地域ならではのコンテンツ生かす
「良い機械ほど、使い手の考え方や能力が問われる。JETI MIRAにおいてもデザイナーやクリエイターが如何に使いこなせるかが鍵になる」と語る佐川社長。単なる製造請負ならば、新規事業ゆえにもっと簡易なプリンタからはじめてもよかったのかもしれない。しかし、その先には価格競争があるだけだ。佐川社長は、「クリエイティブの可能性に応えてくれるプリンタだからこそ価値がある」と、JETI MIRAの評価を語るとともに、「メンテナンスが必要な機器であるインクジェットプリンタ。『何を買うか』より『誰から買うか』も大事である」とし、「信頼の置けるパートナー」として、アグフアの存在にも言及している。
一方、加飾印刷の可能性にも注目してきた同社。佐川社長から、その研究調査を託されたのが、企画デザイン制作部の清家忠明部長だ。地域活性化事業という位置付けで新規事業の開発に着手し、既存事業の波及展開において、インクジェット事業に合致したアプリケーションを生み出した。それが、「えひめの魚カレンダー」である。
同社では、およそ2年前から、日本のさかな文化を愛媛から発信するフリーマガジン「Eのさかな」を発行している。これは石川県の石川印刷(株)(佐味貫義社長)が手掛けていた「Fのさかな」の姉妹誌として運営しているもの。そのフリーマガジンのグッズ展開的な取り組みで「実寸大に近い魚」をコンセプトにJETI MIRAでカレンダーを制作し、各方面で大きな反響を呼んでいる。
これは創業70周年記念作品として作られたもの。漁業が盛んな愛媛という地域ならではのコンテンツが生かされており、真鯛の鱗のざらつき感や鱧のぬめり感、また、蛸の吸盤などの質感も見事に表現されている。清家部長も「クリエイターと製造現場がうまく協業できたプロジェクト」と振り返る。
「この価値が如何に評価されるのか」ということについて、佐川社長は自らこのカレンダーを海外に持ち込み、アグフアの関係者にその評価を訪う機会を得た。結果、カナダでは「教えることは何もない。逆にどうやって制作したかを教えて欲しい」という反応。また、本社ベルギーでは「世界一のサンプル」と称讃され、額に入れた状態で役員室に飾られているという。佐川社長は「墨文字と魚の色のコントラストで、浮き出て見えるような表現が海外でも受けたのではないか」と説明する。また、同カレンダー作品は、アグフアが主催する「スブリマ+印刷コンテスト インクジェット部門」においても金賞を受賞している。
一方、清家部長は「クリエイターの立場から言うと、筆文字のかすれを、滲むことなくここまで表現できるプリンタの性能に驚いた」とJETI MIRAを評価する。愛媛の和紙を使ったバージョンでは、筆文字がもっと表現豊かに再現されている。

「僻地」から「世界」へ
「インクジェット事業は、クリエイターの表現意欲を掻き立て、オフセット印刷では表現できなかった価値を創造する。これまで『高付加価値』というものに縁のなかった吉田工場に大いなる可能性と夢を与えることができた」と佐川社長。「海外から来た見たこともない大きなプリンタ」の導入は、現場で働く社員の目を輝かせることに繋がった。それを象徴する作品として「えひめの魚カレンダー」が機能したようだ。
今後の展開について佐川社長は次のように語っている。
「カレンダーの素材として使った愛媛の魚は、地域で水揚げされた中で最も状態の良いものを提供頂いている。そこには漁師の苦労があって、それを我々が撮影して印刷データを作り、素晴らしいプリンタで出力した。愛媛の地でそんなバトンリレーができたことが嬉しい。地域活性化事業という使命感を持ってやってきたことが、世界で称讃されたことに大きな意味を感じる。それが世界で最も僻地に置かれたJETI MIRAで作られたことにロマンを感じていただけると思う」
また、清家部長は「漁協のイベントなどで、子供が見て、触って、体験できるような印刷物を提供し、漁業の発展に貢献できれば」と語る。
「地方の印刷会社だが、夢と希望を持って世界で輝ける印刷会社になる」、それが佐川印刷の目指すところである。
