キーワードで検索

「FUJIFILM Inkjet Technology」がパリ・オートクチュール・コレクション作品支える

ファッションデザイナー・中里唯馬氏に協力

2016年11月15日マーケティング企業・経営

 今回、中里氏への技術サポートの窓口となったのは、富士フイルムの「オープン・イノベーション・ハブ(OI-Hub)」。富士フイルムグループの技術や製品・材料などを社外のビジネスパートナーに提示し新たな価値を「共創」する場として、2014年に開設したソリューション提案拠点である。OI-Hubは、中里氏からパリコレ出品作品へのサポート依頼を受け、「FUJIFILM Inkjet Technology」や特殊高機能素材の技術を紹介し、協力を約束した。
 従来、ホログラム生地の色再現は4種類に限られていたが、富士フイルムは、ホログラム生地と組み合わせた透明のバック基材に「Uvijet KVインク」でグラフィックを印刷する手法を提案。これによって、ホログラムの色彩表現力を大きく拡張することができた。



 中里氏は、今回の富士フイルムの技術協力について次のように語る。

 「以前からホログラムに着目してさまざまな研究を重ねてきたが、繊維ではなくフィルムに着目したことにより実現できた、この富士フイルムさんとのコラボレーションに、本当に感謝している。ホログラムの表現力を拡張したいという思いはずっとあったが、フィルムは表面がとてもツルツルしているので、画像をプリントしても定着が難しいという問題があった。また、衣服に使用するため、摩擦に対する高い堅牢性も必要である。富士フイルムさんのテクノロジーは、画像をプリントした後、プロッターでカットし、手作業でユニットに加工しても、インクが剥がれたりせず、非常に高い定着性・堅牢性を持っていると感じた。ドレスのほかにも、アイスランドの氷の写真を加工してホログラムにプリントしたブーツも製作したが、色の再現性が非常に高く、イメージそのままにプリントできた。これだけのクオリティと強度の両立は、他ではできない技術だと思う。富士フイルムさんに紹介していただいたテクノロジーや特殊フィルムの中には、今回は時間的に活用できなかったものもあるので、是非これからも、継続的にコラボレーションさせていただきたいと考えている」



Uvijet KVインク

 富士フイルムのワイドフォーマットUVインクジェットプリンター用に開発したUVインクで、「鮮やかな発色」と「1000%を超える業界トップクラスの高い延伸性(柔軟性)」「樹脂板や金属塗装板への高い密着性」を兼備しているのが特長。プラスチックなどの平滑性の高い基材にも自在に絵柄をプリントでき、しかも、真空成型などの加工を行っても、ひび割れなどを起こさない。CMYK+ホワイトの5色を揃え、真空成形加工品などではこれまで困難だったフルカラーやグラデーションの表現を可能にした。これらの特性から、自動車の内装部品やスマホケース、自動販売機など、さまざまな分野に活用が広がっている。今回の中里氏の作品においても、優れた密着性と高い色再現性を発揮し、ホログラムの色彩表現の拡張に大きく貢献した。

新着トピックス

ohmura_revoriapress_pc1120_tn_dp.jpg

大村印刷、特殊トナーと用紙対応力で小ロット・高付加価値ニーズに対応

2025年5月8日ケーススタディ

 山口県を拠点に、印刷を中心とした情報ソリューション事業を展開する大村印刷(株)(本社/山口県防府市西仁井令1-21-55、河内和明社長)は2022年2月、富士フイルムのプロダクション...全文を読む

dmsolutions_prosper_tn.jpg

ディーエムソリューションズ、最高毎時4万5,000通を達成[KODAK PROSPER S5導入事例]

2025年3月25日ケーススタディ

 ディーエムソリューションズ(株)(本社/東京都武蔵野市御殿山1-1-3 クリスタルパークビル2F、花矢卓司社長)は、KODAK PROSPER S5インプリンティングシステムを導入後...全文を読む

