キーワードで検索

オム二チャネルコミュニケーション:成功の秘訣とは

2018年8月17日マーケティングスペシャリスト

一般社団法人PODi

一般社団法人PODi

1996年に米国で誕生した世界最大のデジタル印刷推進団体。印刷会社800社、ベンダー50社以上が参加し、デジタル印刷を活用した成功事例をはじめ、多くの情報を会員向けに公開している。また、WhatTheyThinkをはじめDMAなどの海外の団体と提携し、その主要なニュースを日本語版で配信している。

http://www.podi.or.jp

 マーケターがこれまでとってきたデジタルオンリー戦略との蜜月が終わりつつある。デジタルチャネルへの投資は今後も続くだろうが、印刷メディアが再認識され、メディアミックスの中でますます重要視されてきているからだ。印刷会社が上流のビジネス領域に参入する格好のチャンスが到来したといえよう。

 生活者がブランドに接するとき、どのように効果的なオム二チャネル戦略を策定し、展開するか、企業のマーケターを支援する機会が増えていくだろう。この領域で、既に成功している印刷会社3社の専門家にその秘訣を聞いてみた。


 印刷業界が、クロスメディアという言葉を使いはじめて久しい。だが、業界を取り巻く環境は複雑になるばかりだ。先陣を切って、この領域でサービスを提供している印刷会社は、企業のマーケターが生活者に伝えるコミュニケーションを、タイムリー、かつレレバント(関連性の高い)なものにするため、見合ったサービスを提供できるよう、自ら事業を磨き続けなくてはならない。新規参入者にとっては、学ぶことが多すぎるため、ハードルが益々高くなっていくであろう。

 最近、オム二チャネルサービスで成功しているいくつかの印刷会社と話す機会があり、彼らに成功の秘訣を聞くことができた。秘訣を教えてくれた寛大な印刷会社は以下の通り。

社名:Harland Clarke
役職:チーフ・アーキテクト
名前:Tim Cooper

社名:Curtis 1000
役職:データプロセシングマネージャー
名前:Kevin Neal

社名:Strategic Content Imaging
役職:CTO
名前:Anil Kapoor

 本題に入る前に、まず用語の定義づけをしなくてはならない。企業のマーケターのほとんどは、クロスメディアという言葉を聞いてもそれについて知らないという。印刷業界特有の用語だからだ。マルチチャネルとかオム二チャネルといった方がわかり易いかもしれない。

 Anil Kapoor氏は、クロスメディア、またはクロスチャネルについて、こう説明する。例えば、生活者がメルマガを受信して、リンクをクリックして、オンラインまたは実店舗に行ったとしよう。企業が生活者に複数のコミュニケーションチャネルを通じて同じ製品について伝えるにもかかわらず、それらが連動していなく、つながりやリンクがまったくない状況が、クロスメディア、またはクロスチャネルだという。

 マルチチャネルはどうだろうか。来店した顧客は、クロスチャネルより統合された形で、複数のチャネルをたどって誘導されるが、店舗などの担当者は顧客のエンゲージメントによる購買履歴をまったく把握していない状況を指す。

 一方、オム二チャネルでは、すべての糸が絡み合うように、テレビを見ながらタブレットを閲覧したとしても、タブレットを単体で閲覧したとしても一環としたユーザーエクスペリエンスを提供できる状況を指す。ひとつの例として、テレビのスポーツ観戦がある。テレビの実況中継に合わせて、視聴者が自分の好きな選手の成績やプレイをリアルタイムにタブレットで閲覧できるようにすれば、その履歴をトラッキングし、印刷物、オンライン、店舗などで後ほどのユーザーへのコミュニケーションにつなげていくことができる。

新着トピックス

リンクス、スキルレスで人材確保、育成期間短縮[JetPress750S導入事例]

2025年6月27日ケーススタディ

 「アイデア什器」の(株)リンクス(本社/岐阜県関市倉知2639-1、吉田哲也社長)は昨年11月、富士フイルムの枚葉インクジェットデジタルプレス「JetPress750S」(厚紙仕様)...全文を読む

accuriopress_c14010s_20250529_tn.jpg

コニカミノルタジャパン、AccurioDays2025で新たなフラッグシップモデルを公開

2025年6月4日製品・テクノロジー

 コニカミノルタジャパン(株)は、デジタルカラー印刷システムの最上位機種「AccurioPress(アキュリオプレス) C14010シリーズ」の発売を記念して4月23・24日の2日間、...全文を読む

