連載|より包装材料の印刷の理解を深めるために - 16
伸びるデジタル印刷と包装分野への参入
2018年12月26日スペシャリスト
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PETボトルとラベルの印刷
PETボトルは世界中で利用されている。ラベル素材は、PSフィルム、OPPフィルム、再生PETフィルム、APETフィルムが主に使用されている。印刷方式は、フレキソ、グラビアが主であるが、デジタル印刷品も出ている。技術面では、PETボトルへの直接印刷もデジタル印刷で可能である。日本においては、ここ1年くらいの間に水性フレキソ印刷品が出ている。フレキソ印刷技術そのものは特段に新しいものではないが、より印刷適性、印刷効果を狙って多くの技術が開発され展開されてきている。水性インクも新しい挑戦である。ラベル印刷工程における揮発性有機化合物(VOC)の発生を抑えるとともにCO2排出量の削減に貢献している。水性化の方向に進むと思う。
どの印刷方法を利用するかは、印刷会社、顧客の企業方針、目的、用途、ロットにより適宜印刷方法は選定されている。
PETボトルに関する包装技術は多彩である。詳細は省力するが、
1. 軽量化(キャップ・クロージャーを含めて)
2. クロージャー(キャップ)部分にお茶の葉を入れ飲むときに水出し茶にするなど、「飲むときにブレンド」対応。
3. クロージャー(キャップ)を開けたときに落ちないように工夫した「落ちないキャップ」。
4. クロージャー(キャップ)部分にNFC(near field communication)を組み込んだタイプ。
5. 取っ手付きの大容量PETボトル
6. PETボトルは、容器包装リサイクル法に従い、回収され再生樹脂として再利用されていることは周知のとおりです。PETボトル本体、ラベル、クロージャー・キャップの3分類にして回収されるのが基本である。
7. Bottle-to-Bottle も実用化されており、(1)メカニカルリサイクルと(2)ケミカルリサイクルが行われている。
8. 断面形状が円形や四角でなく楕円形のPETボトル。
9. 本体容器の底に安定性のために別の樹脂で作ったハカマをはかせたタイプ。
10. バリア性付加として、DLC(ダイアモンドライクカーボン)品がお茶類、ワイン、日本酒などに利用されている。DLC以外にSiOx蒸着品もある。
11. 3層PETボトルの中間層を超臨界炭酸ガスで発泡させ白色のPETボトルにする。
12. 多層押出し品としてはMXDナイロン品がある。
13. PET樹脂を合成する際に、30%が植物由来の化合物を使用して脱石油原料のPETボトルも利用されている。
14. 耐熱PETボトルもホット充填飲料用に使用されている。
15. 次世代のPETボトルのために100%植物由来の原料から製造することも開発中である。
16. PETボトルの形状も単に構造面の軽量化検討だけでなく、コーヒーの「クラフトボス」のようにロゴを配し顔を浮き出せた容器も出ている。
17. PET樹脂以外に延伸ブロー成型容器は、PEN、PLA、PPなどでも成型可能である。成型材料としては、PEF(ポリエチレンフラノエート)が次の候補として実用化の検討が行われている。
包装は、このようにひとつの技術、「延伸ブロー成型技術」が開発されると次々と関連技術や商品が実用化され人々の暮らしに役立っている。
日本のみならず、世界の多くの消費者は、利便性と食品の場合は美味しさを求めている。Save Foodの面からは、ロングライフ化である。調理済み食品をレトルトしてロングライフ化し、美味しく食べるために電子レンジで加温するときにself-venting機能でよりおいしく、イージーピールで楽に開けて食べて我々は満足するわけである。消費者はさらに要望する。食べるときにクッキングして出来立てを食べたい。現在、食材を包装しガス充填などで鮮度保持し、電子レンジでクッキングして食べる商品も出ている。消費者は王様だが、多様化するニーズにどのように応えていくか、その能力が包装には必要である。ライフスタイルの変化に応じ、包装も改良・変化する。
皆さんも普段使用している包装商品の改善点を見つけてより使いやすいパッケージを開発してほしい。日本ではユニバーサルデザイン、高齢者にはアクセシブルデザインと言われているが、海外でも同じように必要である。User-friendlyとも言われている。海外で興味あるパッケージを見つけられたら、即座に購入してほしい。あとで購入と考えると、もう簡単に見つからない場合がある。
住本技術士事務所 所長 住本充弘氏(すみもと みつひろ)
技術士(経営工学)、包装管理士((社)日本包装技術協会認定)
日本包装コンサルタント協会会員・理事
技術士包装物流グループ会員・理事
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伸びるデジタル印刷と包装分野への参入
