印刷会社が際立つためにはどうしたらよいのか。多くの印刷会社が自問し、頭を悩ませているだろう。貴社の経営判断は過去にもとづくものとなるか、印刷業界をとりまく将来の現実にもとづくものとなるか、自問してほしい。

過去の印刷業界のリーダとはどのようなものであったのだろうか。まず、最新の機械を真っ先に導入し、クライアントに他社が提供できない製品を先んじて紹介。高額の設備を買うので、印刷関連機器ベンダーからもチヤホヤされていた。投資によって納期と品質に競争力があるので、良い価格で提供することができた。
印刷業界の歴史をみると、差別化は、印刷現場への投資によってつくられるものであった。だから、印刷会社の経営者は、効率、自動化、品質、新機能など生産プロセスばかりに目がいきがちなのである。
ここで、自問していただきたい。現代において、本当の差別化はどこで生じるのであろうか。例えば、VistaPrintについて語るとき、印刷業界は生産効率と規模という観点で議論してしまう。同社の本当の差別化要因は、いかにネットを活用して、名刺などテンプレート化された製品ラインに集客させているかといったもの。差別化は、もはや印刷現場より、受発注、カスタマーサービス、校正など管理棟の方でつくられつつあるのだ。それよりもっと差別化したいのなら、クライアントが印刷物を作成するはるか手前のビジネスプロセスの過程で困っている課題を解決すべきだろう。
クライアントは印刷を買っているのではなく、ビジネスプロセスを買っているのだ。
印刷物は、ビジネスプロセスの一部である。それが、クライアントにとって最も重要なものになることは稀だ。印刷会社にとっては、当然として印刷は最も重要なものであるが、お客様の視点で印刷を見る必要があろう。クライアントは印刷を顧客とコミュニケーションするための複数の選択肢のひとつの手段として見ているのだ。印刷会社は、クライアントが経営的目標を実現するためには、あらゆる手段があることを認識すべきである。クライアントはそのために、多くのベンダーとやりとりをしなくてはならなく、その中で印刷はビジネスプロセス全体の中のごく一部に過ぎないのだ。
今日の差別化は、印刷物の製作の前であっても後であってもクライアント企業のビジネスプロセスに貢献することによってつくられる。これを成し遂げるには、ソフトウェアが必要であろう。モノづくりばかりを考えている我が業界は、差別化する武器としてソフトウェアをもっと使っていかなといけない。残念ながら、印刷業界はこの分野においての対応はスピード感がないというよりか、むしろ後ろ向きだ。我々の心、頭の中、専門知識、そして心安まる居場所が、印刷現場にあるからだ。生産設備について検討するのが好きだし、クライアントにそれについて得意げに話す。ただ、クライアントが聞きたいのはそのようなものではく、ソリューションだ。データやパーソナライゼーションをどのように取り扱うかのソリューションを、成果物の印刷を管理するためのツールを欲しているのである。モノづくりについては、すでに信用を得ているので、何も言わないでも任されるであろう。クライアントが期待するものは、インクを適切な紙にのせ、納期どおりに納めるといったことではなく、もっと大きな経営課題への取り組みなのである。
ソフトウェアは、印刷機を投資するのとかなり違う。まず、見て触れるモノがない。250万ドルする鉄でできた巨大な物体に投資すれば、年間300万ドルの売上げをあげられるといった考えは成り立たないだろう。また、それを動かす人もまったく異なる。20年間貴社に貢献してきた現場にいるプレスマンと違った人種だ。彼らが出社した後、コンピュータを立ち上げて、何をやっているかほとんどわからない。それに携わる技術者を雇うにも苦労する。雇用するための判断基準がわからないからだ。雇ってみたが、まったくの見当違いだったという経験もあるだろう。ソフトの投資にリスクを感じることもわからないわけではない。間違いや失敗などが起こりがちだからだ。例えば、ERP/MISシステムを導入して、それがまったく機能しなく、自前開発システムに切り戻し、時間と巨額の金をドブに捨てたという失敗例が業界にあふれるほどある。同様の話は、印刷設備への投資についてはあまり聞かない。
ただ、世の中は変わってしまった。あらゆる市場で大小かかわらずあらゆる企業が、ソフトウェアを差別化するための武器として使っている。印刷会社もその例外ではない。貴社は差別化を印刷現場で実現しようとするのか、それとも、クライアントの現場、営業手法、ネットで差別化がつくられるという現実を受け入れるのか、自問していただきたい。
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By:Jennifer Matt
Published:2018年1月10日
原文:Print Business Differentiation
翻訳協力:Mitchell Shinozaki
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印刷会社が差別化するためには
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一般社団法人PODi
