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生産ワークフローのプラットフォームを検討する時が来た

2019年2月8日企業・経営

一般社団法人PODi

一般社団法人PODi

1996年に米国で誕生した世界最大のデジタル印刷推進団体。印刷会社800社、ベンダー50社以上が参加し、デジタル印刷を活用した成功事例をはじめ、多くの情報を会員向けに公開している。また、WhatTheyThinkをはじめDMAなどの海外の団体と提携し、その主要なニュースを日本語版で配信している。

http://www.podi.or.jp

 印刷会社の経営者のほとんどは、業務のコストを削減し、競争力を維持するためには、ソフトウェアが重要であることを理解している。印刷会社が未来に適切に備えるために、また、ワークフローのボトルネックの問題を解決するために、ソフトウェアベンダーがそのお手伝いをしてくれるだろう。今回の記事では、いかにソフトウェアを活用し、印刷生産ワークフローを改善させるかについて触れたい。



 年初は、重要なトレンドを見て、それをもとに戦略計画を策定する絶好の機会だ。毎年、InfoTrendsは、業界を形成するトレンドを詳細に調査し、ロードマップを作成している。今年も、今後数年間大きなインパクトを与えるだろう重要事項を取り上げていく。今年も印刷会社はソフトウェアへの投資を増やしていくであろう。そして、ワイドフォーマットとパッケージング分野への投資が活発になると予想する。印刷会社の経営者のほとんどは、業務のコストを削減し、競争力を維持するには、ソフトウェアが重要であることを理解しているのだ。

 ワークフローを考えると、商業印刷、デジタルプリンティング、パッケージング、ワイドフォーマットなど横断的な課題が見えてくる。同時に、それぞれの分野には、アプリケーション、生産設備、顧客への対応、ワークフローの自動化、ソフトウェアの導入や支出など固有の課題もある。

 横断的課題とは何なのであろうか。様々な調査レポートによれば、印刷会社はますます小ロット化するジョブをより効率的に製造することが不可欠だと述べている。ジョブやアプリケーションの数が増えると、入稿作業、仕様の取り込み、印刷に必要なファイルの入手など、さまざまな要因が相重なって、厄介なボトルネックができてしまう。時には、仕様、数量、納期など顧客のジョブに関する情報が、複数の情報元から流れてきて、矛盾が生じることさえもある。オーダーは、ウェブ上のショップや、フォーマットなどオンラインで流れてくることもあり、営業担当者やカスタマーサポート担当者などからオフラインで流れても来る。その他、あらゆる方法が存在するからだ。InfoTrendsの調査によると、いま印刷会社を一番悩ませているのは、世界的にワークフローのボトルネックだという。例えば、欧州の印刷会社の28%が顧客による入稿が大きなボトルネックになっているという。米国はもっとひどく、50%が小ロットのオーダー入稿処理で困っているのだ。

 ひとつのシステムに流れてくる多様な情報をいかに統一するかが課題である。それを解決するための最もよい選択肢はプリントMISだろう。朗報は、プリントMISソリューションは、幅広い価格帯で提供されていて、あらゆる印刷会社が導入できることだ。

 ワークフローのボトルネックは、印刷会社にとって最も大きな課題。とくに入稿にまつわる課題解決は待ったなしだ。そして、大きなトレンドと予想されるスマートプリント製造(SPM)やマスカスタマイゼーションへの対応も重要だ。ソフトウェアベンダーは、これらの課題の取り組みでお手伝いすることができるだろう。

 コミュニケーションの世界は日進月歩で、留まるところを知らない。スピード、コスト、そしてターゲティングで、印刷コミュニケーションは、ネットチャネルと競争しなくてはならない。我々は新たな産業革命の最中にあり、印刷製造を再定義して、よりスマートなものにしなくてはならないのだ。

 スマートプリント製造(SPM)を始めるには、まず顧客対応、ジョブの入稿、生産リソースなどの合理化への取り組みが必要だ。稼働率と実行時間を最大限にしながら、生産非効率やエラーなどを最小限、または削減しなくてはならない。SPMは従来の製造手法に、IoT、データ分析、ロボティクスなどの新工場技術を掛け合わせたもの。これらの技術を活用して印刷生産工程のあらゆる工程を最適化する。印刷会社の大小に関わらず、マスカスタマイゼーションに対応するために、印刷生産を自動化する独自のSPMに備え、計画を立て、実行しなくてはならないだろう。

 マスカスタマイセーションの定義は、生産コストの安い大量生産手法を用いながら、カスタム製品のパーソナル化やデザインの選択に柔軟性をもたらすことである。印刷業界にとって、これはエンドユーザーと顧客があらかじめカタログ化された製品から選択、カスタム化、そしてパーソナル化できるようにすることだ。そして、それをコスト効率がよく高度に自動化された製造方法を活用することを意味する。今日、マスカスタマイゼーションのほとんどは、グローバルな発想を持つごく一握りのネット印刷会社によって提供されている。

