（株）SCREENグラフィックソリューションズ（京都府京都市、田中志佳社長、以下、SCREEN GA）は、2024年10月に印刷関連機器の開発・製造を担う京都・久御山事業所に「インクジェットイノベーションセンター（IIC）京都」を開設。10月2日には、記者会見を開き、IIC京都の概要を発表した。

　記者会見の冒頭、挨拶した田中社長は「IICは、インクジェットソリューションの提供や実機によるサンプル制作、さらには実際の稼働状況を確認できる施設として開設した。ぜひ、多くの方に来場してもらい、インクジェット技術を活用した新たなビジネスのヒントをつかんでもらいたい」と述べた。

　IIC京都では、デジタルインクジェット印刷機である「Truepress JET」「Truepress LABEL」「Truepress PAC」の各シリーズの製品を設置し、ショールーム機能に加え、デモンストレーション、サンプル・出力の検証、最適な運用方法の提案、スキルアップのためのトレーニングを提供するなど、ユーザーのビジネスの発展に貢献していく。

　「Truepress JET」シリーズでは、「Truepress JET 520HD+」のほか、drupa2024に出展されたフルカラー高速インクジェットデジタル印刷システム「Truepress JET 560HDX」を設置。同機は、新たに開発したインクジェットヘッド機構と、オフセットコート紙に表面処理なしで印刷可能な高濃度インク「Truepress ink SC2」を組み合わせることで、より高精細な印刷品質を実現している。また、新構造の高効率ドライヤーユニットの搭載と最大560mmの用紙幅への対応により、生産性を大幅に向上させることにも成功している。ICC京都では、後加工システムをインライン接続したモデルを設置している。

　「Truepress LABEL」シリーズでは、新開発のデジタルプライマーユニットを搭載したラベル向けUVインクジェット印刷機「Truepress LABEL 350UV SAI S」を設置。「Truepress PAC」シリーズでは、SCREEN製のアンワインダーとリワインダーを接続した紙軟包装向け水性インクジェットデジタル印刷機「Truepress PAC 520P」を設置し、それぞれデモ検証などに対応していく。フィルム軟包装向け水性インクジェットデジタル印刷機「Truepress PAC 830F」については、別事業所に設置されている。

　今回のIIC京都の開設により、「ホワイトカンバス MON-NAKA」（東京）、2023年に開設した「インクジェットイノベーションセンター・USA」（米国）、「インクジェットイノベーションセンター・ヨーロッパ」（オランダ）と合わせて4拠点となった。SCREEN GAでは、ワールドワイドのネットワークを活用し、ユーザーに向けて世界のデジタル印刷の実用的な事例やビジネスモデル、トレンドなどを発信することで、革新的なインクジェットデジタル印刷技術をソリューションとして提案していく。

【ICC京都】
▽所在地=（株）SCREEN GA・久御山事業所 久御山東工場内「インクジェットイノベーションセンター京都」（京都府久世郡久御山町佐山新開地141）