キーワードで検索

ミマキ、廃水約90%削減の捺染システム「TRAPIS」発表

2024年3月14日ニュース

 (株)ミマキエンジニアリング(池田和明社長)は、2023年6月にITMAで技術出展した「捺染顔料転写プリントシステム」を製品化した次世代捺染システム「TRAPIS(トラピス)」を発売する。

 「TRAPIS」は、Transfer(転写)・Pigment(顔料)・System(装置)を名称の由来とした当社の顔料転写方式の捺染プリントシステム。同社のインクジェットプリンタ、専用インク、専用転写紙および同社推奨の欧州メーカー製の専用転写機で構成される。

環境と人に優しい次世代捺染システム提案

 これまでの捺染方式にでは、染色の前後処理による化学物質混合排水を大量に発生(染料デジタル捺染の場合、1平米当たり約14・5リットル)させ、環境問題とされている。また染色加工の工程が複雑であるため専門技術と知識を必要とし、さらに大規模な排水処理設備が必要など、導入場所の制限もある。

 今回同社が製品化したTRAPISは、専用の転写紙にプリントしたデザインを、熱転写装置を使用して生地に転写し捺染が完了。そのため捺染工程における廃水がほぼゼロ(プリンタの自動メンテナンスにより発生する廃インクのみ)で、転写紙の製造工程において発生する廃水を含めても、従来の捺染プリント方式と比較して廃水を約90%削減する。従来の捺染システムのような大規模なスペースや排水処理設備も不要のため、省スペースで導入でき、布製品の流通の先端(店舗やデザインオフィスなど)で捺染ビジネスが行える。

 また、捺染がプリントと転写で完了する簡単な工程であり、染色の専門技術と知識がなくとも簡単にオペレーションを始められ、さらに従来の捺染では繊維の種類ごとに異なる染料(インク種)および捺染設備が必要だったが、TRAPISは1種類のインクで幅広い種類の生地にプリントができる。したがって捺染を専門とする染色工場に限らず、様々な場所で様々な生地に、必要な時に必要な分だけ、小回りの利いた染色事業が可能となり、世界的にサステナブル化が求められる染色業界の照準に適合する。

 TRAPISは各繊維素材のプリントに対応した上で、2024年6月の販売開始を予定。年間100台(全世界)の販売を見込んでいる。

最新ニュース

parachute_dijital_20250630_tn.jpg

パラシュート、スマホで偽造品識別が可能なデジタル暗号化技術サービスの提供開始

2025年7月1日

 パラシュート(株)(東京都世田谷区、兵藤伊織社長)は2025年7月1日から、SaaSプラットフォームをベースとしたデジタル暗号化技術サービス(DET Service)の提供を開始した...全文を読む

dp_podi_labelexpo2025_20250625_tn.jpg

PODi、「Labelexpo Europe 2025」視察ツアーの参加者募集開始

2025年6月25日

 (一社)PODi(荒井純一代表理事)は、ラベル・パッケージ業界の世界最大級の展示会「Labelexpo Europe 2025」視察ツアーの参加者募集を開始した。  LABELEXP...全文を読む

dp_accuriopress_c7100_enhanced_20250625_tn.jpg

コニカミノルタジャパン、機能強化モデル「AccurioPress C7100 ENHANCED」発売

2025年6月25日

 コニカミノルタジャパン(株)(本社/東京都港区、一條啓介社長)は、高画質及び多彩な用紙への対応力と、自動品質最適化ユニットで評価を得ているデジタル印刷システム「AccurioPres...全文を読む

dp_direct_to_shape_printing_system_20250625_tn.jpg

エプソン、立体物への直接印刷を可能にする「Direct to Shape Printing System」発表

2025年6月25日

 セイコーエプソン(株)は、海外では初出展となる、立体物への直接印刷を可能にする「Direct to Shape Printing System」を、6月24日から27日にドイツ、メッ...全文を読む

dp_pns_revoria_xmf_pressready_20250609_tn.jpg

パラシュート、次世代型MIS「PNS」にメーカーワークフローソフトウェア連携機能を追加

2025年6月11日

 パラシュート(株)(東京都世田谷区、兵藤伊織社長)は6月9日から、印刷業務の基幹システム「Print Navigator System」(プリントナビゲーターシステム、以下PNS)に...全文を読む

