FFDP、「Jet Press 540WV」市場投入を開始
軟包装の課題解決を支援 〜 IJ技術で工場全体の稼働率向上を提案
2017年11月25日スペシャリスト
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北四国グラビア印刷で本格稼働開始
「Jet Press 540WV」は今年4月、食品関連の軟包装印刷などを手がけているグラビアコンバーターの(株)北四国グラビア印刷(香川県、奥田拓己社長)に納入され、テスト稼働などを経て、本格稼働を開始している。
北四国グラビア印刷が「Jet Press 540WV」を導入した背景について菅沼氏は、次のように説明する。
「国内の軟包装業界も多品種・小ロット化が加速している。さらに、品質要求に対するバリエーションも『価格重視の顧客』から、逆に『高品位なものを求める顧客』というように広がっている。こなすべき仕事数自体が増加傾向にあることと裏返しとして、1ジョブあたりのロットは減少している。この結果、版替えなどジョブチェンジ回数が増え、オペレータの作業負荷増大が問題となっている。その解決手段としてインクジェットによる生産を選択いただいた」
北四国グラビア印刷では、既存の小ロットジョブをすべて「Jet Press 540WV」に移行するのではなく、インクジェットの方が効率的なもの、また、より訴求効果の高い軟包装パッケージとして提供できるか、などを自社内で検討した上でグラビア印刷機からの移行生産を行っているという。また、「Jet Press 540WV」のグラビアに近い発色・濃度を活かして、まずは小ロットジョブを「Jet Press 540WV」で印刷・出荷し、グラビア印刷製品が出荷するまでの間をつなぐといった生産を行っている。これにより、クライアント側の要求する納期にも柔軟に対応することや、先行少量生産によるテストマーケティングが可能になった。相乗効果で既存設備の稼働率向上にも貢献
軟包装用のデジタル印刷機を導入することで、グラビアコンバーターは、どのようなメリットを得ることができるのか。その点について菅沼氏は、「既設のグラビア機との相乗効果による工場全体の稼働率の向上」と述べた上で次のように説明する。
「グラビア印刷の現場では、小ロットジョブの増加により、頻繁なシリンダー交換が余儀なくされており、装置の稼働率低下やオペレータ負荷の増大といった構造的な問題が顕在化している。小ロットの仕事に対しては、インクジェット印刷に切り替えることで、結果としてグラビア機の作業負荷の軽減を図ることができる。もちろんインクジェット印刷とグラビア印刷では、仕上がり品質が必ずしも同等であるとは言えない。しかし、インクジェットの品質であっても市場に受け入れられる仕事が相当数存在することも事実。それらの仕事をインクジェットに切り替えれば、圧倒的な生産効率を発揮する。また、グラビア印刷機についても、小ロットジョブが減ることで、ジョブチェンジ回数が軽減し、稼働率の改善を図れる」
さらに菅沼氏は、「インクジェットによる生産は部分的な効率化ではなく、結果として既存のグラビア機の生産性向上にもつながる。これは経営視点で見ても大きなメリットになるはずと考えている。オフセット印刷においても、同様の効果が報告されている」と、インクジェット印刷機を導入することで、工場全体の稼働率向上につながることこそが最大の導入メリットであることを強調した。ブランドオーナーとの認識共有で相互メリットを享受
北四国グラビア印刷は、10月25・26日に広島で開催された中四国地区最大の包装展「SIMANAMI PACK(しまなみパック)2017」に出展し、「Jet Press 540WV」で印刷した多彩なサンプルを展示。実際のサンプルを手にとって見てもらうことで、その印刷品質を来場したブランドオーナーなどに、直接訴求することができたようだ。
「ブランドオーナーにJet Press 540WVの高い印刷品質を確認してもらったことは弊社にとっても大きな成果であったと思う。ブランドオーナー側もグラビア印刷方式だけでなく、多品種・小ロットについては、インクジェット方式という選択肢があるという新たな発見をして頂いたと思っている。つまりグラビアコンバーターとブランドオーナーの双方で大量ロットはグラビア印刷機、多品種小ロットはインクジェット印刷機で、といった共通認識ができれば相互メリットにつながる」(菅沼氏)
「Jet Press 540WV」によって生産された軟包装製品は、すでに市場にも投入されており、北四国グラビア印刷では、今後は本格的に市場展開をして行く方針だという。OPPやPETなどの一般的なフイルム基材のほか、和紙の風合を表現したレーヨン紙などにも印刷を行っている。
菅沼氏は、FFDPの取り組みとして「人口減少や少子高齢化など社会環境の移り変わりによって、グラビア印刷業界だけでなく、産業構造全体がこれからも大きく変化していく。そのような環境の中で、当社としては、インクジェット技術を活用することでグラビアコンバーターが抱える課題解決の支援をしていく」と説明した上で、改めてインクジェット印刷機の活用による生産設備全体の稼働率向上を積極的に提案していくことを明らかした。
