生産ワークフローのプラットフォームを検討する時が来た
2019年2月8日企業・経営
-
印刷会社の経営者のほとんどは、業務のコストを削減し、競争力を維持するためには、ソフトウェアが重要であることを理解している。印刷会社が未来に適切に備えるために、また、ワークフローのボトルネックの問題を解決するために、ソフトウェアベンダーがそのお手伝いをしてくれるだろう。今回の記事では、いかにソフトウェアを活用し、印刷生産ワークフローを改善させるかについて触れたい。
年初は、重要なトレンドを見て、それをもとに戦略計画を策定する絶好の機会だ。毎年、InfoTrendsは、業界を形成するトレンドを詳細に調査し、ロードマップを作成している。今年も、今後数年間大きなインパクトを与えるだろう重要事項を取り上げていく。今年も印刷会社はソフトウェアへの投資を増やしていくであろう。そして、ワイドフォーマットとパッケージング分野への投資が活発になると予想する。印刷会社の経営者のほとんどは、業務のコストを削減し、競争力を維持するには、ソフトウェアが重要であることを理解しているのだ。
ワークフローを考えると、商業印刷、デジタルプリンティング、パッケージング、ワイドフォーマットなど横断的な課題が見えてくる。同時に、それぞれの分野には、アプリケーション、生産設備、顧客への対応、ワークフローの自動化、ソフトウェアの導入や支出など固有の課題もある。
横断的課題とは何なのであろうか。様々な調査レポートによれば、印刷会社はますます小ロット化するジョブをより効率的に製造することが不可欠だと述べている。ジョブやアプリケーションの数が増えると、入稿作業、仕様の取り込み、印刷に必要なファイルの入手など、さまざまな要因が相重なって、厄介なボトルネックができてしまう。時には、仕様、数量、納期など顧客のジョブに関する情報が、複数の情報元から流れてきて、矛盾が生じることさえもある。オーダーは、ウェブ上のショップや、フォーマットなどオンラインで流れてくることもあり、営業担当者やカスタマーサポート担当者などからオフラインで流れても来る。その他、あらゆる方法が存在するからだ。InfoTrendsの調査によると、いま印刷会社を一番悩ませているのは、世界的にワークフローのボトルネックだという。例えば、欧州の印刷会社の28%が顧客による入稿が大きなボトルネックになっているという。米国はもっとひどく、50%が小ロットのオーダー入稿処理で困っているのだ。
ひとつのシステムに流れてくる多様な情報をいかに統一するかが課題である。それを解決するための最もよい選択肢はプリントMISだろう。朗報は、プリントMISソリューションは、幅広い価格帯で提供されていて、あらゆる印刷会社が導入できることだ。
ワークフローのボトルネックは、印刷会社にとって最も大きな課題。とくに入稿にまつわる課題解決は待ったなしだ。そして、大きなトレンドと予想されるスマートプリント製造(SPM)やマスカスタマイゼーションへの対応も重要だ。ソフトウェアベンダーは、これらの課題の取り組みでお手伝いすることができるだろう。
コミュニケーションの世界は日進月歩で、留まるところを知らない。スピード、コスト、そしてターゲティングで、印刷コミュニケーションは、ネットチャネルと競争しなくてはならない。我々は新たな産業革命の最中にあり、印刷製造を再定義して、よりスマートなものにしなくてはならないのだ。
スマートプリント製造(SPM)を始めるには、まず顧客対応、ジョブの入稿、生産リソースなどの合理化への取り組みが必要だ。稼働率と実行時間を最大限にしながら、生産非効率やエラーなどを最小限、または削減しなくてはならない。SPMは従来の製造手法に、IoT、データ分析、ロボティクスなどの新工場技術を掛け合わせたもの。これらの技術を活用して印刷生産工程のあらゆる工程を最適化する。印刷会社の大小に関わらず、マスカスタマイゼーションに対応するために、印刷生産を自動化する独自のSPMに備え、計画を立て、実行しなくてはならないだろう。
マスカスタマイセーションの定義は、生産コストの安い大量生産手法を用いながら、カスタム製品のパーソナル化やデザインの選択に柔軟性をもたらすことである。印刷業界にとって、これはエンドユーザーと顧客があらかじめカタログ化された製品から選択、カスタム化、そしてパーソナル化できるようにすることだ。そして、それをコスト効率がよく高度に自動化された製造方法を活用することを意味する。今日、マスカスタマイゼーションのほとんどは、グローバルな発想を持つごく一握りのネット印刷会社によって提供されている。
まとめ
スマートプリント製造(SPM)やマスカスタマイゼーションのトレンドの到来を信じようが信じまいが、高度に自動化された生産プラットフォームが拡大するにつれて、競争が激化していく現実は間逃れない。
