、色味についても、修正をお願いした箇所も含めてイメージ通りに再現されていて、文句なしの仕上がりだった」(竹村氏)

竹村氏の写真集

 この写真集の印刷を手がけ、竹村氏から高い評価を得られたことは、共同印刷工業の社内にも良い効果をもたらしているようだ。江戸社長は手応えをこう語る。

 「竹村さんご本人に立ち会いに来ていただき、その場で喜んでいただけたので、オペレーターも嬉しかったと思うし、写真のプロから評価いただけたことで、PC1120の品質レベルの高さを、社内であらためて共有することができた。今後、こうした小ロットの美術印刷の分野にも仕事の幅を広げていけるのではないかと考えている」

本づくりから販促までのトータルサポートを目指す

 生産効率の面でも、小ロット対応力や付加価値提案などの面でも、PC1120導入の効果は確実に表れているが、江戸社長は、「やるべきことはまだたくさんある」と、さらなる変革を目指す。

 「たとえば、現状、デジタル印刷用の面付けはPC1120のオペレーターが行っているが、これをDTP側でできるようにすれば、生産性はさらに上がるはず。PC1120でどんなことができるかをデザイナーがもっと知れば、デザインの幅も大きく広がるだろう。また、いまオフセットで印刷している仕事をPC1120に切り替えることで、お客さまに本機校正を短納期で出せるようになる。制作や営業も含め、社内のいろいろな部分を変えていくことで、PC1120のメリットはより大きくなる」

 設備だけでなく、作業手順や社員の意識も変え、会社としての提案力・対応力をいっそう強化することで、クライアントのニーズにきめ細かく応えていく考えだ。仕事の幅も、専門書で培ったノウハウを活かしながら少しずつ広げていく。しかし、創業以来貫いてきた「出版とともに生きていく」というスタンスは変わらない。

 「今後は、本をつくって終わりではなく、出版社のプロモーションに関してもいろいろな形でサポートしたいと考えている。たとえば、最近は書店に設置するPOPなどの販促ツールの依頼をいただくことが増えており、PC1120活用の場のひとつになっている。今後、印刷会社としてできることをさらに増やし、『読んでみたい』と思ってもらえる本づくりはもちろん、書店に足を運んでもらうきっかけづくりなどもお手伝いできればと考えている」(江戸社長)

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フォトグラファー・竹村麻紀子氏からも高い評価

 PC1120の品質性能の高さが活かされた仕事のひとつに、フォトグラファー・竹村麻紀子氏の写真集がある。雑誌・アパレル・広告撮影などで活躍する竹村氏が20年にわたり撮り溜めた作品を1冊にまとめたものだ。

竹村氏

 部数は200部。用紙は、「写真によって質感を変えたい」という竹村氏の意向から、表裏で風合いの異なるエスプリコート紙を採用。PC1120による本紙校正を見た第一印象を、竹村氏はこう語る。

 「色味といい、滑らかさといい、思った以上の仕上がりだった。実は当初、もし納得のいく色が出なければオフセットにした方がいいのかなという迷いもあったが、校正を見た瞬間、『ぜひPC1120で!』と即決した」

 品質面で竹村氏がとくに重視したのは、自身が大切にしている「青み」と「光」の再現だ。「青は、今回の写真集のテーマでもあり、印刷でなかなか上手く表現できないこともある難しい色だが、PC1120の出力では、空気感や透明感を損なわず、きれいに再現できていたし、自然の光が織りなす微妙なグラデーションも滑らかに表現できていたので、校正の段階で非常にいい印象を持った」(竹村氏)

 本番出力では、竹村氏の希望で現場に立ち会うことに。「個人で初めて出す写真集ということもあり、できるだけ工程を自分で見届けたいと思った。PC1120のスピードの速さにも驚いたが、色味についても、修正をお願いした箇所も含めてイメージ通りに再現されていて、文句なしの仕上がりだった」(竹村氏)

竹村氏の写真集

 この写真集の印刷を手がけ、竹村氏から高い評価を得られたことは、共同印刷工業の社内にも良い効果をもたらしているようだ。江戸社長は手応えをこう語る。

 「竹村さんご本人に立ち会いに来ていただき、その場で喜んでいただけたので、オペレーターも嬉しかったと思うし、写真のプロから評価いただけたことで、PC1120の品質レベルの高さを、社内であらためて共有することができた。今後、こうした小ロットの美術印刷の分野にも仕事の幅を広げていけるのではないかと考えている」

本づくりから販促までのトータルサポートを目指す

 生産効率の面でも、小ロット対応力や付加価値提案などの面でも、PC1120導入の効果は確実に表れているが、江戸社長は、「やるべきことはまだたくさんある」と、さらなる変革を目指す。

 「たとえば、現状、デジタル印刷用の面付けはPC1120のオペレーターが行っているが、これをDTP側でできるようにすれば、生産性はさらに上がるはず。PC1120でどんなことができるかをデザイナーがもっと知れば、デザインの幅も大きく広がるだろう。また、いまオフセットで印刷している仕事をPC1120に切り替えることで、お客さまに本機校正を短納期で出せるようになる。制作や営業も含め、社内のいろいろな部分を変えていくことで、PC1120のメリットはより大きくなる」

 設備だけでなく、作業手順や社員の意識も変え、会社としての提案力・対応力をいっそう強化することで、クライアントのニーズにきめ細かく応えていく考えだ。仕事の幅も、専門書で培ったノウハウを活かしながら少しずつ広げていく。しかし、創業以来貫いてきた「出版とともに生きていく」というスタンスは変わらない。

 「今後は、本をつくって終わりではなく、出版社のプロモーションに関してもいろいろな形でサポートしたいと考えている。たとえば、最近は書店に設置するPOPなどの販促ツールの依頼をいただくことが増えており、PC1120活用の場のひとつになっている。今後、印刷会社としてできることをさらに増やし、『読んでみたい』と思ってもらえる本づくりはもちろん、書店に足を運んでもらうきっかけづくりなどもお手伝いできればと考えている」(江戸社長)

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