最新ニュース

dp_epson_ep_101_20250807_tn.jpg

エプソン、世界最少の小型軽量デジタルプリンター「EP-101」が「機械遺産」に選定

2025年8月7日

 セイコーエプソン(株)がエプソンミュージアム諏訪(長野県諏訪市)に所蔵している、1968年より発売した世界最小(同社調べ(当時))の小型軽量デジタルプリンター「EP-101」が、(一...全文を読む

dp_ricoh_pro_d1600_20250801_tn.jpg

リコー、広幅対応DTFプリンター「RICOH Pro D1600」を松井色素化学工業所に供給開始

2025年8月7日

 (株)リコー(大山晃社長)は、産業用テキスタイル印刷市場向けに、高生産性を実現する広幅対応Direct To Film(DTF)プリンター「RICOH Pro D1600」について、...全文を読む

dp_orobe_20250729_tn.jpg

コニカミノルタ、反応染料用インライン前処理インク「O'ROBE」の提供開始

2025年7月29日

 コニカミノルタ(株)(本社/東京都千代田区、大幸利充社長、以下、コニカミノルタ)は、インクジェットテキスタイルプリンター「Nassenger(ナッセンジャー)」シリーズ用インクとして...全文を読む

オム二チャネルコミュニケーション:成功の秘訣とは

2018年8月17日マーケティングスペシャリスト

  • twitter
  • facebook
  • line
一般社団法人PODi

一般社団法人PODi

1996年に米国で誕生した世界最大のデジタル印刷推進団体。印刷会社800社、ベンダー50社以上が参加し、デジタル印刷を活用した成功事例をはじめ、多くの情報を会員向けに公開している。また、WhatTheyThinkをはじめDMAなどの海外の団体と提携し、その主要なニュースを日本語版で配信している。

http://www.podi.or.jp

 マーケターがこれまでとってきたデジタルオンリー戦略との蜜月が終わりつつある。デジタルチャネルへの投資は今後も続くだろうが、印刷メディアが再認識され、メディアミックスの中でますます重要視されてきているからだ。印刷会社が上流のビジネス領域に参入する格好のチャンスが到来したといえよう。

 生活者がブランドに接するとき、どのように効果的なオム二チャネル戦略を策定し、展開するか、企業のマーケターを支援する機会が増えていくだろう。この領域で、既に成功している印刷会社3社の専門家にその秘訣を聞いてみた。


 印刷業界が、クロスメディアという言葉を使いはじめて久しい。だが、業界を取り巻く環境は複雑になるばかりだ。先陣を切って、この領域でサービスを提供している印刷会社は、企業のマーケターが生活者に伝えるコミュニケーションを、タイムリー、かつレレバント(関連性の高い)なものにするため、見合ったサービスを提供できるよう、自ら事業を磨き続けなくてはならない。新規参入者にとっては、学ぶことが多すぎるため、ハードルが益々高くなっていくであろう。

 最近、オム二チャネルサービスで成功しているいくつかの印刷会社と話す機会があり、彼らに成功の秘訣を聞くことができた。秘訣を教えてくれた寛大な印刷会社は以下の通り。

社名:Harland Clarke
役職:チーフ・アーキテクト
名前:Tim Cooper

社名:Curtis 1000
役職:データプロセシングマネージャー
名前:Kevin Neal

社名:Strategic Content Imaging
役職:CTO
名前:Anil Kapoor

 本題に入る前に、まず用語の定義づけをしなくてはならない。企業のマーケターのほとんどは、クロスメディアという言葉を聞いてもそれについて知らないという。印刷業界特有の用語だからだ。マルチチャネルとかオム二チャネルといった方がわかり易いかもしれない。

 Anil Kapoor氏は、クロスメディア、またはクロスチャネルについて、こう説明する。例えば、生活者がメルマガを受信して、リンクをクリックして、オンラインまたは実店舗に行ったとしよう。企業が生活者に複数のコミュニケーションチャネルを通じて同じ製品について伝えるにもかかわらず、それらが連動していなく、つながりやリンクがまったくない状況が、クロスメディア、またはクロスチャネルだという。

 マルチチャネルはどうだろうか。来店した顧客は、クロスチャネルより統合された形で、複数のチャネルをたどって誘導されるが、店舗などの担当者は顧客のエンゲージメントによる購買履歴をまったく把握していない状況を指す。

 一方、オム二チャネルでは、すべての糸が絡み合うように、テレビを見ながらタブレットを閲覧したとしても、タブレットを単体で閲覧したとしても一環としたユーザーエクスペリエンスを提供できる状況を指す。ひとつの例として、テレビのスポーツ観戦がある。テレビの実況中継に合わせて、視聴者が自分の好きな選手の成績やプレイをリアルタイムにタブレットで閲覧できるようにすれば、その履歴をトラッキングし、印刷物、オンライン、店舗などで後ほどのユーザーへのコミュニケーションにつなげていくことができる。

新着トピックス

新着ニュース

PAGE TOP