最新ニュース

parachute_dijital_20250630_tn.jpg

パラシュート、スマホで偽造品識別が可能なデジタル暗号化技術サービスの提供開始

2025年7月1日

 パラシュート(株)(東京都世田谷区、兵藤伊織社長)は2025年7月1日から、SaaSプラットフォームをベースとしたデジタル暗号化技術サービス(DET Service)の提供を開始した...全文を読む

dp_podi_labelexpo2025_20250625_tn.jpg

PODi、「Labelexpo Europe 2025」視察ツアーの参加者募集開始

2025年6月25日

 (一社)PODi(荒井純一代表理事)は、ラベル・パッケージ業界の世界最大級の展示会「Labelexpo Europe 2025」視察ツアーの参加者募集を開始した。  LABELEXP...全文を読む

dp_accuriopress_c7100_enhanced_20250625_tn.jpg

コニカミノルタジャパン、機能強化モデル「AccurioPress C7100 ENHANCED」発売

2025年6月25日

 コニカミノルタジャパン(株)(本社/東京都港区、一條啓介社長)は、高画質及び多彩な用紙への対応力と、自動品質最適化ユニットで評価を得ているデジタル印刷システム「AccurioPres...全文を読む

「FUJIFILM Inkjet Technology」がパリ・オートクチュール・コレクション作品支える

ファッションデザイナー・中里唯馬氏に協力

2016年11月15日マーケティング企業・経営

  • twitter
  • facebook
  • line
 今回、中里氏への技術サポートの窓口となったのは、富士フイルムの「オープン・イノベーション・ハブ(OI-Hub)」。富士フイルムグループの技術や製品・材料などを社外のビジネスパートナーに提示し新たな価値を「共創」する場として、2014年に開設したソリューション提案拠点である。OI-Hubは、中里氏からパリコレ出品作品へのサポート依頼を受け、「FUJIFILM Inkjet Technology」や特殊高機能素材の技術を紹介し、協力を約束した。
 従来、ホログラム生地の色再現は4種類に限られていたが、富士フイルムは、ホログラム生地と組み合わせた透明のバック基材に「Uvijet KVインク」でグラフィックを印刷する手法を提案。これによって、ホログラムの色彩表現力を大きく拡張することができた。



 中里氏は、今回の富士フイルムの技術協力について次のように語る。

 「以前からホログラムに着目してさまざまな研究を重ねてきたが、繊維ではなくフィルムに着目したことにより実現できた、この富士フイルムさんとのコラボレーションに、本当に感謝している。ホログラムの表現力を拡張したいという思いはずっとあったが、フィルムは表面がとてもツルツルしているので、画像をプリントしても定着が難しいという問題があった。また、衣服に使用するため、摩擦に対する高い堅牢性も必要である。富士フイルムさんのテクノロジーは、画像をプリントした後、プロッターでカットし、手作業でユニットに加工しても、インクが剥がれたりせず、非常に高い定着性・堅牢性を持っていると感じた。ドレスのほかにも、アイスランドの氷の写真を加工してホログラムにプリントしたブーツも製作したが、色の再現性が非常に高く、イメージそのままにプリントできた。これだけのクオリティと強度の両立は、他ではできない技術だと思う。富士フイルムさんに紹介していただいたテクノロジーや特殊フィルムの中には、今回は時間的に活用できなかったものもあるので、是非これからも、継続的にコラボレーションさせていただきたいと考えている」



Uvijet KVインク

 富士フイルムのワイドフォーマットUVインクジェットプリンター用に開発したUVインクで、「鮮やかな発色」と「1000%を超える業界トップクラスの高い延伸性(柔軟性)」「樹脂板や金属塗装板への高い密着性」を兼備しているのが特長。プラスチックなどの平滑性の高い基材にも自在に絵柄をプリントでき、しかも、真空成型などの加工を行っても、ひび割れなどを起こさない。CMYK+ホワイトの5色を揃え、真空成形加工品などではこれまで困難だったフルカラーやグラデーションの表現を可能にした。これらの特性から、自動車の内装部品やスマホケース、自動販売機など、さまざまな分野に活用が広がっている。今回の中里氏の作品においても、優れた密着性と高い色再現性を発揮し、ホログラムの色彩表現の拡張に大きく貢献した。

新着トピックス

新着ニュース

PAGE TOP