マーケターがこれまでとってきたデジタルオンリー戦略との蜜月が終わりつつある。デジタルチャネルへの投資は今後も続くだろうが、印刷メディアが再認識され、メディアミックスの中でますます重要視されてきているからだ。印刷会社が上流のビジネス領域に参入する格好のチャンスが到来したといえよう。
生活者がブランドに接するとき、どのように効果的なオム二チャネル戦略を策定し、展開するか、企業のマーケターを支援する機会が増えていくだろう。この領域で、既に成功している印刷会社3社の専門家にその秘訣を聞いてみた。
印刷業界が、クロスメディアという言葉を使いはじめて久しい。だが、業界を取り巻く環境は複雑になるばかりだ。先陣を切って、この領域でサービスを提供している印刷会社は、企業のマーケターが生活者に伝えるコミュニケーションを、タイムリー、かつレレバント(関連性の高い)なものにするため、見合ったサービスを提供できるよう、自ら事業を磨き続けなくてはならない。新規参入者にとっては、学ぶことが多すぎるため、ハードルが益々高くなっていくであろう。
最近、オム二チャネルサービスで成功しているいくつかの印刷会社と話す機会があり、彼らに成功の秘訣を聞くことができた。秘訣を教えてくれた寛大な印刷会社は以下の通り。
社名:Harland Clarke
役職:チーフ・アーキテクト
名前:Tim Cooper
社名:Curtis 1000
役職:データプロセシングマネージャー
名前:Kevin Neal
社名:Strategic Content Imaging
役職:CTO
名前:Anil Kapoor
本題に入る前に、まず用語の定義づけをしなくてはならない。企業のマーケターのほとんどは、クロスメディアという言葉を聞いてもそれについて知らないという。印刷業界特有の用語だからだ。マルチチャネルとかオム二チャネルといった方がわかり易いかもしれない。
Anil Kapoor氏は、クロスメディア、またはクロスチャネルについて、こう説明する。例えば、生活者がメルマガを受信して、リンクをクリックして、オンラインまたは実店舗に行ったとしよう。企業が生活者に複数のコミュニケーションチャネルを通じて同じ製品について伝えるにもかかわらず、それらが連動していなく、つながりやリンクがまったくない状況が、クロスメディア、またはクロスチャネルだという。
マルチチャネルはどうだろうか。来店した顧客は、クロスチャネルより統合された形で、複数のチャネルをたどって誘導されるが、店舗などの担当者は顧客のエンゲージメントによる購買履歴をまったく把握していない状況を指す。
一方、オム二チャネルでは、すべての糸が絡み合うように、テレビを見ながらタブレットを閲覧したとしても、タブレットを単体で閲覧したとしても一環としたユーザーエクスペリエンスを提供できる状況を指す。ひとつの例として、テレビのスポーツ観戦がある。テレビの実況中継に合わせて、視聴者が自分の好きな選手の成績やプレイをリアルタイムにタブレットで閲覧できるようにすれば、その履歴をトラッキングし、印刷物、オンライン、店舗などで後ほどのユーザーへのコミュニケーションにつなげていくことができる。
新着トピックス
-
ケーススタディ リンクス、スキルレスで人材確保、育成期間短縮[JetPress750S導入事例]
-
製品・テクノロジー コニカミノルタジャパン、AccurioDays2025で新たなフラッグシップモデルを公開
大村印刷、特殊トナーと用紙対応力で小ロット・高付加価値ニーズに対応
2025年5月8日ケーススタディ
山口県を拠点に、印刷を中心とした情報ソリューション事業を展開する大村印刷(株)(本社/山口県防府市西仁井令1-21-55、河内和明社長)は2022年2月、富士フイルムのプロダクション...全文を読む
ディーエムソリューションズ、最高毎時4万5,000通を達成[KODAK PROSPER S5導入事例]
2025年3月25日ケーススタディ
ディーエムソリューションズ(株)(本社/東京都武蔵野市御殿山1-1-3 クリスタルパークビル2F、花矢卓司社長)は、KODAK PROSPER S5インプリンティングシステムを導入後...全文を読む
最新ニュース
パラシュート、スマホで偽造品識別が可能なデジタル暗号化技術サービスの提供開始
2025年7月1日
パラシュート(株)(東京都世田谷区、兵藤伊織社長)は2025年7月1日から、SaaSプラットフォームをベースとしたデジタル暗号化技術サービス(DET Service)の提供を開始した...全文を読む
PODi、「Labelexpo Europe 2025」視察ツアーの参加者募集開始
2025年6月25日
(一社)PODi(荒井純一代表理事)は、ラベル・パッケージ業界の世界最大級の展示会「Labelexpo Europe 2025」視察ツアーの参加者募集を開始した。 LABELEXP...全文を読む
コニカミノルタジャパン、機能強化モデル「AccurioPress C7100 ENHANCED」発売
2025年6月25日
コニカミノルタジャパン(株)(本社/東京都港区、一條啓介社長)は、高画質及び多彩な用紙への対応力と、自動品質最適化ユニットで評価を得ているデジタル印刷システム「AccurioPres...全文を読む
オム二チャネルコミュニケーション:成功の秘訣とは
2018年8月17日マーケティングスペシャリスト

一般社団法人PODi
1996年に米国で誕生した世界最大のデジタル印刷推進団体。印刷会社800社、ベンダー50社以上が参加し、デジタル印刷を活用した成功事例をはじめ、多くの情報を会員向けに公開している。また、WhatTheyThinkをはじめDMAなどの海外の団体と提携し、その主要なニュースを日本語版で配信している。
マーケターがこれまでとってきたデジタルオンリー戦略との蜜月が終わりつつある。デジタルチャネルへの投資は今後も続くだろうが、印刷メディアが再認識され、メディアミックスの中でますます重要視されてきているからだ。印刷会社が上流のビジネス領域に参入する格好のチャンスが到来したといえよう。