機械、ソフトウェア、ワークフローなど印刷会社の生産プラットフォームの見直しを怠ってはいけない。次に来る新しい現実に備えるために、まずは入稿のボトルネックの問題を解決すべきであろう。
By:WhatTheyThink Staff
Published:2018年1月11日
原文:It's Time to Evaluate Your Production Workflow Platform
翻訳協力:Mitchell Shinozaki新着トピックス
奥村印刷、新たな価値を紙に付加〜「折り紙食器 beak」でIPA2024に入賞
2024年11月20日企業・経営
奥村印刷(株)(本社/東京都北区、奥村文泰社長)は、2024年度の「Innovation Print Awards(以下、IPA)」において、「サステナビリティ部門」第1位を獲得した...全文を読む
富士フイルム、TOKYO PACKでブランドオーナーにデジタル印刷活用促す
2024年11月15日マーケティング
「もっと自由にパッケージ・オンデマンド」─富士フイルムグループは、10月23日から開催された「TOKYO PACK 2024(東京国際包装展)」において、富士フイルムが独自開発した幅...全文を読む
最新ニュース
日本HP、KADOKAWA「出版製造流通DXプロジェクト」を支援
2025年1月21日
(株)日本HP(本社/東京都港区、岡戸伸樹社長)は1月16日、(株)KADOKAWA(本社/東京都千代田区、夏野剛社長・CEO)の運営する埼玉県所沢市の大型文化複合施設「ところざわサ...全文を読む
2025年1月20日
ローランド ディー.ジー.(株)は、大判インクジェットプリンターTrueVISシリーズ「LG-640/540/300」と、DGXPRESSシリーズの「UG-642」で使用できる拡張テ...全文を読む
swissQprint、第5世代フラットベッド新モデル-生産性23%向上
2025年1月14日
swissQprintは、プラットフォームを全面的に刷新し、生産性、精度、アプリケーションの多用途性を新たなレベルへと引き上げたフラットベッド新世代モデルを発表した。新モデルは従来機...全文を読む
生産ワークフローのプラットフォームを検討する時が来た
2019年2月8日企業・経営

一般社団法人PODi
1996年に米国で誕生した世界最大のデジタル印刷推進団体。印刷会社800社、ベンダー50社以上が参加し、デジタル印刷を活用した成功事例をはじめ、多くの情報を会員向けに公開している。また、WhatTheyThinkをはじめDMAなどの海外の団体と提携し、その主要なニュースを日本語版で配信している。
印刷会社の経営者のほとんどは、業務のコストを削減し、競争力を維持するためには、ソフトウェアが重要であることを理解している。印刷会社が未来に適切に備えるために、また、ワークフローのボトルネックの問題を解決するために、ソフトウェアベンダーがそのお手伝いをしてくれるだろう。今回の記事では、いかにソフトウェアを活用し、印刷生産ワークフローを改善させるかについて触れたい。
年初は、重要なトレンドを見て、それをもとに戦略計画を策定する絶好の機会だ。毎年、InfoTrendsは、業界を形成するトレンドを詳細に調査し、ロードマップを作成している。今年も、今後数年間大きなインパクトを与えるだろう重要事項を取り上げていく。今年も印刷会社はソフトウェアへの投資を増やしていくであろう。そして、ワイドフォーマットとパッケージング分野への投資が活発になると予想する。印刷会社の経営者のほとんどは、業務のコストを削減し、競争力を維持するには、ソフトウェアが重要であることを理解しているのだ。
ワークフローを考えると、商業印刷、デジタルプリンティング、パッケージング、ワイドフォーマットなど横断的な課題が見えてくる。同時に、それぞれの分野には、アプリケーション、生産設備、顧客への対応、ワークフローの自動化、ソフトウェアの導入や支出など固有の課題もある。
横断的課題とは何なのであろうか。様々な調査レポートによれば、印刷会社はますます小ロット化するジョブをより効率的に製造することが不可欠だと述べている。ジョブやアプリケーションの数が増えると、入稿作業、仕様の取り込み、印刷に必要なファイルの入手など、さまざまな要因が相重なって、厄介なボトルネックができてしまう。時には、仕様、数量、納期など顧客のジョブに関する情報が、複数の情報元から流れてきて、矛盾が生じることさえもある。オーダーは、ウェブ上のショップや、フォーマットなどオンラインで流れてくることもあり、営業担当者やカスタマーサポート担当者などからオフラインで流れても来る。その他、あらゆる方法が存在するからだ。InfoTrendsの調査によると、いま印刷会社を一番悩ませているのは、世界的にワークフローのボトルネックだという。例えば、欧州の印刷会社の28%が顧客による入稿が大きなボトルネックになっているという。米国はもっとひどく、50%が小ロットのオーダー入稿処理で困っているのだ。
