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2015年度のデジタル印刷市場規模は前年度比29.4%増 〜 マイナンバー関連の需要で大幅な伸びと予測

デジタル印刷市場に関する調査結果2015(矢野経済研究所調べ)

2016年3月25日マーケティング企業・経営

 (株)矢野経済研究所は、2014年度の事業者売上高ベースによるデジタル印刷市場は2,973億円(前年度比3.4%増)で、2015年度は3,847億円(前年度比29.4%増)の見込み、2016年度は3,115億円(前年度比19%減)の予測との調査結果を発表した。なお、同調査におけるデジタル印刷市場とは、商業用デジタル印刷機で印刷された印刷物および付帯サービスで構成された市場を指し、印刷業を主な事業として展開している事業者を対象としている。有版の印刷機による印刷物および付帯サービスは含まない。また、対象分野は一般印刷分野(出版印刷/商業印刷/ビジネスフォーム印刷など)としており、シール・ラベル印刷やパッケージ印刷などの分野は含まない。調査期間は2015年11月〜12月。

2014年度の市場規模は前年度比3.4%増の2,973億円

 2013年度のデジタル印刷市場(事業者売上高ベース)は、前年度比6.2%増の2,876億円となった。
 経済環境や企業業績の回復傾向を受け、とくに金融業の顧客からのDPS(データプリントサービス、以下DPS)、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング、以下BPO)案件の受託が増加した。また、少額投資非課税制度(NISA)関連の需要もあった。一方商業印刷分野においても回復が見られた。
 2014年度のデジタル印刷市場規模(同ベース)も、引き続き金融業からの受託案件が増加し市場を牽引しており、前年度比3.4%増の2,973億円と成長率は減少したものの、市場規模は拡大している。


 各分野の動向としては、DPS分野では、案件単価の減少やWeb化に伴う紙需要の喪失、案件の小ロット多品種化など、市場環境が厳しさを増す中で、フルデジタル印刷によってコストメリットや新たな付加価値を顧客に提案することで、紙出力案件の確保、引いては売上の確保を推進する動きが、売上上位のDPS事業者を中心に目立ってきている。また、上位の事業者では、DPSから受託業務内容を拡大させたBPOの実績も増加傾向にある。
 カタログ・パンフレットや教材、製品マニュアル、POPなどの品目におけるショートラン(小ロット・短納期)印刷においても、異業種からの参入企業を巻き込んだ小ロット需要を巡る熾烈な価格競争が起きている中で、デジタル印刷による印刷物の受注だけにこだわらず、その周辺のアウトソーシングニーズを取り込み、ワンストップでサービスの提供を目指す方向にシフトを始めている。同様に、オフセット印刷を主力とする事業者においても、デジタル印刷単体だけではなく、オフセット印刷案件やその付帯サービス、またはそれらにIT技術を付加させた複合的な提案をすることにより、顧客の業務をワンストップで請け負うことで、自社の売上拡大に繋げている事業者が増加している。
 また、出版印刷分野におけるデジタル印刷の活用に関しては、コストと品質という2つの大きな課題は依然として残っているものの、出版社が自らデジタル印刷機を活用し始めたことで、出版社の意識に変化が現れ始めており、出版業の従来のビジネスモデルにデジタル印刷の入る余地が生まれている。現在、出版社やデジタル印刷機メーカーも含めた各事業者では出版業の新たなビジネスモデルの実現に向けた提案が活発化している。
 その他でも、バリアブル印刷を活用し、顧客のマーケティング活動に直接繋がる戦略的な活用を目指したバリアブルDMについても、基幹システムの大規模改修により、化粧品や健康食品など専業通販企業を中心にユーザー情報の整備が急速に進む中で、マーケティングオートメーションの有用性も認知されてきており、市場ではOne to Oneマーケティングの実現に向けた機運が高まっている。
 その状況下で、印刷品質の向上とコストの低減を両立できる可能性がある高解像度のフルカラーインクジェット印刷機が上市されたことを受け、市場は本格的な立ち上げを迎える可能性が出てきている。