生活者がブランドに接するとき、どのように効果的なオム二チャネル戦略を策定し、展開するか、企業のマーケターを支援する機会が増えていくだろう。この領域で、既に成功している印刷会社3社の専門家にその秘訣を聞いてみた。
印刷業界が、クロスメディアという言葉を使いはじめて久しい。だが、業界を取り巻く環境は複雑になるばかりだ。先陣を切って、この領域でサービスを提供している印刷会社は、企業のマーケターが生活者に伝えるコミュニケーションを、タイムリー、かつレレバント(関連性の高い)なものにするため、見合ったサービスを提供できるよう、自ら事業を磨き続けなくてはならない。新規参入者にとっては、学ぶことが多すぎるため、ハードルが益々高くなっていくであろう。
最近、オム二チャネルサービスで成功しているいくつかの印刷会社と話す機会があり、彼らに成功の秘訣を聞くことができた。秘訣を教えてくれた寛大な印刷会社は以下の通り。
社名:Harland Clarke
役職:チーフ・アーキテクト
名前:Tim Cooper
社名:Curtis 1000
役職:データプロセシングマネージャー
名前:Kevin Neal
社名:Strategic Content Imaging
役職:CTO
名前:Anil Kapoor
本題に入る前に、まず用語の定義づけをしなくてはならない。企業のマーケターのほとんどは、クロスメディアという言葉を聞いてもそれについて知らないという。印刷業界特有の用語だからだ。マルチチャネルとかオム二チャネルといった方がわかり易いかもしれない。
Anil Kapoor氏は、クロスメディア、またはクロスチャネルについて、こう説明する。例えば、生活者がメルマガを受信して、リンクをクリックして、オンラインまたは実店舗に行ったとしよう。企業が生活者に複数のコミュニケーションチャネルを通じて同じ製品について伝えるにもかかわらず、それらが連動していなく、つながりやリンクがまったくない状況が、クロスメディア、またはクロスチャネルだという。
マルチチャネルはどうだろうか。来店した顧客は、クロスチャネルより統合された形で、複数のチャネルをたどって誘導されるが、店舗などの担当者は顧客のエンゲージメントによる購買履歴をまったく把握していない状況を指す。
一方、オム二チャネルでは、すべての糸が絡み合うように、テレビを見ながらタブレットを閲覧したとしても、タブレットを単体で閲覧したとしても一環としたユーザーエクスペリエンスを提供できる状況を指す。ひとつの例として、テレビのスポーツ観戦がある。テレビの実況中継に合わせて、視聴者が自分の好きな選手の成績やプレイをリアルタイムにタブレットで閲覧できるようにすれば、その履歴をトラッキングし、印刷物、オンライン、店舗などで後ほどのユーザーへのコミュニケーションにつなげていくことができる。
新着トピックス
-
リンクス、スキルレスで人材確保、育成期間短縮[JetPress750S導入事例]
2025年6月27日 ケーススタディ
-
コニカミノルタジャパン、AccurioDays2025で新たなフラッグシップモデルを公開
2025年6月4日 製品・テクノロジー
-
大村印刷、特殊トナーと用紙対応力で小ロット・高付加価値ニーズに対応
2025年5月8日 ケーススタディ
-
ディーエムソリューションズ、最高毎時4万5,000通を達成[KODAK PROSPER S5導入事例]
2025年3月25日 ケーススタディ
-
FFGS、新Revoria Press登場で、柔軟な「最適生産」可能に
2025年3月25日 スペシャリスト
新着ニュース
-
パラシュート、スマホで偽造品識別が可能なデジタル暗号化技術サービスの提供開始
2025年7月1日 ニュース
-
PODi、「Labelexpo Europe 2025」視察ツアーの参加者募集開始
2025年6月25日 ニュース
-
コニカミノルタジャパン、機能強化モデル「AccurioPress C7100 ENHANCED」発売
2025年6月25日 ニュース
-
エプソン、立体物への直接印刷を可能にする「Direct to Shape Printing System」発表
2025年6月25日 ニュース
-
パラシュート、次世代型MIS「PNS」にメーカーワークフローソフトウェア連携機能を追加
2025年6月11日 ニュース
SNSランキング
- 63sharesミマキ、330シリーズとエコ溶剤インクが3M MCS保証認定
- 43sharesパラシュート、スマホで偽造品識別が可能なデジタル暗号化技術サービスの提供開始
- 41sharesローランドDG、UVプリンターが紙器パッケージ製作に対応
- 39sharesSCREEN、Hunkeler Innovationdaysでインクジェットと後加工機の連携披露
- 38sharesKOMORI、241名が来場した新春特別内覧会のデモ動画(Impremia IS29s」公開
- 36sharesエプソン、使いやすさと安定稼働を両立したエプソン初のDTF専用プリンター発売
- 29sharesKOMORI、インクジェット印刷機とデジタル加飾機の連携披露
- 27shares日印機工とプリデジ協、IGAS2027の日程決定-2027年8月に東京ビッグサイトで開催
- 27sharesリコー、企業内・商用印刷の幅広いニーズに対応するカラー機の新機種発売
- 26sharesエプソン、立体物への直接印刷を可能にする「Direct to Shape Printing System」発表
おすすめコンテンツ
竹田印刷、多様な個性をかたちに〜アール・ブリュット作品を世界に発信
奥村印刷、新たな価値を紙に付加〜「折り紙食器 beak」でIPA2024に入賞
富士フイルム、TOKYO PACKでブランドオーナーにデジタル印刷活用促す