ひとつのシステムに流れてくる多様な情報をいかに統一するかが課題である。それを解決するための最もよい選択肢はプリントMISだろう。朗報は、プリントMISソリューションは、幅広い価格帯で提供されていて、あらゆる印刷会社が導入できることだ。
ワークフローのボトルネックは、印刷会社にとって最も大きな課題。とくに入稿にまつわる課題解決は待ったなしだ。そして、大きなトレンドと予想されるスマートプリント製造(SPM)やマスカスタマイゼーションへの対応も重要だ。ソフトウェアベンダーは、これらの課題の取り組みでお手伝いすることができるだろう。
コミュニケーションの世界は日進月歩で、留まるところを知らない。スピード、コスト、そしてターゲティングで、印刷コミュニケーションは、ネットチャネルと競争しなくてはならない。我々は新たな産業革命の最中にあり、印刷製造を再定義して、よりスマートなものにしなくてはならないのだ。
スマートプリント製造(SPM)を始めるには、まず顧客対応、ジョブの入稿、生産リソースなどの合理化への取り組みが必要だ。稼働率と実行時間を最大限にしながら、生産非効率やエラーなどを最小限、または削減しなくてはならない。SPMは従来の製造手法に、IoT、データ分析、ロボティクスなどの新工場技術を掛け合わせたもの。これらの技術を活用して印刷生産工程のあらゆる工程を最適化する。印刷会社の大小に関わらず、マスカスタマイゼーションに対応するために、印刷生産を自動化する独自のSPMに備え、計画を立て、実行しなくてはならないだろう。
マスカスタマイセーションの定義は、生産コストの安い大量生産手法を用いながら、カスタム製品のパーソナル化やデザインの選択に柔軟性をもたらすことである。印刷業界にとって、これはエンドユーザーと顧客があらかじめカタログ化された製品から選択、カスタム化、そしてパーソナル化できるようにすることだ。そして、それをコスト効率がよく高度に自動化された製造方法を活用することを意味する。今日、マスカスタマイゼーションのほとんどは、グローバルな発想を持つごく一握りのネット印刷会社によって提供されている。
まとめ
スマートプリント製造(SPM)やマスカスタマイゼーションのトレンドの到来を信じようが信じまいが、高度に自動化された生産プラットフォームが拡大するにつれて、競争が激化していく現実は間逃れない。
機械、ソフトウェア、ワークフローなど印刷会社の生産プラットフォームの見直しを怠ってはいけない。次に来る新しい現実に備えるために、まずは入稿のボトルネックの問題を解決すべきであろう。
By:WhatTheyThink Staff
Published:2018年1月11日
原文:It's Time to Evaluate Your Production Workflow Platform
翻訳協力:Mitchell Shinozaki
新着トピックス
-
FFGS、潜在ニーズ発見と技術検証の場として機能[Solution Design Lab.]
2024年12月23日 企業・経営
-
竹田印刷、多様な個性をかたちに〜アール・ブリュット作品を世界に発信
2024年12月6日 企業・経営
-
奥村印刷、新たな価値を紙に付加〜「折り紙食器 beak」でIPA2024に入賞
2024年11月20日 企業・経営
-
富士フイルム、TOKYO PACKでブランドオーナーにデジタル印刷活用促す
2024年11月15日 マーケティング
-
価値協創で新たな潮流|エイエイピー、Jet Press 750Sが新たなステージへ
2024年11月13日 企業・経営
新着ニュース
SNSランキング
- 41sharesローランドDG、UVプリンターが紙器パッケージ製作に対応
- 39sharesSCREEN、Hunkeler Innovationdaysでインクジェットと後加工機の連携披露
- 39sharesミマキ、印刷脱色技術実用化でタペストリーのアップサイクル実現
- 38sharesKOMORI、241名が来場した新春特別内覧会のデモ動画(Impremia IS29s」公開
- 36sharesエプソン、使いやすさと安定稼働を両立したエプソン初のDTF専用プリンター発売
- 33sharesFFGS、潜在ニーズ発見と技術検証の場として機能[Solution Design Lab.]
- 29sharesKOMORI、インクジェット印刷機とデジタル加飾機の連携披露
- 25shares富士フイルムBI、デジタル印刷作品のコンテスト「IPA」の作品募集開始
- 25sharesSCREEN GA、高速連帳IJの次世代モデル「Truepress JET 520NX AD」発売
- 25shares富士フイルムBI、1パス5色印刷を可能にしたミドルレンジモデルを発売