日印産連、デジタル印刷機保有台数と売上構成比は増加傾向
印刷業界におけるデジタル印刷に関するアンケート調査-2017年デジタル印刷市場の現状
2018年4月11日企業・経営
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(一社)日本印刷産業連合会・デジタルプレス推進協議会は、このほど「印刷業界におけるデジタル印刷に関するアンケート調査」の調査結果を公表した。
同調査は、2010年より実施しているもので、今回は、日印産連加盟の9団体(印刷工業会、全日本印刷工業組合連合会、日本フォーム印刷工業連合会、日本グラフィックコミュニケーションズ工業組合連合会、日本グラフィックサービス工業会、全日本シール印刷協同組合連合会、全国グラビア協同組合連合会、全日本スクリーン・デジタル印刷協同組合連合会)の会員企業および日本印刷技術協会会員企業の中から抽出した707社にアンケート調査を依頼し、内180社が回答している。
同調査によると、回答企業の85%(153社)で608台のデジタル印刷機を保有し、1社平均の保有台数は、4.22台となった。
方式別では、粉体トナー(カラー)が238台、同(モノクロ)が133台、大判インクジェット(カラー)が157台で、これら3方式で全体の85%を占めている。そのほかでは、液体トナーが12台、枚葉インクジェットが27台、連帳インクジェットが37台、オフセット機等搭載インクジェットが4台であった。
売上構成比では、「従来印刷(オフセット・グラビアなど/DTP制作や製本・後加工含む)」が80%弱で、「デジタル印刷(DTP制作や製本・後加工含む)」の構成比が、10.6%と前年(9.7%)から若干増えている。
昨年度との比較では、「5%以下」という階層の合計が昨年度の54.0%から今年度は44%と減少する一方で、「5〜10%以下」の回答が昨年度の14.5%から17.8%へ、「10%〜20%以下」の回答が昨年度の10.0%から14.4%へと増加している。底上げ傾向といえるが、その上の層(20%〜50%以下)は、逆に減少しており、従来印刷の補足という位置付けに変化はなかった。
デジタル印刷機の収益性について、「儲かる(高)」「+-0」「儲からない(低)」の3つ選択肢から回答を求めた問いでは、まず、粉体トナー機では「儲かる」が「儲からない」を3倍近く上回り、昨年度に続いてビジネスとしての定着を示す結果となった。大判インクジェット機では「儲からない」の回答が最多というのも昨年度と同様であった。稼働率と収益性が連動しており、安定した仕事量の確保が継続した課題となっている 。デジタル印刷の売上上位の受注品目では、1位が「事務用印刷」、2位が「報告書・論文・議事録など」、3位が「チラシ」となった。上位の項目は、前年と大きな変動はないが、「チラシ」の回答企業の多くは、小規模企業で、新聞折り込みチラシのような大ロットではないようだ。
受注1件あたりの平均ロットは500枚以下が全体の56.4%となっており、昨年(56.6%)とほぼ同等であった。また、平均ロットが10,000枚超という回答も約10%あり、必ずしも「デジタル=小ロット」ではないことも確認できた。このほか、データプリントの平均ロットは、92,000枚、大判出力の平均ロットは58枚であった。成長率が高い受注品目では、1位が「事務用印刷」、2位が「DM」、3位が「報告書・論文・議事録など」となった。前年度調査では、最多回答が「データプリント」、2位が「事務用印刷」、3位が「大判出力」であり、順位・項目の変化がみられた。とくに前年度7位であった「DM」が2位に上がり、逆に前年度1位であった「データプリント」は7位となっている。
また、今回より新たな設問として加わったデジタル後加工機の保有台数については、表面加工(エンボス、箔押しなど)が10社10台、抜き加工(レーザーカッターなど)が21社23台、インライン製本機(デジタル印刷専用)が16社26台、その他が8社44台であった。
表面加工機、抜き加工機ともに市場の認知度が低いせいか稼働状況は高くないが、表面加工については収益性は高いという回答が半数を占めており、高付加価値対応を裏付ける結果となった。なお、「その他」の内容は、バリアブルミシン、名刺カッター、スリッター、製袋機などであった。
デジタル印刷の仕事を受注するにあたり、顧客に訴求できているポイントについては、トップが「極小ロット対応」でデジタル印刷機導入企業の72.4%が訴求ポイントとして挙げている。次いで「短納期」(70.3%)、「1枚1枚内容を変えた印刷ができる」(52.4%) となっている。
「短納期」は昨年の62.0%から約8ポイント高くなっている。「高いマーケティング効果」は、今後パーソナライズされたDMが拡大していくためには必須条件と思われるが、昨年度結果からは約1%の伸びにとどまっている。
