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after drupa 2024|HP、圧巻のデジタル印刷革新

全12台のデジタル印刷機と8種類の自動生産ライン

2024年8月2日製品・テクノロジー

 drupa2024の注目ブースの1つとして異彩を放ったHP。ホール17を完全に占有し、圧巻の12台のデジタル印刷機と8種類の自動生産ラインが展示されたブースは、溢れんばかりの活気に包まれていた。マーケティング担当・永嶋ゆり氏に案内してもらった。

ホール17を占有して出展


変わらぬミッションと革新の歴史

 「我々のミッションは、お客様のビジネスのデジタル変革を推進し、成功を後押しすることです。今回の展示会はUnlock Profitable Growthをコンセプトに、お客様が収益性の高い持続可能な成長を実現するための様々なソリューションを提案しました」と永嶋氏は語る。1993年のdrupaでE-Print1000を発表して以来、HPは30年以上にわたり常に新技術の開発に注力し、業界の変革をリードしてきた。

 永嶋氏がまず案内してくれたのは高生産商業印刷エリア。注目すべきはそのすべてが一貫生産システムとして展示されていたことだ。「単体の印刷機の展示は1つもありません。すべてが一気通貫の生産システムとして展示されています」と永嶋氏は説明した。

 ここには、「HP PageWide Advantage A2200」などの高生産デジタル印刷機が並んでいた。その印刷速度は1分間に244メートルに達し、商業印刷や書籍出版印刷、さらに320gsmまでの厚紙対応も可能である。特にユニークなのは革新的なプリントエンジン「シングルプリントアーチ」だ。従来機では、半円形のプリントエンジン2基を接続し、それぞれのプリントエンジンで表面、裏面を印刷していたが、A2200はシングルプリントアーチで表面を印刷し、ドライヤーユニットを経由後、ターンバーを介して印刷面を反転させ、再度、シングルプリントアーチで裏面印刷を実行する。つまり、「シングルプリントアーチ」を2回通すことで、両面印刷を行い、無駄のない効率的な印刷を実現している。「このデジタル印刷機は、中ロットから大ロットのデジタル変革を牽引しています。同機は2022年9月に発表してからすでに世界で20台以上が稼働しており、その生産性と信頼性が評価されています。drupaにおいても多くのご成約をいただきました」。

自動化技術とソフトウェアサポート

 次に紹介されたのは、オートスプライサーを備えた自動化システムである。これにより、用紙の掛け替え時に印刷を止めることなく、ノンストップで生産が可能だ。乾燥やコーティング、ロールtoロール、ロールtoシートなどの後工程も自動化され、効率的な生産が実現されている。さらに、HPはハードウェアだけでなく、ソフトウェアの分野でも顧客のビジネス成功をサポートしている。「デジタル印刷機を導入して利益を上げていただくための様々な支援を行っています」と永嶋氏。MR(複合現実)を利用したリモートサポートサービスや可変デザイン作成支援ソフト、印刷機の稼働状況をリアルタイムでチェックし可視化するアプリケーションなど、多岐にわたるサポートを提供している。今回のdrupaでは、業界の労働力不足という課題に対処するために、生産現場の効率性を高めることを解決策としたPrintOS Production Beatを発表。これにより、HP製以外のアナログ印刷や加工機にも接続ができるため、生産現場全体をデジタル化し監視が可能。ボトルネックやパフォーマンスの問題を明らかにすることで機器と人員の配置の最適化を支援する。

新しい技術の可能性を公開

 ブース内をさらに進むと、まだ商用化されていない将来の技術やアプリケーションが展示されているエリアに到着した。UVライトをかざすと肉眼で見えるインビジブルインキを利用したセキュリティソリューションや円筒の缶に直接印刷できる技術。また、導電性のあるエレクトロインキは、アプリケーションの1つとしてRFIDアンテナのデモがあった。例えば衣類タグやワインラベルと言った印刷物をHP Indigoで印刷するプロセスの中で、同時にワンパスで任意の形状のRFIDアンテナも印刷できるのが特徴だ。まだ製品化されていない未来の技術が並び、未来のビジネス開拓のヒントが満載の展示となっていた。

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 drupa2024の注目ブースの1つとして異彩を放ったHP。ホール17を完全に占有し、圧巻の12台のデジタル印刷機と8種類の自動生産ラインが展示されたブースは、溢れんばかりの活気に包まれていた。マーケティング担当・永嶋ゆり氏に案内してもらった。

ホール17を占有して出展


変わらぬミッションと革新の歴史

 「我々のミッションは、お客様のビジネスのデジタル変革を推進し、成功を後押しすることです。今回の展示会はUnlock Profitable Growthをコンセプトに、お客様が収益性の高い持続可能な成長を実現するための様々なソリューションを提案しました」と永嶋氏は語る。1993年のdrupaでE-Print1000を発表して以来、HPは30年以上にわたり常に新技術の開発に注力し、業界の変革をリードしてきた。

 永嶋氏がまず案内してくれたのは高生産商業印刷エリア。注目すべきはそのすべてが一貫生産システムとして展示されていたことだ。「単体の印刷機の展示は1つもありません。すべてが一気通貫の生産システムとして展示されています」と永嶋氏は説明した。

 ここには、「HP PageWide Advantage A2200」などの高生産デジタル印刷機が並んでいた。その印刷速度は1分間に244メートルに達し、商業印刷や書籍出版印刷、さらに320gsmまでの厚紙対応も可能である。特にユニークなのは革新的なプリントエンジン「シングルプリントアーチ」だ。従来機では、半円形のプリントエンジン2基を接続し、それぞれのプリントエンジンで表面、裏面を印刷していたが、A2200はシングルプリントアーチで表面を印刷し、ドライヤーユニットを経由後、ターンバーを介して印刷面を反転させ、再度、シングルプリントアーチで裏面印刷を実行する。つまり、「シングルプリントアーチ」を2回通すことで、両面印刷を行い、無駄のない効率的な印刷を実現している。「このデジタル印刷機は、中ロットから大ロットのデジタル変革を牽引しています。同機は2022年9月に発表してからすでに世界で20台以上が稼働しており、その生産性と信頼性が評価されています。drupaにおいても多くのご成約をいただきました」。

自動化技術とソフトウェアサポート

 次に紹介されたのは、オートスプライサーを備えた自動化システムである。これにより、用紙の掛け替え時に印刷を止めることなく、ノンストップで生産が可能だ。乾燥やコーティング、ロールtoロール、ロールtoシートなどの後工程も自動化され、効率的な生産が実現されている。さらに、HPはハードウェアだけでなく、ソフトウェアの分野でも顧客のビジネス成功をサポートしている。「デジタル印刷機を導入して利益を上げていただくための様々な支援を行っています」と永嶋氏。MR(複合現実)を利用したリモートサポートサービスや可変デザイン作成支援ソフト、印刷機の稼働状況をリアルタイムでチェックし可視化するアプリケーションなど、多岐にわたるサポートを提供している。今回のdrupaでは、業界の労働力不足という課題に対処するために、生産現場の効率性を高めることを解決策としたPrintOS Production Beatを発表。これにより、HP製以外のアナログ印刷や加工機にも接続ができるため、生産現場全体をデジタル化し監視が可能。ボトルネックやパフォーマンスの問題を明らかにすることで機器と人員の配置の最適化を支援する。

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