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after drupa 2024|富士フイルム、「Discover the difference」─過去最大規模で

ワールドワイドへ包括的ソリューション展開

2024年8月2日製品・テクノロジー

▽プロダクションカラープリンター「Revoria Press EC2100S/SC285S」(参考出品)

 drupa初日にRevoria Pressブランドから新たに発表された、特殊色技術を搭載したミッドレンジPOD機。プリントエンジンを刷新した5色機(CMYK+特殊色)で、コンパクトな筐体でありながら、高画質・高生産性、かつ安定性に優れたプロダクションカラープリンターだ。EC2100Sが100枚機、SC285Sは85枚機。

Revoria Press EC2100

 融点が低くシャープメルトな特性を持つ「Super EA Ecoトナー」を採用し、会場ではピンクトナーを使用した5色印刷の色域拡大をアピール。EC2100Sは検査装置(技術展示)のデモも実施した。

 2機種ともに「スマートモニタリングゲートD1」を接続し、リアルタイム検知と補正機能のデモを実施した。

▽商業印刷向け連帳IJプリンター「Jet Press 1160CFG」

 新開発の水性顔料インクの採用により、非コート紙・インクジェット専用紙に加え、オフセットコート紙への高画質な印刷を実現。独自の新技術「ペーパースタビライザー」を採用し、インクジェット前に用紙コンディションを制御する新たなコンセプトの採用で、「厚紙でのインク定着性」「薄紙での波打ち」「環境や季節による品質変動」といった連帳インクジェットプリンターの生産課題を解決。商業印刷の幅広い用途で活用できる。drupaでは、この新技術をデモで初披露した。

Jet Press 1160CFG


▽DXインフォメーションブース

 オフセット印刷の生産工程や印刷ワークフローの自動化・効率化を図るDXソリューションまでも包含する製品ラインアップを展示した。
・Revoria XMF PressReady(新バージョン)...Revoria Pressに加え、JetPressシリーズをサポート。富士フイルムのデジタルプレス全体を一元管理し、またW2P/後加工連携によるEnd to Endの自動化を提案。
・Revoria Cloud Marketing(参考出品)...オンライン、オフライン媒体のデータをAIで分析し、効果的な広告集客からWebサイト改善までを支援するプラットフォーム。
・Revoria Cloud SmartFlow(仮称、参考出品)...MIS/MES/生産ワークフローの工程間連携にAIを活用し、受注〜工程設計〜スケジュール管理までの自動化・最適化を提案する顧客ビジネスのDX推進プラットフォーム。
・Revoria One Remote CMS(参考出品)...デバイスの状態を診断し、簡単かつスピーディに出力品質を安定化。クラウドで複数デバイスの状態の一元管理も。

インダストリアルエリア

▽軟包装印刷向け水性IJデジタルプレス「Jet Press FP790」

 食品や日用品などの軟包装の多品種・小ロット印刷に対応し、高い生産性を実現する水性インクジェットプレス。1,200dpi×1,200dpiのプリントヘッドで最大790ミリ幅のフィルム基材に対して毎分50mでの高速印刷が可能。また、CMYK各色のプリントヘッドに加え、2組の白色プリントヘッドを搭載し、カラー印刷の下地色となる白色の濃度を向上させ、カラーインクの発色性を高めることができる。さらに、印刷前の基材に処理液を塗布する機構を搭載し、撥水性のあるフィルム基材に対しても高いインク密着性を付与する。ブースでも非常に活況を呈し、欧米企業から数台の注文があったようだ。

Jet Press FP790


▽ワイドフォーマットIJ向け「AQUAFUZE技術」

 今回技術発表された「AQUAFUZE(アクアフューズ)技術」にも大きな注目が集まった。

 産業用インクジェットインクは、一般的に、水性インク・溶剤インク・UV硬化性インクに分類され、各インクはインクの特性や印刷用途に応じて使用される。サイングラフィックや販促用印刷などで使用されるワイドフォーマットインクジェット印刷では、熱でインクを固める水性インクや、光の照射によるUV硬化性インクが主流だ。現在、同市場の成長にともなって印刷アプリケーションや基材が多様化する中、印刷物に付着するインクには、高い耐久性や折り曲げなどの加工時に必要となるインク膜の延伸性、吐出安定性などが求められている。また、印刷時に生じる溶剤の揮発や臭気などを防ぎ、印刷作業者がより安全で快適に使用できるインクへのニーズも高まっている。

 今回開発した「AQUAFUZE技術」は、同社が持つ高機能素材の合成技術や粒子の分散技術を応用して、水性顔料インクジェットインク中に光硬化性樹脂を安定的に水分散させる独自の技術。さらに同技術をベースに、水性インクとUV硬化性インク双方の処方技術を組み合わせることで、新たに開発したのがUV硬化性水性インクだ。同インクは、これまで水性インク・溶剤インク・UV硬化性インクといった単一インクで印刷時に生じるインクの臭気などを抑える安全性に加え、高い耐擦性や延伸性を実現する膜質を有するため、多彩な印刷基材に対応する。

 drupa会場では、武藤工業ブースにおいてこの技術を用いたインクで印字デモが行われていたが、UV硬化性水性インクの提供開始は2024年秋を予定している。

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2024年8月2日製品・テクノロジー

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▽プロダクションカラープリンター「Revoria Press EC2100S/SC285S」(参考出品)

 drupa初日にRevoria Pressブランドから新たに発表された、特殊色技術を搭載したミッドレンジPOD機。プリントエンジンを刷新した5色機(CMYK+特殊色)で、コンパクトな筐体でありながら、高画質・高生産性、かつ安定性に優れたプロダクションカラープリンターだ。EC2100Sが100枚機、SC285Sは85枚機。