2016年度の市場規模は前年度比19%減の3,115億円と予測

 2015年度のデジタル印刷市場(事業者売上高ベース)は3,847億円(前年度比29.4%)と大幅な伸びとなる見込みである。この拡大要因としてマイナンバー制度関連の需要の取り込みが挙げられる。
 具体的には、マイナンバーの通知業務に関する受託案件とその後に発生するマイナンバーの収集業務に関する受託案件となる。個人番号通知カードは日本国内の全世帯に送付されるため、特に通知業務に関する受託案件は、これまでにない大規模なアウトソーシング需要となり、これが大幅拡大の主な要因となると考えられる。
 2016年度のデジタル印刷市場規模(同ベース)は前年度比19%減の3,115億円と予測する。マイナンバー制度関連の通知業務の需要は一過性のものであるため、2016年度の市場規模は大幅に減少すると考えられるが、一方で、マイナンバーの収集業務の需要は、今後さらに拡大していくと見られるため、2014年度と比較すると2016年度の市場規模は拡大する見通しである。これらマイナンバー制度関連の需要がもたらす好影響は2017年度〜2018年度あたりまで続くものと見られ、今後数年も市場規模を押し上げる要因になると考えられる。
 近年、デジタル印刷市場は拡大傾向にある。ただここ数年、市場では二極化の傾向も見られており、全ての参入事業者が市場拡大を実感しているわけではない。市場環境も依然厳しさを保ったままであり、今後もマイナンバー制度関連の需要を主要因として、市場は拡大する見通しであるが、この恩恵に与れる事業者も一部と見られる。
 しかし、印刷業界の現状が厳しさを増す中、各事業者の危機感も増しており、試行錯誤を繰り返しながら、従来の印刷ビジネスからの脱却を図る動き自体は強まっている。その中でデジタル印刷のメリットを活用したソリューションサービスへの志向は高まっており、デジタル印刷市場は確実に変容を遂げている。デジタル印刷がソリューションサービス提案におけるアウトプットとなり得ている今、この流れにいかに付いていけるかが今後の印刷事業者の成長を左右すると考えられる。

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 (株)矢野経済研究所は、2014年度の事業者売上高ベースによるデジタル印刷市場は2,973億円(前年度比3.4%増)で、2015年度は3,847億円(前年度比29.4%増)の見込み、2016年度は3,115億円(前年度比19%減)の予測との調査結果を発表した。なお、同調査におけるデジタル印刷市場とは、商業用デジタル印刷機で印刷された印刷物および付帯サービスで構成された市場を指し、印刷業を主な事業として展開している事業者を対象としている。有版の印刷機による印刷物および付帯サービスは含まない。また、対象分野は一般印刷分野(出版印刷/商業印刷/ビジネスフォーム印刷など)としており、シール・ラベル印刷やパッケージ印刷などの分野は含まない。調査期間は2015年11月〜12月。

2014年度の市場規模は前年度比3.4%増の2,973億円

 2013年度のデジタル印刷市場(事業者売上高ベース)は、前年度比6.2%増の2,876億円となった。
 経済環境や企業業績の回復傾向を受け、とくに金融業の顧客からのDPS(データプリントサービス、以下DPS)、BPO(ビジネスプロセスアウトソーシング、以下BPO)案件の受託が増加した。また、少額投資非課税制度(NISA)関連の需要もあった。一方商業印刷分野においても回復が見られた。
 2014年度のデジタル印刷市場規模(同ベース)も、引き続き金融業からの受託案件が増加し市場を牽引しており、前年度比3.4%増の2,973億円と成長率は減少したものの、市場規模は拡大している。


