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クライアントは印刷会社を信頼している...だからデータについて考える時が来た

2018年8月7日マーケティングスペシャリスト

一般社団法人PODi

一般社団法人PODi

1996年に米国で誕生した世界最大のデジタル印刷推進団体。印刷会社800社、ベンダー50社以上が参加し、デジタル印刷を活用した成功事例をはじめ、多くの情報を会員向けに公開している。また、WhatTheyThinkをはじめDMAなどの海外の団体と提携し、その主要なニュースを日本語版で配信している。

http://www.podi.or.jp

適切なサービスポートフォリオをつくる

 問題は、クライアントがどのようなデータドリブンマーケティングを必要としているかである。印刷会社がこのビジネスに参入するためのいくつかのアドバイスを以下の通り纏めてみた。

1. クライアントのデータを分析しよう

 まず、見込み客や顧客の大枠を理解するため、どのようなデータソースがあるかクライアントと一緒になって把握しよう。殆どの企業は、なんらかの形で顧客の取引データを保有している。それを用いて、既存の顧客の傾向や属性などを分析し、クライアントと共にプロファイルを作成する必要があろう。

 たとえば、顧客データを業種、規模、役職別に分析し、類似した顧客のグループを特定することができる。そこから、各グループの購入者のペルソナ(外的側面)を作成し、ある程度知見を得た段階で、クライアントと一緒に、価値の高いプロフィールを持った同類の見込み客を探す支援をし、結果として、売上を増やすことができるだろう。

2. データを強化しよう

 もうひとつ重要な要素は、データの拡張だ。社内外のデータソースを付加し、データ拡大を行うすることにより、データの価値を上げることができる。

 InfoTrendsの調査によると、60%の企業がマーケティングデータベース拡大のための、なんらかの戦略をもっているという。逆にいうと、40%のマーケターがデータの強化や拡大のための支援が必要であるということだ。内部及び外部のデータソースとの統合、住所確認、属性や財務の情報の付加など、データ強化サービスという大きなビジネスチャンスがあろう。
データ強化戦略で何を行っていますか?

3. データを活用しよう

 レレバント(自分の関心やニーズに合っていると感じるよう)なメッセージを伝えることは、ブランドコミュニケーションの真髄だ。印刷会社は、クライアントと一緒になって、ブランド認知、エンゲージメント、ロイヤリティを促すために、適切なオーディエンス(視聴者)に対して、適切なチャネルを通じ、適切なメッセージを発信する努力をしなくてはならない。オーディエンスに最も響くメッセージを伝えるには、継続的にキャンペーンをモニターする必要がある。ひとつのキャンペーンで集めたデータを、将来のキャンペーンのための、より効果的なオーディエンスセグメンテーションやメッセージングの改善に役立てることができるからだ。

4. オーディエンスとのエンゲージメントを促そう : 全てのチャネルはいつも起動中!

 今日の生活者の日常的なコミュニケーションは大きく変わりつつある。モバイルのテキストベースのコミュニケーションや、特にソーシャルウェブを通じて、人々は購入、調査し、そして カスタマーサービスなど企業とエンゲージ(結びつき)するようになった。企業のマーケターは、オムニチャネルコミュニケーションで支援を求めている。生活者はひとつのコミュニケーションに縛られる事を好まず、複数のチャネルにまたがったとしても一から始める必要なく、絶え間の無い一連の対話を欲しているからだ。

 生活者との対話は、DMを起点とするデジタルチャネルで始まることが多い。InfoTrendsの調査によると、回答者の78%は、DMをマーケティングチャネルとして使っているという。その内の59%は、DMキャンペーンが、データを起点とする(売上データやマーケティングデータの解析や判断)であったという。だだ、それに満足しているわけではなく、41%がデータの活用に改善の余地があるという。これは、印刷会社にとって、印刷が伴うキャンペーンでより良い効果を出すため、クライアントを支援するビジネスに、チャンスがあることを意味している。加えて、モバイル、ソーシャル、他のオンラインチャネルに跨って同じ関連性の高い(レレバントな)メッセージを伝えるニーズもあろう。