2018年12月26日スペシャリスト
一般社団法人PODi
1996年に米国で誕生した世界最大のデジタル印刷推進団体。印刷会社800社、ベンダー50社以上が参加し、デジタル印刷を活用した成功事例をはじめ、多くの情報を会員向けに公開している。また、WhatTheyThinkをはじめDMAなどの海外の団体と提携し、その主要なニュースを日本語版で配信している。
PETボトルとラベルの印刷
PETボトルは世界中で利用されている。ラベル素材は、PSフィルム、OPPフィルム、再生PETフィルム、APETフィルムが主に使用されている。印刷方式は、フレキソ、グラビアが主であるが、デジタル印刷品も出ている。技術面では、PETボトルへの直接印刷もデジタル印刷で可能である。日本においては、ここ1年くらいの間に水性フレキソ印刷品が出ている。フレキソ印刷技術そのものは特段に新しいものではないが、より印刷適性、印刷効果を狙って多くの技術が開発され展開されてきている。水性インクも新しい挑戦である。ラベル印刷工程における揮発性有機化合物(VOC)の発生を抑えるとともにCO2排出量の削減に貢献している。水性化の方向に進むと思う。
どの印刷方法を利用するかは、印刷会社、顧客の企業方針、目的、用途、ロットにより適宜印刷方法は選定されている。
PETボトルに関する包装技術は多彩である。詳細は省力するが、
1. 軽量化(キャップ・クロージャーを含めて)
2. クロージャー(キャップ)部分にお茶の葉を入れ飲むときに水出し茶にするなど、「飲むときにブレンド」対応。
3. クロージャー(キャップ)を開けたときに落ちないように工夫した「落ちないキャップ」。
4. クロージャー(キャップ)部分にNFC(near field communication)を組み込んだタイプ。
5. 取っ手付きの大容量PETボトル
6. PETボトルは、容器包装リサイクル法に従い、回収され再生樹脂として再利用されていることは周知のとおりです。PETボトル本体、ラベル、クロージャー・キャップの3分類にして回収されるのが基本である。
7. Bottle-to-Bottle も実用化されており、(1)メカニカルリサイクルと(2)ケミカルリサイクルが行われている。
8. 断面形状が円形や四角でなく楕円形のPETボトル。
9. 本体容器の底に安定性のために別の樹脂で作ったハカマをはかせたタイプ。
10. バリア性付加として、DLC(ダイアモンドライクカーボン)品がお茶類、ワイン、日本酒などに利用されている。DLC以外にSiOx蒸着品もある。
11. 3層PETボトルの中間層を超臨界炭酸ガスで発泡させ白色のPETボトルにする。
12. 多層押出し品としてはMXDナイロン品がある。
13. PET樹脂を合成する際に、30%が植物由来の化合物を使用して脱石油原料のPETボトルも利用されている。
14. 耐熱PETボトルもホット充填飲料用に使用されている。
15. 次世代のPETボトルのために100%植物由来の原料から製造することも開発中である。
16. PETボトルの形状も単に構造面の軽量化検討だけでなく、コーヒーの「クラフトボス」のようにロゴを配し顔を浮き出せた容器も出ている。
17. PET樹脂以外に延伸ブロー成型容器は、PEN、PLA、PPなどでも成型可能である。
成型材料としては、PEF(ポリエチレンフラノエート)が次の候補として実用化の検討が行われている。
包装は、このようにひとつの技術、「延伸ブロー成型技術」が開発されると次々と関連技術や商品が実用化され人々の暮らしに役立っている。
日本のみならず、世界の多くの消費者は、利便性と食品の場合は美味しさを求めている。Save Foodの面からは、ロングライフ化である。調理済み食品をレトルトしてロングライフ化し、美味しく食べるために電子レンジで加温するときにself-venting機能でよりおいしく、イージーピールで楽に開けて食べて我々は満足するわけである。消費者はさらに要望する。食べるときにクッキングして出来立てを食べたい。現在、食材を包装しガス充填などで鮮度保持し、電子レンジでクッキングして食べる商品も出ている。消費者は王様だが、多様化するニーズにどのように応えていくか、その能力が包装には必要である。ライフスタイルの変化に応じ、包装も改良・変化する。
皆さんも普段使用している包装商品の改善点を見つけてより使いやすいパッケージを開発してほしい。日本ではユニバーサルデザイン、高齢者にはアクセシブルデザインと言われているが、海外でも同じように必要である。User-friendlyとも言われている。海外で興味あるパッケージを見つけられたら、即座に購入してほしい。あとで購入と考えると、もう簡単に見つからない場合がある。
住本技術士事務所 所長 住本充弘氏(すみもと みつひろ)
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