 各分野の動向としては、DPS分野では、案件単価の減少やWeb化に伴う紙需要の喪失、案件の小ロット多品種化など、市場環境が厳しさを増す中で、フルデジタル印刷によってコストメリットや新たな付加価値を顧客に提案することで、紙出力案件の確保、引いては売上の確保を推進する動きが、売上上位のDPS事業者を中心に目立ってきている。また、上位の事業者では、DPSから受託業務内容を拡大させたBPOの実績も増加傾向にある。
 カタログ・パンフレットや教材、製品マニュアル、POPなどの品目におけるショートラン(小ロット・短納期)印刷においても、異業種からの参入企業を巻き込んだ小ロット需要を巡る熾烈な価格競争が起きている中で、デジタル印刷による印刷物の受注だけにこだわらず、その周辺のアウトソーシングニーズを取り込み、ワンストップでサービスの提供を目指す方向にシフトを始めている。同様に、オフセット印刷を主力とする事業者においても、デジタル印刷単体だけではなく、オフセット印刷案件やその付帯サービス、またはそれらにIT技術を付加させた複合的な提案をすることにより、顧客の業務をワンストップで請け負うことで、自社の売上拡大に繋げている事業者が増加している。
 また、出版印刷分野におけるデジタル印刷の活用に関しては、コストと品質という2つの大きな課題は依然として残っているものの、出版社が自らデジタル印刷機を活用し始めたことで、出版社の意識に変化が現れ始めており、出版業の従来のビジネスモデルにデジタル印刷の入る余地が生まれている。現在、出版社やデジタル印刷機メーカーも含めた各事業者では出版業の新たなビジネスモデルの実現に向けた提案が活発化している。
 その他でも、バリアブル印刷を活用し、顧客のマーケティング活動に直接繋がる戦略的な活用を目指したバリアブルDMについても、基幹システムの大規模改修により、化粧品や健康食品など専業通販企業を中心にユーザー情報の整備が急速に進む中で、マーケティングオートメーションの有用性も認知されてきており、市場ではOne to Oneマーケティングの実現に向けた機運が高まっている。
 その状況下で、印刷品質の向上とコストの低減を両立できる可能性がある高解像度のフルカラーインクジェット印刷機が上市されたことを受け、市場は本格的な立ち上げを迎える可能性が出てきている。

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 具体的には、マイナンバーの通知業務に関する受託案件とその後に発生するマイナンバーの収集業務に関する受託案件となる。個人番号通知カードは日本国内の全世帯に送付されるため、特に通知業務に関する受託案件は、これまでにない大規模なアウトソーシング需要となり、これが大幅拡大の主な要因となると考えられる。
 2016年度のデジタル印刷市場規模(同ベース)は前年度比19%減の3,115億円と予測する。マイナンバー制度関連の通知業務の需要は一過性のものであるため、2016年度の市場規模は大幅に減少すると考えられるが、一方で、マイナンバーの収集業務の需要は、今後さらに拡大していくと見られるため、2014年度と比較すると2016年度の市場規模は拡大する見通しである。これらマイナンバー制度関連の需要がもたらす好影響は2017年度〜2018年度あたりまで続くものと見られ、今後数年も市場規模を押し上げる要因になると考えられる。
 近年、デジタル印刷市場は拡大傾向にある。ただここ数年、市場では二極化の傾向も見られており、全ての参入事業者が市場拡大を実感しているわけではない。市場環境も依然厳しさを保ったままであり、今後もマイナンバー制度関連の需要を主要因として、市場は拡大する見通しであるが、この恩恵に与れる事業者も一部と見られる。
 しかし、印刷業界の現状が厳しさを増す中、各事業者の危機感も増しており、試行錯誤を繰り返しながら、従来の印刷ビジネスからの脱却を図る動き自体は強まっている。その中でデジタル印刷のメリットを活用したソリューションサービスへの志向は高まっており、デジタル印刷市場は確実に変容を遂げている。デジタル印刷がソリューションサービス提案におけるアウトプットとなり得ている今、この流れにいかに付いていけるかが今後の印刷事業者の成長を左右すると考えられる。

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