スコディックスジャパンオフィス、感性に響く加工を演出 〜 杉山伸一GMに聞く
多彩な機能で究極のデジタル加飾 〜 ニス+デジタル箔をワンパスまたはツーパス処理
2017年6月15日製品・テクノロジースペシャリスト
緻密な加工を実現する高度な見当精度
「Scodix Ultra pro」は、高度な見当精度も実現している。それを支えている技術が「RSP(Rotate,Scale Positioning)」だ。
これは4台のCCDカメラで見当マーク(OPAマーク)を読み取り、毎ページごとに角度や伸縮を計測し、データ側で瞬時に角度やサイズ補正の演算処理を行い、自動で補正してくれる機能。また、機械フレームに強固な鋳物製シャーシを採用しているので高速かつ正確な搬送が可能となっている。用紙搬送は、見当精度にも大きな影響を与えることから、微細なデジタル加飾にとって重要な機能といえる。
多彩なメディアに対応できる独自の箔処理技術
「Scodix Ultra pro」は、独自の箔処理プロセス「Scodix PAS」という特許技術を採用している。これは箔加工品質と箔接着性を高めるために、3段階のUV露光を行うもの。具体的には、まずポリマーが流れないようにプレUV硬化でピン止めを行い、さらに箔定着向上のためポリマーを8割程度硬化させ、そのポリマー部分にのみ、フィルム箔を転写させる。そして最終的にUVで完全硬化させ、耐久性のある箔加工として完成させる。
この技術の特徴は、ホットフォイル方式と異なり、40℃程度の低温で加工処理が行えること。これにより熱に弱いメディアでも安心して使用することができる。この技術により近年ではクリアファイルへの加工に活用されている。また、低温接着のため粉体トナーベースのデジタル印刷機で出力された印刷物に対してもコールドフォイルによる加工が可能となっている。
ポリマーについては、箔&厚盛り用、厚盛り用、薄盛り用、そして粉体トナー用の4種を用意しており、さらに「Scodix Ultra pro」では、3つのタンクを実装しているので用途に応じてポリマーを選択することができる。
この他にも3Dホログラム効果を演出する「Scodix Cast&Cure(スコディックス キャスト&キュア)」やバリアブル印刷、点字印刷など、多彩な高付加価値オプションも用意している。
デザイナーとの連携がデジタル加飾普及のカギ
デジタル加飾という技術を市場に普及させるためには、デザイナーへの啓発が最も重要だと考えている。「Scodix Ultra pro+Foil」が創出する様々なデジタル加飾は、デザインと連携することで、さらに付加価値を高めることができるはず。単なる内製化や短納期対応といった機械仕様上の優位性だけでなく、デザインと使用する素材、そしてデジタル加飾が融合すれば、他にはない究極の付加価値製品を提供できる。
これは私自身の体験だが、ドラッグストアーで、いつも購入しているクスリを探していた。正直、商品名は覚えていなかったが、そのクスリの独特なパッケージデザインは鮮明に記憶していたので、無事に購入することができた。つまり、パッケージデザインは、消費者と商品をつなぐ役割を担っている。他にはないパッケージデザインは、消費者の関心を高める効果がある。そこに「Scodix Ultra pro+Foil」による視覚的・触覚的な要素を加えれば、より印象を深めることができ、さらには商品購入に結び付けることが可能となる。
そのためにもデザイナーやブランドオーナーを巻き込んだプロモーション展開が重要なカギと言えるだろう。
drupa2016では、パッケージ用途向けとしてB1サイズ対応のデジタル加飾システム「Scodix E106」を紹介した。現在、イスラエルでベータサイトを行っており、今後は欧州でも実施していく方針である。
詳細については、あまり明かすことはできないが、生産性や精度向上、また、用途拡大など、多くの点で改良が施される予定だ。現時点での生産スピードは、B1サイズ横通しで4,000枚/時となっている。
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これは4台のCCDカメラで見当マーク(OPAマーク)を読み取り、毎ページごとに角度や伸縮を計測し、データ側で瞬時に角度やサイズ補正の演算処理を行い、自動で補正してくれる機能。また、機械フレームに強固な鋳物製シャーシを採用しているので高速かつ正確な搬送が可能となっている。用紙搬送は、見当精度にも大きな影響を与えることから、微細なデジタル加飾にとって重要な機能といえる。
多彩なメディアに対応できる独自の箔処理技術
「Scodix Ultra pro」は、独自の箔処理プロセス「Scodix PAS」という特許技術を採用している。これは箔加工品質と箔接着性を高めるために、3段階のUV露光を行うもの。具体的には、まずポリマーが流れないようにプレUV硬化でピン止めを行い、さらに箔定着向上のためポリマーを8割程度硬化させ、そのポリマー部分にのみ、フィルム箔を転写させる。そして最終的にUVで完全硬化させ、耐久性のある箔加工として完成させる。
この技術の特徴は、ホットフォイル方式と異なり、40℃程度の低温で加工処理が行えること。これにより熱に弱いメディアでも安心して使用することができる。この技術により近年ではクリアファイルへの加工に活用されている。また、低温接着のため粉体トナーベースのデジタル印刷機で出力された印刷物に対してもコールドフォイルによる加工が可能となっている。
ポリマーについては、箔&厚盛り用、厚盛り用、薄盛り用、そして粉体トナー用の4種を用意しており、さらに「Scodix Ultra pro」では、3つのタンクを実装しているので用途に応じてポリマーを選択することができる。
この他にも3Dホログラム効果を演出する「Scodix Cast&Cure(スコディックス キャスト&キュア)」やバリアブル印刷、点字印刷など、多彩な高付加価値オプションも用意している。
デザイナーとの連携がデジタル加飾普及のカギ
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これは私自身の体験だが、ドラッグストアーで、いつも購入しているクスリを探していた。正直、商品名は覚えていなかったが、そのクスリの独特なパッケージデザインは鮮明に記憶していたので、無事に購入することができた。つまり、パッケージデザインは、消費者と商品をつなぐ役割を担っている。他にはないパッケージデザインは、消費者の関心を高める効果がある。そこに「Scodix Ultra pro+Foil」による視覚的・触覚的な要素を加えれば、より印象を深めることができ、さらには商品購入に結び付けることが可能となる。
そのためにもデザイナーやブランドオーナーを巻き込んだプロモーション展開が重要なカギと言えるだろう。
drupa2016では、パッケージ用途向けとしてB1サイズ対応のデジタル加飾システム「Scodix E106」を紹介した。現在、イスラエルでベータサイトを行っており、今後は欧州でも実施していく方針である。
詳細については、あまり明かすことはできないが、生産性や精度向上、また、用途拡大など、多くの点で改良が施される予定だ。現時点での生産スピードは、B1サイズ横通しで4,000枚/時となっている。
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