インターフェックス2017に見る印刷
医薬品の展示会である、インターフェックスが2017年6月28日〜30日まで東京ビッグサイトで行われました。このイベントは医薬・化粧品・洗剤を研究・製造するためのあらゆる機器・システム・技術が一堂に出展する日本最大の専門技術展です。
毎年開催で今回は30周年目、37,953人が来場されました。報道関係は321人です。医薬品関係の包装材料が印刷関連各社から出展されました。医薬品の包装材料は、軟包装材料、紙器(カートン)、プラスチック容器、ラベル、金属缶、ガラス容器と様々な包装材料が使用されています。いずれも製品の名前など表示のための印刷がなされています。
今回は、通常の印刷品や包装ではなく、印刷技術や包装技術を使用した事例を紹介いたします。
1. チャイルドレジスタント:child resistant
欧米の医薬品包装、特にPTP(press through pack、海外はブリスター包装と呼びます。Blister pack)やプラスチックボトルでは採用さています。規格もありますが、ここでは詳細は省きます。文化、習慣の違いがあり、日本はこれからです。今回は、PTPについて各社から出展されていました。まだ提案段階ですが各社工夫をしています。事例をあげますと岩田レーベルとPTPの機械を製造販売しているCKD株式会社が共同で実演していました。岩田レーベルさんからサンプルをいただきました。
従来のPTP のアルミ箔の蓋材の上に工夫されたラベルが貼ってあります。このラベルはCKDの機械でラベルの巻取りからピッチを合わせてPTPのアルミ箔の表面に貼ります。海外でも同じような方法で行う機械があります。今回は海外の商品紹介は省略します。
包装産業では、包材メーカーと包装機械メーカーが共同でシステムを開発することがしばしば有ります。海外でも同じ傾向です。これは技術も複雑になり1社で開発することが難しくなっているためです。また、開発リスクの負担軽減もあります。

その他、紙器との組み合わせやアルミ箔にフィルムや紙をライネートして5歳以下の子供では簡単にPTPの錠剤を取り出せないようにした提案もあります。
2. 偽造防止 anti-counterfeit
世界の医薬品メーカーが興味を持つ技術です。細い外形線でスキャニングが困難なマイクロテキスト、細紋デザイン、セキュリティスクリーン、ホログラム加工、UV照射で文字確認方法、改ざん防止ラベルなど多くの技術が利用されています。日本はこれからですが、世界の医薬品市場では、必要な技術です。
・マイクロテキスト
目視では読めない大きさの文字印刷があります。PTP のアルミ箔に1〜2ポイントの範囲でグラビア印刷された開発品も有りました。製版技術、印刷技術が腕の見せ所ですね。X15のループで見えます。
・スマホの利用
紙器の印刷面をダウンロードしたスマホのアプリで読むと正規品はOKのvalid の文字が画面に出ます。出展例としては、u-unicaのscryptoTRACE(シグマ紙業)があります。偽造防止は目に見えるvisible と目に見えないがスマホなどで読めるinvisible の2つの機能が1つのパッケージにあることが望ましいと思います。ビジネスチャンスが大いにある分野です。
・特別の機器で読む
印刷面を特別の器具で読むと音声で正規品か否かを教えてくれます。
・デジタル印刷による偽造防止
二次元コードの印刷において、通常のスミインキと赤外線透過インキを使用し見当を合わせて二次元コードに印刷して読み取りの時に赤外線を利用して読み取る方法などが提案されている。(㈱タケトモ)
・各種の偽造防止技術
次の表は、欧州のコンバーター、Constantia Flexibles がインターパックで配布していた資料の意訳版ですが、まだ、完成された偽造防止技術はありません。これからも次々と新しい技術が開発されると思います。

3. デジタル印刷
欧州のHAPAも出展していました。この会社は、以前からデジタル印刷に熱心な企業です。周知の方が多いと思いますので省略します。
4. ICタグのレジスト印刷
ICタグのアンテナ印刷はアルミ箔にグラビア印刷で行われている。エッチングしてアンテナ部分以外はアルミ箔を溶解して取り去る。ICタグは先般の通産省のCVSでの人手不足対応で採用の兆しが出てきて静かな・潜行したブームとなっています。
医薬品の包装の印刷は奥行きが深く、技術も高度化している。インキ、製版、印刷時、後加工のノウハウなど各工程でノウハウが多いが、医薬品の市場性はあります。自社としての立場を明確にすることが必要です。今後伸びる医薬品の形状、液体、粘体、粉体によって包装形態が変わります。包装対象業界の先を見越す努力が必要です。

住本技術士事務所 所長 住本充弘氏(すみもと みつひろ)
技術士(経営工学)、包装管理士((社)日本包装技術協会認定)
日本包装コンサルタント協会会員・理事
技術士包装物流グループ会員・理事
日本包装学会会員
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連載|より包装材料の印刷の理解を深めるために - 8
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2018年8月28日スペシャリスト