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北四国グラビア印刷で本格稼働開始
「Jet Press 540WV」は今年4月、食品関連の軟包装印刷などを手がけているグラビアコンバーターの(株)北四国グラビア印刷(香川県、奥田拓己社長)に納入され、テスト稼働などを経て、本格稼働を開始している。
北四国グラビア印刷が「Jet Press 540WV」を導入した背景について菅沼氏は、次のように説明する。
「国内の軟包装業界も多品種・小ロット化が加速している。さらに、品質要求に対するバリエーションも『価格重視の顧客』から、逆に『高品位なものを求める顧客』というように広がっている。こなすべき仕事数自体が増加傾向にあることと裏返しとして、1ジョブあたりのロットは減少している。この結果、版替えなどジョブチェンジ回数が増え、オペレータの作業負荷増大が問題となっている。その解決手段としてインクジェットによる生産を選択いただいた」
北四国グラビア印刷では、既存の小ロットジョブをすべて「Jet Press 540WV」に移行するのではなく、インクジェットの方が効率的なもの、また、より訴求効果の高い軟包装パッケージとして提供できるか、などを自社内で検討した上でグラビア印刷機からの移行生産を行っているという。また、「Jet Press 540WV」のグラビアに近い発色・濃度を活かして、まずは小ロットジョブを「Jet Press 540WV」で印刷・出荷し、グラビア印刷製品が出荷するまでの間をつなぐといった生産を行っている。これにより、クライアント側の要求する納期にも柔軟に対応することや、先行少量生産によるテストマーケティングが可能になった。
相乗効果で既存設備の稼働率向上にも貢献
軟包装用のデジタル印刷機を導入することで、グラビアコンバーターは、どのようなメリットを得ることができるのか。その点について菅沼氏は、「既設のグラビア機との相乗効果による工場全体の稼働率の向上」と述べた上で次のように説明する。
「グラビア印刷の現場では、小ロットジョブの増加により、頻繁なシリンダー交換が余儀なくされており、装置の稼働率低下やオペレータ負荷の増大といった構造的な問題が顕在化している。小ロットの仕事に対しては、インクジェット印刷に切り替えることで、結果としてグラビア機の作業負荷の軽減を図ることができる。もちろんインクジェット印刷とグラビア印刷では、仕上がり品質が必ずしも同等であるとは言えない。しかし、インクジェットの品質であっても市場に受け入れられる仕事が相当数存在することも事実。それらの仕事をインクジェットに切り替えれば、圧倒的な生産効率を発揮する。また、グラビア印刷機についても、小ロットジョブが減ることで、ジョブチェンジ回数が軽減し、稼働率の改善を図れる」
さらに菅沼氏は、「インクジェットによる生産は部分的な効率化ではなく、結果として既存のグラビア機の生産性向上にもつながる。これは経営視点で見ても大きなメリットになるはずと考えている。オフセット印刷においても、同様の効果が報告されている」と、インクジェット印刷機を導入することで、工場全体の稼働率向上につながることこそが最大の導入メリットであることを強調した。
ブランドオーナーとの認識共有で相互メリットを享受
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「ブランドオーナーにJet Press 540WVの高い印刷品質を確認してもらったことは弊社にとっても大きな成果であったと思う。ブランドオーナー側もグラビア印刷方式だけでなく、多品種・小ロットについては、インクジェット方式という選択肢があるという新たな発見をして頂いたと思っている。つまりグラビアコンバーターとブランドオーナーの双方で大量ロットはグラビア印刷機、多品種小ロットはインクジェット印刷機で、といった共通認識ができれば相互メリットにつながる」(菅沼氏)
「Jet Press 540WV」によって生産された軟包装製品は、すでに市場にも投入されており、北四国グラビア印刷では、今後は本格的に市場展開をして行く方針だという。OPPやPETなどの一般的なフイルム基材のほか、和紙の風合を表現したレーヨン紙などにも印刷を行っている。
菅沼氏は、FFDPの取り組みとして「人口減少や少子高齢化など社会環境の移り変わりによって、グラビア印刷業界だけでなく、産業構造全体がこれからも大きく変化していく。そのような環境の中で、当社としては、インクジェット技術を活用することでグラビアコンバーターが抱える課題解決の支援をしていく」と説明した上で、改めてインクジェット印刷機の活用による生産設備全体の稼働率向上を積極的に提案していくことを明らかした。
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