キーワードで検索

ハイデルベルグ社、Primefire106受注好調で5割増産検討へ

「新規ビジネス創出」のデジタル印刷機 〜 独MPS社で実稼働状況を公開

2017年11月13日製品・テクノロジーケーススタディ

MPS社、「コスト」ではなく「価値」〜生産効率、見当性、色の安定性を評価

 11月8日の午後、「Primefire106」1号機が設置されているMPS社のドイツ・オーバーズルム工場が報道関係者らに初公開された。

 米国ニューヨークに本社を構える同社は、化粧品、パーソナルケア、医薬品、日用品などのブランドに特化した、WestRockグループ傘下の国際的なパッケージ製造会社。世界14ヵ国に9,000人以上の従業員を擁し、ブランドオーナーに向けて、デジタル技術を活用した「価値」の提供で事業を拡大している。
ステファン・シュニッツァー氏
 MPS社マネージングディレクターで美容・パーソナルケア製品の総括責任者であるステファン・シュニッツァー氏は、「契約の決め手となるのは『コスト』ではなく『価値』である。ブランドオーナーがその価値を認めれば価格は自ずと付いてくる」と述べ、「Primefire106」もオフセット印刷の置き換えではなく、足りない部分を補完するもので、「パーソナライズ」「敏捷性」「低い最小発注単位」「柔軟性」という新たな「価値」を提供するための投資であることを強調した。

 現在同社が掲げるイノベーションは「サプライチェーン」「パーソナライゼーション」「セキュリティ」「スマートパッケージング/コネクティッドパッケージング」の4つ。「サプライチェーン」では、VMI(ベンダー・マネージド・インベントリー)を導入。これは同社がブランドオーナー側の在庫管理を行い、同社主導のもとで製造・納品を行う仕組みである。また「セキュリティ」は高級化粧品などの偽造防止として必須の機能となる。さらに「スマートパッケージング/コネクティッドパッケージング」では、バーコードなどによるトレーサビリティをパッケージに付加することで、消費者ニーズや地域特性などをマーケティングに活かすような試みが考えられる。これらイノベーションとデジタル印刷機「Primefire106」を掛け合わせることで新たな「価値」を創造するのが同社の狙いだ。

 さらに、現在は顧客の急な要望に応えるため、巨大倉庫に大量のパッケージ製品を在庫しているが、これを減らしていくことも可能だろう。

 「1枚あたりの製造単価をオフセット印刷のそれと単純に比較、議論するのは意味のないこと。デジタル印刷で如何に価値を生むかが最も重要である」というシュニッツァー氏。「コスト」ではなく「価値」であることを繰り返し強調していた。

 「Primefire106」の評価としては、B1というサイズの効率性、見当性、品質、色の安定性を挙げている。とくに、1枚の印刷物における色の均一性はもちろん、大ロットが多いパッケージ印刷において1枚毎の色のブレがなく、バージョニングされた印刷物でも色の均一性を担保できる「Primefire106」の色再現の安定性を高く評価している。
色再現の安定性を高く評価

新着トピックス

ohmura_revoriapress_pc1120_tn_dp.jpg

大村印刷、特殊トナーと用紙対応力で小ロット・高付加価値ニーズに対応

2025年5月8日ケーススタディ

 山口県を拠点に、印刷を中心とした情報ソリューション事業を展開する大村印刷(株)(本社/山口県防府市西仁井令1-21-55、河内和明社長)は2022年2月、富士フイルムのプロダクション...全文を読む

dmsolutions_prosper_tn.jpg

ディーエムソリューションズ、最高毎時4万5,000通を達成[KODAK PROSPER S5導入事例]

2025年3月25日ケーススタディ

 ディーエムソリューションズ(株)(本社/東京都武蔵野市御殿山1-1-3 クリスタルパークビル2F、花矢卓司社長)は、KODAK PROSPER S5インプリンティングシステムを導入後...全文を読む

