総合パッケージング企業の(株)ケイジパック(本社/京都市南区吉祥院内河原町10、八木修二社長)は、アグフアの多機能ワイドフォーマットUVインクジェットプリンタ「アナプルナ H 2050i LED」を導入し、創業以来培ってきた「瞬発力」を武器に、「パッケージ+サイン・ディスプレイ」という新たな事業モデル構築に乗り出している。今回、「営業力」および「設計・デザイン力」を駆使した同社の新たな試みを取材した。
「同業他社が嫌がる仕事を率先して引き受ける」
同社の創業はバブル経済が終焉を迎えつつあった1990年。ダンボールケースの製造販売業として産声をあげた同社は、その後、包装・物流資材へとその事業領域を拡大。京都をはじめ、滋賀、福井、大阪、奈良を商圏に、地域に根ざした総合パッケージング会社として知られる存在だ。
同社の最大の強みは、小ロットでも短納期対応を可能にする「瞬発力」にある。「同業他社が嫌がる仕事を率先して引き受ける。そこに商機がある」という創業以来の企業理念を実践することで培ってきたこの「瞬発力」は、大手企業から街の店舗まで幅広いクライアントに評価され、その「実績」を「信頼」へと繋げてきた。八木社長は「小ロット・短納期対応は、いまでは当たり前かもしれないが、創業当時から30年間にわたってそこにこだわり、特化してきた当社は唯一無二の存在だと自負している」と語る。
そんな同社がインクジェットビジネスを手掛けるきっかけとなったのも、やはり「小ロット・多品種」へのニーズの高まりだった。その傾向は、従来の外注先企業では対応できないレベルになっていた。
そこで同社は、その仕事を内製化することを決断。当時、この業界ではまだまだ黎明期だったと言えるインクジェット技術の可能性に着目していた同社は、中古のフラットベッドUVインクジェットプリンタをはじめ、カッティングマシン、CADソフトを導入し、その製造工程を内製化するとともに、「木型・刷版代不要の小ロット短納期サービス」という触れ込みで、インクジェットビジネスを立ち上げた。8年前にスタートしたこの事業は、「同業他社が嫌がる仕事を率先して引き受ける」という同社のDNAを引き継いだもので、同社がこだわり続ける「瞬発力」をさらに加速させる大きな転換期となった。
その後、プリンタメーカーからの紹介でサイン・ディスプレイ関連の仕事も手掛けるようになるが、インクジェット技術は日進月歩で進化していく。品質、解像度、印刷スピードといったあらゆる面で陳腐化・老朽化していく既設機。そして設備更新の必要性を決定づけたのが消耗品・部品の供給が不安定になったことだった。
そこで新たなインクジェットプリンタの機種選択に入った同社では、やはりその第一条件を「アフターサービスと安定供給」に定めた。もちろん、品質や生産性は絶対条件として数社のプリンタでテスト検証を実施。結果、同社の条件をすべてクリアしたのがアグフアのワイドフォーマットUVインクジェットプリンタ「アナプルナ H 2050i LED」だった。
同社では、プリンタ更新を機に、本社から数十メートルの場所にサイン・ディスプレイに特化した専用工場を新たに建設。新工場には、印刷ルーム、作業場、倉庫、ショールーム、デザインルームを配し、生産機としてアナプルナをはじめカッティングマシン、ラミネーターを設備。6月1日から本格稼働に入っている。
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