自社においてデジタル印刷(無版印刷)の売上が有版印刷(オフセット、グラビアなど)の売上を超えるのはいつ頃かについての問いでは、最も多い回答が「(今後とも)超えることはない」で60.6%と、昨年度に引き続いて6割を超えている。置き換えではなく棲み分けによりデジタル印刷機の特性を活かしていく、という意見が今年度も大勢を占めていた。ランニングコストの減少と生産性向上を求める声が多いのも例年通りであった。さらに、用紙選択が限られる、色再現が安定しない、見当精度(とくに表裏)が不十分といった品質向上を求める声もまだ多いことが確認できた。
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同調査によると、回答企業の85%(153社)で608台のデジタル印刷機を保有し、1社平均の保有台数は、4.22台となった。
方式別では、粉体トナー(カラー)が238台、同(モノクロ)が133台、大判インクジェット(カラー)が157台で、これら3方式で全体の85%を占めている。そのほかでは、液体トナーが12台、枚葉インクジェットが27台、連帳インクジェットが37台、オフセット機等搭載インクジェットが4台であった。
売上構成比では、「従来印刷(オフセット・グラビアなど/DTP制作や製本・後加工含む)」が80%弱で、「デジタル印刷(DTP制作や製本・後加工含む)」の構成比が、10.6%と前年(9.7%)から若干増えている。
昨年度との比較では、「5%以下」という階層の合計が昨年度の54.0%から今年度は44%と減少する一方で、「5〜10%以下」の回答が昨年度の14.5%から17.8%へ、「10%〜20%以下」の回答が昨年度の10.0%から14.4%へと増加している。底上げ傾向といえるが、その上の層(20%〜50%以下)は、逆に減少しており、従来印刷の補足という位置付けに変化はなかった。
デジタル印刷機の収益性について、「儲かる(高)」「+-0」「儲からない(低)」の3つ選択肢から回答を求めた問いでは、まず、粉体トナー機では「儲かる」が「儲からない」を3倍近く上回り、昨年度に続いてビジネスとしての定着を示す結果となった。大判インクジェット機では「儲からない」の回答が最多というのも昨年度と同様であった。稼働率と収益性が連動しており、安定した仕事量の確保が継続した課題となっている 。
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成長率が高い受注品目では、1位が「事務用印刷」、2位が「DM」、3位が「報告書・論文・議事録など」となった。前年度調査では、最多回答が「データプリント」、2位が「事務用印刷」、3位が「大判出力」であり、順位・項目の変化がみられた。とくに前年度7位であった「DM」が2位に上がり、逆に前年度1位であった「データプリント」は7位となっている。
また、今回より新たな設問として加わったデジタル後加工機の保有台数については、表面加工(エンボス、箔押しなど)が10社10台、抜き加工(レーザーカッターなど)が21社23台、インライン製本機(デジタル印刷専用)が16社26台、その他が8社44台であった。
表面加工機、抜き加工機ともに市場の認知度が低いせいか稼働状況は高くないが、表面加工については収益性は高いという回答が半数を占めており、高付加価値対応を裏付ける結果となった。なお、「その他」の内容は、バリアブルミシン、名刺カッター、スリッター、製袋機などであった。
デジタル印刷の仕事を受注するにあたり、顧客に訴求できているポイントについては、トップが「極小ロット対応」でデジタル印刷機導入企業の72.4%が訴求ポイントとして挙げている。次いで「短納期」(70.3%)、「1枚1枚内容を変えた印刷ができる」(52.4%) となっている。
「短納期」は昨年の62.0%から約8ポイント高くなっている。「高いマーケティング効果」は、今後パーソナライズされたDMが拡大していくためには必須条件と思われるが、昨年度結果からは約1%の伸びにとどまっている。
自社においてデジタル印刷(無版印刷)の売上が有版印刷(オフセット、グラビアなど)の売上を超えるのはいつ頃かについての問いでは、最も多い回答が「(今後とも)超えることはない」で60.6%と、昨年度に引き続いて6割を超えている。置き換えではなく棲み分けによりデジタル印刷機の特性を活かしていく、という意見が今年度も大勢を占めていた。ランニングコストの減少と生産性向上を求める声が多いのも例年通りであった。さらに、用紙選択が限られる、色再現が安定しない、見当精度(とくに表裏)が不十分といった品質向上を求める声もまだ多いことが確認できた。
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