10段ブチ抜きの見出しや人物写真をバリアブルで印刷
Prosper S10の導入からわずか1年で、同社は独創的なアイデアを活かしたハイブリッド印刷の仕事を次々と生み出していった。「JP2015情報・印刷産業展」では、会場で配布された業界紙の紙面でバリアブル印刷によるスタンプラリーを実施した。これは一面に印字された3社のブースを回り、スタンプを集めるとプレゼントがもらえるという集客キャンペーンで、2万部すべてをバリアブル印刷した。会期終盤にはプレゼントが足りなくなるほど好評で、次回に向けた新しいキャンペーンの企画も進んでいる。
毎日新聞ではスポーツイベントでバリアブル印刷を活用した広告企画を展開した。ひとつは「社会人野球大会」の4頁抜き刷り広告で、紙面左側の柱見出しが広告主向けにアレンジされている。4種類・各1万部と種類は少ないが、10段ブチ抜きの見出しをProsper S10で印字して読者の目を釘付けにした。「バスケットボール女子日本リーグ」では、開幕戦の会場で配布する特別版で、広告主であるJX-ENEOSサンフラワーズの選手写真をバリアブル印刷し大きな反響を呼んだ。
バリアブル印刷プラスαで自社にしかできない仕事を創出
新聞だけでなく一般商業印刷の仕事でも、店名差し替えやナンバリングなど実績を積み上げてきた。商業印刷部 部長の竹林徹氏は「バリアブル印刷がきっかけとなって、引き合いや問い合わせ、新規受注にもつながっている」と具体的な成果を挙げてくれた。
「最初のオーダーは40店舗の差し替え印刷2万部だった。B4判冊子で中綴じも必要なかったので、オフ輪2台による多ウェブ印刷で、バリアブルから後加工まで一気に仕上げた。そのスピードには立ち会われていたお客様も驚かれていた。これまでは店舗名を追い刷りして、手作業で丁合いしていたようだ。これがきっかけとなって、差し替えのない分もあわせて合計10万部の新規受注につながった」
バリアブル印刷の難しさと面白さについて語るのは、印刷課 課長の三藤準二氏だ。
「バリアブルの印刷品質は人間の目で確認できない。また1枚も無駄にできないので今までにない緊張感がある。ただ、見たこともない印刷物がつくれるので、やりがいを感じている。今後は技術面でコダックの協力を得ながら、欠番管理など技術力を高めて次のステップへと進んでいきたい」
同社はProsper S10を付加価値を生む装置と位置付け、システム全体で「他社には真似のできないもの」「自社にしかできないもの」をつくることを目標としてきた。最大印字幅20センチ、2色印刷が可能な2列×2ヘッド仕様としたことも差別化のひとつ。赤尾取締役は「Prosper S10は、不可能だったことを自動化、システム化できた」と話している。このProsper S10に多ウェブ印刷やミシン目入れなどプラスαの機能を組み合わせることで、文字通りオンリーワンの製品が生まれるのだ。すでにバリアブル+ミシンによるクーポン印刷なども視野に入れているようで、Prosper S10の活用の幅はより一層広がっていくだろう。
新着トピックス
-
ケーススタディ 門那シーリング印刷(大阪)、除電機能で作業効率向上[Revoria Press PC1120導入事例]
-
ケーススタディ 尾崎スクリーン、熱転写の新たな領域へ[HP Indigo 7K デジタル印刷機導入事例]
リンクス、スキルレスで人材確保、育成期間短縮[JetPress750S導入事例]
2025年6月27日ケーススタディ
「アイデア什器」の(株)リンクス(本社/岐阜県関市倉知2639-1、吉田哲也社長)は昨年11月、富士フイルムの枚葉インクジェットデジタルプレス「JetPress750S」(厚紙仕様)...全文を読む
コニカミノルタジャパン、AccurioDays2025で新たなフラッグシップモデルを公開
2025年6月4日製品・テクノロジー
コニカミノルタジャパン(株)は、デジタルカラー印刷システムの最上位機種「AccurioPress(アキュリオプレス) C14010シリーズ」の発売を記念して4月23・24日の2日間、...全文を読む
最新ニュース
エプソン、世界最少の小型軽量デジタルプリンター「EP-101」が「機械遺産」に選定
2025年8月7日
セイコーエプソン(株)がエプソンミュージアム諏訪(長野県諏訪市)に所蔵している、1968年より発売した世界最小(同社調べ(当時))の小型軽量デジタルプリンター「EP-101」が、(一...全文を読む
リコー、広幅対応DTFプリンター「RICOH Pro D1600」を松井色素化学工業所に供給開始
2025年8月7日
(株)リコー(大山晃社長)は、産業用テキスタイル印刷市場向けに、高生産性を実現する広幅対応Direct To Film(DTF)プリンター「RICOH Pro D1600」について、...全文を読む
コニカミノルタ、反応染料用インライン前処理インク「O'ROBE」の提供開始
2025年7月29日
コニカミノルタ(株)(本社/東京都千代田区、大幸利充社長、以下、コニカミノルタ)は、インクジェットテキスタイルプリンター「Nassenger(ナッセンジャー)」シリーズ用インクとして...全文を読む
高速オフセット、商業オフセット輪転機にProsper S10を4ヘッド搭載
バリアブル印刷+2色刷り 〜 真似のできないオンリーワンの仕事目指す
2016年3月25日ケーススタディ
10段ブチ抜きの見出しや人物写真をバリアブルで印刷
