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研文社、高単価・高付加価値印刷の創出へ[インプレミアIS29導入]

両面・広色域と特殊原反対応で差別化

2022年3月28日ケーススタディ

 1946年創業の(株)研文社(本社/東京都新宿区、網野勝彦社長)は、自動車メーカーと金融機関の印刷物を主軸に成長。製造拠点は、オフセットとデジタルのハイブリッドの兵庫・尼崎工場、輪転の埼玉工場、2020年10月に東京本社の地下に開設したデジタルオンデマンドセンターの三つを構える。同センターは開設時、すべてのオフセット機を出して完全デジタルに移行。インプレミアIS29とデジタル加飾機を導入した。今回、インプレミアIS29による新たなビジネスモデルの創出などについて、網野社長、生産本部デジタル開発本部次長の大矢忍氏、デジタルオンデマンドセンター長の吉原洋平太氏、主任の蕪尾卓哉氏に聞いた。
網野 社長

デジタル印刷に特化したセンター開設の背景

 研文社は、活版印刷が主流の1952年に、国内2番目のカラーオフセット機を導入、デジタル印刷も25年ほど前に開始し、他社に先駆けて新技術を取り入れてきた。

 網野社長は「印刷のデジタル化がまだ遠い時代から、デジタルシフトに挑戦してきた。お客様の活動もデジタル情報を活用したプロモーションが増え、バーコードの挿入やレイアウト・デザインを個別に変えるバリアブル印刷へのニーズが高まり、印刷もますますデジタルにシフトしていく必要がある」と話す。

 そこで同社は、デジタル印刷に特化した、デジタルオンデマンドセンターを開設。その目的について網野社長は、「このセンターは、新規事業の開発拠点。ここで革新的なビジネスモデルをつくり、高単価・高付加価値のデジタル印刷による、新しい事業サービスを提供するために、インプレミアIS29とデジタル加飾機を同時に導入した」 と説明する。

インプレミアIS29でなければならない理由

 大矢次長は、「従来からの印刷物に対応するために生産性を考えると両面機が前提であった。当社は、リピートの仕事が7割ぐらいあり、オフセットで刷った商品と色を合わせる問題があるが、K-カラーシミュレーターにより、容易にカラーマッチングができる。また、紙に付加価値をつけて高単価な印刷物を売りたいと考えている。この技術を生かして、他社との競争力を強化していくのが、インプレミアIS29の大きな導入の目的である」と述べた上で「都内でB2のデジタル印刷機と加飾機と両方の設備は少ないので、付加価値をつけて競争力強化を図っていきたい」とインプレミアIS29を主軸とした営業戦略を明らかにした。
左から大矢次長、吉原センター長、蕪尾主任
 吉原センター長は、「当社は、オフセットで非常に細かい字を刷っており、デジタルでの再現に不安があったが、きれいに再現でき、解像度の高さに満足している」と、その文字品質について評価した上でビジネスモデル開発の観点から、色に関しては「発色が良く、RGBに近い範囲まで色域をカバーしているので、お客様から評価を得ており、色の再現性も非常に高い。現在は、広色域印刷を生かしたフォトブックやカレンダーの仕事も進めている」と説明する。さらに他のデジタル印刷で制約が多い用紙対応について、「プリコートが不要なこと、フィルムや和紙など特殊原反に対応できることは非常にメリット。SDGsの視点から注目のライメックスなどエコペーパーを含め、さまざまな可能性を探っていきたい」と語る。

 また、オペレーションを担当する蕪尾主任は、「インプレミアIS29は、色替え時間がゼロ。難しいグレーも色がブレない」と、操作性と機能性、そして印刷品質について評価している。

 このようにインプレミアIS29のB2対応・両面印刷による高い生産性や、広色域、特殊原反対応による付加価値が、同社のデジタル印刷の拡大に貢献している。

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2022年3月28日ケーススタディ

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 1946年創業の(株)研文社(本社/東京都新宿区、網野勝彦社長)は、自動車メーカーと金融機関の印刷物を主軸に成長。製造拠点は、オフセットとデジタルのハイブリッドの兵庫・尼崎工場、輪転の埼玉工場、2020年10月に東京本社の地下に開設したデジタルオンデマンドセンターの三つを構える。同センターは開設時、すべてのオフセット機を出して完全デジタルに移行。インプレミアIS29とデジタル加飾機を導入した。今回、インプレミアIS29による新たなビジネスモデルの創出などについて、網野社長、生産本部デジタル開発本部次長の大矢忍氏、デジタルオンデマンドセンター長の吉原洋平太氏、主任の蕪尾卓哉氏に聞いた。
網野 社長

デジタル印刷に特化したセンター開設の背景

 研文社は、活版印刷が主流の1952年に、国内2番目のカラーオフセット機を導入、デジタル印刷も25年ほど前に開始し、他社に先駆けて新技術を取り入れてきた。

 網野社長は「印刷のデジタル化がまだ遠い時代から、デジタルシフトに挑戦してきた。お客様の活動もデジタル情報を活用したプロモーションが増え、バーコードの挿入やレイアウト・デザインを個別に変えるバリアブル印刷へのニーズが高まり、印刷もますますデジタルにシフトしていく必要がある」と話す。

 そこで同社は、デジタル印刷に特化した、デジタルオンデマンドセンターを開設。その目的について網野社長は、「このセンターは、新規事業の開発拠点。ここで革新的なビジネスモデルをつくり、高単価・高付加価値のデジタル印刷による、新しい事業サービスを提供するために、インプレミアIS29とデジタル加飾機を同時に導入した」 と説明する。

インプレミアIS29でなければならない理由

 大矢次長は、「従来からの印刷物に対応するために生産性を考えると両面機が前提であった。当社は、リピートの仕事が7割ぐらいあり、オフセットで刷った商品と色を合わせる問題があるが、K-カラーシミュレーターにより、容易にカラーマッチングができる。また、紙に付加価値をつけて高単価な印刷物を売りたいと考えている。この技術を生かして、他社との競争力を強化していくのが、インプレミアIS29の大きな導入の目的である」と述べた上で「都内でB2のデジタル印刷機と加飾機と両方の設備は少ないので、付加価値をつけて競争力強化を図っていきたい」とインプレミアIS29を主軸とした営業戦略を明らかにした。
左から大矢次長、吉原センター長、蕪尾主任
 吉原センター長は、「当社は、オフセットで非常に細かい字を刷っており、デジタルでの再現に不安があったが、きれいに再現でき、解像度の高さに満足している」と、その文字品質について評価した上でビジネスモデル開発の観点から、色に関しては「発色が良く、RGBに近い範囲まで色域をカバーしているので、お客様から評価を得ており、色の再現性も非常に高い。現在は、広色域印刷を生かしたフォトブックやカレンダーの仕事も進めている」と説明する。さらに他のデジタル印刷で制約が多い用紙対応について、「プリコートが不要なこと、フィルムや和紙など特殊原反に対応できることは非常にメリット。SDGsの視点から注目のライメックスなどエコペーパーを含め、さまざまな可能性を探っていきたい」と語る。

 また、オペレーションを担当する蕪尾主任は、「インプレミアIS29は、色替え時間がゼロ。難しいグレーも色がブレない」と、操作性と機能性、そして印刷品質について評価している。

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