5. 結果を測定しモニターしよう

 デジタルマーケティングやソーシャルメディアの進展で、測定する方法は飛躍的に向上した。顧客がブランドとどのように取引しているのか、トラッキングが益々容易になってきている。企業のマーケターは、「購入までに至る道筋」を把握し、どのチャネルが購買を促すことができ、ベストなのかを知りたがっている。彼らは、チャネルのアトリビューション(貢献度測定)を支援してくれるパートナーを求めている。InfoTrendsが調査した回答者の大部分は、たとえ高度なツールが巷にあったとしても、どの技術が実際にエンド顧客を特定できるのかを把握する術をほとんど持っていないという。

 回答者の半数以上が、最初か最後のクリック分析しか把握できていない。これでは、全てのデジタルマーケティングチャネルの中で、どの部分が貢献しているのか、していなのかを、把握するにはあまりにも短絡的といえよう。30%が相等アトリビューションを使っている一方、可変アトリビューションを使っているのは17%しかない。アトリビューション分析が複雑なため、マーケターの多くはアウトソーシングパートナーを求めているのだ。

 回答者の26%近くが、サードパーティにアトリビューションの測定をアウトソーシングしいて、21%が社内外のリソースの組み合わせを使っている。どのメッセージがどのチャネルで効果があったか把握するため支援するサービスが新たなビジネスとなろう。

まとめ

 貴社は、印刷された販促資料や重要なマーケティングコミュニケーションをタイムリーに顧客へ配信する業務を預託してくれる、つまり信頼をおいてくれる優良クライアントをいくつか持っているはずだ。

 データを扱うことには高い壁があろうが、貴社の優良クライアントをベースに、高付加価値で、利益性の高いサービスを提供する大きなビジネスチャンスがあろう。優良クライアントは、貴社のことをよく知っていて信用している。 

 データでクライアントをリードして、支援するビジネスチャンスは、既に熟しているといえよう。


http://whattheythink.com
By:Barb Pellow
Published:2016年2月16日
原文:http://whattheythink.com/articles/84042-your-customers-trust-you-its-time-think-about-data/
翻訳協力:Mitchell Shinozaki

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1996年に米国で誕生した世界最大のデジタル印刷推進団体。印刷会社800社、ベンダー50社以上が参加し、デジタル印刷を活用した成功事例をはじめ、多くの情報を会員向けに公開している。また、WhatTheyThinkをはじめDMAなどの海外の団体と提携し、その主要なニュースを日本語版で配信している。

http://www.podi.or.jp

適切なサービスポートフォリオをつくる

 問題は、クライアントがどのようなデータドリブンマーケティングを必要としているかである。印刷会社がこのビジネスに参入するためのいくつかのアドバイスを以下の通り纏めてみた。

1. クライアントのデータを分析しよう

 まず、見込み客や顧客の大枠を理解するため、どのようなデータソースがあるかクライアントと一緒になって把握しよう。殆どの企業は、なんらかの形で顧客の取引データを保有している。それを用いて、既存の顧客の傾向や属性などを分析し、クライアントと共にプロファイルを作成する必要があろう。

 たとえば、顧客データを業種、規模、役職別に分析し、類似した顧客のグループを特定することができる。そこから、各グループの購入者のペルソナ(外的側面)を作成し、ある程度知見を得た段階で、クライアントと一緒に、価値の高いプロフィールを持った同類の見込み客を探す支援をし、結果として、売上を増やすことができるだろう。

2. データを強化しよう

 もうひとつ重要な要素は、データの拡張だ。社内外のデータソースを付加し、データ拡大を行うすることにより、データの価値を上げることができる。

 InfoTrendsの調査によると、60%の企業がマーケティングデータベース拡大のための、なんらかの戦略をもっているという。逆にいうと、40%のマーケターがデータの強化や拡大のための支援が必要であるということだ。内部及び外部のデータソースとの統合、住所確認、属性や財務の情報の付加など、データ強化サービスという大きなビジネスチャンスがあろう。
データ強化戦略で何を行っていますか?

