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ダイコロ、鮮やかな色調が求められる「卒業アルバム」で威力発揮

Jet Press 750S導入事例:個人向け新ビジネスも積極展開

2019年9月15日ケーススタディ

【導入メリット】個人向け卒業アルバム製作などの新サービスが実現

 オフセットを凌駕する再現性と品質安定性、そして現場の作業負荷軽減といった効果は、テスト運用の段階から明確に実感できたと河本部長は語る。

 「オペレーターからは、Jet Press 750Sを一度使ったらオフセットには戻れないという声も聞いている(笑)。それだけ信頼できる印刷機だということ」

Jet Press 750Sの後方にはニスコーターをインライン接続

 一方、Jet Press 750Sの導入は、現場のメリットだけでなく、新しいビジネスの展開にもつながっている。そのひとつが、個人向けの卒業アルバム製作サービスだ。

 学校ではさまざまな行事が開催されるが、多くの場合、写真館のカメラマンが出向き、写真撮影を行っている。そのカット数は1行事で1,000枚を超えるという。この写真を使って卒業アルバムがつくられるが、使われる写真はごく一部。ほとんどの写真が眠ったままになる。そこで、松本社長は、卒業アルバムに載らない膨大な写真を活かせないかと考えた。すべての撮影データを整理分類し、インターネットからの注文に応じて特定の写真を選び出し、個人の卒業アルバムを作成するシステムを構築したのだ。

 「当社では8年前からインターネット事業を展開しているが、この個人向け卒業アルバムサービスもその一環である。いままでは学校という『面』でつながっていたが、今後は個人という『点』でつながっていくことが重要だと考えている。個人向けの卒業アルバム、写真集は好評で、部数は多くないものの、全体の数は着実に伸びている。このサービスは従来のオフセット印刷では実現できなかったことで、デジタルプレスによって初めて可能になった。Jet Press 750Sのおかげで、新たなビジネスチャンスが生まれている」(松本社長)

 同社は現在、オフセット印刷機とJet Press 750Sを、印刷部数によって使い分けており、商業印刷物や部数の多い卒業アルバムなどはオフセットで印刷している。しかし、河本部長は、Jet Press 750Sの活用範囲を徐々に拡げていきたいと語る。

 「Jet Press 750Sは生産性も非常に高いので、近い将来、卒業アルバムはすべてJet Press 750Sに切り替えてもいいのではないかと考えている。現在オフセット印刷機は1台につき3名の人員をつけているが、Jet Press 750Sは1名で運用している。しかも機械の信頼性が高く品質のばらつきもないため、オペレーターの作業負荷も軽減できるし、損紙もほとんど出ない。少部数の仕事が多くなっている中、Jet Press 750Sのメリットはますます大きくなっていくと思う」

本社外観

【今後の展開】卒業アルバムという日本の素晴らしい文化を海外にも

 ダイコロでは、日本での豊富な実績とパッケージ化した製作プロセスを活かし、海外でも卒業アルバムの提案を行っている。2018年には、台湾に現地法人を設立し、卒業アルバム製作を本格的にスタートさせた。松本社長自ら、学校にサンプルを持って提案に行ったところ、「仕上がりが大変美しい」「こんな卒業アルバムはいままで見たことがない」と好評で、大きな手応えを感じたという。

 「もともと外国には、卒業アルバムをつくって卒業生や保護者に配布するという習慣がない。私はこの素晴らしい日本の文化を海外に紹介し、広めたいと考えた。まず台湾からスタートしたが、この1年で約10校から注文をいただいている」(松本社長)

 海外の多くの学校は9月始まりのため、卒業アルバムの製作時期は日本と半年ずれることになる。繁忙期が重ならず、年間を通してコンスタントに卒業アルバムの仕事をこなしていくことができる。海外展開はその点も魅力だ。