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地域ならではのコンテンツ生かす
「良い機械ほど、使い手の考え方や能力が問われる。JETI MIRAにおいてもデザイナーやクリエイターが如何に使いこなせるかが鍵になる」と語る佐川社長。単なる製造請負ならば、新規事業ゆえにもっと簡易なプリンタからはじめてもよかったのかもしれない。しかし、その先には価格競争があるだけだ。佐川社長は、「クリエイティブの可能性に応えてくれるプリンタだからこそ価値がある」と、JETI MIRAの評価を語るとともに、「メンテナンスが必要な機器であるインクジェットプリンタ。『何を買うか』より『誰から買うか』も大事である」とし、「信頼の置けるパートナー」として、アグフアの存在にも言及している。
一方、加飾印刷の可能性にも注目してきた同社。佐川社長から、その研究調査を託されたのが、企画デザイン制作部の清家忠明部長だ。地域活性化事業という位置付けで新規事業の開発に着手し、既存事業の波及展開において、インクジェット事業に合致したアプリケーションを生み出した。それが、「えひめの魚カレンダー」である。
同社では、およそ2年前から、日本のさかな文化を愛媛から発信するフリーマガジン「Eのさかな」を発行している。これは石川県の石川印刷(株)(佐味貫義社長)が手掛けていた「Fのさかな」の姉妹誌として運営しているもの。そのフリーマガジンのグッズ展開的な取り組みで「実寸大に近い魚」をコンセプトにJETI MIRAでカレンダーを制作し、各方面で大きな反響を呼んでいる。
これは創業70周年記念作品として作られたもの。漁業が盛んな愛媛という地域ならではのコンテンツが生かされており、真鯛の鱗のざらつき感や鱧のぬめり感、また、蛸の吸盤などの質感も見事に表現されている。清家部長も「クリエイターと製造現場がうまく協業できたプロジェクト」と振り返る。
「この価値が如何に評価されるのか」ということについて、佐川社長は自らこのカレンダーを海外に持ち込み、アグフアの関係者にその評価を訪う機会を得た。結果、カナダでは「教えることは何もない。逆にどうやって制作したかを教えて欲しい」という反応。また、本社ベルギーでは「世界一のサンプル」と称讃され、額に入れた状態で役員室に飾られているという。佐川社長は「墨文字と魚の色のコントラストで、浮き出て見えるような表現が海外でも受けたのではないか」と説明する。また、同カレンダー作品は、アグフアが主催する「スブリマ+印刷コンテスト インクジェット部門」においても金賞を受賞している。
一方、清家部長は「クリエイターの立場から言うと、筆文字のかすれを、滲むことなくここまで表現できるプリンタの性能に驚いた」とJETI MIRAを評価する。愛媛の和紙を使ったバージョンでは、筆文字がもっと表現豊かに再現されている。

「僻地」から「世界」へ
「インクジェット事業は、クリエイターの表現意欲を掻き立て、オフセット印刷では表現できなかった価値を創造する。これまで『高付加価値』というものに縁のなかった吉田工場に大いなる可能性と夢を与えることができた」と佐川社長。「海外から来た見たこともない大きなプリンタ」の導入は、現場で働く社員の目を輝かせることに繋がった。それを象徴する作品として「えひめの魚カレンダー」が機能したようだ。
今後の展開について佐川社長は次のように語っている。
「カレンダーの素材として使った愛媛の魚は、地域で水揚げされた中で最も状態の良いものを提供頂いている。そこには漁師の苦労があって、それを我々が撮影して印刷データを作り、素晴らしいプリンタで出力した。愛媛の地でそんなバトンリレーができたことが嬉しい。地域活性化事業という使命感を持ってやってきたことが、世界で称讃されたことに大きな意味を感じる。それが世界で最も僻地に置かれたJETI MIRAで作られたことにロマンを感じていただけると思う」
また、清家部長は「漁協のイベントなどで、子供が見て、触って、体験できるような印刷物を提供し、漁業の発展に貢献できれば」と語る。
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