Prosper S10の導入からわずか1年で、同社は独創的なアイデアを活かしたハイブリッド印刷の仕事を次々と生み出していった。「JP2015情報・印刷産業展」では、会場で配布された業界紙の紙面でバリアブル印刷によるスタンプラリーを実施した。これは一面に印字された3社のブースを回り、スタンプを集めるとプレゼントがもらえるという集客キャンペーンで、2万部すべてをバリアブル印刷した。会期終盤にはプレゼントが足りなくなるほど好評で、次回に向けた新しいキャンペーンの企画も進んでいる。
毎日新聞ではスポーツイベントでバリアブル印刷を活用した広告企画を展開した。ひとつは「社会人野球大会」の4頁抜き刷り広告で、紙面左側の柱見出しが広告主向けにアレンジされている。4種類・各1万部と種類は少ないが、10段ブチ抜きの見出しをProsper S10で印字して読者の目を釘付けにした。「バスケットボール女子日本リーグ」では、開幕戦の会場で配布する特別版で、広告主であるJX-ENEOSサンフラワーズの選手写真をバリアブル印刷し大きな反響を呼んだ。
バリアブル印刷プラスαで自社にしかできない仕事を創出
新聞だけでなく一般商業印刷の仕事でも、店名差し替えやナンバリングなど実績を積み上げてきた。商業印刷部 部長の竹林徹氏は「バリアブル印刷がきっかけとなって、引き合いや問い合わせ、新規受注にもつながっている」と具体的な成果を挙げてくれた。
「最初のオーダーは40店舗の差し替え印刷2万部だった。B4判冊子で中綴じも必要なかったので、オフ輪2台による多ウェブ印刷で、バリアブルから後加工まで一気に仕上げた。そのスピードには立ち会われていたお客様も驚かれていた。これまでは店舗名を追い刷りして、手作業で丁合いしていたようだ。これがきっかけとなって、差し替えのない分もあわせて合計10万部の新規受注につながった」
バリアブル印刷の難しさと面白さについて語るのは、印刷課 課長の三藤準二氏だ。
「バリアブルの印刷品質は人間の目で確認できない。また1枚も無駄にできないので今までにない緊張感がある。ただ、見たこともない印刷物がつくれるので、やりがいを感じている。今後は技術面でコダックの協力を得ながら、欠番管理など技術力を高めて次のステップへと進んでいきたい」
同社はProsper S10を付加価値を生む装置と位置付け、システム全体で「他社には真似のできないもの」「自社にしかできないもの」をつくることを目標としてきた。最大印字幅20センチ、2色印刷が可能な2列×2ヘッド仕様としたことも差別化のひとつ。赤尾取締役は「Prosper S10は、不可能だったことを自動化、システム化できた」と話している。このProsper S10に多ウェブ印刷やミシン目入れなどプラスαの機能を組み合わせることで、文字通りオンリーワンの製品が生まれるのだ。すでにバリアブル+ミシンによるクーポン印刷なども視野に入れているようで、Prosper S10の活用の幅はより一層広がっていくだろう。
新着トピックス
-
門那シーリング印刷(大阪)、除電機能で作業効率向上[Revoria Press PC1120導入事例]
2025年8月8日 ケーススタディ
-
尾崎スクリーン、熱転写の新たな領域へ[HP Indigo 7K デジタル印刷機導入事例]
2025年8月4日 ケーススタディ
-
リンクス、スキルレスで人材確保、育成期間短縮[JetPress750S導入事例]
2025年6月27日 ケーススタディ
-
コニカミノルタジャパン、AccurioDays2025で新たなフラッグシップモデルを公開
2025年6月4日 製品・テクノロジー
-
大村印刷、特殊トナーと用紙対応力で小ロット・高付加価値ニーズに対応
2025年5月8日 ケーススタディ
新着ニュース
SNSランキング
- 50sharesリコー、企業内・商用印刷の幅広いニーズに対応するカラー機の新機種発売
- 47sharesキヤノンPPS、4月11日「Hunkeler Innovationdays 2025レポートセミナー」開催
- 38shares門那シーリング印刷(大阪)、除電機能で作業効率向上[Revoria Press PC1120導入事例]
- 38sharesコニカミノルタジャパン、AccurioDays2025で新たなフラッグシップモデルを公開
- 35sharesKOMORI、China Print 2025でB2デジタル「J-throne29」を中国初出展
- 33sharesウケゼキ、小ロット厚紙・パッケージ印刷を強化[Revoria PressEC1100導入事例]
- 30sharesコニカミノルタジャパン、機能強化モデル「AccurioPress C7100 ENHANCED」発売
- 28sharesパラシュート、Webプラットフォームをベースとした販促資材管理サービスの提供開始
- 28shares日印機工とプリデジ協、IGAS2027の日程決定-2027年8月に東京ビッグサイトで開催
- 24shares尾崎スクリーン、熱転写の新たな領域へ[HP Indigo 7K デジタル印刷機導入事例]
おすすめコンテンツ
尾崎スクリーン、熱転写の新たな領域へ[HP Indigo 7K デジタル印刷機導入事例]
竹田印刷、多様な個性をかたちに〜アール・ブリュット作品を世界に発信
奥村印刷、新たな価値を紙に付加〜「折り紙食器 beak」でIPA2024に入賞