Revoria Press EC2100

 融点が低くシャープメルトな特性を持つ「Super EA Ecoトナー」を採用し、会場ではピンクトナーを使用した5色印刷の色域拡大をアピール。EC2100Sは検査装置(技術展示)のデモも実施した。

 2機種ともに「スマートモニタリングゲートD1」を接続し、リアルタイム検知と補正機能のデモを実施した。

▽商業印刷向け連帳IJプリンター「Jet Press 1160CFG」

 新開発の水性顔料インクの採用により、非コート紙・インクジェット専用紙に加え、オフセットコート紙への高画質な印刷を実現。独自の新技術「ペーパースタビライザー」を採用し、インクジェット前に用紙コンディションを制御する新たなコンセプトの採用で、「厚紙でのインク定着性」「薄紙での波打ち」「環境や季節による品質変動」といった連帳インクジェットプリンターの生産課題を解決。商業印刷の幅広い用途で活用できる。drupaでは、この新技術をデモで初披露した。

Jet Press 1160CFG


▽DXインフォメーションブース

 オフセット印刷の生産工程や印刷ワークフローの自動化・効率化を図るDXソリューションまでも包含する製品ラインアップを展示した。
・Revoria XMF PressReady(新バージョン)...Revoria Pressに加え、JetPressシリーズをサポート。富士フイルムのデジタルプレス全体を一元管理し、またW2P/後加工連携によるEnd to Endの自動化を提案。
・Revoria Cloud Marketing(参考出品)...オンライン、オフライン媒体のデータをAIで分析し、効果的な広告集客からWebサイト改善までを支援するプラットフォーム。
・Revoria Cloud SmartFlow(仮称、参考出品)...MIS/MES/生産ワークフローの工程間連携にAIを活用し、受注〜工程設計〜スケジュール管理までの自動化・最適化を提案する顧客ビジネスのDX推進プラットフォーム。
・Revoria One Remote CMS(参考出品)...デバイスの状態を診断し、簡単かつスピーディに出力品質を安定化。クラウドで複数デバイスの状態の一元管理も。

インダストリアルエリア

▽軟包装印刷向け水性IJデジタルプレス「Jet Press FP790」

 食品や日用品などの軟包装の多品種・小ロット印刷に対応し、高い生産性を実現する水性インクジェットプレス。1,200dpi×1,200dpiのプリントヘッドで最大790ミリ幅のフィルム基材に対して毎分50mでの高速印刷が可能。また、CMYK各色のプリントヘッドに加え、2組の白色プリントヘッドを搭載し、カラー印刷の下地色となる白色の濃度を向上させ、カラーインクの発色性を高めることができる。さらに、印刷前の基材に処理液を塗布する機構を搭載し、撥水性のあるフィルム基材に対しても高いインク密着性を付与する。ブースでも非常に活況を呈し、欧米企業から数台の注文があったようだ。

Jet Press FP790


▽ワイドフォーマットIJ向け「AQUAFUZE技術」

 今回技術発表された「AQUAFUZE(アクアフューズ)技術」にも大きな注目が集まった。

 産業用インクジェットインクは、一般的に、水性インク・溶剤インク・UV硬化性インクに分類され、各インクはインクの特性や印刷用途に応じて使用される。サイングラフィックや販促用印刷などで使用されるワイドフォーマットインクジェット印刷では、熱でインクを固める水性インクや、光の照射によるUV硬化性インクが主流だ。現在、同市場の成長にともなって印刷アプリケーションや基材が多様化する中、印刷物に付着するインクには、高い耐久性や折り曲げなどの加工時に必要となるインク膜の延伸性、吐出安定性などが求められている。また、印刷時に生じる溶剤の揮発や臭気などを防ぎ、印刷作業者がより安全で快適に使用できるインクへのニーズも高まっている。

 今回開発した「AQUAFUZE技術」は、同社が持つ高機能素材の合成技術や粒子の分散技術を応用して、水性顔料インクジェットインク中に光硬化性樹脂を安定的に水分散させる独自の技術。さらに同技術をベースに、水性インクとUV硬化性インク双方の処方技術を組み合わせることで、新たに開発したのがUV硬化性水性インクだ。同インクは、これまで水性インク・溶剤インク・UV硬化性インクといった単一インクで印刷時に生じるインクの臭気などを抑える安全性に加え、高い耐擦性や延伸性を実現する膜質を有するため、多彩な印刷基材に対応する。

 drupa会場では、武藤工業ブースにおいてこの技術を用いたインクで印字デモが行われていたが、UV硬化性水性インクの提供開始は2024年秋を予定している。

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