一般社団法人PODi
1996年に米国で誕生した世界最大のデジタル印刷推進団体。印刷会社800社、ベンダー50社以上が参加し、デジタル印刷を活用した成功事例をはじめ、多くの情報を会員向けに公開している。また、WhatTheyThinkをはじめDMAなどの海外の団体と提携し、その主要なニュースを日本語版で配信している。
インターフェックス2017に見る印刷
医薬品の展示会である、インターフェックスが2017年6月28日〜30日まで東京ビッグサイトで行われました。このイベントは医薬・化粧品・洗剤を研究・製造するためのあらゆる機器・システム・技術が一堂に出展する日本最大の専門技術展です。
毎年開催で今回は30周年目、37,953人が来場されました。報道関係は321人です。医薬品関係の包装材料が印刷関連各社から出展されました。医薬品の包装材料は、軟包装材料、紙器(カートン)、プラスチック容器、ラベル、金属缶、ガラス容器と様々な包装材料が使用されています。いずれも製品の名前など表示のための印刷がなされています。
今回は、通常の印刷品や包装ではなく、印刷技術や包装技術を使用した事例を紹介いたします。
1. チャイルドレジスタント:child resistant
欧米の医薬品包装、特にPTP(press through pack、海外はブリスター包装と呼びます。Blister pack)やプラスチックボトルでは採用さています。規格もありますが、ここでは詳細は省きます。文化、習慣の違いがあり、日本はこれからです。今回は、PTPについて各社から出展されていました。まだ提案段階ですが各社工夫をしています。事例をあげますと岩田レーベルとPTPの機械を製造販売しているCKD株式会社が共同で実演していました。岩田レーベルさんからサンプルをいただきました。
従来のPTP のアルミ箔の蓋材の上に工夫されたラベルが貼ってあります。このラベルはCKDの機械でラベルの巻取りからピッチを合わせてPTPのアルミ箔の表面に貼ります。海外でも同じような方法で行う機械があります。今回は海外の商品紹介は省略します。
包装産業では、包材メーカーと包装機械メーカーが共同でシステムを開発することがしばしば有ります。海外でも同じ傾向です。これは技術も複雑になり1社で開発することが難しくなっているためです。また、開発リスクの負担軽減もあります。

その他、紙器との組み合わせやアルミ箔にフィルムや紙をライネートして5歳以下の子供では簡単にPTPの錠剤を取り出せないようにした提案もあります。
2. 偽造防止 anti-counterfeit
世界の医薬品メーカーが興味を持つ技術です。細い外形線でスキャニングが困難なマイクロテキスト、細紋デザイン、セキュリティスクリーン、ホログラム加工、UV照射で文字確認方法、改ざん防止ラベルなど多くの技術が利用されています。日本はこれからですが、世界の医薬品市場では、必要な技術です。
・マイクロテキスト
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・スマホの利用
紙器の印刷面をダウンロードしたスマホのアプリで読むと正規品はOKのvalid の文字が画面に出ます。出展例としては、u-unicaのscryptoTRACE(シグマ紙業)があります。偽造防止は目に見えるvisible と目に見えないがスマホなどで読めるinvisible の2つの機能が1つのパッケージにあることが望ましいと思います。ビジネスチャンスが大いにある分野です。
・特別の機器で読む
印刷面を特別の器具で読むと音声で正規品か否かを教えてくれます。
・デジタル印刷による偽造防止
二次元コードの印刷において、通常のスミインキと赤外線透過インキを使用し見当を合わせて二次元コードに印刷して読み取りの時に赤外線を利用して読み取る方法などが提案されている。(㈱タケトモ)
・各種の偽造防止技術
次の表は、欧州のコンバーター、Constantia Flexibles がインターパックで配布していた資料の意訳版ですが、まだ、完成された偽造防止技術はありません。これからも次々と新しい技術が開発されると思います。

3. デジタル印刷
欧州のHAPAも出展していました。この会社は、以前からデジタル印刷に熱心な企業です。周知の方が多いと思いますので省略します。
4. ICタグのレジスト印刷
ICタグのアンテナ印刷はアルミ箔にグラビア印刷で行われている。エッチングしてアンテナ部分以外はアルミ箔を溶解して取り去る。ICタグは先般の通産省のCVSでの人手不足対応で採用の兆しが出てきて静かな・潜行したブームとなっています。
医薬品の包装の印刷は奥行きが深く、技術も高度化している。インキ、製版、印刷時、後加工のノウハウなど各工程でノウハウが多いが、医薬品の市場性はあります。自社としての立場を明確にすることが必要です。今後伸びる医薬品の形状、液体、粘体、粉体によって包装形態が変わります。包装対象業界の先を見越す努力が必要です。

住本技術士事務所 所長 住本充弘氏(すみもと みつひろ)
技術士(経営工学)、包装管理士((社)日本包装技術協会認定)
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