 「今後は海外でも個人向けの卒業アルバムの受注が増えていくのではないかと期待している。そのためJet Press 750Sの活躍の舞台はさらに広がっていきそうだ」(松本社長)

 Jet Press 750Sは同社にとって、卒業アルバムに新たな付加価値をもたらすとともに、ビジネスの拡大を支える重要な戦力となっている。

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【導入メリット】個人向け卒業アルバム製作などの新サービスが実現

 オフセットを凌駕する再現性と品質安定性、そして現場の作業負荷軽減といった効果は、テスト運用の段階から明確に実感できたと河本部長は語る。

 「オペレーターからは、Jet Press 750Sを一度使ったらオフセットには戻れないという声も聞いている(笑)。それだけ信頼できる印刷機だということ」

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 学校ではさまざまな行事が開催されるが、多くの場合、写真館のカメラマンが出向き、写真撮影を行っている。そのカット数は1行事で1,000枚を超えるという。この写真を使って卒業アルバムがつくられるが、使われる写真はごく一部。ほとんどの写真が眠ったままになる。そこで、松本社長は、卒業アルバムに載らない膨大な写真を活かせないかと考えた。すべての撮影データを整理分類し、インターネットからの注文に応じて特定の写真を選び出し、個人の卒業アルバムを作成するシステムを構築したのだ。

 「当社では8年前からインターネット事業を展開しているが、この個人向け卒業アルバムサービスもその一環である。いままでは学校という『面』でつながっていたが、今後は個人という『点』でつながっていくことが重要だと考えている。個人向けの卒業アルバム、写真集は好評で、部数は多くないものの、全体の数は着実に伸びている。このサービスは従来のオフセット印刷では実現できなかったことで、デジタルプレスによって初めて可能になった。Jet Press 750Sのおかげで、新たなビジネスチャンスが生まれている」(松本社長)

 同社は現在、オフセット印刷機とJet Press 750Sを、印刷部数によって使い分けており、商業印刷物や部数の多い卒業アルバムなどはオフセットで印刷している。しかし、河本部長は、Jet Press 750Sの活用範囲を徐々に拡げていきたいと語る。

 「Jet Press 750Sは生産性も非常に高いので、近い将来、卒業アルバムはすべてJet Press 750Sに切り替えてもいいのではないかと考えている。現在オフセット印刷機は1台につき3名の人員をつけているが、Jet Press 750Sは1名で運用している。しかも機械の信頼性が高く品質のばらつきもないため、オペレーターの作業負荷も軽減できるし、損紙もほとんど出ない。少部数の仕事が多くなっている中、Jet Press 750Sのメリットはますます大きくなっていくと思う」

本社外観

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 ダイコロでは、日本での豊富な実績とパッケージ化した製作プロセスを活かし、海外でも卒業アルバムの提案を行っている。2018年には、台湾に現地法人を設立し、卒業アルバム製作を本格的にスタートさせた。松本社長自ら、学校にサンプルを持って提案に行ったところ、「仕上がりが大変美しい」「こんな卒業アルバムはいままで見たことがない」と好評で、大きな手応えを感じたという。

 「もともと外国には、卒業アルバムをつくって卒業生や保護者に配布するという習慣がない。私はこの素晴らしい日本の文化を海外に紹介し、広めたいと考えた。まず台湾からスタートしたが、この1年で約10校から注文をいただいている」(松本社長)

 海外の多くの学校は9月始まりのため、卒業アルバムの製作時期は日本と半年ずれることになる。繁忙期が重ならず、年間を通してコンスタントに卒業アルバムの仕事をこなしていくことができる。海外展開はその点も魅力だ。

 「今後は海外でも個人向けの卒業アルバムの受注が増えていくのではないかと期待している。そのためJet Press 750Sの活躍の舞台はさらに広がっていきそうだ」(松本社長)

 Jet Press 750Sは同社にとって、卒業アルバムに新たな付加価値をもたらすとともに、ビジネスの拡大を支える重要な戦力となっている。

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