3. データを活用しよう

 レレバント(自分の関心やニーズに合っていると感じるよう)なメッセージを伝えることは、ブランドコミュニケーションの真髄だ。印刷会社は、クライアントと一緒になって、ブランド認知、エンゲージメント、ロイヤリティを促すために、適切なオーディエンス(視聴者)に対して、適切なチャネルを通じ、適切なメッセージを発信する努力をしなくてはならない。オーディエンスに最も響くメッセージを伝えるには、継続的にキャンペーンをモニターする必要がある。ひとつのキャンペーンで集めたデータを、将来のキャンペーンのための、より効果的なオーディエンスセグメンテーションやメッセージングの改善に役立てることができるからだ。

4. オーディエンスとのエンゲージメントを促そう : 全てのチャネルはいつも起動中!

 今日の生活者の日常的なコミュニケーションは大きく変わりつつある。モバイルのテキストベースのコミュニケーションや、特にソーシャルウェブを通じて、人々は購入、調査し、そして カスタマーサービスなど企業とエンゲージ(結びつき)するようになった。企業のマーケターは、オムニチャネルコミュニケーションで支援を求めている。生活者はひとつのコミュニケーションに縛られる事を好まず、複数のチャネルにまたがったとしても一から始める必要なく、絶え間の無い一連の対話を欲しているからだ。

 生活者との対話は、DMを起点とするデジタルチャネルで始まることが多い。InfoTrendsの調査によると、回答者の78%は、DMをマーケティングチャネルとして使っているという。その内の59%は、DMキャンペーンが、データを起点とする(売上データやマーケティングデータの解析や判断)であったという。だだ、それに満足しているわけではなく、41%がデータの活用に改善の余地があるという。これは、印刷会社にとって、印刷が伴うキャンペーンでより良い効果を出すため、クライアントを支援するビジネスに、チャンスがあることを意味している。加えて、モバイル、ソーシャル、他のオンラインチャネルに跨って同じ関連性の高い(レレバントな)メッセージを伝えるニーズもあろう。

5. 結果を測定しモニターしよう

 デジタルマーケティングやソーシャルメディアの進展で、測定する方法は飛躍的に向上した。顧客がブランドとどのように取引しているのか、トラッキングが益々容易になってきている。企業のマーケターは、「購入までに至る道筋」を把握し、どのチャネルが購買を促すことができ、ベストなのかを知りたがっている。彼らは、チャネルのアトリビューション(貢献度測定)を支援してくれるパートナーを求めている。InfoTrendsが調査した回答者の大部分は、たとえ高度なツールが巷にあったとしても、どの技術が実際にエンド顧客を特定できるのかを把握する術をほとんど持っていないという。

 回答者の半数以上が、最初か最後のクリック分析しか把握できていない。これでは、全てのデジタルマーケティングチャネルの中で、どの部分が貢献しているのか、していなのかを、把握するにはあまりにも短絡的といえよう。30%が相等アトリビューションを使っている一方、可変アトリビューションを使っているのは17%しかない。アトリビューション分析が複雑なため、マーケターの多くはアウトソーシングパートナーを求めているのだ。

 回答者の26%近くが、サードパーティにアトリビューションの測定をアウトソーシングしいて、21%が社内外のリソースの組み合わせを使っている。どのメッセージがどのチャネルで効果があったか把握するため支援するサービスが新たなビジネスとなろう。

まとめ

 貴社は、印刷された販促資料や重要なマーケティングコミュニケーションをタイムリーに顧客へ配信する業務を預託してくれる、つまり信頼をおいてくれる優良クライアントをいくつか持っているはずだ。

 データを扱うことには高い壁があろうが、貴社の優良クライアントをベースに、高付加価値で、利益性の高いサービスを提供する大きなビジネスチャンスがあろう。優良クライアントは、貴社のことをよく知っていて信用している。 

 データでクライアントをリードして、支援するビジネスチャンスは、既に熟しているといえよう。


http://whattheythink.com
By:Barb Pellow
Published:2016年2月16日
原文:http://whattheythink.com/articles/84042-your-customers-trust-you-its-time-think-about-data/
翻訳協力:Mitchell Shinozaki

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