まとめ

 スマートプリント製造(SPM)やマスカスタマイゼーションのトレンドの到来を信じようが信じまいが、高度に自動化された生産プラットフォームが拡大するにつれて、競争が激化していく現実は間逃れない。

 機械、ソフトウェア、ワークフローなど印刷会社の生産プラットフォームの見直しを怠ってはいけない。次に来る新しい現実に備えるために、まずは入稿のボトルネックの問題を解決すべきであろう。

http://whattheythink.com
By:WhatTheyThink Staff
Published:2018年1月11日
原文:It's Time to Evaluate Your Production Workflow Platform
翻訳協力:Mitchell Shinozaki

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1996年に米国で誕生した世界最大のデジタル印刷推進団体。印刷会社800社、ベンダー50社以上が参加し、デジタル印刷を活用した成功事例をはじめ、多くの情報を会員向けに公開している。また、WhatTheyThinkをはじめDMAなどの海外の団体と提携し、その主要なニュースを日本語版で配信している。

http://www.podi.or.jp

 印刷会社の経営者のほとんどは、業務のコストを削減し、競争力を維持するためには、ソフトウェアが重要であることを理解している。印刷会社が未来に適切に備えるために、また、ワークフローのボトルネックの問題を解決するために、ソフトウェアベンダーがそのお手伝いをしてくれるだろう。今回の記事では、いかにソフトウェアを活用し、印刷生産ワークフローを改善させるかについて触れたい。



 年初は、重要なトレンドを見て、それをもとに戦略計画を策定する絶好の機会だ。毎年、InfoTrendsは、業界を形成するトレンドを詳細に調査し、ロードマップを作成している。今年も、今後数年間大きなインパクトを与えるだろう重要事項を取り上げていく。今年も印刷会社はソフトウェアへの投資を増やしていくであろう。そして、ワイドフォーマットとパッケージング分野への投資が活発になると予想する。印刷会社の経営者のほとんどは、業務のコストを削減し、競争力を維持するには、ソフトウェアが重要であることを理解しているのだ。

 ワークフローを考えると、商業印刷、デジタルプリンティング、パッケージング、ワイドフォーマットなど横断的な課題が見えてくる。同時に、それぞれの分野には、アプリケーション、生産設備、顧客への対応、ワークフローの自動化、ソフトウェアの導入や支出など固有の課題もある。

 横断的課題とは何なのであろうか。様々な調査レポートによれば、印刷会社はますます小ロット化するジョブをより効率的に製造することが不可欠だと述べている。ジョブやアプリケーションの数が増えると、入稿作業、仕様の取り込み、印刷に必要なファイルの入手など、さまざまな要因が相重なって、厄介なボトルネックができてしまう。時には、仕様、数量、納期など顧客のジョブに関する情報が、複数の情報元から流れてきて、矛盾が生じることさえもある。オーダーは、ウェブ上のショップや、フォーマットなどオンラインで流れてくることもあり、営業担当者やカスタマーサポート担当者などからオフラインで流れても来る。その他、あらゆる方法が存在するからだ。InfoTrendsの調査によると、いま印刷会社を一番悩ませているのは、世界的にワークフローのボトルネックだという。例えば、欧州の印刷会社の28%が顧客による入稿が大きなボトルネックになっているという。米国はもっとひどく、50%が小ロットのオーダー入稿処理で困っているのだ。

 ひとつのシステムに流れてくる多様な情報をいかに統一するかが課題である。それを解決するための最もよい選択肢はプリントMISだろう。朗報は、プリントMISソリューションは、幅広い価格帯で提供されていて、あらゆる印刷会社が導入できることだ。

 ワークフローのボトルネックは、印刷会社にとって最も大きな課題。とくに入稿にまつわる課題解決は待ったなしだ。そして、大きなトレンドと予想されるスマートプリント製造(SPM)やマスカスタマイゼーションへの対応も重要だ。ソフトウェアベンダーは、これらの課題の取り組みでお手伝いすることができるだろう。

 コミュニケーションの世界は日進月歩で、留まるところを知らない。スピード、コスト、そしてターゲティングで、印刷コミュニケーションは、ネットチャネルと競争しなくてはならない。我々は新たな産業革命の最中にあり、印刷製造を再定義して、よりスマートなものにしなくてはならないのだ。

 スマートプリント製造(SPM)を始めるには、まず顧客対応、ジョブの入稿、生産リソースなどの合理化への取り組みが必要だ。稼働率と実行時間を最大限にしながら、生産非効率やエラーなどを最小限、または削減しなくてはならない。SPMは従来の製造手法に、IoT、データ分析、ロボティクスなどの新工場技術を掛け合わせたもの。これらの技術を活用して印刷生産工程のあらゆる工程を最適化する。印刷会社の大小に関わらず、マスカスタマイゼーションに対応するために、印刷生産を自動化する独自のSPMに備え、計画を立て、実行しなくてはならないだろう。

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翻訳協力:Mitchell Shinozaki

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