最新ニュース

parachute_dijital_20250630_tn.jpg

パラシュート、スマホで偽造品識別が可能なデジタル暗号化技術サービスの提供開始

2025年7月1日

 パラシュート(株)(東京都世田谷区、兵藤伊織社長)は2025年7月1日から、SaaSプラットフォームをベースとしたデジタル暗号化技術サービス(DET Service)の提供を開始した...全文を読む

dp_podi_labelexpo2025_20250625_tn.jpg

PODi、「Labelexpo Europe 2025」視察ツアーの参加者募集開始

2025年6月25日

 (一社)PODi(荒井純一代表理事)は、ラベル・パッケージ業界の世界最大級の展示会「Labelexpo Europe 2025」視察ツアーの参加者募集を開始した。  LABELEXP...全文を読む

dp_accuriopress_c7100_enhanced_20250625_tn.jpg

コニカミノルタジャパン、機能強化モデル「AccurioPress C7100 ENHANCED」発売

2025年6月25日

 コニカミノルタジャパン(株)(本社/東京都港区、一條啓介社長)は、高画質及び多彩な用紙への対応力と、自動品質最適化ユニットで評価を得ているデジタル印刷システム「AccurioPres...全文を読む

ハイデルベルグ社、Primefire106受注好調で5割増産検討へ

「新規ビジネス創出」のデジタル印刷機 〜 独MPS社で実稼働状況を公開

2017年11月13日製品・テクノロジーケーススタディ

  • twitter
  • facebook
  • line

MPS社、「コスト」ではなく「価値」〜生産効率、見当性、色の安定性を評価

 11月8日の午後、「Primefire106」1号機が設置されているMPS社のドイツ・オーバーズルム工場が報道関係者らに初公開された。

 米国ニューヨークに本社を構える同社は、化粧品、パーソナルケア、医薬品、日用品などのブランドに特化した、WestRockグループ傘下の国際的なパッケージ製造会社。世界14ヵ国に9,000人以上の従業員を擁し、ブランドオーナーに向けて、デジタル技術を活用した「価値」の提供で事業を拡大している。
ステファン・シュニッツァー氏
 MPS社マネージングディレクターで美容・パーソナルケア製品の総括責任者であるステファン・シュニッツァー氏は、「契約の決め手となるのは『コスト』ではなく『価値』である。ブランドオーナーがその価値を認めれば価格は自ずと付いてくる」と述べ、「Primefire106」もオフセット印刷の置き換えではなく、足りない部分を補完するもので、「パーソナライズ」「敏捷性」「低い最小発注単位」「柔軟性」という新たな「価値」を提供するための投資であることを強調した。

 現在同社が掲げるイノベーションは「サプライチェーン」「パーソナライゼーション」「セキュリティ」「スマートパッケージング/コネクティッドパッケージング」の4つ。「サプライチェーン」では、VMI(ベンダー・マネージド・インベントリー)を導入。これは同社がブランドオーナー側の在庫管理を行い、同社主導のもとで製造・納品を行う仕組みである。また「セキュリティ」は高級化粧品などの偽造防止として必須の機能となる。さらに「スマートパッケージング/コネクティッドパッケージング」では、バーコードなどによるトレーサビリティをパッケージに付加することで、消費者ニーズや地域特性などをマーケティングに活かすような試みが考えられる。これらイノベーションとデジタル印刷機「Primefire106」を掛け合わせることで新たな「価値」を創造するのが同社の狙いだ。

 さらに、現在は顧客の急な要望に応えるため、巨大倉庫に大量のパッケージ製品を在庫しているが、これを減らしていくことも可能だろう。

 「1枚あたりの製造単価をオフセット印刷のそれと単純に比較、議論するのは意味のないこと。デジタル印刷で如何に価値を生むかが最も重要である」というシュニッツァー氏。「コスト」ではなく「価値」であることを繰り返し強調していた。

 「Primefire106」の評価としては、B1というサイズの効率性、見当性、品質、色の安定性を挙げている。とくに、1枚の印刷物における色の均一性はもちろん、大ロットが多いパッケージ印刷において1枚毎の色のブレがなく、バージョニングされた印刷物でも色の均一性を担保できる「Primefire106」の色再現の安定性を高く評価している。
色再現の安定性を高く評価

新着トピックス

新着ニュース

PAGE TOP