1996年に米国で誕生した世界最大のデジタル印刷推進団体。印刷会社800社、ベンダー50社以上が参加し、デジタル印刷を活用した成功事例をはじめ、多くの情報を会員向けに公開している。また、WhatTheyThinkをはじめDMAなどの海外の団体と提携し、その主要なニュースを日本語版で配信している。
印刷会社が際立つためにはどうしたらよいのか。多くの印刷会社が自問し、頭を悩ませているだろう。貴社の経営判断は過去にもとづくものとなるか、印刷業界をとりまく将来の現実にもとづくものとなるか、自問してほしい。

過去の印刷業界のリーダとはどのようなものであったのだろうか。まず、最新の機械を真っ先に導入し、クライアントに他社が提供できない製品を先んじて紹介。高額の設備を買うので、印刷関連機器ベンダーからもチヤホヤされていた。投資によって納期と品質に競争力があるので、良い価格で提供することができた。
印刷業界の歴史をみると、差別化は、印刷現場への投資によってつくられるものであった。だから、印刷会社の経営者は、効率、自動化、品質、新機能など生産プロセスばかりに目がいきがちなのである。
ここで、自問していただきたい。現代において、本当の差別化はどこで生じるのであろうか。例えば、VistaPrintについて語るとき、印刷業界は生産効率と規模という観点で議論してしまう。同社の本当の差別化要因は、いかにネットを活用して、名刺などテンプレート化された製品ラインに集客させているかといったもの。差別化は、もはや印刷現場より、受発注、カスタマーサービス、校正など管理棟の方でつくられつつあるのだ。それよりもっと差別化したいのなら、クライアントが印刷物を作成するはるか手前のビジネスプロセスの過程で困っている課題を解決すべきだろう。
クライアントは印刷を買っているのではなく、ビジネスプロセスを買っているのだ。
印刷物は、ビジネスプロセスの一部である。それが、クライアントにとって最も重要なものになることは稀だ。印刷会社にとっては、当然として印刷は最も重要なものであるが、お客様の視点で印刷を見る必要があろう。クライアントは印刷を顧客とコミュニケーションするための複数の選択肢のひとつの手段として見ているのだ。印刷会社は、クライアントが経営的目標を実現するためには、あらゆる手段があることを認識すべきである。クライアントはそのために、多くのベンダーとやりとりをしなくてはならなく、その中で印刷はビジネスプロセス全体の中のごく一部に過ぎないのだ。
今日の差別化は、印刷物の製作の前であっても後であってもクライアント企業のビジネスプロセスに貢献することによってつくられる。これを成し遂げるには、ソフトウェアが必要であろう。モノづくりばかりを考えている我が業界は、差別化する武器としてソフトウェアをもっと使っていかなといけない。残念ながら、印刷業界はこの分野においての対応はスピード感がないというよりか、むしろ後ろ向きだ。我々の心、頭の中、専門知識、そして心安まる居場所が、印刷現場にあるからだ。生産設備について検討するのが好きだし、クライアントにそれについて得意げに話す。ただ、クライアントが聞きたいのはそのようなものではく、ソリューションだ。データやパーソナライゼーションをどのように取り扱うかのソリューションを、成果物の印刷を管理するためのツールを欲しているのである。モノづくりについては、すでに信用を得ているので、何も言わないでも任されるであろう。クライアントが期待するものは、インクを適切な紙にのせ、納期どおりに納めるといったことではなく、もっと大きな経営課題への取り組みなのである。
ソフトウェアは、印刷機を投資するのとかなり違う。まず、見て触れるモノがない。250万ドルする鉄でできた巨大な物体に投資すれば、年間300万ドルの売上げをあげられるといった考えは成り立たないだろう。また、それを動かす人もまったく異なる。20年間貴社に貢献してきた現場にいるプレスマンと違った人種だ。彼らが出社した後、コンピュータを立ち上げて、何をやっているかほとんどわからない。それに携わる技術者を雇うにも苦労する。雇用するための判断基準がわからないからだ。雇ってみたが、まったくの見当違いだったという経験もあるだろう。ソフトの投資にリスクを感じることもわからないわけではない。間違いや失敗などが起こりがちだからだ。例えば、ERP/MISシステムを導入して、それがまったく機能しなく、自前開発システムに切り戻し、時間と巨額の金をドブに捨てたという失敗例が業界にあふれるほどある。同様の話は、印刷設備への投資についてはあまり聞かない。
ただ、世の中は変わってしまった。あらゆる市場で大小かかわらずあらゆる企業が、ソフトウェアを差別化するための武器として使っている。印刷会社もその例外ではない。貴社は差別化を印刷現場で実現しようとするのか、それとも、クライアントの現場、営業手法、ネットで差別化がつくられるという現実を受け入れるのか、自問していただきたい。
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By:Jennifer Matt
Published:2018年1月10日
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翻訳協力:Mitchell Shinozaki
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