新着トピックス

リンクス、スキルレスで人材確保、育成期間短縮[JetPress750S導入事例]

2025年6月27日ケーススタディ

 「アイデア什器」の(株)リンクス(本社/岐阜県関市倉知2639-1、吉田哲也社長)は昨年11月、富士フイルムの枚葉インクジェットデジタルプレス「JetPress750S」(厚紙仕様)...全文を読む

accuriopress_c14010s_20250529_tn.jpg

コニカミノルタジャパン、AccurioDays2025で新たなフラッグシップモデルを公開

2025年6月4日製品・テクノロジー

 コニカミノルタジャパン(株)は、デジタルカラー印刷システムの最上位機種「AccurioPress(アキュリオプレス) C14010シリーズ」の発売を記念して4月23・24日の2日間、...全文を読む

ohmura_revoriapress_pc1120_tn_dp.jpg

大村印刷、特殊トナーと用紙対応力で小ロット・高付加価値ニーズに対応

2025年5月8日ケーススタディ

 山口県を拠点に、印刷を中心とした情報ソリューション事業を展開する大村印刷(株)(本社/山口県防府市西仁井令1-21-55、河内和明社長)は2022年2月、富士フイルムのプロダクション...全文を読む

ミマキ、廃水約90%削減の捺染システム「TRAPIS」発表

2024年3月14日ニュース

  • twitter
  • facebook
  • line

 (株)ミマキエンジニアリング(池田和明社長)は、2023年6月にITMAで技術出展した「捺染顔料転写プリントシステム」を製品化した次世代捺染システム「TRAPIS(トラピス)」を発売する。

 「TRAPIS」は、Transfer(転写)・Pigment(顔料)・System(装置)を名称の由来とした当社の顔料転写方式の捺染プリントシステム。同社のインクジェットプリンタ、専用インク、専用転写紙および同社推奨の欧州メーカー製の専用転写機で構成される。

環境と人に優しい次世代捺染システム提案

 これまでの捺染方式にでは、染色の前後処理による化学物質混合排水を大量に発生(染料デジタル捺染の場合、1平米当たり約14・5リットル)させ、環境問題とされている。また染色加工の工程が複雑であるため専門技術と知識を必要とし、さらに大規模な排水処理設備が必要など、導入場所の制限もある。

 今回同社が製品化したTRAPISは、専用の転写紙にプリントしたデザインを、熱転写装置を使用して生地に転写し捺染が完了。そのため捺染工程における廃水がほぼゼロ(プリンタの自動メンテナンスにより発生する廃インクのみ)で、転写紙の製造工程において発生する廃水を含めても、従来の捺染プリント方式と比較して廃水を約90%削減する。従来の捺染システムのような大規模なスペースや排水処理設備も不要のため、省スペースで導入でき、布製品の流通の先端(店舗やデザインオフィスなど)で捺染ビジネスが行える。

 また、捺染がプリントと転写で完了する簡単な工程であり、染色の専門技術と知識がなくとも簡単にオペレーションを始められ、さらに従来の捺染では繊維の種類ごとに異なる染料(インク種)および捺染設備が必要だったが、TRAPISは1種類のインクで幅広い種類の生地にプリントができる。したがって捺染を専門とする染色工場に限らず、様々な場所で様々な生地に、必要な時に必要な分だけ、小回りの利いた染色事業が可能となり、世界的にサステナブル化が求められる染色業界の照準に適合する。

 TRAPISは各繊維素材のプリントに対応した上で、2024年6月の販売開始を予定。年間100台(全世界)の販売を見込んでいる。

新着ニュース

新着トピックス

PAGE TOP